• 北京の新たな国際戦略のポジション取りを軽視する米国

    by  • October 12, 2015 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2015年9月27日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/ekhjc

    習近平の今回の訪米で、ワシントンはこの会談で南シナ海で高まる緊張や中国の人権問題で共通認識に達したい、と願っていましたが虚しい望みに終わりましたね。主な成果といったら中途半端なネットの安全に関する「米中両国は双方が事情を知った上でネット上の知的所有権や商業秘密を盗み取る行為を支持しない」という一枚のペーパーだけでした。

    こんな結果になってしまったわけはワシントンが近年、北京が頻繁に出している国際戦略の新しいポジション取りのサインを完全に無視してきたからです。北京がすでに「世界の国々と国際的に軌道を連結する」から、「国際的ルールを自らが主導する」に変わっているというのに、米国の対中国政策の基本は未だに変わっていないのです。

    ⚫︎●中国は二度国際戦略の新しいポジション取りに関する合図をだしてきた。

    米国の対中国戦略はずっと変わっていません。その内容はオバマ大統領が9月25日、ホワイトハウスで習近平を歓迎したときの「米国は平和、安定、繁栄、そして国際事務のなかで責任を負う参加者ととしての役割を担う中国の崛起を歓迎する」です。

    これはつまり米国が長年行ってきた「接触し、影響を与え、中国を西側のシステムに導く」という対中政策の教科書どおりで、今に至るまで中米双方の関係の原則的な基礎です。しかしオバマのこの期待の言葉を真に受けた記者はほとんどおらず、これはただの「儀礼的な挨拶言葉」とみなされています。

    しかし、オバマ大統領は明らかに、中国がここ3年来に度にわたって米国のこの対中国政策にノーと言っているということを忘れています。中国は米国に「西側のシステムに導き入れられる」ことなど望んでいないばかりか、自分から国際的ルールの改変を望んでいるのです。

    いわゆる「世界の国々と国際的に軌道を連結する」というのはつまり各種の国際条約に署名してそれを守り、中国を次第に国際社会に溶け込ませようということです。しかし中国は実際はちっとも守ってはいませんし、人権問題が一番よくわかる例ですが、中国は国連の安保理の常任理事国で、27項の人権公約にサインしているのですが、いまだに国連の「人権、国際人権法案」の基本的人権に対する要求も、他の27項の国際人権公約の要求も尊重遵守せず、数々の人権侵害をおこなっています。

    本来、こうした人権公約にサインしたら、条約の規定にしたがって米国やその他の民主国家は中国の人権状況を批判する義務と責任があるのですが、中国政府は国連の大多数の人々が特に人権公約の専門家ではないという点をうまく利用して、人権問題は「内政」にかかわることであるといいつのり、改善をしようとしないばかりか、他国がなにか文句をいって責任を果たせというと「余計な指図でお節介を焼くこと」だとみなしてきました。

    中国が「平和的崛起」をしたあと、国際ルールに触れる行為はしばしば起こりました。米国はこれに対して「国際社会の責任あるメンバー国になるように」とずっと促してきましたが、米国のこうした督促を煩わしく思った北京ははっきりと2011年、APECハワイサミットで”キラリと剣を抜いて”、中国は国際ルールに受動的に従うものではなく、国際ルールを決める側なのだ、と言い放ちました。2011年のハワイサミットで、ずっと北京に対して友好的だったオバマが「国際体制を弄ぶのをやめよ」「大人として行動してほしい」と言ったことにたいして、中国側は「こんなことはもうたくさんだ」と態度をあきらかにしたのです。

    中国外交部の官僚である庞森はオバマの批判にたいして、「もしこうしたルールが中国が共同で打ち出したものなら中国はそのルールを守るが、もしそのルールがどこかの国、国々によって決められたものなら中国はそれを守る義務はない」と言ったのでした。この庞森の不穏当な話に対して、私は当時「中国は国際社会にあとから入ってきたメンバーで国連も含む大多数の国際組織は中国が加盟する前にもうできていたわけで、国連憲章を含むこうした組織の規則は中国が未加盟のときに制定されていたのであって、もし庞森のいう通りにやれば中国はいかなる規則も守らなくて良くなる」と指摘しました。

    2014年のAPECサミットでは「北京反腐敗宣言」が承認され、APEC反腐敗執行協力ネットワークができ、中国は反腐敗分野で主導権を勝ち取りましたが、北京はこれを大変重要な国際政治の上での自分たちへの承認だとみなしており、人民ネットの11月8日に発表された「中国はなぜAPECを重要視するかーだだのメンバーから主導者になったからだ」という文章には「2014年APEC会議は中国が国際ルールを書き換えるスタートだ」としています。

    北京のこうした中国の国際新戦略における二度にわたる重要な態度表明に対して、米国はいまだにこれを重視していません。中国の決心を、あまりにも低く見積もり過ぎているのです。

    ⚫︎●中共の『核心的利益』とは「米国がさわってはならない領域」の意味です。

    中共は再三にわたっていわゆる「核心的利益」ということを強調していますが、これは中共政権にとっては共産主義のイデオロギーによって与えられた合法性にかかわるものなのです。中共政権が民主制度や世界の普遍的共通価値観を頑なに拒絶するという理由の根源はここにあります。

