• 黄粱一炊の夢醒めてー中国は世界経済を救うノアの箱船ではない

    by  • September 5, 2015 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2015年8月27日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/D7Sic

    最近、国際社会は中国経済全体に対して「なんかダメじゃん」とみてますが、この「ダメぽ」はこれまでの「イイじゃん」に比べると万里の隔たりです。例えばソロスは「中国経済の衰退は第三次世界大戦を招きかねない」、ニュージーランドの財務相は「もし中国経済がハードランティングしたらニュージーランドは大変な危険になる」と。ただ「ダメぽ」になった原因については意見はいろいろで、反腐敗キャンペーンが政局を不安定にして経済を衰退させた、とか、中国政府が株式市場に介入したことがそのまま経済危機につながったとか色々な説があります。こうした評論はほとんど「中国経済の体質からして繁栄がいつまでも続けられないことは決まりきったことであり、もともと中国は世界経済を救えるノアの箱船などではない」、ということをまともに考えてこなかったのです。

    ★世界中が「中国が財布の紐を緩める」ことを期待している

    すくなからぬ中国人が中国の失業者の増大、中産階級の生活の日増しに強まる困難の中で指導者たちの吹く「中国ドリーム」の幻想が消えゆくのを嘲笑っているのですが、彼らは国際社会がまったく別の「中国ドリーム」、すなわち、中国政府が銭袋を緩めて自国に投資してくれて経済成長を促し、雇用を生んでくれる」ことを期待しているということまでは思い至りません。

    この”ドリーム”は幻想でもあり、一面、真実でもあります。中国のように、30年にわたって年平均10%の国民収入の増加を続け、数億人の中国人を貧困から脱出させ一文無しから世界第二の経済大国になり、世界のGDPの15%、全世界のGDP成長率の25%を担うなどという国はこれまで世界になかったのです。当然、すくなからぬ国々の為政者は「中国が世界に冠たる4兆ドルの外貨準備を、ちょっと自国に分けてくれるといいな」といつも願っています。

    そして中国政府は確かに銭袋の口を開いて大規模投資を今、行っています。「2013年度中国対外直接投資統計公報」によれば2013年度末までに1.5300の国内投資家が184か国と地域に対して2.5400社の対外直接投資企業を設立しています。国連の貿易と発展会議のデータによれば、2013年に中国はすでに米国の3383億、日本の1357億に次ぐ世界第三の対外投資国です。投資業界では、2014年の中国の海外投資は日本に並ぶか、日本を抜くだろうということが言われています。

    中国の海外投資は豊かな国へも貧しい国へも同様におこなわれていることは投資企業の分布をみてもわかります。累計5153億米ドルの直接投資でも、累計3551億米ドルの建設工事プロジェクトでもエネルギー関係が5割に近い比重を占め、金属鉱業も直接投資の主要目標です。また海外のプロジェクトのもうひとつの重点は山を貫き、川に橋梁をかけるといった交通関係です。これらはすべて発展途上国にとっては慈雨のごときものです。というのは中国はインフラ建設では比較的な優位性をもっており、中国の投資を呼び込むことは現地のインフラ整備を改善する条件であるとともに、雇用も生み出すからです。

    米、英、独の三ヶ国は近年の中国投資が最も成長している国家です。2007年から2013年に中国の対米直接投資は14倍も増えました。現在、米国の50州で35州に中国からの投資がありNY、カリフォルニア、テキサス州はその三大投資先です。投資先は広範にわたり、エネルギー、不動産、製造業、金融、サービス、除法、電子、バイオテクノロジー、緑化プロジェクトなど多くの領域にわたり、米国に8万以上の雇用を生み出しています。

    独も中国お気に入りの投資先です。2012年ドイツのだけで中国の対欧州FDIプロジェクトの38%をしめ、はるかに英の22%、仏の5%を抜いています。ドイツの外国貿易と投資に関するデータでは中国が2013年にドイツでの直接投資プロジェクトは139に達し、米国とスイスに次ぐものです。ドイツのDas Statistik-Portalke Nextのサイトのデータでは2014年末までに中国はドイツで2500の企業を設立して、ドイツ国内に12000の雇用を生み出しています。

