• ★「隠し金」はスイス銀行から豪邸へ「お引っ越し」★ 2016年10月8日

    by  • November 22, 2016 • 日文文章 • 0 Comments

     最近、RFI(フランス国際ラジオ)中国ウェブサイトに「中国外務省のスポークスマンは、スイス銀行に人類の安定と団結の責任として、非スイス人の口座を公開しないように、と要求したらしい」と題する「虚構新聞」めいた記事が掲載されホットな話題となりました。そして最後には「環球時報」(*中共機関紙の国際版)が乗り出してきて、これはデマだという始末でした。このニュースはある種の誤解で、スイス銀行が2014年に外国顧客の口座を公開すると言ったのは、実は数十の調印締結国政府との間で情報交換するというものです。それが一般に公開すると誤解されているのです。このほか、各国、とりわけ中国の富豪や権力貴族たちのが海外に持っていた隠し金はとっくにやり方スイスというトップ級の脱税天国の銀行保管庫から、各国の豪邸にと姿を変えています。

     ★スイス銀行の情報交換は、各国政府間であって、一般大衆の知る権利ではない

     一部のネット民がRFIの中国ウェブサイトのこの虚構ニュースを本気にしたのも理由のないことではなく、数年前、ニューヨークタイムズなどの海外メディアが中共の赤色貴族たちの蓄財のお話もあったし、パナマ文書が明らかにしたオフショア企業の各国政府要人リストでは、中国の権力貴族層がリストのトップにあがっていました。そして、スイスはずっと「世界で最も安全な財産保管庫」という名誉を得てきましたから、一般大衆は当然、スイス銀行がその顧客リストを公開暴露するのだと期待したのです。

     スイス銀行は実はとっくに名前リストは公開しています。2014年5月6日、スイスを含む、中国もいれた四十七の国家の署名した新しい「グローバル自動情報交換基準」に、で調印国は、各国富豪、政府要人がマネーロンダリングを行うのを防ぐ目的で自国銀行の外国人顧客の資料を互いに交換するという規定があります。しかし、この種の情報交換は政府内部だけで、一般の「知る権利」とは無縁なのです。ですから、一般大衆はハッカーや各種のリークから、例えば「中国オフショア金融の秘密」とか「パナマ文書」等から漏れてくる部分だけで、自国の権力貴族層と大金持ちの海外の隠し金の状況を、ちょっとばかり伺うことができるだけです。

     私は「パナマ文書と脱税天国攻防戦」(heqinglian.net/..26/banama-paper)で、米国の反マネーロンダリングの戦いの歴史と、米国がいかに一歩一歩、スイス銀行の金庫をこじ開けていったかを書きました。

     2008年にリーマンショックによる国際金融危機が爆発したときに、一部の財政逼迫に襲われた西側国家がスイスに強い圧力をかけたのです。米国はUBS(スイスに本拠を置く世界有数の金融持株会社)に対して、米国顧客の脱税を幇助していると指弾し、米国の匿名口座の持ち主の名前を明かし、長年にわたり、また将来の納めるべき税金を逃れの差し押さえを代行せよと要求しました。談判を重ねた結果、双方は妥結に至り、USBは7.8億ドルを支払って訴訟を集結させ、また米国に四千の脱税の疑わしい口座情報を明らかにしました。米国の圧力下で、スイスは2010年に「独裁者資産法」を制定し、2011年2月1日から発効させました。チュニジア、エジプト、リビア革命がちょうどこの法律が発効した時に起きたので、スイス銀行は前後してベンアリ、ムバラク、カダフィら独裁者及びその家族の財産凍結を宣言しました。2011年にはスイスは英国と、スイスが英国顧客の税金を代理差し押さえをすることで合意し、続いて、ロシアとも同様の協議で合意し、それから2014年の四十七カ国との「グローバル自動情報交換基準」となったのでした。

     スイス銀行が世界中の大金持ち達を引き寄せていたカギは、極めて高いその秘密保持にありました。しかし、2008年に始まったスイスというこの金庫にひび割れが入ってからは、スイス銀行もその顧客もみなこの金庫が無理やり開かれるのは時間の問題だと知っていました、ですから、多くの顧客は早々と撤退戦略を開始しました。それからというもの世界中の信用度でも、歴史でもスイス銀行には遠く及ばない数十の脱税天国の商売が突然賑わい始めたのです。この間の「パナマ文書」の暴露で明らかになったものの多くが2008年以後に登録されたというデータはこの「戦略的撤退」を物語っています。

     ★富豪達の海外隠し金を探し求めるハイテックニック

     各国の富豪連が自分たちの財産を隠せる場所を探すのは相対的に簡単で、例えば、シンガポールは「四匹の龍」と言われた繁栄に陰りがでるや、直ちに世界各国の大金持ち達の需要に応じて、それに対応した資本政策を打ち出し、各国の大金持ち達の居住地として売り出しました。そのやり方には、① 所得税と企業税の減額 ② 資本利得税を徴収しない。また、2008年2月から、シンガポールでは遺産に税金がかかりません。③ 関連する銀行の秘密保持法で、金持ちの権益を保障。この一連の政策はシンガポールを世界の富豪が蝟集する地にしました。例えばFacebookの共同創始者の一人であるエドゥアルド・サベリン や中国の映画スターのコンリーがいます。「2012アジア大富豪レポート」によると、アジアの、一年の半分を外国で過ごす「流動富豪」の三分の一がシンガポールを海外の定住地としています。

