• ”金融反腐敗⑵ー権力と資本間の関係は変わるか?

    by  • November 24, 2015 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2015年11月20日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    https://twishort.com/rA0jc

    習近平はA株市場を救おうとして果たせませんでしたが、市場救済作戦の三軍司令官級や勅命市場救援部隊の証券会社のトップ級がすべて「皇帝の牢獄」につながれ、中信証券の理事長の王東明も近々退職させられます。残る問題は中国の株式市場の腐敗とインサイダー取引はこれで後を絶つかどうかということです。中国の証券業界というのは資本と個人の人脈に高度に頼ったシステムですが、習王の反腐敗キャンペーンはこのシステムにおける権力と資本の関係を再構成できるでしょうか?

    ★監督する側とされる側がなぜ「トムとジェリーの仲良し関係」なのか

    中国の株式市場を理解するためには、まず中国証券金融の利益集団の構成を理解することが第一歩です。この利益集団が中国株市場を形成し取り囲んでいます。その中には5種類の役割があり、⑴;市場監督管理の職能を持つ中国証券監督管理委員会。⑵;上場サービスのための企業と証券交易の仲介機構である取引所、証券ビジネス、会計士、法律事務所。⑶;上場企業。⑷;各種投資家(ファンドなどと一般投資家)。⑸;各種専門的メディアや株式評論家。

    この5種類のうち4番目の株式投資家を除くと、残りはすべて「トムとジェリーの仲良しクラブ」です。根本的にいえばこの「一家仲良しグループ」は中国の制度が公然と許している存在なのです。

    中国証券監督管理委員会と証券会社の間における近親交配は必然的に利益の共生関係を生み出し、中国の株式市場を証券利益集団の上から下までインサイダー取引市場にしてしまいます。この点は国内の多くのメディアがずっと指摘し続けてきたものです。以下列挙してみますと

    1996年から2011年3月までに合計58人の元証券監督管理委員会の役人が証券会社かファンド会社の副社長級の高級管理職で天下りしています。そのうち15人が証券会社、43人がファンド会社です。(《资本市场证监谱系》,财经国家新闻网,5/16/2011)。2014年5月19日、「投資時報」は「40人の天下りファンド会社の証券監督管理委の役人たち;多くが社長に」という記事で、不完全な統計ながら40人のファンド会社の高級管理職がかっての証券監督管理委の役人で、天下って二人が理事長、二人が福利梨状、15人がCEO、6人が副社長、17人がトップ監査役になったとしています。

    《资本市场证监谱系》の記事によると、「証券業界では『監督監査委とコミュニケーションがとれるかどうかというのがプロジェクト成否の大事なポイント』だということは公然の秘密になっている」とあります。「投資業界を熟知した人々は株価収益率(PER)は監督監査委によって決められ、それは直接企業の資金募集の多寡にかかわりる」ことを承知している、と。株式の販売引き受け量と企業の高級幹部が証券監督監査委の出身かどうかというが一定程度の相関関係があることも経験から証明済みです。だから上場企業が証券会社を選ぶ場合、実力と経験の如何の他に、証券監督監査委員会と良好な”コミュニケーション力”があるかどうかというのが大事な点なのです。2010年、株式引き受け番付の上位10社は中信、光大証券といった特殊な例外をのぞいて、他の数社の証券会社には近年、退職、離職した監督監査委のメンバーがずらりと並んでいます。近年ベストスリーの常連となった国信証券の4人の重役は監査監督委系統の出身です。

    監督監査委の役人が株式引き受け額の重要な働きをするということで、証券会社や投資会社から引っ張りだこの存在になりました。そしてこうした「トムとジェリーの仲良しクラブ」は中国株式市場を完全にそれぞれのファンドが内部情報によって大儲けする場所にしており、メディアは不断に中国社会がこの現象に注目するようにと訴えてきました。今年にも「証券監督監査委の役には何処へ行くか?」とか「監督監査機構、証券会社、ファンドの主要メンバーの近親交配」といった記事がでています。これらの記事はみな「証券監督監査委は猫で証券会社はネズミなのに、証券監督監査委の役にはみな証券会社に就職しており、監督とされる側の境界はボケボケになって、猫とネズミが仲良しになっている」と指摘しているのですが。

    ★法律の曖昧地帯;監督とされる側の身分交換

    証券会社は監督監査委の役人が就職することを「神仙がお降りになる」と呼んでいますが、この言い方は日本で「天下り」と呼ばれる言い方を真似たものでしょう。中国の監督監査委の役にが「天下り」するというのは相変わらず制度的な欠陥なのです。

    証券監督監査委が証券会社に天下りするというこうした関係は大変簡単に内部情報にアクセスできて旨い汁にありつく関係を生み出します。メディアはずっとこの危険を批判してきましたが、中国政府の立法は関係部門が参与したり時には主導したりまでしますから隙だらけ穴だらけなのです。2000年に中国証券監督監査委がだした「証券経営期間の高級管理職の資格管理に関する暫定法」では明確な監督者と被監督者の間の役割の転換について制限する条項はありませんでした。これはべつに立法能力のレベルが低いからそうなったわけではありません。この法律は上場企業のCEOなどになる資格については極めて詳細な規定を設けていますし、これが出た当時、このに種類の職種に関しての「巨大な規定上の格差はまことに興味深い」という批評もありました。2009年にでた「証券監督監査に従事する者の行為準則」でもやはり監督監査委から企業管理職になる場合の規定には相応するきまりは設けられませんでした。

