• 程暁農氏;中国経済の「二つの景気の柱」が消えて「天井」にぶち当たった「新常態」(RFIより)

    by  • February 2, 2016 • 日文文章 • 0 Comments

    程暁農

    2016年1月23日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    https://twishort.com/1XPjc

    2016年1月19日、中国政府は2015年の国内生産成長率は6.9%と発表しましたが、この数値は25年間で最低だったので各方面の注目を集めました。仏のメディアは「中国経済のたるみを憂慮すべきか否か」という疑問を呈しました。そのほか、国際通貨基金も今年と来年の全世界の経済の成長を3.4%、3.6%に分け、中国経済の成長率を2016年の6.3%と2017年の6%に下方調整しました。習近平は以前にこれからの5年間の年平均成長のボトムラインは6.5%であるとしています。世界第二の経済体として今日の中国経済の経済成長減速は過去の急上昇同様に、注目を浴びています。今日の国際番組では、在米の著名な学者でプリンストン大学社会学部博士の程暁農さんに中国経済の急速な発展の2、30年と「ふたつの景気」と未来の「新常態」などについてお話しいただきます。

    ★中国経済が「天国」から、「人間界」に「回帰」したのが”新常態”

    質問;なぜ中国経済は二、三十年の急速発展ののち、天国から地面に落ちて再び世間並みになってしまうのですか?

    答;実は政府は去年、「新常態」という言い方をし始めました。でもこれが何を意味するのかという説明はありませんでした。実は「新常態」というのははっきり言えば「繁栄よさようなら」なんです。つまりもうあの急速発展は戻ってこない、ということです。

    一体、過去の2、30年の急速発展の成長が「常態」だったのか「非常態」だったのか?もしそれが常態だというのならそれはまた復活可能なのか?というのが国際社会が注目している問題です。事実上、世界には多くの国々が中国の急速成長が復活するのを期待している国々が多いのです。オーストラリアやブラジルのような鉄鉱石の輸出国家の経済も発展できますから。もし中国の過去、2,30年の急速成長が「非常態」ならば、その意味は今後は低成長が常態であるということです。これでは中国経済の再度の繁栄への期待は敗れるでしょう。

    中国の2,30年間の急速成長の秘密はなんだったのか、ということについて中国人はわかってない可能性があります。私は簡単にふたつの時間帯にわけています。ひとつめは「輸出景気」であり、ふたつめは「土木プロジェクト景気」です。

    ★「輸出景気」

    「輸出景気」は重荷2002年の初め、中国がWTOに正式加盟した後におき、世界各国が中国に大量の投資をおこない、経済のグローバリゼーションがもたらした製造業の低賃金国家への移転の流れでした。これは中国に連続5、6年の輸出の高速成長をもたらし、数年間、中国の輸出は毎年25%になり、あるときは35%にもなりました。このスピードは確かに驚くべきものでした。全世界が中国製品がすべての領域をおおいつくすようにみえましたし、当時の中国は自分たちの経済成長のハイウエイを誇りにおもいました。そして誰もこのハイウエイはいつまでも維持できるのか?中国のような国が毎年25%から35%の輸出の伸びを20年もつづけられるのかということは分析しませんでした。

    でも常識で考えたらそんなことはできっこないことはわかります。もし中国が人口数千万の小さな国で、輸出額が世界でもさらにおおきくても、世界市場の一角をちょっとしめるだけでしょう。しかし中国はスーパー級の人口大国で、中国の労働者はs慧海の四分の一をしめるのです。もし中国がこのような急速成長を続けたら、その結果、世界の工場はみなつぶれるでしょう。全世界の市場がほんとうに中国だけのものになったなら、そのときにも中国はそんな高度成長が続けられるのか?当然不可能です。

    もし世界の四分の一の労働力市場の国家が懸命になって輸出を増やそうとしたなら、必ず他の国と貿易摩擦が起こります。もっと大事なことは市場というのは限りがあるのであり、世界の市場は毎年25%の速度で成長したりはしないのであり、中国の高速成長はですからすぐ極限に達してしまいます。この極限はつまり世界市場の限界でもあります。そこである一定程度になったときに中国の輸出もまた最高点に達したのでした。

    まさにこのタイミングで中国の輸出がもたらした「景気」が、2008年のリーマンショックにぶつかったのです。先進国の消費は急速に萎縮しました。このときが中国の「輸出景気」に急ブレーキがかかったのです。で、中国の「輸出景気」もすでに6、7年を経ており、08年以降はいけなかったんです。今年になってみればはっきりわかりますが、中国の輸出景気はすでに基本的には終わっていますし、この2年間で中国の輸出成長は6%から7%にまでおちています。2015年の輸出は3%です。成長していないだけでなく、輸出景気というものが徹底的になくなったのです。輸出はますます少なくなります。

