• 読書メモ①ーパリテロ事件ーEU大同の夢の終わり

    by  • November 24, 2015 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2015年11月23日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    https://twishort.com/BX1jc

    このところずっとISIS関連の各種のニュースが「彼らは何が目的なのか」「欧州青年たちはなぜ参加したがるのか」とか山のようにメディアを賑わしており、この新『カリフ』国についてのお国柄にたいしてイメージがかたまるのにはまだ時間がかかりそうです。しかし、欧州連合の前途が危機になるということだけははっきりと見えています。

    ★反テロ四カ国連合軍ができようとしている

    欧州連合の難民の潮は人々の心配の種となっています。11月13日の二つのニュースは欧州連合の主要なリーダーたちの判断能力に疑いを生じさせました。ドイツメディアが「霧中の女王」と呼ぶメルケルドイツ総理はドイツの2放送局のインタビューに対して、引き続き自己の難民政策を継続することを表明し、かつ「全てはコントロールされている」と述べました。数時間後、彼女の難民政策でのかつての盟友であるフランスのオランド大統領は11.13のパリテロ事件の発生でえらい目にあっていました。

    11月16日、オランドーは両院連合会議の席上で「ISISの殲滅」とフランスは反テロ戦争の状態にあることを宣言しました。さらにテロ分子のフランス国籍を剥奪し、警察力を強化することをふくむ措置を提出しました。オランドーは二重国籍の人間が裁判でフランスの価値に損害を与えた場合、フランスはフランス生まれであってもそのフランス国籍を取り消すことを表明したほか、テロの危険のある二重国籍者の入国を禁止するとしました。

    国連安保理事会は11月20日投票で「能力のある国連メンバーは国際法に基づきシリアとイラクの領土内におけるISISの支配する土地上での一切のテロ行為に打撃を与える手段をとるように要請する」という決議を採択しました。 ISISの領土上空には依然としてロシアとフランス両国の戦闘機が飛んでいますが、能力のある他の2国、米国のオバマ大統領はISISを消滅させると宣言しており、英国首相も反テロ協力の打ち合わせのためにフランスに向かい、メディアがすでに「第9次十字軍遠征」と呼んでいる英米仏ロシアの4か国反テロ連合軍が形成されようとしています。

    ★欧州連合各国ははやくから同床異夢だった。

    数ヶ月来、欧州連合内部には「政治的に正しい立場」と「現実に正しい路線」が争ってきましたが、ここに一段落を迎えたわけです。この前にはチェコ、ポーランド、ハンガリーなどの国が難民受け入れに消極的な姿勢をとってきて、欧州連合内部では「やつらは前の社会主義国だから」と馬鹿にされており、そうした国々の指導者たちは「人道主義のわからない指導者と国民ども」みたいな見方をされていました。しかし米国だけの力に頼って保護下にあった世界秩序の中であまりに安楽に過ごしてきた欧州は、自由と民主主義を守るのは作るのに比べて易しいわけではないということが全然わかっていなかった、という事実が証明されてしまったのでした。そして却って専制主義国家の痛い経験を持つ国々の方が自由と民主というのは大変なことで、各方面からの潜在的な危険にたいしてもっと警戒心をもっていたのでした。

    さらにいくつかの欧州連合にとっては耐え難い結果があります。ひとつは欧州大同の夢、つまり国境のない欧州の夢が破産してしまったことです。「ドイツの声」は「一刻の猶予もない 欧州連合内政部長が国境検査強化論」で「難民危機にたいして欧州連合に国境検査強化をさせられなかったが、パリのテロ襲撃はそれをなしとげさせた」と言わせました。欧州各国の内政部長はベルサイユでシェンゲン協定外部国境検査を欧州市民にまで拡大することに決定しました。この意味は欧州連合各国は難民の入国をコントロールする術がないので、国境検査を再開するということですが、しかしそれは難民だけが対象でした。いまやパリのテロ事件でのテロ分子にはフランス国民やベルギー国民もおりテロリストが合法的なパスポートをもち、欧州中で神出鬼没のテロ攻撃をしている以上、これをなんとかするためには欧州各国の市民に検査を受けさせるしかなくなったのでした。
    二つ目は、米国が欧州の旅行客に対するビザ免除措置を取り消したことです。パリテロ事件で聖戦分子はフランスとベルギーの市民権をもっていました。多くの聖戦分子が欧州各国のパスポートを所持していたのにかんがみて、米国国会は欧州から米国にくる旅行客の3か月ビザ免除を取り消したのでした。

    三つ目は欧州連合の権威がまたもや弱体化したことです。パリの11.13テロ攻撃事件後、ポーランド政府は直ちに欧州連盟の決議執行を停止し、難民受け入れをやめました。それは「パリテロ事件発生後、我々はこうした難民の政治的可能性を尊重するいかなる理由もみいだせなくなった」というもんです。これはテロ事件後、欧州で初めて難民問題に回答を出した国でした。
    1993年に欧州連合が成立して以来、ここ数年は最初に債務危機による矛盾の苦境に陥っていましたが、今年の難民事件はさらに危機を深め、パリの11.13事テロ事件による反テロリズムはすでに欧州連合を嵐のようにゆさぶっています。

