• 新常態ー中国が直面する6つのボトルネック(1・2)

    by  • May 17, 2015 • 日文文章 • 2 Comments

    何清漣

    2015年5月9日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/UHlic
    本文は私が5月3日にバンクーバーで公開講演したものです。世界華人週刊が5月7日に掲載した「国際新メディア共同組織主席記者・萧元凯による「何清漣・新常態下の政治経済包囲突破」の記事が間違いだらけで、特に書き起こしました。バンクーバー都市報(シンガポール日報傘下)の記者・董清霞が同じ講演で書いた「何清漣;仔細な数字が中国の未来の6大ボトルネックに影響する」が基本的には(いくつかの鋭い批判を落としていますが)基本的には原意に近いものでこの文を書いた理由がわかるとおもいます。
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    本日、バンクーバーという美しい場所にお招きいただいて主催者に感謝するとともに、バンクーバーの中国領事館が私のような”反革命分子”がこうして公開講演をすることを我慢してくださったことに感謝したいとおもいます。と申しますのも、米国のニューヨークでは私の公開講演は事実上不可能なのです。ニューヨークの中国領事館は私がどこかの大学で講演するときくやすぐさま邪魔しようとします。たとえばペンシルバニア大学では二度、講演を阻止され、中国留学生の学生会のトップまでやめさせられる始末でした。

    今日の講演テーマは「中国経済発展が直面する6つのボトルネック」です。みなさんのために中国経済の実態を総括検討し、この六つのボトルネックを突破できるかどうか、中国の未来とどう関係するかについてお話しいたしましょう。

    まず最初に結構なニュースを。2014年から中国はすでに世界のGDP総額で10兆ドルクラブに加入しました。このクラブのメンバーはたった二国しかなく、ひとつは米国、もうひとつが中国です。ただ、中国政府はどうもこれを喜んではおらず、GDP総額が日本を抜いたあのとしから、ずっとこの「世界第二位」の地位を遠慮して固辞し「これは国際勢力が誇大に評価した陰謀だ」と言っていますね。でも事実上、世界銀行とIMFの統計は中国国家統計局のデータをもとにして、さらに購買力平価法で計算したものですから、つまり自分でデータを水増しした結果、このようになったわけで、他人様に文句は言えないのです。

    ★第一のボトルネック;中国は世界の工場の地位から転落し、復帰は絶望。産業構造再調整は極めて困難✴︎

    中国という「世界の工場」は2001~2010年まで光り輝いていましたが、いまやついに取り返しのつかないほどの衰亡ぶりです。最新の報道では世界の工場からの主要工場の東莞脱出、工場閉鎖が第二の波となっているといわれ、去年一年あまりに4000の企業が閉鎖となりました。この衰亡への曲がり角は2008年です。2008年から12年までの公開データでは東莞では72000の企業が閉鎖されました。いま、労働集約型を特徴とする東莞の企業の大量閉鎖は生態環境と労働者の生命を元手とする中国経済の成長モデルがついに行き詰まったという指標です。

    これ以前には中国経済の成長は三頭立ての馬、つまり投資、外国貿易、内需で牽引されていたのですが、いまではこの三頭とも息も絶え絶えで、今年の最初の3月間の外国貿易は前年比15%減でありもはや外国貿易という馬が中国経済成長を引っ張れず、別にさがさなければならないということです。過去二十数年来、不動産業界が中国経済成長のトップ産業でしたが高度にバブル化した不動産業界も停滞に陥っており、政府も企業もなんとか滑りおちるのを支えようとしてはいますが、しかし不動産業の上流・下流の数十にのぼる産業は却って全面的な生産力過剰です。

    たとえば、鉄鋼業、セメント産業の生産過剰は約3割、比較的距離のある床板、家具、紡績なども深刻な生産能力過剰です。こうした産業の生産能力過剰機器は「中国経済の核爆弾」ともいわれ核爆弾と同様にいつ経済危機に引火爆発するかわかりません。ですから、中国は現在「二つのシルクロード計画」を必要として、アジア投資銀行をつくって、外国にこの生産過剰を輸出したいのです。でも、これは別のテーマですから、今日はこの計画が成功する可能性は比較的低い。なぜならこの計画にはいっている数十の国家は大部分が主権の信用がよろしからぬ国々であり、中国とパキスタンなど国際協力に別の(*政治的、地政学的な)目的がある場合をのぞいて、中国の他の国々への投資はお金が無駄になるだけだとおもう、とだけいっておきます。

