• 2015年、中国の「集団性事件」

    by  • January 23, 2016 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2016年1月23日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    https://twishort.com/EvOjc

    今、ふたつの中国の「集団性事件」(*農民・労働者・市民などの集団抗議行動で警官隊が出動したような事件)についての論評を読みました。ひとつは「2015年我が国の集団制事件研究報告」で発表者は「伝播ビッグデータ」と名乗り、集団制事件の形を分類していますが、具体的な全体のデータはありません。もうひおつは「非新聞」がまとめた2015年の集団性事件の統計(http://qq4q.biz/qCE5)で、ネットにでた群衆デモや集会などに基づいて、件数は28950件だと計算しています。文章から推測すると前者は政府役所の背景があり、後者は民間のボランティア活動のようです。

    1;件数が明らかに減少した理由について

    2003年、中国政府は初めて外部に正式に集団制事件の年度統計データを発表しました。その年は58000件で、翌2004年は74000件、20005年は87000件以上、2007年には10万を超えました。2008年からは中国政府側が具体的な数字を発表しなくなりましたが、清華大学教授の孫立平の推算だと2010年は少なくとも18万件とのことです。

    2003年は胡錦濤が総書記になった初年です。2012年は胡錦濤が政権引き継ぎの準備中でした。2001年から中国はWTOに加入し、2009年まで中国政府は4兆元を経済救援に投資し、この時期は中国経済発展の「黄金の十年」と言われました。2010年から中国の権力トップ層で権力闘争が白熱化し、当局は人心の安定のためとしてこうしたデリケートなデータは発表しなくなりました。

    しかし、集団性事件が2010年の18万件から2015年の28950件まで低下したのは別に現実の生活の中での集団性事件がこんなにたくさん減少したということを意味せず、数字上の差はおそらく以下のような原因によるものではないかと推測されます。

    ① 全国性の集団性事件が一体何件おきているのかは中央の主管部門がデータを持っているでしょう。しかしそれは「国家機密」として発表されません。「伝播ビッグデータ」は全国の総計を見られる立場だったのでしょうが最終報告には規則によって関連データを公表しなかったのでしょう。「非新聞」の方の統計はボランティアによるものでネット上の資料の収集データであり、政府側の研究のようなデータにアクセスはできなかったのでしょう。

    ② 習近平政権になってから、護憲派人士や反対派、批判者に対する圧力は強められ、各種の抗議行動ができる空間は大幅に狭められたことによる減少。

    ③ 習近平政権になって生活保護の範囲が拡大され全国的に対象者が増え2015年は企業は3や外資関連工場の撤退などの原因で少なくとも1億数千万人の労働者が失業。しかし、失業者は工場を離れた後では工場にいたころのように容易に組織されにくい。一旦、失業者となると故郷に帰るか、別の仕事をさがすか、つまり砂のような存在になってしまう。これも集団性事件の発生件数が減った理由のひとつ。どちらのデータでも労働者の集団性事件となる活動のパターンは未払い給与の支払いが主で、給与値上げや待遇改善ではないことを指摘しており、これはつまりこの種の賃金未払い解決の訴えは労働者が工場を離れる前の最後の組織的な抗議活動だったということの証明。

    ②と③は集団性反抗事件の総数からは減少した可能性はありますが、しかし、そうれでも28950件にまで急激に減少したほどではなく、「非新聞」はデータに特に注釈をつけて「記録があったのは」といっております。つまり不完全な統計だ、ということです。

    2;事件のパターンと2015年の経済状態ははっきりした関係がある。

    ふたつの報告の提供する集団性事件のパターンは、農民が強制的に土地接収されたり、家屋を取り壊されり、役人の腐敗や環境破壊汚染破壊などの伝統的な集団性事件の他に、はっきりした一つの特徴があります。それは、2015年に経済問題が多発した分野でやはり集団性事件も多発していることで、例えば民間金融方面の集団性事件は爆発的に増えているのは銀行経営の理財商品の破綻と大いに関係しております。

    「伝播ビッグデータ」は“泛亚”(*昆明泛亚有色金属交易所の略称。2011年4月以来、数十万人の投資者を集めたが破綻;http://www.voachinese.com/content/fanya-metal-exchange-20150921/2973451.html)、MMM、卓达(*どちらも詐欺騒ぎになったらしい)などのローン企業が参入規制の敷居が低いのを利用して、監督監査などの条件がないまま複雑な金がすぐ儲かるという商品をネットを利用して売り出し、「金融新時代」の旗のもとに現実の利息よりはるかに高い利息を掲げ投資者を募り、ネット利用の詐欺、マネーロンダリング、違法資金あつめなどの犯罪の温床となったとしています。