    投資業界も中国市場からの収入が少なからずあります。2014年、中国市場からの収入は新記録のの60億米ドルでした。これは米国や欧州連合よりは少ないのですが、しかし、中国をのぞいて世界のどこにこんな『成長する巨大なケーキ』があるでしょう?ましてや米国とドイツの研究機関が連合して予測した「2020年、中国は世界最大の多国籍投資者となり、中国の全世界のオフショア資産は現在の3倍になる。つまり現在の6.4兆ドルが20兆ドル近くなる。中国はすでに重要な世界的投資者であり、今後の10年に世界の直接外国投資の成長に最も重要な原動力となる」というのです。

    期待が高まれば高まるほど、失望もまた大きくなります。中国経済の衰退は世界を慌てさせていますが、それは中国という”救助隊”に寄せる期待が高すぎたからなのです。

    ★北京は”救助隊”になたいが、その力がないのが本当のところ。

    中国政府の願いとしては確かに世界の第二の経済強国になりたくてしょうがないのです。でも願いはいつも叶えられるわけではありません。とりわけ習近平・李克强は前任の胡錦濤・温家宝のような幸運には恵まれていないのです。政権を引き継いだ時、すでに土地、河川、湖沼、空気が立体汚染され、中国経済発展を30年間にわたって支えてきた「三頭立ての馬車」も気息奄々で、毎日2ドル以下で暮らす人口が7億に近い(アジア投資銀行はかつて毎日の消費額が2ドルの人々を中国の中産階級、としました)をかかえ、習近平たちは意あって力不足なのです。これはすでに「黄金の10年が残した経済遺産」(2012年10月)で詳しく分析しました。

    21世紀は中国の世紀になる、といっているアナリストたちが終始、目を背ける事実があります。それは;一国が経済発展を持続させるためには二つの状況が必要で、例えば米国やカナダのように資源の上で極めて優位にあることで、政府と国民は資源節約の意識を持ち、かつ先進的な産業システムを持つこと。二つ目は現在の米国や第二次大戦前の英国のような先進的技術面での優位性です。英国と中国はどちらも「世界の工場」と呼ばれましたが、英国が世界の工場だったときは工業革命がもたらした技術の優位が支えていました。中国という世界の工場はその能力でいえば世界の工場の組立部門でしかなく昔日の英国と同日の談ではありません。一旦土地と労働力のコストが廉価でなくなれば、国際資本は別のもっと安上がりの場所を探します。2009年国際資本が中国から転出しただけで、中国経済の衰退ははじまりました。それ以来、中国経済は退勢を挽回できていません。中国政府は4兆元でマーケットを救おうと不動産とインフラ投資を助けましたが、退勢を一時的に緩和しただけで、いまだにその流れを逆転させることはできていません。

    私は長年にわたって「世界の工場の労働者の現状」「五輪の狂奔が終わらないうちに経済危機が明らかに」「2009年;中国経済衰退の”オオカミが来た”」などでこの観点を繰り返し強調してまいりました。

    いま、重ねていうならば;中国が世界の工場であった輝きは完全にコストの優位に依存していました、つまり土地と労働力です。”経済発展”を支えるためには後のことはしったことか、となりふりかまわず自国の資源である水源、土地、空気の基本生活資源を深刻なまでに汚染させてしまいました。鉱産資源も消耗しつくしました。国家発展改革委員会の統計では現在中国の共有資源型都市(*自然資源に恵まれた加工型産業のある都市)は118で、全国の都市の18%を占め、総人口は1.54億人です。このほかに中国西部と西北部の省の分では、2005年からはやくも1.8億人の生態難民が生じています。(環境副部長・潘岳があきらかにしたデータ)。

    中国が海外投資する資金があるわけは、中国がガンガン紙幣印刷機を回しているからあって、世界第一の貨幣印刷国の名にしおうものだからです。2013年1月、中国21世紀ネットが全世界の中央銀行の2008年から2012年のM2(*通貨量に金融資産。定期性預金を含めたもの)データの統計から得た結論は;2009年以後、中国の中央銀行の貨幣供給量は日本、米国を超え、世界最大の貨幣印刷機であり、2012年には全世界の貨幣供給増加分26兆人民元のうち中国は半分を占めました。

