• 中国の憂鬱ー世界のエンジンから足枷へ

    by  • September 5, 2016 • 日文文章 • 0 Comments

    何清漣

    2016年9月4日

    全文日本語概訳/Minya_J., Takeuchi Jun

    https://twishort.com/6uXkc

    2016年の杭州G20サミットで中国はこれをチャンスに国際的地位をさらに向上させようと一生懸命「良きホスト役」の役柄を演じ切るべく全力を尽くしていますが、気まずい雰囲気を完全に打ち消すのはやはり難しいようです。この気まずい雰囲気は海外からの中国での人権批判が原因ではなく、中国の世界経済の舞台上の役割の変化から生まれています。2009年は中国は世界経済を救うノアの箱舟役でしたし、2012年は世界経済を引っ張るエンジン役でしたが、いまや、グローバル構造は支離滅裂になり、中国は西側国家からグローバル化破壊の元凶だと見られているからです。

    ★中国は今回サミットの攻撃の的になった

    8月30日、ワシントン国際戦略研究センターの学者で、前ホワイトハウス国際経済担当のマシュー・グッドマンはグループ討論で、グローバル経済の衰退と崩壊の背景の下でオバマの2009年以来の米国経済の穏やかな回復への貢献と成功は著しいものがあると言いました。参加者はみなこれが中国向けの発言であることを承知していました。

    この二年来、各国政府とシンクタンクが中国の「保護主義」を批判するのは主に三つの方面からです。

    第一は、貿易保護主義。中国というこの世界最大の貿易国はWTOの各種の貿易トラブルの常連で、大は鉄鋼、中はブラジルのパルプ、小は米国の鶏の足などたくさんの領域にわたります。去年から米国、欧州連合などの国は中国の鋼材の低価格販売に対して高関税をかけざるをえませんでした。今回のサミットではその他の国際貿易問題はしばらく棚上げしても、焦眉の急は中国鉄鋼の過剰生産力です。欧米諸国と代表たちはみな中国が自国の膨大な鉄鋼生産力を消化できず、余剰鉄鋼製品を国際市場ではかせようとして欧米諸国ではどこも鉄鋼業の倒産の危機に見舞われていると非難します。これに対して中国は繰り返し、これらの国家は中国企業の効率の高さ、労働力と生産コストの安さを無視し、関税障壁は中国企業を一部の国家の「過激な販売障害措置の被害者」にするものだ、と反論しています。

    第二には国際投資です。2014年以来、中国は米国についでの世界第二位の対外投資大国になりました。2015年末には中国の対外直接投資残高は初めて一兆米ドルを超え、投資対象国も世界184カ国と地域になりました。中国政府は自国投資(主に国営企業や国営企業が主導する混合所有制企業を中心とした国家投資)が外国で自由に行えるようにと対外的には市場開放を承諾し、外国資本の中国進出への各種規制を減少させ、公平な待遇を与えるとしてきましたが、実際には中国に進出した外国企業はみな西側国家と中国ので市場進出の規則では大変不公平だと感じています。自由な市場というのは米国や欧州ではビジネスの遺伝子のような存在ですが、中国では市場に対する強制的な介入をやめたことはなく、常に自由市場の原則と摩擦を起こすような政策をつくりだし、各産業の発展に介入しますので、欧米の企業は中国でさらに多くの障害に出会うのではないかと常に心配しています。

    第三は環境問題です。中国はこの30年以上にわたって、生態環境を犠牲にして経済を発展させてきました。環境の影響というのは一国内に限ったものでありませんから、中国人がこの発展戦略の犠牲になっただけではなく、時には周辺国家にもその災いは及びます。例えば空気の汚染は周辺国家に散らばりますし、水汚染は中国と河川を共有している下流の国家に影響します。中国の汚染原料でできた食品は輸出先の国家に影響します。こうしたトラブルは絶えません。

    今回のサミットの最大の成果は貿易保護主義に反対し投資開放を達成するという共通認識の「G20グローバル投資指導原則」、「G20グロバール貿易成長戦略」などの三つの文書の批准です。米中両国は世界最大の国際温暖化ガスの排出国ですが、今回のサミットで正式に「パリ気候変化協定」に参加したのも「他の国家のために模範となる」といえるかもしれません。

    ★各国が受け入れがたい世界経済構造の巨大な変化

    今回のサミット開催はまさに全世界経済の構造に巨大な変化が起きている時期にあたり、参加する西側国家は中国経済の衰退が世界の足をひっぱっていると感じています。この言い方は西側国家の一種の願望、すなわち中国経済が過去30年の間に二桁成長を遂げてきて世界経済成長のエンジンになったことで、現在もこれからもそうあるべきだということから生まれています。

    2009年以前、世界経済の構造は米国が主導し、中国は中国モデルを動かしてきました。2009年以後、米、中、ドイツ(EU)の三本の鼎型になりました。この変化に対し、世界各国はすべて受け入れました。なぜなら1990年代の初期から2009年にかけての20年間、中国は世界経済の中で巨大な役割の転換を遂げ、あっという間に世界の辺境国家から多国経済の発展の世界的エンジンに大化けしたからです。いわゆる「エンジン」というのは世界が「メイド・イン・チャイナ」の安物製品で埋まったことではなく、中国の各種の需給が日増しに旺盛になって、多くの国々の経済発展を促したことにあります。例えば中国は世界の資源と農産物の最大のバイヤーであり、多くの鉱産資源国家と食料生産国家はみな利益を得ました。過去15年間、中国は世界の大多数の工業金属の4割から5割を消費し、一時は全世界の鉄鉱石供給量の三分の二近くを消費したのです。