    ★土木プロジェクト景気

    では、なぜこの数年、輸出がすでに減少している状況下で中国経済は高度成長を維持できたのか?それは2008年のリーマンショック以後、中国政府は高度成長がとまるのをおそれて、4兆元(約57兆円)の超大型の景気刺激策をとりました。表面上は中央政府がだした1兆元だけのようにみえますが、地方政府も一兆元以上だしています。しかしそのほんとうの意味は地方政府に不動産開発の起債を許したことです。このやり方は同時に中国の中央企業、つまり国家資本委所属の大型企業(中国石油から中国海底油田まで)それを見習い、かくて全国の中央から地方まで大型国営企業が不動産投機をおこなうようになりました。

    やり方の第一は大都市の古い住宅を壊して高いビルをたてハイクラスの商業エリアをつくる事でした。第二には郊外の住宅地の開発で第三はあらたに大型プロジェクトで「新区(ニュータウン)」をつくりました。またそれに必要な鉄道、道路などのインフラもふくむ土木プロジェクトが全国で花開きました。全国が作業現場になったのです。この現象は全国経済に大転換をうみだし、つまり輸出中心から土木建築中心にかわったのです。土木プロジェクトの上流に位置する産業、鉄鋼、非鉄、建材、セメント、ガラスなどなどが中国中で盛んになりました。中国の鉄鋼生産量は数年で倍以上に増え、10億トン以上になりました。中国だけで土木プロジェクトのために生産された鉄鋼は世界の総生産量の倍だったのです。

    この「土木プロジェクト景気」は中国に数年間の繁栄をもたらしましたが、それは続けられるものだったのでしょうか?みたところダメのようです。原因は家を作るのは売るためなのですが、もし売れなかったらその家を建てた組織、地方政府だろうが不動産会社だろうが破産します。中国が直面しているのはこの問題なのです。中国ではまず不動産価格が値上がりして、一部の人々はいいおもうをしましたし、もともと不動産をもっていた中産階級層の資産は増えましたし、数年のうちに自分たちは金持ちだとおもうようになりました。しかし、家を持たないひとにしてみれば、そんな高い不動産価格では家はとても買えませんから、結局建てた家は売れなかったのです。

    去年の北京大学の調査では中国の十数パーセントの都市住民は家を持っていません、つまり借家に住んでいます。6割はひとつだけ家をもっており、のこる2割から3割の人々がふたつ以上の住宅/アパートをもっています。そのうちの数百万から一千万ぐらいは平均して6軒以上の住’/アパートを持っています。このことからわかるのは、全中国の不動産価格はますます値上がりしているにもかかわらず、ほんとうに不動産で金をもうけているのはたった1000万前後で彼らは平均6軒の家をもっています。彼らが家を買うのは儲けるためであり値上がりしたら売りに出すためなのです。

    このような不動産市場は極めて奇形的なものです。家を作ってもそこに住む人のためではなく、住まないで値上がりを待つ人のためですから。このような奇形的な需要供給構造は結局、土木プロジェクト景気を続けていけないようになってしまいます。わたしたちはみんな中国全土の地方政府が懸命に住宅をたて、たてたらすでに6軒も家をもっている1000前後の人々がさらに16軒、26軒、160軒と買うでしょうか?絶対にありえません。なぜならこうした買い手の目的は利ざや稼ぎの販売ですから、誰にうるのでしょう?実際には現在の中国の都市にこんな高い住宅を買える人はそんなにいないのです。

    不動産価格が一定の高さになって、居住者たちの収入水準を超えて、不動産市場は飽和状態になりました。売るに売れなくなり不動産会社は損をしはじめ資金の供給チェーンは切れ、そのあと土木プロジェクト景気は消え始めました。これが去年、おきたことです。ですから、2015年は土木プロジェクト景気は深刻な困難にでくわし、輸出景気は完全に消えてしまい、銃年来銃年来の輸出のプラス成長は輸出マイナス成長になり、このふたつが同時におきて、中国経済は困難な時期にはいったのです。これがつまり中国政府のいう「新常態」です。

    ★「新常態」の天井

    それでは「新常態」はふたたび高度成長をもたらすのか?現在の中国の状況からみて「さらに多くの人々に家をつくって売れるだろうか?」です。現在の中国をみると不動産価格はすでにピークですし、一般家庭は買うことができません。北京の1平米45万元という価格は米国より東京より高いし、普通の中国人家庭の収入は月一万元ぐらいですから、この収入水準ではいかにしてもそんなに高い住宅は買えません。ですから、不動産価格はもうこれ以上あがりません。不動産価格があがらないということは不動産の繁栄はもうやってこない、ということです。