    以上の問題は中国経済の構造調整は望みがない、ということです。いわゆる経済構造の調整というのは政府が調整したいからといって、そのとおりにできるというものではありません。かつて2005年に広東省が「籠の中の鳥」を取り替えようと、堂々集約型産業を淘汰して、ハイテク集中型産業を導入しようとしましたが、結果は鳥かごは空っぽになって、古い鳥は飛び去り、新しい鳥は飛んできませんでした。現在、珠光デルタ地帯の産業は空洞化しています。

    ★第二のボトルネック;膨大な失業者の大群✴︎

    中国は世界第一の人口大国で失業問題は中国の頭上に一本の糸でぶら下がっているかのダモクレスの剣です。文革当時、私は十数歳でしたが、中国にはもう深刻な失業問題があり就職は困難でした。当時、都市住民は無理やり「山に登り、田舎に行く」ことを強制されて、従業員募集や軍隊にはいれたらましなほうでした。改革開放後、中国が世界の工場になった輝いていた時代にもやはり大量の失業人口は存在しました。たとえば農村の過剰労働力は一億をこえていました。現在、世界の工場の地位から滑り落ちて、失業問題はさらに深刻さをましています。

    長い間中国政府の発表する都市の失業率はすべて4.5%以下になっていますが、このデータは中国の失業の真実を説明できていません。第一にデータは都市の政府部門の登記された人口だけで登記外の人口は入っていません。第二には都市登記失業率は農村の失業者を除外していますが、その農村の過剰労働力は相当に膨大なもので、このふたつを除いた統計データというのはもともと穴だらけなのです

    現在、中国の失業者の大群は4つの層からなっています。ひとつは農村の過剰労働力、「世界の工場」が倒産したために大量の農民が帰郷し失業状況は深刻です。ふたつには外資系のホワイトカラーですが、外資大量撤退でもとは結構な給料をもらっていたホワイトカラーが失業しています。三番目は大学生で、大学生に就職証明書があってはじめて卒業証書を出すために、学生は両親や親戚に頼んで偽の就業証明を発行してもらいますから学校が提供する就業率というのは完全に意味を失っております。4番目は都市の中学・高校を卒業して長期に家にいる「待業青年」たちです。中国のメディアでは「臑齧り族」とよばれています。

    では中国の失業者はどのぐらいなのか?ふたつのデータが参考になります。温家宝前総理は2010年3月に中国発展ハイレベル論壇に出席したとき公開した中国失業人口は2億、という数字。もうひとつはもと世界銀行副頭取の林毅夫の提供したもので、今年の1月に2015ダボス会議で述べた労働費上昇で中国は1.24億人の製造業の職場が他の発展途上国に移ってしまった、というものです。現在、中国の労働年齢人口は9.4億人で、一旦失業人口が3億ともなれば真実の失業率は32%になります。こんなに多くの人々が仕事がないのでは、「パンの契約」は効果がない、と云えます。

    誰もが知っている通り、中国は専制独裁国家であり、「パンの契約」の意味は選挙権や言論、集会、結社の自由などがないかわりに、庶民にちゃんと飯をくわせるということで交換されている、ということです。いまやこれほど多くの人々が失業しているということは一般の人々は権利をえることもなく、パンも得られないということです。いかなる国家もこのような高い比率の失業人口に直面したことはなく、大変頭の痛い問題です。

    ★第三のボトルネック;資源危機の深刻さと高度の対外依存✴︎

    中国の環境汚染は立体化しています。つまり水も、土地も、空気も全面的に深刻な汚染です。この方面の資料は多いので時間の関係で省きます。ただ中国経済の発展は厳しい資源的な拘束によって、生産原料で様々に破綻しており、さらに生活の糧である食料でも中国の対外依存ぶりは深刻です。石油は「経済の血液」といわれますが、中国はその6割以上を輸入に頼っており、鉄、銅、亜鉛などの各種金属鉱石の対外依存度も比較的高く、いちいち数字はあげませんが、ひとことでいえば中国経済の安全は対外的要素に依存しています。