    9月25日にVoice of Americaの「焦点対話」で程暁農が指摘した、中米間のいわゆる戦略的利益の衝突というのは別にただ双方の国家利益間の矛盾というだけではなくて、中共自身が反米政治を堅持しなければならないという政治的必要性があるのです。

    中共が対米関係を処理するばあい現実的利益の考慮とともにイデオロギー的な必要性があるのです。中共政府が政権の安定性に不安を感じた時、必然的にイデオロギー的合法性に訴えます。そしてこの種の合法性は米国を代表とする民主制度と価値観に反対するというだけではなく、民族主義とそれを結合させ米国に挑戦しつづける、ということもふくまれるのです。こうすることによってのみ中共ははじめて国民に向かってその政治的合法性を示すことができるます。つまり、米国を代表とする西側政治制度と西側国家勢力に反対するということが中共が存在し、政権を握っていられる主要な理由なのです。

    中共がいわゆる「共産主義の理想を堅持する」というのは「もう一度世界に共産主義の嵐を吹かせよう」ということではなく、資本主義)の恨みつらみのせいでもありません(今の中国経済は実際は資本主義であり、それも最悪の資本主義なのです。)その実質はただ中共が共産党が支配する時代を子々孫々につたえていくためにはかならずや反米、反西側を堅持し、”人民の人民による人民のための”米国民主制度に反対せねばならないのです。

    とはいっても、米と国交回復以前の毛沢東時代とはちがいます。1970年から中共は対米関係に現実的な利益を考慮するようになりました。毛沢東が中米国交を推進したのはおもにソ連に対抗するためであって経済的利益のためではありませんでした。ソ連解体後にはもう米国と結んでソ連に対抗する必要はなくなりましたから、経済的な利益が主な考慮の対象になりました。今日になって中国は米国の技術や市場、投資を必要としているだけではなく、米国は大部分の官僚や中産階級にいわえれば今後比較的安全に自分たちの子女、財産を移せる国でもあります。

    こうした状況にかんがみて、中共は対米関係をどんどんエスカレートして大規模な衝突にまで至らしめることは不可能ですし、気ないの国際的な秩序から利益を獲得するというのが中共の現実的な必要性にぴったりなのです。

    世界各国もそんなことは当然わかっていますが、見逃しているのがさきに申し上げた中共の政治的必要のある反米です。この二つの点から物事をみてこそはじめて「今後、中米関係は干戈を交えるにはいたらないが、決して中米の蜜月時代だった1988年のようにはならない」、ということがわかるでしょう。当時、蜜月でいられたのは当時は中米ともに強敵だとおもっていたソ連があったからなのです。

    中共の対外開放は一歩一歩今日まできて、WTOに加入し、グローバル化した経済の枠組みの重要なメンバーになったのは、別に本当に中米関係が改善されたからなどではありません。それどころか中国の経済が日増しに発展するにつれて、中国の対米依存度はますます低くなってきており、米国に挑戦することは中国の政治的必要であり、中共が自分たちが成功したのだということを証明するのに必要な手段なのです。

    中共執政の合理性と必要性を証明しようと思えば、かならずや米国の民主制度の虚偽と中国には向かないのだということを証明しなければなりません。この種の『証明』の結果は必然的に至るところで米国を代表とする西側の世界的な普遍価値に反対していくことになります。鄧小平の「韬光养晦」(*能ある鷹は爪隠す作戦)の外交政策は英語に翻訳すると「弱い時は爪を隠し、強くなったら牙を剥き爪をだす」で、いささか身も蓋もない表現ですが、よくその本質を伝えています。

    中国のエリートの中には「米国と一戦を交えるべきだ」といいまくる鷹派的な勢力は終始存在しています。例えば軍隊や宣伝部門の左派です。しかし習近平にいわせれば中米関係の緩和は自分が他の国内問題の処理にとって有利で、国際関係の緊張は下り坂の中国経済を救うのに不利なのです。

    これから予期できることは、中国は国際秩序を遵守する良きメンバーにはならないが、かならずしも徹底的な秩序の破壊者になりたいわけではない、ということ。中国統治者がウクライナ事件から西側の衰亡を感じ取ったにせよ、ECの難民危機に対するおバカさんな対処から西側の政治家たちの無能や危機処理能力の低下をみてとったにせよ、だからといってサッダム・フセインのような強がりや、プーチンのような局面の撹乱はしないでしょう。

    米国は北京の「国際ルールの書き直し」という情報を軽視し、習近平が提起している新しい大国同士の関係、を受け入れるのを拒否しています。2015オバマ・習近平会談が儀礼的なものにとどまって重要な問題がどれもこれも実質的な発展を得られなかった原因は、米国が中国のこの「国際ルールの書き直し」への決意を甘く見たためです。しかし、中国(政府)がその国際的新戦略を貫徹する決心に直面するならば、米国は長年やってきた「接触、説得、中国を西側システムに導引」というこれまでの対中国政策はおそらく変える必要があるでしょう。(終わり)

    拙訳御免。
    原文は;美国忽视了北京的国际战略新定位
    http://www.voachinese.com/content/he-us-china-20150927/2980959.html

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