    ★高度成長の偶然性景気はもうこない

    前の方で「輸出景気」といいましたが、現在、先進国ではあらたな構造的変化がおきています。米国で再工業化がはじまったように、製造業が米国に回帰していますし、あるいは米国のちかくのメキシコのようなところに大型工場地帯ができています。ですから多くの中国でつくっていた生産品はいまや、米国やメキシコ製になっています。そのほかに、中国の人件費があがったことももともと中国に投資していた香港企業や外国企業がどんどん去っていく原因となっています。人件費がたかすぎて、そのほかの税金も重すぎるのです。彼らは東南アジアやインドに向かっていますし、中国企業もアフリカに向かっています。こうした企業の製品はこれからはエチオピアやインド製、スリランカ製になり中国は無関係になるでしょう。こうした「輸出景気」は一度は中国に繁栄をもたらしましたが、もはやふたたびもどってはこないでしょう。

    ★「新常態」の意味;上は天井、下は底なし。

    過去、中国の十数年から20年の高度成長は実は偶然性を帯びてもいます。それがそうした偶然性の要因がみな消え失せ、中国は中国政府がいうところの低成長の「新常態」にはいったんです。その意味は、私が理解するのは「今後は中国経済はただ低成長するしかない。その低成長がどの程度かは私たちには判断するすべがない。しかし、もし偶然性の要素が、例えば不動産バブルの崩壊とか世界経済がまた動揺するとか、あれば経済がもっと落ち込むことはありえるだろうとおもいます。2016年はじめ、中国国家統計局が発表したのは;2015年の中国のGDP増加は2年前より落ちているということです。つまり「新常態」の意味は、経済成長がこけたら底なしだが、上はもう天井でいっぱいいっぱい。今以上に高くなることはないということです。いまが今後の中国経済で最良の時とも言えるわけです。

    現在中国国内では「中国は現在はふたたび『苦しみの日々』に戻ろうとしている、という言い方があります。「苦しみの日々」というのは腹一杯飯が食えないということではなく、一般庶民はポケットの中のお金では物価値上がりにおいつかず、家賃においつかず、みなおもいきり財布の紐をしめなければならないだろうということです。こうした状況に、国内の一般庶民はすでに準備を始めています。金のある人々はあの手この手で金を外国にもちだし、人民元を米ドルに変えようとしています。そのほうが安全だと思うからです。というのも人民元はどんどん値下がりしていますから。しかし政府は人民元をドルに買えるのを制限しようとしています。米ドルがむりなら、香港ドルにしようとする人たちもいます。これはまた香港ドルの危機をまねいています。こうした現象のすべてはつまり国内の庶民がみな今後の危機にそなえる動きだと言えましょう。

    質問;株式市場はどうでしょう?

    答;中国の株式市場は2015年ですっかり投資家の気持ちを冷やしてしまいました。去年、市場に参加した投資家は平均ひとりあたり数万元損して、血を搾り取られています。これからの株式市場は低い水準で動くだけでしょう。おしなべていえば投資家が株式市場でもうけようという可能性はおおきくありません。というのも金のある人たちは株式市場からお金をひきあげてドルに替えて海外にもちだそうとしているからです。この動きが逆転することはないでしょう。つまり、株式市場も現在、血液を失っっているのです。

    質問;人民元が国際通貨基金のSDRバスケットに入ったあと、ずっと値下がりしているわけですが、今後はどうなりましょうか?

    答え;人民元がSDRバスケットにはいって、中国が特別引き出し権のメンバー国家になったということは実はすでに大した意味がなくなってしまっています。一つの国の通貨が外国中央銀行の備蓄通貨になりたければ、その前提はその国家の貨幣価値が比較的安定しているというのが条件です。中国人民元は現在、普段に下落して、さらに下落しかねませんし、今年には1ドル7.3人民元になることもありえます。こんな常態ではどんな国の中央銀行でも人民元を備蓄したいなどとはおもいますまい。だって人民元を買ったり、中国国債をかったらすぐ価値が減じかねないのですから、自分たちの外貨準備が減ってしまいます。ですから外国の為替管理局長だって中国外国為替管理局長のようにビルから飛び降り自殺なんかしたくないでしょうから、買わないでしょう。かれらが買わないということは人民元が「特別引き出し権」の対象通貨になったといっても中身のない名目的な話で実質的な意味はまったくありません。(終わり)

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    拙訳御免。
    原文は;http://newsabeta.blogspot.com/2016/01/blog-post_165.html

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