    「民は食をもって天と為す」といいますが、食料も中国の農業人口は6割もいるにもかかわらず、自給率は2014年に87%に下がっています。三大食料の大豆、トウモロコシ、コムギはみな輸入に頼っています。土地汚染による食料汚染のことは別にしても、量的な問題だけでも中国の2億人の人口の食料は輸入に頼っているのです。これは中国の食料か各区と国際市場価格の波が連動することであり、もし天災人災がおこれば、たとえば戦争などで食料生産国が原産したら中国の食料価格は急騰するでしょう。

    食料対外依存の不安定さは20年以上前に米国の生態環境学者ブラウンが「誰が中国を食わせるのか?」という本で中国に食料問題に警鐘を鳴らしましたが、中国はこの研究を「反中華勢力が中国に泥を塗る陰謀」として「中国脅威論」だと大々的に何年も批判を繰り広げました。ここ数年、やっと食料の安全が問題となりブラウンに対する態度をかえて、中国で講演させましたが、結局やはりその観点を受け入れることはできず、また熱が冷めました。ブラウンという学者に対する温度変化は中国で真実を語ることの難しさを示しています。

    カナダは資源大国で、水資源は特に豊富です。ここにおられるビジネスマンの方々は「雨の降らぬ前に傘を用意する」ようにこうした産業に投資なされば中国はいつかある日、そうした資源を輸入するでしょう。

    ★第四のボトルネック;地方政府の泥沼債務*

    地方債務の財政危機は地方財政危機を引き起こしかねず、これは中央政府のひどい頭痛のタネです。中国の債務総額の規模は一昨年の外国投資銀行の推計では中国GDP総量の168%に達しており(これは原稿執筆時。マッケンジーの5月8日の最新報告ではすでに282%)ます。その中のほんの一部が個人債務で大部分は政府と企業債務です。

    その中で地方政府の債務はトップで、約20兆。これは以前上部に報告されていた18兆はわざと官僚が実績を上げるために少なくしていたものです。国家発展開発委員会の李鉄によれば地方債務の報告の18兆、というのは実際の債務の半分にも満たない数字だということで、かれらが地方調査研究で十数の都市に行ったとき、地方が報告したのはその1割や2、3割で5割を超えたのはまずなかったそうです。

    ですから、この18兆という数字は実際の債務額の3割から5割でしょう。これに対して中央政府も2014年に「43号文書」を出して、地方政府に2015年1月5日前に債務の実態を報告せよとして中央政府が金をだして地方政府の債務償還をしてやる、とほのめかしました。これで出世に響くとおもってできるだけ少ない額を報告していた地方政府は希望を見出して”誠実”に報告したため地方債務はビッグバンのように膨れ上がりました。財政部はこれらの数字にせっかく発揮しようとした「父親の愛」はとても実際には無理だとわかって、今年の1月下旬に再度、文書で「不合格だ」としてもう一度、やはり元の20兆程度にした数字にしました。現在の方法は地方政府が報告した20兆の債務の一部を中央政府が払って、一部はマーケットにもたせて、残りを地方政府、省政府に負担させることです。

    最後にわかりやすくいいますと、もし地方政府が借金を踏み倒してもし集団騒動がおきても、省ではちょっとばかりの補償金をはらって事態を”平穏化”させるぐらいしか手がありません。というのは地方政府というのは土地以外に、別に財を生む手段を持っていないのです。この巨大な債務の泥沼は中央政府が頭を痛めるわけです。

    ★第五のボトルネックは金融危機*

    金融危機の原因となる要素は債務危機以外に、現在高まりつつある不良債権と通貨発行超過が生み出す巨大な流動性の過剰があります。まず銀行の不良債務からお話しましょう。現在みられるのは解放改革以来、不動産業のでたらめな勘定が引き起こした第三回目の不良債務の頂点です。

    第一次は朱鎔基時代で1998年にはじまり、中国政府は最初、1700億米ドルを切り離すのに6年以上の時間をかけました。しかし、古い不良債務を整理したらさらに多くの新しい不良債務が生まれてしまい中国銀行が海外で株を上場するのに大きな障害となりました。で、「賢しこいアイデア」をひねり出し4つの国有資産管理会社をつくりだし、こうした不良資産を隔離して帳面を合わせ、銀行の収支に悪影響を与えないようにしました。そしてその一部の不良資産はまとめて外国の投資会社に売り付けました。

