• 全世界を不動産バブル化する中国

    by  • April 9, 2016 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2016年3月13日

    全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi Jun

    https://twishort.com/f6ikc

    今年の全国人民代表大会(*とオマケの中国人民政治協商会議)の期間中、国家発展改革委員会主任の徐紹史は「中国経済はハードランディングしないし、世界経済の足をひっぱってもいない」と言いました。しかし世界経済の不確定不安定な要素は依然として存在し、中国経済に影響を与えかねません。ハードランディングかソフトランディングかはもう前に書きましたし、今更、中国経済が世界に影響を与えるかどうかとか別に書く気もなかったのですが、しかし徐主任の話をきくとやはりこれは指摘せざるをえません。

    ★中国経済は世界のどんな面で影響を与えるのか?

    まず最初に、中国経済がこれまで世界にどのような影響を与えてきたのかを振り返っておきましょう。

    この30年来、中国は対外開放政策を通じて、まず外国の投資を受け入れて資本の問題を解決。次にWTOに加入し、世界に廉価な商品を輸出、これによって台湾、香港などの「4匹の小龍」の産業を吸収し、当然「4小龍」は衰亡し、これらの国々の就業先も流出し、中国は大儲けし、当然我ら中国人は万々歳でした。そして、実力を十分蓄積し、90年代からは対外に全方位的に資本輸出を開始、全世界において戦略的に資源産業に投資し、失敗の方が成功より多いぐらいでしたが損害を顧みない気前の良い投資ぶりは世界に深い印象を与えたのでした。

    中国と世界の関係にはプラス面とマイナス面があり、その評価はどういう立場かによって変わります。中国の立場に立てば、当然100%プラスです。少数の毛沢東左派がときどき外国資本が中国の労働者を搾取しているとか、吸血資本だとかいいますがこれは正式の政府の言ではありません。しかし世界の各国から見れば時に応じて儲かることも損することもあり当然苦もあれば楽もあり、なのです。

    まず、メイド・イン・チャイナの廉価商品について。21世紀になる前後の7、8年間は世界各国の消費者は確かに中国の廉価な商品の長所を喜んでいました。しかし2005年になるとまず鉛入り玩具が問題となり、続いて食品原料、粉ミルク、飼料のメラミン問題がおこり、農薬の残留物や様々な毒性物質が含まれていること、そして紡績、皮革、建築材料(パネルなど)にも有毒物質が含まれていることから世界で拒否されはじめました。WTOでは始終訴訟問題がおき、米国は中国を外した別の国際貿易組織であるTTPをつくらざるをえなくなりました。こうしたことは中国からみれば当然、全世界が中国強大化をおそれて中国包囲網を作ろうとする陰謀だ、となります。一方、世界からみれば中国はルールを守らない面倒ごとを生み出す大元であり、自分たちはトラブルをおこさずこれを避けられるか、という話になります。

    世界の工場としては終わってしまったあとは紙幣を印刷しまくって基礎インフラを作ることが残っていました。
    2009年から中国は世界第一の紙幣印刷マシンとなったのですが、それも2012年うまく機能しなくなり、98.3億平米の不動産在庫がつみあがり、数十の産業で生産力過剰となってしまいました。「二つのシルクロード計画」によって世界の30数ヶ国に輸出を図りたいのですが、それらの国家はどれもあまりぱっとしない相手で、動乱だの戦乱だの、あるいは経済衰退中です。こんなわけで中国はこれまでのように世界中に手を広げて商品を買いまくるといったことはもうできなくなりました。この状況は「中国経済の衰退で消えた資源国の発展の夢」(2016年2月6日 http://heqinglian.net/2016/02/27/economic-recession/)で書きましたが、全世界を困らせることになっています。鉄鉱石や資源の輸出国、例えば豪州、ブラジル、南ア、中東、ロシア、カザフスタンなどでは中国という大口の買い手がいなくなって国内の関連企業の労働者が失業の憂き目をみて、経済成長が長期にわたってストップしてしまいました。さらに中国に豚肉や小麦、トウモロコシ、米などを輸出していた国々も中国という超大型の顧客が買ってくれることを期待し続けています。中国がお金をだしてこうしたものを買えないということは当然、中国が世界経済の足をひっぱっているということはできません、せいぜい、中国が自国経済もひっぱってくれるだろうという願いが虚しくなったというだけですから、徐紹史の話も全く理屈にあわないということはありません。

    ★不動産担保の「大儲け」実現の最後の”チャンス”

    中国の不動産マーケットも世界とつながっています。この関係はどうして生まれたのかを分析しましょう。
    中国の北京、深圳、上海などの第1級都市においてこの2ヶ月間に不動産が狂ったように値上がりしており、一体どのぐらい上がるのか?です。騰訊ネットで流れた急騰のニュースによると、上海と深圳は去年、中国で一番不動産が値上がりし、上海は18.2%、深圳は47.5%でした。深圳のある住宅区画は140億に達し、中国第五の飛行場の深圳空港の148億に匹敵しました。しかし、この区画から年間に得られる地代は空港が創出する年間利潤に比べたらものの数ではありません。こんな無茶苦茶な住宅価格はどうして出現したのでしょう?それはやはり中国人の大群が不動産バブルで「ボーナス」をかせいで現金化して、国外へ撤退しようとしているからです。

