• 中国人は自救せよ。誰も中国人を助けない。ー2016年中国水害ー

    by  • August 6, 2016 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2016年7月28日

    全文日本語概訳/Minya_J., Takeuchi Jun

    https://twishort.com/1wNkc
    2016年に中国を襲った水害は罹災者多数の被害甚大なものでした。天災と人災が一緒になって民の恨みが沸騰したという以外に中国人は突然、自分たちは国際的な孤児なんだ問題にされてないのでは?という感覚を目覚めさせました。ネット上ではすぐ消されてしまいましたが、私は中国人はそろそろこの問題に気がついてしかるべき時期であると思います。

    ★疑問;「同じ被害者なのになぜ依怙贔屓?」

    河北省邢台市(しんたい・し)の水害後、溺れ死んだ少女の亡骸と、溺死したシリアの幼児・アイラン・クルディ(3歳)の写真を一緒に並べて(訳者注;img.secretchina..51546_small.jpg)「シリアの子供の遭難は世界中のネットに転載されたのに、邢台の少女が死んでもどれほどの人が注目するだろう?まさか彼らは希望の種を蒔き、我らはただの雑草の種?」という書き込みが国内の微博であっという間に広がりました。この微博は中国国内ではすぐさま削除されました。この「疑問」を見たとき、私が思ったのは、中国人ももし中国に大乱が起きたら、中国人は世界から見捨てられるということにようやく気がついたか、と思いました。
    具体的にいうと、この種の「えこひいき」には実際、原因が三つあります。

    ⑴ 二人の子供が死んだ時点の違い

    シリアのアイラン君が死んだのは、欧州国家が米国が作り出した国際秩序のもとで幸福に暮らし続けて半世紀、行きすぎた理想主義の時代でした(*アイラン君の写真が報道されたのは2015年9月;jp.wsj.com/arti..211692551093796)。ですからアイランの死は西側のメディアを突き動かし、人々の心の最も柔らかい、暖かい同情心に触れたのでした。

    世論の強大な高まりの圧力のもとで西側国家の政治的要人達は自国の経済的負担能力をも含むあらゆる利害を考えることなく、他人より同情心の表明が遅れては大変だ、となりドイツ首相のメルケルは「難民を無制限に受け入れる」と表明し、「我々にはできる」と自信満々でした。もし誰か受け入れ能力について怖気付くようなことを発言したらたちまちそこらじゅうから一斉に罵声を浴びせられる始末でした。

    いま、あれから1年も経っていませんが、フランスやベルギーでテロ事件が相次いで発生し、ドイツではケルンで難民たちによる集団大痴漢事件が発生、さらに2016年7月には一週間のうちに3回の難民とイラン系による殺人事件がおきましたし(*business.nikkei..fb&rt=nocnt)、スエーデンは10万人あたり女性が強姦された数のリストでは53.2人となり、レソト(91.6人)に次ぐ2番目になりました。

    欧州の人々の幸せな生活は終わって、いまや求めても安全は手に入らなくなりました。地中海で死ぬ難民は100人を超す沈没事件がなんども起きていますし、アイラン同様の可愛い子供もその中にいるのですが、テロ事件の恐怖に直面した欧州人にはもう彼らのために悲しんでいる気持ちの余裕はなくなりました。

    フランスのニースのテロ現場では犠牲となった少女とその持ち物のお人形の写真がありましたが、フランスのネットにはアイランの写真とともにその写真につけられたコメントは「男の子が生きてたら、女の子は死ぬ」でした。その前に「チャーリー週刊」雑誌には大人になったアイランがナイフを持って不埒な行為におよぼうとフランス人女性に襲いかかっている漫画が掲載されました。フランス人がこうした容赦ない風刺をおこなうのは、フランス人をテロの標的としているのがまさにフランスで生まれ育ったムスリム移民の後裔達だからです。彼らはフランス国民としてすべてのフランスの福祉制度の恩恵を享受しているのです。