    外国投資会社がなぜそんなものを買ったのか?それは当時、彼らにとて中国の金融システムというのは謎に包まれており、そのような不良資産を購入することによって中国金融の仕組みを探っていたのです。

    第二次の危機は温家宝時代で銀行の不良資産は8000億ドル以上になりました。米国で上場するためには米国証券市場の2002年7月に決まったSOX法案の規定をクリアしないとダメですから、中国は仕方なく米国の評判の高い評価機構、アーンスト・アンド・ヤング、プライスウォーターハウスクーパースなどの会計監査の助けを借りました。当時、米国証券監査会の主席はベテランで中国には好意的ではない政治家のコックスで大変厳しいものでした。で、米国の監査法人は中国の銀行のシステムはあまりにもひどすぎて、このままでは通過は困難とみてこれらの銀行はウォール街より香港で上場したほうがいいとアドバイスしました。また中国は十数の銀行、スイス銀行、シティバンク、バンカメ。シンガポールのテマセク・ホールディングスなどを招いて「戦略的投資者」にし、一定期間後には退出できるとしました。で、こうした銀行との合作を装って中国の四大銀行は香港と中国のA株市場で上場を果たし、株は大変な売れ行きをみせました。こうした巨大戦艦級の株が上場され、それはA株の市価の半ば以上をしめたほどで、多くの資金を集めました。しかし、外国銀行もしっかり荒稼ぎをしたあとの2007年、次々に中国から去って行きました。

    中国政府が銀行の不良資産を処理するやり口のすごさは外国の同業者を唖然とさせるほどのものでした。2008年、米国金融危機に欧州各国の銀行も大変対応に苦労し、米国事態も最後には百年来のリーマンブラザーズを破産させるしかありませんでした。これに対してウォール街ジャーナルは「中共党支部をウォール街につくればいい」という皮肉な一文を掲載して、「資産管理会社を作って不良資産をそっちに移動させ銀行とその会社の間の借金関係にして、帳簿上で何度か転がしたら、跡形もなくそんなものは消えてしまうから」と書きました。

    中国の通貨過剰発行の問題についてもお話しておきましょう。この30年来の中国の経済成長の重要な手段というのは通貨の超過発行です。ここ数年は中国は世界最大の貨幣印刷マシンとなっています。2003年から2013年の10年間に基本通貨は88兆元増え、外貨資産は3.4兆米ドル増えました。投資の盛んな時期には超過発行のマイナス面ははっきりは見えません。この二年ほど投資が減速してその結果、国内貯蓄が増えて、遊動資産が増え、流動性の過剰さが増しました。これを帳消しにする手段は極めて限られており、中国金融の後ろ暗さをしっかり承知している中央銀行の周小川総裁はついにこれを相殺する方法を考え出しました。

    それが2010年11月の経済サミットで提起した「池理論」で、そのあらましは短期の投機的資金、ホットマネーの流入に対応するためにしっかりと防波堤を築く必要があり、すでに国内に流入したホットマネーには”遊水池”をつくる、というものです。周のいう『池』とはなにか?それは分かりやすく言うと不動産を池にして流動性を囲い込むというものです。

    それが中国の不動産価格がどんどん上がりっぱなしになって世界一になった理由です。誰かがかつて北京の不動産価格だけでアメリカ全土まるごと購入できる、と皮肉ったものでしたいまや不動産業がダメになり、株式市場が「遊水地」となり、流動性を囲い込もうとしていますが、一旦株価が下落すれば市場価値は蒸発してしまい、流動性は大々的に減ります。

    中国はかくも大量の通貨を発行していますが、基本的な生活用品でみればインフレ率は高くないようです。その原因は消費物価指数には不動産ははいってないからです。米国ではいれてます。もしそのようにしたなら中国のインフレ率は相当高くなるでしょう。現在、不動産市場は下落しているので、株式市場を「池」にして、株価の急騰暴騰は暫時、金融危機を解消します。

    このやり方は国民党末期の金円券制度(*http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E5%86%86%E5%88%B8)よりカシコいものです。国民党の金元券は強奪に近いもので、国民党は政治的大失敗となっって、軍事的失敗と同時に財政が崩壊してしまいました。