    「非新聞」によると、給与未払い、商業詐欺などにからむことが半数であり、こうした金融関係のトラブルは商業詐欺に分類されるとしています。

    各種のシャドーバンクの提供した金融商品の破産は、投資者の元金をパアにしてしまいました。中国メディアの報道からも、例えば「財新周刊」は「資金集めの危険が明らかに。トップから調査の厳命」という記事では2015年に違法資金集めの事件は金額も、波及人数もその被害のお読んだ範囲はこれまでになく広範かつ猛烈なもので、あと一歩で社会集団性事件になるものもあった、と。各地の違法金融活動指導小組事務局が重点的に注目しているのは、e租宝、e联贷、恒昌财富、银谷财富、首山财行、紫马财行、证大财富、鲁金所、借贷宝、天峰财富、开开贷、 捷越联合、华赢凯来、望洲财富などの多くがインターネットバンキングだった。

    2009年以後、政府は4兆元を投じて投資し、地方政府の各種の融資プラットフォーム(*ノンバンク)は政府の黙許のもとに各種のシャドーバンクが氾濫してトラブルのもととなっており、売り出された投資商品は様々。ネット上では「田舎の金持ちは信託で死亡、中産階級は株で死亡、草の根庶民派P2P(*ネット金融)で死亡、という書き込みがありました。

    予想されることは民間金融の破産による集団性事件は2016年も引き続き、主要なパターンだろうということです。

    3;経済衰退地区では不動産産業が集団性事件の増加の原因に

    「伝播ビッグデータ」は、集団性事件の原因は不動産関係の労働者(建築労働者)と不動産所有者(不動産の質の問題で)の他に、投資家、商店主、そして環境保護関連の事件の増加が目立つといいます。主要な地域としては河南、河北、江蘇省など。「伝播ビッグデータ」も「非新聞」も統計データを比較すると状況は似ています。労働者に関しては「非新聞」は河南、広東、河北、江蘇などがリストのベスト10のうちの64%を占めているといいます。これらの地域で集団性事件が多いのは経済の衰退と関連しており、河南では石炭産業、河北では鉄鋼業がおしなべて「脱工業化」の重点業界です。

    4;インターネットが集団性事件の工具になっている?

    「伝播ビッグデータ」は多くのページをつかってインターネットが組織化の道具になっているという結論を論じており、「黒龍江慶安射撃事件」(*徐纯合なる男が北京に上訴しようとして駅で警官ともめて射殺された。)の調査を例に2015年の大規模な集団性事件はおしなべて組織の特徴としてインターネットで動員をかけそれにはSNSが重要な働きをしているとし、ますます多くの集団性事件がネット上で組織、計画、募集、手配され、時には報酬までだすというワンセットの過程として使われており、ネット上でも実生活分野でもともにあいまって進められており、重大な集団性事件の組織はすでに典型的なインターネット+αの特徴を持っているとしています。

    また、その他の類型パターンとして、「あるものはホットポイントの事件を命名し、あるものは行動目標を名前として、あるものは共同の利益を名前としている」として、「海南美蘭事件」を重点的に書いて、最後に当局に今後、インターネットの管理とコントロール強化を提案し、ネットが集団性事件に利用されないようにすべきであるとしています。

    しかし、「伝播ビッグデータ」のインターネットに対する見解は「政府は火を放ってもよいが、一般庶民はロウソクもつけてはいけない」というようなもので、インターネットを道具にするのはべつにそれをつかって集団性事件を起こそうという人ばかりではありません。中共当局もネット攻撃と中国人クラッカーを使ってデータを盗んだのが米中の仲違いの原因となったというのは世界中が知っています。1月16日の台湾総選挙のあと、中国側は故意にその”ネット海軍”を出動させて、蔡英文のFacebookに三時間以内に2万ちかい書き込みで、その大半が罵声だったのでした。また台湾の三立新聞と香港の苹果日报も中国ネット民の短時間に膨大な書き込みをする嫌がらせをうけたのでした。

    中国政府はインターネットが自分たちだけが使える道具だとかおもわないほうがいいでしょう。民衆がネットを集団性の犯行に使うというのは中国の現段階の社会の犯行の水準がより高まって成熟してきたということです。ましてや、政府が一切の組織的リソースを握って離さず、民間のあらゆる組織的活動を圧迫しているわけですから、中国の民間がネットを組織的犯行の道具につかうというのは道義的正当性があります。

    2015年の集団性事件の特徴が表しているのは中国の集団性事件の原因は依然として参与する人々の権利が深刻に侵害されており、温和な社会的犯行で利益を満足させたいという訴えなのです。2016年には中国経済は長期衰退に入りますから、各種さまざまな形で利益を失った人々があらわれるでしょうし、集団性事件はますます頻発することが考えられます。(終)

    拙訳御免。
    原文は;何清涟:2015年中国群体性事件的新特点 http://www.voachinese.com/content/heqinglian-blog-china-group-20160122/3159441.html

     

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