• 北京は債務危機にどう対処する?2016年5月2日

    by  • May 28, 2016 • 日文文章 • 0 Comments

    最近、国際金融会と投資業界は中国の債務危機に対して極めて高い関心を寄せています。アナリストは技術的側面から大量の分析を行い、最も悲観的な予測では債務危機が貸金マーケットの信用が崩壊してしまい2008年の100年の老舗のリーマンブラザーズが倒産したあのリーマンショックのような急激で爆発的な金融危機を招く羽目になるだろうというものでした。主流の意見としては中国は日本のバブル経済崩壊後の経済危機のようなことになって成長力は失われ、成長は止まってしまうだろうというものです。

    ★あらゆる指標がすべて中国が金融危機に直面していることを示している

    英国のファイナンシャルタイムズのデータによれば、2016年第1季度に中国の債務総額とGDPの比は記録的な237%となりました。国際決済銀行(Bank for International Settlements/BIS)の推計ではもうちょっと高く、中国の債務とGDPの比率は249%で、ユーロ圏の270%、米国の248%と大体一致します。債務とGDPの急増の原因は北京が大規模な財政融資によって経済成長を促進したためで、中国は2016年の第1季度であらたに6.2兆人民元の融資を行い、これは史上最高の季度増額幅で、従来より50%を越す増加ぶりなのです。

    ですから、「現在の拡張のスピードでいけば、一部の銀行は遅かれ早かれあらゆる資産融資が安全ではないことを発見するだろうし、その時が来たら金融危機勃発の可能性がある」という分析もでてくるわけです。

    英国のファイナンシャルタイムズのデータは中国中央銀行のいわゆる「社会融資規模」のデータに基づき、それに中国財政部と統計局の中央政府と地方政府の債務関連のデータを加えたもので、基本的には信用のおけるものです。中国政府側が否定しようにもそれは多分、不良貸付率が十数パーセント低いとか、パーセンテージがちょっと多いとかいうものでしょうし、またギリシャが債務危機に陥ったが中国はそうならないとかいうような文章にみられるような、EUや米国と中国では構造が違うとかいったことでしょう。
    しかし、こうしたことはみな技術レベルの分析です。もし技術的な要素からだけ見れば、中国はとっくにある程度の金融危機に陥っているはずです。私は、中国と日本の両国の体制の違い、という角度から、中国の将来の金融危機と日本の状況のどこに根本的な違いがあるかを分析して見ます。

    ★中国銀行業界の現状と日本のバブル経済時代の相違点

    表面的には中国の銀行業界と日本の銀行業界が20世紀の90年代はじめ、つまりバブル経済の到来以前に極めて似ています。どちらも信用危機の要素を孕みながら資産規模が急激に拡大するという段階を経てきています。

    日本の銀行業界は金融緩和政策の元で、高い貯蓄率と流動性の余裕によって資本規模が急速に拡大して貸金の増額がGDPの伸び率をはるかに上回り、1984年から1990年にかけて、日本銀行業界の総資産学は373兆円から757兆円に、103%増加しました。この種の資産の急速な増速は預金の急速な増加と関連し、同期の銀行業のそう預金規模は268兆円から495兆円となり、7年間に84.7%の増加しました。

    中国の銀行業界における資産規模の増大は、日本より更に速く、2011年末の中国銀行業金融機構資産総額は113.28兆元でしたが、2016年3月末には203.34兆元となり、5年足らずの間に資産規模は79.5%増えました。

    異なる点は、中国銀行業資産総規模の拡大要素が銀行顧客総預金が増えたからという理由によるものではないことで、中国の業界人も別に憚ることなくおおっぴらに資産規模の拡大とスピードは主としてに中国国内の金融緩和通過環境によってであるということを認めています。例えば中央政府が経済を押し上げ、貸金・投資を加速させ、不動産業界の勢いを取り戻し、建設需要を回帰させたいというようなことはすべて”成長要因”であり、その増加は銀行資産規模の拡大に重要な力を発揮させているのです。

    しかし細かくみてみれば中国と日本の銀行業界の資産構成の偏りは部分的ににているだけです。日本の銀行業界ではおもに不動産に偏っており、これによって危険が高まっていました。1984年から1990年、日本国内の不動産に対する貸金は製造業への貸金とGDPの増速よりはるかに上回っていまして、そう貸付のうちの7.5%から12%にまで増えていました。製造業への貸付は26.6%から15%まで落ち込んでいました。そのうち1986年と1989年の不動産貸付の増加は一番早く、増加スピードは35.1%と27.7%でした。

    中国経済のトップ産業は不動産業ですが、銀行業の資産構造は経済体制と政府の強い干渉の元で、その悪性貸付の原因はいくつもの大経済領域にまたがっています。その主なものは不動産業界、大型国営企業、そして地方政府の巨大債務です。不動産業界を例にとれば、全国の都市や町での売れ残り住宅は4.3億平米で、建設中の住宅が44.4億平米の合計48.7億平米でこれらの売れ残り住宅の過剰在庫がすなわち銀行の貸付です。2016年の第1四半期で、中国の個人住宅購入貸し付けは1兆元増加し、第1四半期の新たな貸金は4.16兆元です(国内データ、フィナンシャル・タイムズ紙の見積もりより1.59兆元少ない)。これは、20%を超える新たな貸金が不動産市場に流れ込んだということを意味します。