    しかし株式市場には株をやりたい市民が自ら望んで参加するわけですから、失敗したところで誰かを恨むわけにもいかないのです。しかし、数年前に「瞭望东方周刊」が「紅色経済学者・冀朝鼎」で明らかにしたように、宋子文(国民党の財政責任者。かの宋家三姉妹の一族)にこの”制度改革”をすすめた冀朝鼎は周恩来と通じて、肝心のときのこの誤った政策をとらせ国民党政府の崩壊を早めたのでした。

    西側の金融業の見方からすれば自らの危機を転嫁させるような周小川は落第もいいところですが、中国の政府からみれば素晴らしいプロなのです。3期に渡って中央銀行の頭取をつとめ、何度と金融危機を乗り切って、危機に際してはその到来を遅らせたのですから。今後はどうか、といえばそれは彼の運次第ということでしょう。

    ★第6のボトルネック;富の分配の深刻な不公平と貧富の差の拡大*

    この20数年にわたって中共権力貴族層は公共財と民の財を誰憚らず略奪してきたために、貧富の差富の偏在は際立ったものになりました。これについてはみなさんもよく感じておられるとおもいますので、ここではひとつだけデータをあげておきます。北京大学の中国社会調査センターがだした「中国民生発展報告2014」のいくつかの数字です。

    2012年中国の家庭の財産のジニ係数は0.73で、頂点の1%の家庭が全国の三分の一以上の財産を占有し、底辺の25%の家庭の財産は総量のわずか1%前後でした。このような富の角の偏在、高いジニ係数は世界中を見渡しても中国しかありません。アフリカの最貧国であるジンバブエでもこのようなひどい状態ではありません。ですから中国の低収入階層というのは貧民であり、人口の6割をしめており貧乏人の多すぎる社会であり、社会的に上昇していこうにもパイプがないという社会ですから、不安定要因に満ち満ちた社会なのです。

    民主国家であればこれまでにあげた6つのボトルネックの3つもあれば、政権は崩壊し内閣は辞職ものです。しかし中国の専制政治とコントロールは依然として盤石の統治ぶりです。

    とはいえ、こうした問題はいつかは解決されなければならず、長い間ずっとこのままでいくわけにはまいりません。人類の社会はこうした社会危機を解決する方法は大きくいって三つです。ひとつはマルクス主義、すなわち暴力革命で政権をひっくり返すわけです。

    1949年以前、中国はこの手の革命をおこないました。農民一揆と共産革命です。二番目は帝国主義的な、資本主義経済の危機にあたって、戦争によって対外的な拡張でもって国内の危機を乗り切るやりかたです。第三はケインズ方式で、国家の関与を強め、税収をたかめて赤字財政によって投資を刺激し、就職口を生み出し国民の購買力をたかめて資本主義の生産過剰の危機を解決するやりかたです。中国政府は事実上計画経済のもとで政府のコントロールとケインズ方式を一緒にしているのですがみなさんもご存知の通り効果は芳しくありません。

    未来の中国がどの方式を用いて危機を解決するのか?その問題はみなさんが考えてください。帝国主義方式とケインズ方式にくらべて、中国では政府のイデオロギーでも民間の価値観からいっても第一のマルクス主義にもっとも近いものです。マルクス主義の中国に似たような状況にたいする説明は大変簡単でありまして、一切の危機この根源は絶対多数の人民が搾取を受け、収入が低すぎるのは少数の特権階級が搾取収奪によって社会の富の大部分を占有しているからです。

    ですから私たちは中国の制度のやりかた、文化的土壌、政府のイデオロギーと人民の考え方や習慣に基づいて中国がこの苦境をぬけだす有効な方法はなにか、ということをともに考えることができるでしょう。ご静聴ありがとうございました。(終)

    拙訳御免。なお、このバンクーバーでの講演の聴衆は主に現地の華僑や中国ビジネス関係者、報道関係者だったそうです。
    何清漣氏の原文は;http://www.voachinese.com/content/heqinglian-blog-china-economy-20150508/2760847.html http://www.voachinese.com/content/heqinglian-blog-china-economy-part2-20150509/2761746.html
    何清漣氏のこれまでの論考日本語訳は;http://heqinglian.net/japanese/

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