    テロ攻撃は防ごうとしても防ぎきれませんから、フランス警察は疲労困憊し生命の危険もあります。7月17日、フランスの総理はインタビューに対して「時代は変わった。テロリズムはフランス人の日常生活の一部になってしまった」と嘆きました。ドイツの法務大臣のマースはもっと恥知らずにも「ドイツ国内で安全を求めるのは基本的権利ではない」とまで言ったものです。この大臣はいかなる社会的な災害も数からいえば取るに足らない数だが、その家庭にとっては100%中100%を失うのだ、という原則をご存知ないのでしょう。西側の人道主義は個人の人権と生命の安全から始まったのですが、いまや政治家達はテロに対して全く無能で、ただ国内の安全は基本的権利でないなどというのでは納税者はまったくもってアホな政治家達に無駄飯を食わせてきたことになります。

    他人や他国に関心を抱けるのはすべて自国の人民が満ち足りて安定した状況下にあるから人間はみな同じだという同情心の選択がありえるのです。

    一年もたたないうちに人道主義を信奉していたEU諸国の国内ではどこも安全が問題化してしまっています。どこに中国の水害で亡くなった少女のことなどかまっていられるものでしょうか?ましてや中国の中央テレビでさえこの少女のために悲しんではおりませんもの。

    ⑵ 国際社会の眼からみたら中国は災難の国

    いわゆる「人災」の一種は、専制政府が政治的理由によって言論を理由に毎回、誰か著名な人やたくさんの人々を逮捕し罪に落として、いつも国際社会から非難されるというのがあります。

    そして洪水や土石流といった環境的な天災でも原因をさかのぼって追求すれば人災的な原因がみつかります。この点についてはもう最近「武漢水没ー大自然の報復ー;heqinglian.net/../15/wuhan-flood」や「生态安全:一个国家最后的政治安全(2010年)」で書きました。

    このように災難発生率が集中し、毎回の大きな災害で必ず少なからぬ腐敗スキャンダルや政府の怠慢、批判封じ込めがおこなわれるというのはとっくに同民族の香港人に見透かされており、一部の人々からは中国の大陸人は「イナゴ」と呼ばれ、香港独立まで提唱されています。また香港人口の密度は世界有数ですから、感情の上でも収容能力でも香港はもう大量の中国難民や被災者を受け入れませんでしょう。香港がそうならその他の国々はいうまでもありません。

    ⑶ 世界第二の経済大国なら自分で救済できるでしょ

    中国人は世界中で豪邸を買いまくっていますし、奢侈品購買力でも世界の眼を剥かせています。中国の役人の腐敗の数と金額は不断に世界の汚職記録を更新しつづけており、その上中国の軍事費の巨大さもありますから、世界各国は当然のことながら通常の自然災害ならGDP世界二位の中国は自ら克服能力があるだろうとおもっていますので、援助に対する関心も比較的少ないのです。

    中国の政府側報道では今回の長江中下流流域の大水害の被害は深刻で3100万人が被災し、直接的な損害は670億元になるというのですが、各国政府からの慰問は微々たるもので、政府の援助は無いに等しいですね。香港の苹果公司が700万人民元の義援金を出したという報道以降、私がみたのは海外の華僑たちが金をだしあったという報道だけでその金額は微々たるものでした。私が重要なこの種のニュースを見落としているならいいのですが。

    こうした状況に中国人は居心地の悪い思いをしていますね。でも、私は同胞の皆さんに申し上げたいのはベネズエラで今年起きた経済危機で、人民が飢餓に瀕したとき「古い友達」の中国が心配したぐらいで、他国はおしなべて大した関心を示しませんでした。というのもそれぞれの国がみな大変な厄介ごとを抱えていたからです。米国はそうでもないのですが、今ちょうど大統領選挙の真っ最中で、対立が激しくそのうえテロ事件とか警官襲撃事件とかが相次いでおり、しばらくは他国のことをかまっている暇などない、という気持ちなのです。