    3月8日、財新ネットに「監督官庁、『頭金貸し』(*不動産購入で頭金がないならそれも貸しましょう、というもの。当然、不動産転がしを奨励してるようなもの)を規制。住宅ローン貸し出し資金の秘密」という記事で、銀行が監督官庁の圧力で「頭金貸し」商品を提供できないので、帳簿外の理財資金や「二重契約(提出用と本物が違う書類)」によって大量に関節関与しており、場外の資金も暴騰する不動産市場が砂が水を吸い込むように流れ込んでおり、あるネット貸金業では頭金の半分を信用貸しするといいます。この場外から流れ込む資本によって無茶な成長をとげている不動産バブルの中で危機が育っているのです。重慶市長の黄奇帆ですら今回の人民代表大会の討論でレバレッジで利益を得る理財商品とテコは米国で頭金ゼロの住宅ローンで破綻したリーマンショックの原因になったもので注意しなければならないと憂慮を表明したほどです。

    「深圳・上海の建物価格暴騰の仰天真相ー中国からの資金逃亡のパイプ」という一文の分析は最もよくかけています。
    作者は深圳の売買は主に旧住宅を対象としており、在庫とは無関係で、おもに不動産所有者がレバレッジを使って資金を引き揚げるのに利用していると。こんなことができる原因は中央銀行が貸金利息をコントロールしているために実際の利率と大きな乖離があるためだと。さらに資金源が国有銀行に独占されており、銀行の貸金の絶対大部分は国営企業と特権的民営企業に独占されている。銀行の貸し出し利息は1割なのに、中国の民間の平均利息は3割前後で、中国の実業企業の平均利潤率は5%しかないから、多くの国営企業と特権的民間企業は銀行から安い金を借り、実業に投入せず、その資金で株などを転売するのに使っている。現在の中国のシャドーバンクは事実上、利息のブラックマーケットである。
    筆者はさらに、不動産が中国国民の富のなかで最大の割合、約5割をしめており、不動産の高騰はつまり人民元の国内購買力の低下である。一旦、不動産価格が暴落したら、庶民の被る悲惨な損害は2015年の株式どころではないだろう、と指摘しています。この種の悪巧みが不動産から引き上げられた中国資金が全世界に影響を及ぼすのです。

    ★中国バブルが世界の不動産バブルを推進する

    今年2月の中国外国為替管理局が明らかにした2015年の中国国際収支バランスのデータは2015年末、中国の外貨準備高は約3.3兆米ドルで、前年より5127億ドル減ったことを明らかにしました。今年1月にはさらに994億ドル減り、そのあと中国政府が「一大決心で資金の外国流出を規制」し外国為替管理を厳格化したので、2月分は286億ドルで、3.202億ドルです。

    2014年6月末の3.99兆ドルに比べると中国の外貨準備はこれまでに7900億米ドル近く減りました。このような巨額の資金が国際社会に流れたとなれば必ず巨大な影響を与えます。こうした資金はどこへ流れたのでしょう?一部は投資に回りましたが、その投資はおもに全世界の不動産を買うというやりかたですから、世界の不動産値上がりに貢献したわけです。

    「中国企業のグローバル化報告2015」というシンクタンクのデータですと、2013年、中国の不動産企業が海外で購入した総額は219.27億ドルで、2014年の投資規模はさらに増え398.87億ドルであり、そのうち米国で不動産購入に使われたのは286億ドルです。2015年上半期だけの投資件数だけで2014年1年間の投資案件になります。万科、绿地、万達といった巨大企業を頭に、多くの不動産会社は海外市場で開発、独立購入などのやりかたで資金をつかっています。この種の投資はすでに各地の人口などを大きく変えています。

    「なぜ中国人は全地球で家を買う」(財経国家周刊・20150907)は韓国の済州島では2009年、中国人が土地の2万平米を持っていたが、2015年4月末には1173平米になった。6年間に600倍。済州島の外国人所有地のうち中国人所有が6割になっている。英国のロンドン、豪州、ドバイなど十数各国・地区も中国人の富豪たちの好む土地投資先である、としています。

    中国の外貨管制が人民元の価値を高くしており、世界最大の紙幣印刷機がジャブジャブお札を印刷して世界中に流し込んでいるということを外国の投資業界の人々はあまり考えません。中国の不動産価格はとっくにその実際の価値からかけ離れたものになっており、北京、天津、深圳などではアパート(約150平米、50坪)が600万人民元しますが、それが現金化されて米国東・西地区にもってこられると(といっても、マンハッタンとかサンフランシスコ旧市街を除く)、巨大な庭園とプールをそなえた面積は3倍もある一軒家が買えます。こうした比較計算から中国人は国内不動産市場のバブルで儲けた金を「ボーナス」として買っているのです。つまり中国経済のバブルを世界中にばらまいて、その他の国々の財産を”薄めて”いるわけです。

    もし中国人が世界の資源や食品の大口購入者であることをやめても別に世界の足を引っ張っていることにはならない、というのなら、この種の大量の紙きれの「ボーナス」によって他の国々の現実的な財富と交換することが世界経済のバブル化を推進していないのでしょうか?

    むろん、これはグローバル時代の今日の「爆弾どっかーんゲーム」であって、最後には誰ががババを掴む、そりゃお気の毒にということになるのです。(終わり)

    拙訳御免。
    原文は“帝国红利”套现,推动世界房产泡沫化 http://www.voachinese.com/content/voa-qinglian-he-20160312/3233395.html

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