• 中国の個人所得税と不動産税の延期の不思議

    by  • December 2, 2015 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2015年11月28日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    https://twishort.com/l33jc
    現在財政逼迫から中国の各クラスの税務部門は新しい財源を見つけることが大仕事になっています。が、この一ヶ月に中央政府はまず不動産税の徴収を3年から5年遅らせて、個人所得税改革法案のほう推進しようとしています。中国で個人所得税と不動産税というのならば誰の目にも個人所得税は範囲は広いが収入は少なく、不動産税は収入幅は狭くても極めて大きな税収が可能なことはわかりきっています。この背後には何があるのでしょうか?

    ★税改革への期待は、最低課税限度の引き上げ

    中国のような国は財政で困難でも解決方法は民主国家に比べて選択肢は多くあります。過去20年来中国政府が財政収入を増やす方法は主に通貨増発と企業増税と、商品流通の過程で、付加価値税、流通税、営業税のような各種税金を増やす方法でした。こうした課税は結局は「羊の毛は羊からしかとれない(*結局は人民負担にかわりなし)」ということになるのですが「細かい雨が服を濡らしてもよくみえない」ので消費者は物価上昇を感じ取っても政府にその恨みがいかないわけです。

    今回の税の目の付け所は「大きなケーキ」を作ろうとしても、不動産税ですと自分たちの仲間が痛い目に遭いますからそっちは3年から5年延期しようというものです。しかし企業税はもうとっくに負担の限界でこれ以上増やせば「卵を産む鶏を殺す」ことになりかねませんから、それだと企業も政府も共倒れになってしまうので個人所得税の増税が第一の選択になったわけです。

    中国人は個人所得税にはあまり敏感ではありません。それはひとつには個人所得税の最低課税限度額は3500元ですから、この数年、この対象者は全国でわずか2800万人しかいません。いま納税している中産階級はこの課税最低限殿引き上げを大いに期待して、自分が免除されることを願っています。二つには人民代表大会と社会世論は毎年「課税最低限度額の引き上げ」を求めており、これに対して財政部官僚は「個人所得税の控除問題は個人所得税改革のなかで総合的に判断する」と回答してきました。ですから外部からは課税最低限度額の調整は改革がおこなわれたあと動き出すのだと理解していたのですが、いま、個人所得税の改革が宣言されたわけですから、ならば課税最低限度額の調整も当然おこなわれると思うのが当然です。

    でも、課税最低限度を引き上げるということは納税者の基盤総数を減らすわけですから、実現するでしょうか?私は難しいと思います。というのは改革の方向は増税による税収増加にあるわけで、それには納税者の数をふやすか、税の種類をふやすしかありません。あるいは個人所得税とよばず別の名前の税金がでてくるかもしれません。

    ★個人所得税”改革”の方向;税の基盤と総量の増加

    個人所得税の課税最低限度額を引き上げるということは納税者が減ることで、サラリーマンのこの種の税金も安くなります。財政部が公開しているデータでは、2012年中国の個人所得税収入は5820億元で、そのうちサラリーからの税金は3577億元で61.4%を占めます。2013年には62.6%にあがりました。近年の外資の大量撤退ですくなからぬホワイトカラーが失業したことを考えると納税人数は引き続き減少する可能性がありますから、課税最低限度を引き上げるとしてもその幅はごくわずかで、例えば3500元を3700から4000元にする程度ではないかと予測されます。しかし個人収入の他の分野からの徴税範囲は必ずや範囲がひろがるでしょうし、それも1項目、2項目ではなく多項目にわたるでしょう。大多数の中産階級にしてみれば個人所得税がちょっと減ったり、あるいは全然減らないまま、しかしの他の収入の課税範囲は拡大され、さらに多くの豊かな人々が納税範囲に組み込まれるということでしょう。

    というわけで、国内の「潜在的納税者」の皆さんは以下の点をよく理解すべきです。
    その他の所得項目の減額費用の標準は、他の所得とサラリー所得の税の計算方法も税率も異なるので、税負担は簡単には比較できません。個人の海外への税金逃れでいえば関連部門と他国の財政部門が協力し、国外所得の個人所得把握は強化されます。海外で税金逃れできる人というのは少なくとも小金持ち、中金持ちですが、この種の税収徴収は米国の外国税務コンプライアンス法(FATCA)が正式に動き出してからの話です。この海外逃避、潜在的納税可能者の「その他の所得」は莫大なものですから、おそらく政府の記録で調べられる個人所得税収入は徴税対象になるでしょう。これの良い点は中国の個人所得税がサラリーマン中心だという欠点を解決し、政府の財源を増やすところにあります。しかし問題はこれは金持ちは対象になっても官僚は対象にならないというところです。官僚たちの「灰色収入」は一般的に隠されており、調べて課税するのが難しいのです。そのわけは簡単で、もし官僚たちの灰色収入を透明化して政府が課税しようとすれば、上から下までの各クラスのお役所の税金検査関係の班編成を何倍にもひろげなければならないからです。

    ★不動産税はなぜ3〜5年延期?

