• 海外民族主義とぶつかる中国海外原料投資⑴

    by  • September 5, 2016 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2016年8月25日

    全文日本語概訳/Minya_J., Takeuchi Jun

    https://twishort.com/zrUkc

    最近「中国海外鉱山買収失敗率は95%にも」という一文がネット上で話題になりました。そのテーマは中国企業の海外鉱山業買収はなぜ失敗するかでその原因は以前から言われていたことです。例えば購入前の調査が雑だったのでババをつかまされたとか、中国企業は購入したあとで資産に重大な問題があったことに気がついたとか、国際市場の変化、鉱山資源の価格暴落などや、管理しやすい中国人労働者を連れて行って現地に雇用をもたらさない、とかが指摘されています。しかし、ある重要な原因についてはほとんど指摘されません。それは中国鉱業投資の失敗の根本原因は資源民族主義に遭遇しているからだ、という一面です。

    ★国際、国内の要素が中国の資源外交を生んだ。

    20世紀90年代始めに冷戦は終結しました。90年代の中期になると、中国は外交戦略を大国外交、資源外交、周辺外交の三層にわけて立てました。このあと、中国はアフリカやラテンアメリカの鉱産資源を買収しはじめ、これを「戦略的投資」と称し、最初はちらほらでしたが次第に買収を拡大し、これまで20年以上の歴史を持っています。

    こうした国家投資は「戦略的投資」と呼ばれており、利益を目的とした商業投資と違って目標は中国が21世紀に直面する資源枯渇問題を解決するためでした。投資する前には当然、中国も鉱産資源投資はコストが高くつき、高リスクで、社会的な注目も高いという「三つの高い危険」を理解していました。コスト的には投資額が大きく、資本回収が長期にわたり、短期的には利益が上がらないわけですし、高リスクは受け入れ国の政治情勢に左右されやすく、高注目度は現地の主権と環境法後問題に関連して現地住民の利益と摩擦を起こすことです。

    大型投資に関しては中国政府は太っ腹です。こうした国家の安全に関わることについては挙国体制で挑みます。後者の二つの点では完全に予測していたとはいえません。中国政府はラテンアメリカやアフリカの国家の多くが独裁政権、軍事政権、あるいはできのわるい民主政権で、投資環境としては最悪の部類か、最悪の一歩手前だということも十分承知していました。しかし中国政府はこうした国々の政権は自分たちと同じ「独裁者クラブ」のメンバーで「兄弟」のようなもんだとおもっていましたから、こうした政府と関係を結ぶにあたってはお得意の”中国的手段”で政府高官や、ときには独裁者ごと買収してオッケーをださせましたから、鉱山開発権を手にいれるにあたっては大して障害はなかったのです。

    しかし、中国政府は自分たちが人民を押さえつける力を十分に持っているので、ラテンアメリカやアフリカの政府が同様の力を持っていることを期待してしまいました。しかし、こうした国家の指導者のすくなからぬ部分は確かに独裁者か、準独裁者ですが、形の上では民主選挙が行われており、各種の権利に関わるNGOも存在しますし、メディアも一定程度の言論空間を持っており、こうした国家的なNGOと鉱産資源のある場所の住民や、現地国家の知識人たちもみな中国投資に対して大いに注目し批判します。この二つの地域では反米反資本主義の長い伝統があり、それぞれが成熟した理念にまでなっていますから、例えば、アフリカでは中国の投資はずっとアフリカの資源を略奪する「新植民地主義」だとみなされ強烈な批判を浴びています。ラテンアメリカでは中国は「同胞兄弟による新マルクス主義的従属論」に遭遇しています。

