• 難民;国際道義と国家の利益

    by  • October 12, 2015 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2015年9月9日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    http://twishort.com/5kYic
    欧州の難民問題はまさに「欧州大同団結」を目標とする「大家族」に諍いを巻き起こしました。ドイツははっきりと難民受け入れの国際的人道主義の姿勢をみせ、他のEU諸国の反対、批判を引き起こしました。EUの他の国の指導者にとって直面する事実とは「国際的道義と自国国家(国民)の利益の間でどうバランスをとるか」、ということです。EU内部はすでに難民問題はギリシャ債務危機より深刻だと認識しています。

    ★難民の分担がEU分裂を引き起こす

    いつまでもどうにもならないシリア難民問題は2015年9月上旬、ようやく暫定的な解決をみました。欧州の三大国か「持続的、強制性のある」難民数分配計画、数カ国の大国が難民の配分を決めました。ドイツ政府は最も積極的で国境の二万人あまりの難民を入国させる国境開放を一時的に実施しました。ドイツ政府の副総理兼経済大臣のSigmar Gabrielは9月7日にドイツテレビでドイツはこれからの数年にわたって大規模に難民を受け入れる能力がある、と表明しました。これから数年、ドイツは毎年50万人あるいはそれ以上の難民を容認するというのです。

    9月7日、フランスのオランドー大統領は、今後に年間に2.4万人の難民を受け入れる用意ができたとし、英国のキャメロン首相はこれから5年間、英国は国連難民から2万人のシリア難民を受け入れると約束しました。ただ同時に援助を与えるより大事なことは危機発生の根本的原因を探し出すことだとも述べています。

    これは欧州の3大国は道義と能力をめぐって久しく論争をつづけた結果の決定ですがどれも容易ではありませんでした。メルケルはこの決定はドイツ社会を変えてしまうだろうと予言し、フランスのオランドーは受け入れの決定は国内世論の圧力に耐えてのことだといいました。調査によるとフランス国民の半数はEUが難民受け入れやさらに多くの難民を受け入れられるように手続きを簡略化することに反対しています。英国では東欧人が合法的に英国に流入することによって失業する英国国民の不満にくわえてギリシャの債務危機もあり、いま「EU脱退すべきか否か」をめぐって来年、国民投票を行うことを検討しています。

    ドイツ人も自分で困惑しています。一部の地方、例えばババリアのリーダーの Seehoferはドイツ政府が難民を受け入れるのは正しい政策ではなく、地方政府に耐え難い負担をもたらすだけでなく、長期的には難民をうまく定着させることもできないだろう、とみて難民受け入れ計画に反対を表明しています。ドイツ国民自身も難民受け入れをすべきか否かで意見がふたつに分裂しており、メディアではあまりのせてもらえないので、反対者たちはソーシャルネットワーク上で意見を述べあっています。ドイツの声の論評員のHasselbachは「ドイツ人は狂ったのか?」という一文で「現在の問題は局面がすでに制御できない状態であるということであり、ドイツが完全に普段に増加する難民群の流入に対する制限と誘導を放置してしまっており、さらにはわざわざすべての難民をドイツ国内にいれようとしている。こんなやり方は他のEU国家とは全然異なる方法である。ロンドン、コペンハーゲン、ワルシャワ、リガ、プラハ、ブダペストといった国の政府はみな『もしドイツがそこまで狂ってしまったんなら、どうか我々に強制しないでほしい』と言っている」と。さらに「もしこうした難民がEUの国籍を得れば、かれらは自由に英国にも移れるようになって、難民問題はいまよりさらに英国にEUからの脱退をうながすだろう」としています。

    ★難民の生まれる根元がなくならないかぎり、難民はいつまでも生まれる。

    国連も明らかに今回のEUの大国間で達成された「強制的難民数量別分配計画」がただの一時しのぎであることをわかっているとおもわれます。国連特使のStaffan de Misturaは数日前にブラッセルのEU本部で「シリアからの難民の数はさらに急激に増加するおそれがあり、内戦がいままでおよんでいなかった地中海のラタキアに及べば、さらに100万人は増えるだろうし、そのうちの多くは小舟にのって地中海をわたって欧州へむかうだろう。このほかにテロリスト武装集団の’イスラム国’がさらに進撃すればもっとおおきな難民の流出がおきるだろう」としています。

    この国連外交官の言葉は嘘ではありません。6月18日、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の出した「全世界の情勢」レポートでは2014年末、世界的規模での武力衝突、迫害で家を失った難民は6000万人に達し、さらに増加しつつあります。10年前は3750万人でした。2013年は史上初の増加を記録した年で、5120万人に達しました。世界中で122人に一人の割合で難民や、国内流民が生まれています。この数は国家なら世界24位の人口大国なのです。

    同レポートによると、過去5年間に世界では少なくともあらたに15回の武力衝突があり、8回はアフリカ(コードジボアール、中央アフリカ、リビア、マリ、ナイジェリア東北部、コンゴ、南スーダン、ブルンジ)、3度は中東(シリア、イラク、イエメン)、欧州一回(ウクライナ)、さらにアジアで三回(キルギスタン、ビルマ、ばきスタンの多くの地方)でおこっています。