    法律がわざとあいまいにしていることによって、監督監査委の役人たちは数年間仕事をした後、続々と証券会社やファンド、信託銀行などの企業に天下ります。そのうちもっとも歓迎されるのが処級管理職(*中国の官職15階級のうち7,8番目の中間にあたる)で、こうした役所と企業の任職クロスシステムは事実上証券監督監査部門と証券会社の間の利益関係を融合させるものですから、監督監査委と証券会社・ファンドというのは完全に左手が右手を監督するようなものなのです。

    このような監督監査委の天下りの結果の成否は完全に証券監督監査委のバックが十分に強いかどうかによってきまります。例えば「神仙」の胡関金が国信証券と華西証券で初期に大成功を収めたのは彼が監査委を退職して間もないことで現地政府の、特に監査委系統の大々的な支持があったからであり、のちに華西証券後期と銀河証券における失敗はバックを失い現地政府のご愛顧を得られなくなったからです。元銀河の総裁・肖時慶が収賄と内部情報漏洩で死刑(執行猶予付き)を受け、さらにそれが原因で証券監督監査委副主席・国家開発銀行の副頭取の王益が失脚したのでした。

    こうした「トムとジェリーの仲良しクラブ」関係はインサイダー取引を中国株式市場の常態にしてしまい、罰を受けることはほとんどありません。中国の「法治青書2014」が言及しているのですが「行政責任上では証券法は48条の責任に関する条文があり、そのうち40条以上は具体的な行政処罰と行政措置を規定しているが名ばかりのものになっている。研究の結果、中国の証券市場が成立して以来、今日まで36のインサイダー取引事件があってそのうち行政処罰された事件は25件。司法の刑事追求が行われたのが6件。民事訴訟になったのは2件だがどちらも原告の訴えが退けられたり、提訴取り消しになった」と。関連法がきわめて多い米国では2009年から2010年の1年度中に刑事訴訟は139件です。

    ★健全なる証券市場の監督監査はなぜ難しいのか?

    2015年のA株市場救出作戦は権力とマーケットの対決でしたから、行動開始したその日から失敗することはきまりきったことでした。しかし、この救出作戦の過程で中国の株式市場の利益集団の結託構造も余すところなく暴露されました。当局がいうところろの「国外勢力と示し合わせて中国に空売りを浴びせかけた」というのは「言い逃れ」みたいなものです。

    証券監督監査委の役人の「天下り」にちうては中国政府も改革を考え始めています。2014年中国証券監督監査委は2015年から離職後、監督対象だった職業につくにあたっては厳格に三年間の間をおくようにとしており、これによってすくなからぬ役人がこれが適用される前に繰り上げ退職しています。ロイターが11月18日伝えたところによれば、中国政府はこの夏の株式市場の崩落の原因の一部が監督機構が政策に対して力をいれて対応しなかったとして、現在、銀行監督監査会と保険監督監査会と証券監督監査会を統合しスーパー級の監督管理委員会を設立することを考えています。

    実施される「転職にあたって間をおく期間」については米国に習うといいでしょう。政治とビジネスのパイプに関して、米国政府は不断に監督管理制度に関する法律をつくっております。はやくも1969年に米国は法律で前政府の役人の行為を監督し始めました。たとえばペンタゴン勤務の役人は国防省の仕事を請け負っている企業との関係を上司に報告し、また関連企業も毎年雇用前の政府の役人についての事情を2年以内報告しなければならないことになっています。1978年にはさらに「政治道徳法」がつくられ公務員が離職・退職後につく仕事は公務員として担当していた仕事とは1〜2年間の「冷却期間」を置いたり、または「終身禁止」といったこともきめられており、違反者は刑事処分をうけることとなって、役人が退職後も以前の地位をあたらしい仕事に生かすことを防止し不正な手段で公共プロジェクトの契約をかちとったり、収賄することを防いでいます。

    しかし、中国がたとえ米国の法律条文を参考にしたからといって、腐敗問題を解決するのは大変難しいことでしょう。というのは米国では三権分立で権力は互いに牽制しあう仕組みがあります。しかし、中国は中共の一党独裁で、立法、司法、行政の大権を一手に掌握していますから、こうした状況は「トムとジェリーの仲良しクラブ」を生むのは避け難いことなのです。私は、一党独裁権力の制度が変わらない限り、美味しい腐敗の土壌は依然として変わることなく、この土壌の上に生え成長する樹々もまた依然としてもとのままだとおもいます。現在の制度のもとで証券業界における権力と資本の関係を再構築するのはほとんど不可能であり、2015年の金融反腐敗は数十羽の鳥を打ち落としましたが、びっくりして林の中から飛び出した鳥たちの群れは再び、そのうちもとの枝の上に舞い戻ってくるでありましょう。(終わり)

    拙訳御免。
    何清漣氏の原文は;何清涟:2015年金融反腐(2):权力与资本的关系能否重构?
    http://www.voachinese.com/content/heqinglian-china-ecnomy-part2-20151119/3065637.html

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