     しかし、独裁国家の権力貴族達が新たに隠し金を隠す場所を探すのは相対的に難しいものがあります。というのは節税への考慮は二次的なもので、彼らの主要な目的は財産の隠匿にあるわけです。ですから、彼らのお気に入りは世界に四十箇所ほどある脱税天国といわれる場所です。これがつまり各種のオフショア企業の登録業務代行業で、マネーロンダリングの法律的サービス会社の商売が繁盛している理由です。パナマ文書が流出したMossack Fonseca & Coは、世界で最も秘密にされているこうした法律のエキスパート企業の一つにすぎません。

     パナマ文書が暴露されてのち、全世界の脱税天国とマネーロンダリングセンターももはや安全とは言えなくなり、米国やEUの攻撃対象になってしまいましたから、発展途上国の権力貴族や富豪達はべつの隠し場所を探し始めました。米国や英国などの法治国家の各種の豪邸が、発展途上国のマネーロンダリングの財産隠匿場所として人気を集めるようになったのです。米国のニューヨークやサンフランシスコなど10数カ所の都市、ロンドン、シドニー、バンクーバーなどの豪邸価格は近年、すごい速さで値上がりしています。

     ★住宅が投機対象になっては困ると、各国で購入制限

     豪邸がスイス銀行の金庫の代わりになってきた、というのはすぐ全世界が認識しました。カナダ、豪州、米国、英国などの伝統的な海外不動産購入の人気対象国家では、みな海外の購買者(主に中国客)に警告を発し、様々なバリアーを設けました。

     今年6月、トロント市長のサディク・カーンは、ロンドンの住宅価格を下げると誓い、メディアの取材に対してロンドンを世界のマネーロンダリングの都にしたくないので、購買制限政策を打ち出すとし、ロンドンの住宅を中東人やアジア人の投資需要の対象にして彼らの資産保全の金塊にするのではなく、本来の住まいとして役立てたいと語りました。9月29日にはザ・ガーディアン紙の取材に際し、海外投資の流入するロンドンの不動産の齎す影響について、「これまでで最も徹底的な調査」を行うと答えました。この調査はロンドンの異なる地点で行われ、海外資本がいかにして現地の様々なレベルの不動産マーケットに影響を与えたか、高級マンションから中、低所得者層の普通の住宅まで調査対象です。調査の突出した目的は「誰がロンドンの不動産に投資しており、その資金はどこから来たのか?」です。そして英国メディアとアナリストたちはみな、調査される海外投資の大きな部分が中国からのものだと見ています。

     7月25日、カナダのブリティッシュコロンビア省は8月2日からバンクーバー地区の住宅購入者でカナダ市民権か永久居住権を持たない海外投資者(カナダで登記されていない海外企業や外国人経営の企業を含む)から、不動産譲渡税を15%徴収すると宣言。この改革の理由は現地の不動産価格があまりに早く値上がりし続け、地元の民生に影響を与えているからだとしました。RE/MAXの統計によると2015年だけでバンクーバーの平均住宅価格は17%も値上がりし、平均的住宅の価格は平均的家庭収入の10.6倍にもなっています。カナダ放送(CBC)のKarin Wellsは「民族と不動産;バンクーバーの中国病症候群」という住宅ドキュメンタリー番組を制作しました。現地メディアは海外の購入者、とりわけ中国人が汚職で得た金や違法な裏金をバンクーバーに持ち込んで、その結果、不動産が高騰してしまい、現地の若者が住宅を買うことができず、各種の抗議行動の波がおこり、今年初め、若者グループが「我々は100万ドルなんてない」という抗議活動を行い、最近では空き家や建築中の住宅を占拠する抗議運動も行い、社会の矛盾を日増しに先鋭化させている、と報道しています。野党はこの抗議運動を契機に、自由党政府に対策措置、調査、関連家屋数の公開、地元のビル建築物などの管理強化を要求しています。

     カナダの著名建築家のBing Wing Thomは、富豪が世界中で不動産を購入しているという点で、ロンドン市長と同様の見方をしており、「多くの中国、香港、台湾の金持ちがバンクーバーの不動産市場を、スイス銀行より安全な資金の置き場所だと考えて、バンクーバーなら安全だし、資産価値も増えると考えている」と述べているのも興味深い点です。

     資本の流動はグローバル経済の血液循環のようなもので、世界各国はその恩恵を受けるときは、資本に国境は無いのを歓迎するのですが、その資本が全世界で脱税天国を探し始めるのは喜ぶどころか、反マネーロンダリング活動を始めます。そして、グローバル資本が特別な、例えば住宅のような商品をお気に召して、その値段が高騰し、自分たちの民生に影響を与えると、不満と怒りが現地社会の衝突を引き起こして、政治にまで波及するのです。(終わり)

     拙訳御免。
     原文は;藏金窟变迁:从瑞士银行到各国豪宅 voachinese.com/..07/3541591.html 

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