    第2の大きな源は国有企業です。2015年10月の中国財政部月報によると9月30日までに中国国有企業全体の債務総額は77.7兆元になり、中国のGDP総額を超えています。今年の興業政策研究所のレポートはもし二年以内に国営企業中に15%を占める「ゾンビ企業」が全部倒産したならば7割の有利子負債は焦付き貸し倒れになり、影響をうける債務は1兆0671億で、その一割が債券で9割が銀行債務だと伝えています。

    中国の銀行業というのは政府のお財布であり、国営企業は「中華人民共和国の長男」ですから、この三者の分かつことのできない利益関係は中国銀行業界の運命を決めるものであって、そこが日本の銀行とは違うのです。

    ★中国国有商業銀行は日本と違って「国と一蓮托生」

    中国銀行業界の状況はその実、バブル経済崩壊以前の日本の銀行業界よりもっと悪いのですが、しかしだからといって中国が日本のような金融危機を必ず迎えるだろうとみるならば、それは中国と日本の根本的な違いを見逃していることになります。すなわち金融の安全は中国では中共政権の安全に関わることだ、という点を。

    中国の国有金融システムは「国と一蓮托生」なのです。日本の金融業界と政府の関係は当然、米国の銀行と政府の関係より近しいものですが、「国と一蓮托生」というには程遠いものであり、内閣が倒れたからといって銀行の生死が直接関係するわけではありません。

    金融業の安全が政権の安全に関わり、中共が政権掌握こそが自らの命脈だとしており、政権交代などおこれば「一千万人の首がとぶ」事態となれば、金融危機を防ぐやりかたは自ずから「どんな手段でも、なんでもあり」なのです。

    中国政府は直接銀行の不良債権を無くさせることもできます。日本政府にはできません。日本の銀行業界は小泉真一郎が首相になってからようやく改革の大ナタを古いはじめました。主なやりかたは大規模な金融機構の合併再建ブームで、直接処理方式で不良債権をなくし、不良債権整理回収機構の権限と能力を強化し、企業再生を促進させました。これらの措置は日本の銀行システムの不良債権比率の引き下げを促進させ2002年から2006年にかけて銀行の不良債権比率は8.7%から1.8%に減らし、金融機構全体の不良比率を8.6%から3.6%にまで減らしました。

    中国政府はこうした日本のカタツムリがノロノロ這うようなやりかたは決してしないでしょう。もっと直接的かつ強行に短期的に銀行の不良債権を移してしまうでしょう。例えば朱鎔基総理の時期に政府は直接4大資産管理機関を成立させて銀行から不良資産を引き剥がし、企業の不良債権を株式化(Debt for Equity Swap)して、企業と銀行の帳簿上から銀行の不良貸付を消し去って重荷を取り除きました。温家宝総理時代には外資を戦略的投資家にして資金を吸い上げ、国有商業銀行の資産再編を援助しまし、香港と中国のA株市場に上場させ、それによって災い転じて福となしたばかりか、中国銀行、建設銀行、工商銀行を国際的なベストテン銀行の地位にまで飛躍させ、もっとも稼ぎの良い銀行にしました。今、中国政府が金融危機を脱するためにまさに朱鎔基の昔の方法を採用しているのですが、ただ今は昔と違って古いやり方では新しい苦境に対処することはできないのです。

    簡単に言ってしまえば中国の金融危機の寄って来る所以は政府が経済に干渉することにあり、政権の安全が金融の安全につながっていますから、中国金融の最後の防波堤はつまりは「銃剣」(*軍隊と警察の国家権力)なのです。この点に関して全世界はよくわかっていませんが、中国の専門家はみなわかっています。中国金融業の学者が最近、はっきりしない謎めいた言い方で「中国と日本の政府では調整能力が違う」という言い方をしました。これは表向きは当然、「中国政府の経済コントロール能力はより安定したもので展望のあるものだ」ということを褒め称えているわけですが、その意味は言わずともあきらかです。

    私は「中国金融危機はなぜ結局、いつも爆発しないか」(VOA,2016年1月27日 heqinglian.net/..ancial-crisis-2)でその理由はつまり「中国共産党が軍隊と警察を握っているからだ」と指摘しておきました。

    「中国的特色のある経済学」を理解するキーワード「武器を持つものが天地を動かす」です。というのは専制独裁政治はすべて暴力によって権力を獲得して維持するのであり、権力はマーケットを捻じ曲げることも、さらにマーケットを消滅させることもできます。これは2015年、中国の株式市場で経験したことです。中国人にとってみれば債務危機を乗り切る代価はつまりインフレが続く、ということです。(終わり)

    拙訳御免。
    原文は何清涟:北京将如何应对债务危机?
    voachinese.com/..01/3311216.html

    何清漣氏のこれまでの論考は;heqinglian.net/japanese

     

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