    私は「中国経済の衰退で消えた資源国の発展の夢」(2016年2月6日

    heqinglian.net/..nomic-recession)でこう指摘しました。

    ;中国が世界GDP第2位に躍り出る過程では巨獣のごとく全世界の各種金属、燃料、農作物を丸呑みし、アフリカ、南米から豪州まで多くの国家が自分たちの繁栄の夢の基盤を中国経済の持続する高速発展に賭けました。そして今や中国経済の衰退の災いは中国人自身に対してのみならず、何十もの各種資源を中国に売り込んできた発展途上国、全世界で資本の有利な投資先を探している先進国の投資業界に及んでいます。いま、中国経済の減速が意味するのは中国の対外輸入、特に生産に必要な資源と原材料の需要減少で、これは中国に頼って反映していた国家に対する影響が特に大きいものです。

    例えばオーストラリアは中国に小麦や大量の鉄鉱石を輸出することによってその10年間の経済の栄枯はみな中国の需給によって上下しました。ここ数年、中国の鉄鉱石需要が減少して、政府の税収も減り、比較的小規模の高山は破産したり、人員解雇を迫られています。オーストラリア政府の中国に対する態度も大きく変化し、8月30日には議員たちによくよく考えるようにと国会が国会図書館が「中国を防げ」というパンフレットを発行する印刷する許可を与えました。オーストラリアは一貫して中国崛起を支持してきたのですが、いまやいかにして南海の利益を広げようとする中国にどう対応すれば良いかを考える必要に迫られています。とりわけ、中国の「海と陸のシルクロード計画」に言及しており、この中国指導のプロジェクトが米国のプロジェクトに対抗するものだという点で憂慮を表しています。

    つまり簡単に言えば、世界各国の中国に対する態度の変化は2012年に始まっています。習近平が中共の最高権力を握って以後、国内の奇形的な経済構造を調整せざるを得なくなり、中国の資源と原材料にたいする膨大な需要が急激に低下したのです。地方財政を維持するために不動産業を発展させるためとしながらも実際には欧州アジア南米地域に過剰生産能力を輸出する「二つのシルクロード計画」を実行したのです。中国は自国の深刻な過剰不動産業界と各種のインフラ施設発展のために全世界の各種の鉱物資源を消耗し、関連国家に就職先と様々な程度の繁栄を維持させてきたのです。

    そして中国側では世界中から輸入した鉄やアルミなどの資源をつかって、仰天するような量の不動産や各種の遊休インフラ設備を作り出して、「みんなに住宅を」を実現したのです。現在、農村戸籍家庭の93%はマイホームを持ち、都市戸籍の住民は1戸平均3人で一個あたり1.2戸の住宅を持っています。「21世紀経済報道」誌2015年12月3日号によれば、中国の不動産業界の本当の在庫は98億平米に達し、現実の購買力では完全消化に10年かかるといいます。さらに深刻なのは中国工程院の郭仁忠が2015年10月にメディアに明らかにしたことですが、国務院の12省と144地級都市の調査では全国の新しい都市計画によってつくらようとしている市街地は34億人分、つまり中国各地の政府が企画している住宅は全世界の人口70億人の半分を収容できるというのです。

    ★中国は世界経済を救えない

    もし中国政府がこうした狂ったような計画を実行しつづけるならば、中国は依然として世界経済の発展のエンジンであり続けることができるでしょう。しかし残念ですが、中国は毛沢東時代に政治権力の乱用の極致に達しました。つまり「山を削り平らにし、河川を道に変え」たのでした。習近平は2015年、傾国の力を以っても中国の株式指数を言葉通りの10000ポイントに上げることはできず、5000ポイント前後で上下していますし、結果は2015年の株式市場で25兆元の価値が消え失せ、60万戸の中産階級が消滅しました。彼もまた中国を世界の資源購入者としつづけエンジンとなす術はもたないようです。

    杭州G20サミットはまさに終わろうとし、参加者は中国に対して山ほどの意見をもってきて、カバンいっぱいの重要な協議をして去っていくでしょう。協議は結構ですが、現実はもっと厳しいのです。中国が世界経済のエンジンとしての地位を維持したいと願っても、あの無茶苦茶な都市計画の結末として、世界の半分の人々に住宅を供給することはでませんから、世界各国の資源や鉱物、膨張する資本を飲み込み続けることはできません。世界各国は中国に対して資源や原材料を輸出することは望んでも、中国の過剰生産能力を必要とはしていません。ですから、各国要人は帰国後、やはり自国経済構造を調整し、一段と増すだろう失業や福祉の低下という苦しい日々をすごさねばならず、自国選挙民の怒りと恨みを買うしかありません。

    以上がつまり世界が再び資本拡張の「新大陸」を発見するまでの中国と世界各国(ひょっとすると米国は例外かもしれません)の経済の新状態なのです。

    拙訳御免。
    原文は;中国的尴尬:从全球经济引擎沦为绊脚石
    voachinese.com/..03/3492932.html

    何清漣さんのこれまでの日本語論考;heqinglian.net/japanese

     

    About

    Leave a Reply

    Your email address will not be published. Required fields are marked *