    ★9.11事件後、全世界的な民族主義の復興

    近年、中東・北アフリカ地区の政権交代及び、ラテンアメリカ地域の政情不安の高まりによって、中国側もやっと一人の独裁者と良好な関係を保っても、それは後継者から見れば負の遺産にみえるということを理解しはじめ、反省し対策を考えてはいます。しかしいくら考えても北京はやはり一つの重要な要素を考慮していません。それはグローバル化が支離滅裂になるにつれて、民族主義が今まさに静かに復興してきていることです。中国は自分が高らかに民族主義を歌い上げているわけですが、たの国家の民族主義、たとえば中東国家の宗教的民族主義(イスラム教)や、アフリカ、ラテンアメリカの国家資源民族主義の復興はその動員力や凝縮力からいっても中国の民族主義より更に強いものがあるのです。

    民族主義の復興のメルクマールとなる事件は2001年の9.11事件であり、その影響はニューヨークで世界貿易センタービルが倒壊したというだけではなく、米国の経済と政治的な安全感が深刻に打撃を受けたということなのであり、そしてあれが第五代の民族主義運動の序幕となって今起きている民族主義運動はしばしば宗教的要素と相まって国際世界に巨大な影響を与えているのです。ある学者はこれを「宗教的民族主義」と呼び、その極端なパターンが西側国家の頭痛のタネになっているISISなのです。米国などはISISが消滅しさえすればそれでおしまい、と考えていますが、本当の問題はISISのイスラム極端主義はISISが消滅したって消え失せはしないのです。

    まさに「暗黒帝国の死亡フラグ;ISISのイデオロギー研究」という一文がいう通りです。

    ;西側の感動的なしかし脆弱な「君が銃をもつなら、私は花をもつ」という観点ではISISに対しては全くISISには対処できない。西側が間違っているのはISISの最も恐ろしいところは彼らの武力ではなく、彼らのイデオロギーと価値観なのだ。ISISの宣伝能力はいかなる従来のテロ組織と比較にならない。西側連合軍が物理的にISISを地上から消滅させたとしても、思想上での「暗黒帝国の蠱惑」は勝利する。なぜならば実態のある政権というのはISISにとっては全く意味がないからだ。ISISのイデオロギーはもともと、この俗世界を超越する。宗教の極端なイデオロギーがISISの大地であり、インターネットがISISの空気で、ちょうどゲーム機の外殻のように、ISISはいつでもその外側を捨て去って、装いを新たにして再び登場し、発芽するのだ”。

    宗教民族主義は米国や欧州など西側国家をとことん悩ませていますが、中国にとって一番頭が痛いのはイスラム宗教民族主義ではありません。というのはあれが影響するというのは所詮、中国で言えば新疆だけの話です。本当に中国の大きな頭痛のタネはアフリカとラテンアメリカの資源民族主義です。中国から言わせれば、ラテンアメリカやアフリカなどの資源国で進めている資源外交プラス投資は、中国の現実的状況から出発しているからです。私は「中国の”復興”の弱み」《中国“复兴”的软肋》(VOA,2012年12月11日)で指摘しておいたのですが、資源の国外依存というのは中国の三大弱点の二番目で、中国の石油、鉄鉱石の海外依存度は56%以上です。2015年、中国の石油輸入依存度はすでに65%でした。銅鉱石の輸入は世界の40%です。ボーキサイト、マンガン、クロム、ニッケルなどの鉱産物は40%前後です。この種の対外依存は必然的に深刻な不安全感をうみますから、海外の鉱物資源のコントロールをして供給を保証したいわけで、これが中国が元手を惜しまずなんとしてもラテンアメリカやアフリカで鉱山投資を続ける理由です。

    「中華復興」の夢を支えるのには経済発展が必要で、経済は資源の不断の供給を必要とすることを考えてみたならば、「資源民族主義」というのはつまり中国が自国の資源略奪をすることに反対するということであり、そうなれば「中華復興」というのは黄粱一炊の夢になりかねません。(⑵に続く)

    拙訳御免。
    原文は;中国海外矿产投资遭遇资源民族主义(1) voachinese.com/..24/3480014.html

    何清漣氏のこれまでの論考の日本語訳は;heqinglian.net/japanese

     

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