    ★欧州の悪夢;ISIS戦士の供給地になること

    テロ事件以後、フランス相当のオランドーは意気消沈した様子でフランスの直面する敵は自国市民だと認めざるを得ませんでした。つまり「敵は内部にあり、どこにでもおり、いつでも攻撃してくることができる」です。
    ISISの急速な成長、欧州連合各国がムスリム青年の身の振り先の”聖地”となってしまったということは欧州の誇る多元文化の共存がすでに破産したこと、高度な福祉政策が国家への忠誠をつちかうということはないことも証明しています。しかし欧州連合各国は現実をみようとしませんでした。以下に様々な研究によるイスラム聖戦士の水源とデータをみてみましょう。

    まず、欧州が自分で行った研究データ。ロンドン大学王立学院国際過激主義研究センター(ISCR)の研究によると、2011年末から2013年末までの期間に約1.1万人の過激イスラム主義者がシリアやイラクの聖戦になんかし、その約5分の1が西欧からきています。ドイツは240人のジハード戦士がおり、ベルギーは人口(1120万 /2013年)でははるかにドイツより少ないのに296人もいました。つまり100万人あたり27人が過激イスラム武装兵士になって中東の”聖戦”に赴いたということでこの比率は全欧州でトップです。(ベルギーはなぜ「テロリストの巣」になったのか? ドイツの声中国語サイト 2015年11月16日)

    ISIS軍隊には7000から10000人の武装兵士がおりますが絶対多数が外国人であり、なかには多くのヨーロッパ人がいます。ドイツの情報機関であるドイツ連邦憲法防衛局の試算では、20111年の戦争開始からいままで約2000人の欧州人がシリア戦争に参加しています。この外国に行って戦うムスリム部隊兵士の数は現代史上いかなる武装衝突より多いのです。デンマークはシリアの兵士になった人数は100人以上で欧州国籍の比率では最大になります。(デンマーク人口は560万人程度/デンマークのジャーナリスト・Louise Stigsgaard Nissen)

    wikiにもかなり詳細な資料があり、それによると英国;500~1500、フランス;1200人、ドイツ;500~600人、スエーデン;150〜180人、オーストリア;100〜150人、デンマーク;100~150人、スペイン;50〜100人。
    他には、米国;100人、カナダ;100人、オースト ラリア;250人、中国;300人。というのは各種の研究レポートから得られたデータで事実に一番近いと思われます。
    以上、列挙したのは直接”ISISの聖地”に参加した戦士であって、欧州におけるシンパは含まれていません。例えばドイツは戦士の数は比較的少なく500人から600人ですが、「ドイツ国内のイスラム主義者たち」(ドイツの声、2015年11月21日)によると、同一国内には4.3万人のイスラム主義者がおり、すべての人がイスラムを基礎とする国家となることを望んでいます。この目標を達成するために暴力に訴えても、という人の数もますます増えています。ドイツの緑の党のリーダーは11月12日の会議でイスラム教とイスラム主義者を混同するという愚かな言い方をこれ以上許せない、といいました。「ISIS参加;過激分子を生み出す」によるとデンマークの情報局員は約200~300人のイスラム武装者がデンマークにおり、そのほかに3000~4000人の過激主義に共鳴するデンマーク人がいるとしています。

    フランスの状況も同様です。今年の4月フランス上院でだされたレポートにはISISに参加した3000人以上の欧州”聖戦士分子”のなかには1430人のフランス人がいました。しかしシンパや予備軍の数はそれをさらに上回るもので、AFPによるとフランスの情報部門が監視している数は1570人で、当局は彼らがシリアのジハード組織と関係があるとみており、そのほかに7000人以上の人々が同様の危険があるとみています。

    こうした数字の差は比較的おおきなものですが、はっきりした共通の特徴としては、イスラム聖戦に身を投じる若者はフランスが一番多いということです。フランスは2015年にに度の攻撃を受けたことと、テロリストを生む土壌には相関関係ああるとおもわれます。

    米、英、仏、露の連合軍がISISを消滅させることはあるいは難しいことではないのかもしれませんが、そうした各国の内部にひそむテロリストを根絶することこそ最大の難題でしょう。なぜならば欧州は長期にわたって左翼的な各種の政策と文化の多元的価値観によって、まさにムスリム過激派にたいして利用しやすい温床を提供してきました。この温床が不断に各種の”聖戦士”たちをうみだす土壌となったのです。(続く)

    拙訳御免
    原文は; 何清涟:媒体札记(1):巴黎恐袭,欧盟大同梦碎 http://www.voachinese.com/content/he-qinglian-blog-paris-attacks-terror-eu-ideals-dashed-20151122/3069112.html

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