    ★各国の難民消化の能力と民意

    先の国連報告では2014年にうまれた6000万人の拠り所を失った人々の中でわずかに12.68万人が自分たちの祖国に戻ったにすぎません。大多数はそのまま難民化しその受け入れは大問題です。

    米国と欧州各国はずっと世界各地の難民を受け持ってきた主力です。70年乳末のベトナム難民、最後は米国が主となって欧州各国が補助的に受け入れました。ソ連や現在の中国、アジア、中東地区の戦乱災害で生まれた各種の難民も基本的にはみなこうした国々が受け入れました。しかし受け入れ国が受け入れるにしても結局は限度があるわけで、さらに受け入れ国はもともと文化もことなっており、外来移民(難民)がとけこむ程度もちがい、そのあとおきるこまった出来事といっても完全に違っています。

    米国は世界最大の移民国で、戦争や災害によって居場所を失った難民Refugee、政治的迫害から避難をもとめる亡命者asylum seeker、と移民immigrantは完全に違った対処方式を持っていますし経験も比較的あります。第一代はひょっとすると自分は移民だとおもっていても第二代になれば完全に米国人であり、ただアフリカ系、アジア系、ラテン系とかが別れるだけで、自分たちが選んだことなった宗教を信じていますが、しかし米国の価値観を認めています。

    カナダは多元文化を主張し、どの国の移民も自分の本国の文化を大事にしてかまいません。ですから、世界各国の移民はグループさえつくれば自分たちの習俗でそれぞれ自分たちの場所で自分たちの祭日をすごしていました。以前はこうしたことは全く問題ではなかったのですが、最近では一部の地域では特定の人々が多数派となって現地の経済生活状況まで影響を及ぼすようになって多元文化のもたらす問題がようやく注意され始まったところですが、しかしそれはいま始まったばかりです。

    EUは各国で違っていて、長年の移民でも本当に受け入れ国と溶け合うことができないでいます。フランスを例にとれば、今年一月「Charlie Hebdo週刊誌事件」がフランスのムスリム人口という隠された深い傷口を明らかにしました。そのムスリムの主体は第二代、第三代ですが、「フランスの価値観」を認めようとはしません。こうしたムスリム移民とフランスの矛盾は経済が上昇している時期には大して目立たないのですが、経済が困難な時期にさしかかるとあらゆる問題が突然はっきりでてきてしまいます。ですから、フランスのムスリムの問題が「政治と経済の二重の重圧の元で圧迫されたフランス国内のある種のグループの疎外化された生存状況とそれに対する戦い」といわれる所以です。

    ドイツの移民問題はフランスほど目立ちません。ドイツには外国人居住者が700万人以上おり、トルコ人190万、南スラブ人93万で、だいたいその3分の2が西ドイツ中部かノルトライン・ヴェストファーレン州、バーデン・ヴュルテンベルク州、南部のババリア州に住んでいます。このうち約4分の1がドイツ生まれですが、しかし子供の頃からドイツで完全に社会化している移民の二代目も依然として外国人とみなされています。西ドイツ人、特に大都市の住人は外国人に大して比較的友好的ですが、当然、はっきり外国人を嫌う人々もいます。東ドイツは外国人に対する寛容度は比較的低いです。

    2010年10月13日のNYタイムズは「ドイツの反外国人気分上昇」という記事で、ドイツ社会民主党のアボットファンドのレポートでは調査対象の2000人以上で、教育程度、性別、就職状況、年齢、社会階層の違いがあるのですがその3分の1がドイツに住む外国人は元の国に追い返されるべきだと考えていました。そして55%はアラブ人を嫌っていました。ハンブルグのドイツが率先しておこなった統計会社のStatista.comのデータでは今年7月末の調査で、23%がより多くの移民を受け入れるべきだとし、38%がもっと少なくすべきだとし、残る34%は現在のままを維持することを望んでいました。ブランデンブルグ州の小さな町では今年すでに難民に対する抗議デモや暴力事件が起き、8月には難民の住む家に放火事件までおきました。

    チェコやハンガリーははっきりと移民受け入れに反対しており、どちらも自国の受け入れ能力と今後の移民の処遇からでたものです。ドイツ国内にもこうした気分は現在上昇中です。国連も「ドイツだけにすべての欧州の問題を解決させておくわけにはいかない」とわかっており、欧州国家が共同でこの問題の解決にあたるように願っています。しかし、本当の難題は;全世界で絶えず増加しつづける難民に大して、受け入れ国側の能力には限界があり、こうした国家の市民の善意も難民が増えるにつれてすり減っていくということで、いつおしまいになるか?ということです。

    あるいは国連はイスラム国の勢力拡張を止める決心をすべきときなのかもしれません。

    (終)

    拙訳御免。
    原文は;何清涟:难民潮:在国际道义与国家利益之间的困境 http://www.voachinese.com/content/voa-news-syria-refugee-20150908/2953385.html

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