    ★中国人は「自救」の意識が必要

    現在、およそ移民できる条件のある中国人はみな移民しています。政治的迫害を受けてやむをえず移民せざるをえないという極少数を除けば、絶対多数は中国で成功した人々かそれに近い人々です。ある移民ブローカーは金融資産が2000万人民元(*ざっと4億円)以上なら基本的にはみな海外に拠点を持っているとのことです。

    人は自由と幸福を追求する権利があるのですから理性からいえば窒息しそうな災難だらけのお国柄から離脱するのは人生の選択として合理的でしょう。しかし以下の要素によって移民できる中国人は少数にならざるをえません。

    ⑴ 世界に結構な国々は多くありませんで、米国、カナダ、オーストラリア、欧州が各国の移民の第一チョイスです。欧州は現在、数百万人の難民が生み出す泥沼から抜け出せていませんし、オーストラリアとカナダは次第に移民政策を厳しくしてきています。米国は2016年の大統領選挙が行われており、移民政策はその激論の大テーマです。米国が引き続き移民に門戸を開いていてほしいと願うなら、ヒラリーがホワイトハウスの主になることを祈るしかないでしょうね。

    ⑵ 中国はもうインドに次いで世界第4の移民輸出大国で、目下、世界中に中国系人は総計5000万人以上おります(2008年中国政府発表)、そのうち7割が中国の改革開放以後、出国しました。国連難民弁公室の「世界難民趨勢年度報告」によると、2015年末までに全世界で住むところを失った人々は6530万人以上になっており、西側の先進国に受け入れを期待しています。

    この二つの条件と限界を考えると中国人の移民の夢実現へのハードルは日増しに高まってきています。今後30年で最も楽観的に考えても出国して移民できるのは5000万人ちょっとでしょうから、95%の中国人は引き続き中国で暮らすしかありません。ですから、中国人は自助意識を育てるしかないのです。

    ネット上には「水害復旧幹部の嘆き;俺たちが頑張ってるのにみんな、船のひっくり返るのを見物(”一个抗洪干部的哀叹:我们水里干 百姓看翻船”で検索可能)という文章が流れており、深刻なのは「今年の大洪水は湖北東部を総なめにして、田舎じゃ洪水が天に届くほど、村の幹部と軍人は土嚢積みに必死なのに、大衆は大挙して電撃棒で魚獲りしたり、暇人どもは水に浸かっても、こっちを手伝う気はない。泣きたくなっちまう」というくだりです。

    これに対して、中国国内での反響は多くが、大衆を責めてはいけない、というもので、その理由は、①民衆はもう嘘ばかりいう党を信じてない。②専制の下で、市民権がないのだから市民の責任もない。③金持ちどもが一切を持って行ってしまうのだから、当然、災害復旧も奴らの仕事だ、というものでした。

    原因と結果のロジックからいえばこの微信マイクロブログ上の論評は概ね正しいのです。一般の人々が我関せず、公益を擁護しようとしないのは専制全能政府のなせる技です。しかし、人々は考えたことがあるでしょうか?水害なら民衆はこうした態度で対応できます。しかし、社会的な災難が到来したときに、全社会メンバーが自分だけが災難から逃れていられるのは困難で、「玉も石も共に砕かれ、草も樹々もともに腐る」運命にあるのです。

    ですから、中国人は自らを救わなければなりません。「自救」には様々なレベルがあります。低いのは移民で、自分や家庭を安全な場所に置くこと、高いレベルでいえば社会を救うことによって人々を助ける、例えば民主憲政運動で政府に民権を国民に返還させ、地方自治を基礎にした憲政中国をうちたてることです。(終)

    原文は;2016中国水灾引发的“人问” voachinese.com/..27/3437520.html

    何清漣氏のこれまでの論評の翻訳は;heqinglian.net/japanese

     

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