    不動産税の延期は不動産所有者を大いに喜ばせました。中国で自分の家をもっている家庭は全国で86%以上で、全国家庭総数に占める割合でいえば米国をはるかに凌ぎます。米国人口調査局の最新レポートによると、2014年の第3年度期で米国人の持ち家率は64.4%です。アメリカンドリームのメルクマールの一つは自宅を所有することでこの比率は20世紀の90年代から緩やかに上昇し、1995年の64.5%から2004年の69.2%にまでなり、現在のところ世界記録です。もし中国の不動産権期間がわずか70年だということを考えにいればければ、90年代からの20数年で中国人の持ち家比率ははるかに米国を超えて大成功で確かに誇るにたる記録です。

    清華大学の中国金融研究センターの出した「2015年中国家庭金融調査報告」によると、現在農村戸籍家庭の93%は自宅をもっており、都市の戸籍のある住民家庭は平均3人で一戸あたり1.2軒の住宅をもっており、その69%の家庭が1軒の住宅を所有し、15%の家庭は2軒、3.6%の家庭は3軒以上で家を持っていないのは13%です。簡単な推計ですと中国の現在の都市、町の在住者は7.5億人で、約2.5億戸の家庭があり、一家平均1.2戸、つまり3億軒の住宅となります。

    3億の住宅に対して不動産税を徴収するにはずっと二種類の案があり、一つは全面課税、70平米以下は免税というもの。もう一つは一軒なら免税、二軒以上に課税、というもの。一軒だけもっている家庭の場合、だいたい80平米から100平米でどちらの案にしても69%の家庭の不動産負担は重すぎることはありません。ですから、不動産の負担者は残る18.6%の二軒以上を所有する家庭ということになります。

    現在公開されている資料をみると、この18.6%の二軒以上の不動産を持つ家庭の多くは役人か金持ちです。もし本当に不動産税を徴税すれば彼らにとっては結構な負担になります。しかし、この種の人々の中の官僚たちの多くは税収政策作成に直接関節に影響力をもっています。(これを利益集団が国家を虜にしている状態、といいます)。ですから簡単に各種の理由をつけて政策決定レベルに対して不動産徴税を断念させることができるのです。事実が証明しております。目下「立派な住宅がたくさんたっているのに誰も買わない幽霊タウン」はやまほど中国にありまして、不動産の在庫は非常に深刻ですが、それでも彼らは中央政府に不動産徴税を延期させるようにさせる力があるのです。中共の総司令・習近平は最近、ついに経済発展の重点を不動産の在庫解消に置くようにと宣言しました。不動産の在庫を解決できれば不動産産業関連の上流下流の産業の発展を促しますが、そのためにはいま不動産税を課すことはできません。そんなことをすれば、沢山の不動産を購入できる連中は誰も不動産を買いたいなどとおもわなくなってしまいます。

    英米の納税者の大原則は「代表なければ課税なし」で、納税者は政府に税を納めるかわりに、各種の政治的、経済的権利をもっています。米国の政治はまさに民のものであり、民が収め、その成果は民が享受する、です。その中には不動産税は地域自治の物質的基礎です。しかし、中国政府は「納税者」という考え方を認めませんで、政府が人民を搾取する権利をみとめるだけです。ですから中国人はあまねく税金をおさめたがりません。その原因は自分たちが政府に対して財政支出を公開(つまり納税者のために税金を使えということ)させる権利もふくめてまったく権利がないからです。

    中国のこの納税者の権利を認めないというお国柄のもとで、不動産税を放棄して個人所得税を増額するというのは、どっちのバターの塊が大きいかという観点からではなく、バターの所有者は誰かによって決まるのです。ふたつのバターの塊の所有者が交錯していたとしても、不動産を持つ役人のほうが多数派ですし不動産に課税されるほうがこまります。なんといってもそんなに高い不動産をサラリーでは買えません。というわけで、利益集団が国家を取り巻いてしまっている状況下では、不動産税をとらないというほうが優先するのです。沢山不動産をもっている役人が多重課税をまぬがれ、政府は役人たちの腐敗をひきつづき見て見ぬ振りをしているのです。(終わり)

    拙訳御免。
    原文は;中国个税与房产税为何一兴一废?http://www.voachinese.com/content/voa-qinglian-he-realestate-tax-20151127/3078011.html

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