    21世紀ネットのこの統計は他の計算とも合致します。この30年間の中国経済成長のその重要な手段のひとつは貨幣の超過発行で、2003年から2013年の10年間、基礎貨幣増加は88兆人民元、外貨資産の増加は3.4兆米ドルで、主要な財源は新たに増刷した紙幣を注ぎ込んだのでした。中国の金保有準備高は外貨準備の1.1%にすぎません。つまり中国の貨幣の金含有量は少なすぎるのです。

    中国が海外投資に使っている資金は主に外貨準備からです。ですから、もしIMFが愚かにも中国をSDRの「通貨バスケット」に加えるようなことをして、人民元を次第に国際的なハードカレンシーとするならば、各国は中国投資を歓迎すると同時に、おそらく中国の貨幣発行乱発の結果も引き受けなければならなくなるでしょう。

    現在、こうした中国の膨大な外貨準備高を常に気にかけている人々にはよろしくないニュースですが、この中国の羨望される外貨保有高は現在下降しており、2014年6月の4兆米ドルから今年7月には3.65兆米ドルに下がっています。

    ★中国経済の長期衰退はいま始まったばかり

    中国の対外開放約40年、2008年以前は発展した国家は中国が彼らのための投資先として貴重な、そして自分たちの最大のマーケットになることを願っていました。しかし、結果として投資環境は思ったようにならないことを発見して相次いで撤退していきました。と同時に、中国の質のわるい商品は世界に販売され、多くの国家で「メイドインチャイナ」への信頼を失いました。

    2008年以後、世界各国はリーマンショックによる金融危機の打撃をうけ、みな中国が「世界経済の救世主」となることを期待しました。こうした希望をもっていた人々は中国によって救われる国々の欧州連合やニュージーランド、南アフリカなどの国民は中国の大多数の人々より豊かだということを見ようとはしないで、8億人以上が1日2ドル以下で暮らしている、水、土、空が厳重に汚染され、人民が基本的に福祉がない国家が世界経済を”救う”ことを期待したわけです。

    このバカバカしい「中国の廉価資本が世界に湧き出ていく」を代表として、「我らは第3代のブレトン=ウッズシステムを必要としており、今回は中国が資本を提供し、米国がその大部分を吸収し、そして共同で地球規模の経済成長を促進する」(ウォールストリートジャーナル 2015年1月22日)とまあ、こんなことを言っていました。

    いわゆるBRICs (ブラジル、ロシア、インド、中国)、新興経済体国家、G2(中米両国が一つのグループとなって旧8か国にかわって、手を取り合って世界経済の問題を解決する)といった概念はあとからあとから出てきて、国際社会の仇なる望みを担っては、がっかりさせてきました。2009年以後、ブラジル、トルコ、南アフリカ、ロシアと中国の経済関係を発展させ、「中国の列車に乗り遅れないようにして、経済発展の高速道路にのっかろう」としてきました。

    人類の悲劇を予言するのは不人気です。でも私はずっとそんなことをいっぱいやってきましたから、もう一度そうなっても気にしません。中国というこの貧しい国が世界のたの国家を救うという希望は、とりわけ豊かな国々には数年内に短期的な利益を生み出すでしょうが、しかしその結果逆に、中国はさらに多くの貧乏人と生態難民をうみだすでしょう。

    かつて中国が世界経済を救うノアの箱船だと希望していた人々にとって、中国の未来の最も悲惨なケースは中国が「第三大ブレトン=ウッズシステム」になれなかったことなどではなく、「どうかが中東やアフリカのような難民輸出国にだけはならないでくれ」と自分たちが指をクロスさせて神に祈る羽目になるのことでしょうね。(終)

    節約御免。
    原文は;黄梁梦醒:中国并非拯救世界经济的“诺亚方舟” http://www.voachinese.com/content/heqinglian-blog-china-economy-20150827/2935816.html

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