• ★すごい救貧政策ー中国証券監査会がバカだなんて誰が言ったの?★ 2016年9月17日

    by  • November 22, 2016 • 日文文章 • 0 Comments

    9月9日、ひょっとすると「中国人の救いの大星・毛沢東」を紀念する為でもあったのでしょうか、中国証券監督管理委員会(CSRC)は「資本市場の作用を国家に役立つ貧困作戦にする戦略に関する意見」というのを発表しました。内容は中国の592の貧困県を「待たせずにすみやかに株化しうる道」を開き、行政機関が株式上場して銭を掻き集めるように…というか、上品に言えば「出資を募れる」ようにするものでした。

    ★貧困救済株上場と中央財政の移転支出の関係

    最初ちょっときいて、私もなんだか訳がわからなかったです。17世紀のオランダ人がアムステルダムで人類社会最初の株式交易所を開設して以来、今日のウォール街や世界各国の株式市場に至るまで、株式を上場するにはその企業の儲ける力と資本に対する見返りの率が問題で、株の売買が慈善行為だという見方をした人は誰もいません。中国証券監督管理委員会は頭がおかしくなったのか?去年の株式市場の一大災難(*政府が無理やり株式市場を高値に導こうとして失敗、トップ連がみな牢屋入り)以後、証券監督管理委員会のエリートはみな牢屋に入れられてしまって、二流三流の人材しかいなくなってしまったのでしょうか?

    で、突然、8月下旬に中国が中央地方財政改革のニュースを発表していたことを思い出しました。これは中共というお父さんが地方政府という子供達と「台所」を分かつという話でした。これで今回の証券監督管理委員会が国家のために案出したすごい知恵がパッとわかりました。当然、これもまた十分、現在の中共トップレベルがすばらしい判断力をもっているということ、つまりこのアイデアを聞いて即、これはすばらしいと理解して実行したことでも明かになりました。

    このアイデアは一体どこがそんなにスゴイのでしょうか?

    まず読者にふたつのリストをみて欲しいですね。一つは「2015年中央の対地方31省別、税収の転移支出総額」。これでわからなければ説明を読んでみて。もう一枚は「証券界の重要決定;592貧困県に株式上場、資格審査(IPO)免除」。このふたつを比較したら、どちらのリストも重複していることがわかるでしょう。

    資格審査(IPO)免除のリスト上の592貧困県はみな全国の経済発展が遅れた省にあります。少数民族の8省には新疆、内蒙古、寧夏、青海、甘粛、雲南、貴州、広西省区があります。他の省には四川、河南、河北、湖南、湖北、黒龍江、安徽省および東北三省(遼寧省・吉林省・黒竜江)などの地域です。

    移転支出リストの上には中央財政収入の転移支出額が書かれています。これらの省の中央政府への国税で貢献している総額は、中央政府財政から貰う支出に追いつきません。例えば重慶の2015年の国税貢献額は1188.2億元で、中央財政から重慶への転移支出は1319.91億元より少ないのです。重慶だけでなく、湖南、湖北、四川省などの国税額も中央財政からの転移支出より少ないのです。四川省は「天府の国」と称されて名前だけだとあたかも財政自立しているかのように聞こえますが、実際は中央からの補助金が最も多く、今回でも36の貧困県が貧困補助の株式上場可能リストに上がっています。

    中国財政についていささか知るところのある人々がこのリストを見たら、これは中央政府がもうこれらの子供たちに飲ませ食わせ眠らせオムツの面倒までみる気がないのだな、とすぐ分かります。

    ★中西部の省はなぜ「貧困県」のレッテルを貼られるのか?

    人類社会には否定しようのない特徴があり、それは「貧しきを憎み、富めるを愛する」で、中国文化はそれも甚だ強いものです。しかし、中国の官僚社会には、中共という「お父さん・お母さん」にむかって、自分たちの貧困を哀訴哭訴するのが大好きで、貧困県であることを光栄とするという奇妙な特徴があります。

    毎年の財政年度の始まる前に、中国には「中央財政ハッピールンルン、地方財政、両親に泣きつくの図」という奇観を呈します。その意味は中央財政はまたことしもいくらいくら増収を果たしたが地方財政はしかと泣いて訴える他ない、ということです。いくつかの経済的に発展した省を除いては、各省とも能力のある役人を北京に派遣して財政部を回らせ、窮状を訴えさせます。これは「跑部銭進(省を巡って銭めざして進む)」(*発音が「前に向かって駆ける/跑歩前進と同じ)といわれております。各省の北京駐在事務所が一手に取り仕切り、役人は地位は必ずしも高くないのですが、「跑部銭進」の任務を果たす為にはしっかりと目はしの効く人物で四方八方の情報に通じておらねばなりません。もし今年も去年の貧困県の数を維持していられればめでたしめでたしで、増えようものなら、「これで出世できるかも」とか大喜びするのです。

    しかし、中央政府の「お父さん・お母さん」はこれは割に合わないと気が付いてしまいました。この4年来、中央財政収入の占有比率の特徴は、地方財政収入が中央財政収入の伸びを追い越しています。中央財政収入の比重が50%から45%前後に落ち込んだのに対して、地方は50%から55%前後になりました。それなのに、中央の地方財政への転移支出は毎年上昇を続けているのです。2014年にはすでに4.67兆元となり、年間中央財政支出に占める比重は67.48%になりました。この構造に対して国家会計局は「移転支出構造は行き過ぎた不合理である」とみなしており、中央政府も大変、不満なのです。

    例えば貧困救済だけをとっても、中西部の少なからぬ省では上から下まで、貧困救済費用を流用して豪華な役所の庁舎を作っています。下のほうの郷、村といったクラスでも役人たちはこうしたお金を私して、別に貧乏でもなんでもない自分の親戚や友人に配布していますし、賄賂を得る手段としています。貧乏人がもらう為には例金を払わなければならないのです。こうした状況を「砂漠に水を流しても遠くまではいかない」などといわれる所以です。

    甘粛省の中央財政転移支出は同省の収入の7割前後を占めますが、最近、楊改蘭一家六人の自殺が起きました。これは救貧費用が役人たちの私腹に消えていた結果です。

    ★中央・地方財政関係の要点は、つまり「キッチンを二つに分けよう」というお話

    救貧資金など各種の中央からの転移支出金が乱用されているのも考慮して、中国政府はずっと中央.地方の財政関係の改革案を温めてきました。今年8月24日に発表された「中央と地方の財政権限と支出責任の区分け改革指導意見に関して」の要点は財政権限と責任の境界をはっきりさせて、だんだん中央財政の転移支出を減少させようとするところにあります。子供たちをだんだん自分たちの一家をたて自立させようというわけです。ここでは二点だけポイントを紹介しておきます。

    ⑴ 財政権限という言葉で際立つのは「財政資金」と「基本公共サービス」というキーワードです。主に「受益範囲」原則で権限を分けようというもの。「意見」によると、中央と地方財政権限は三つの部分にわかれます。中央が履行する財政権限、地方が履行する財政権限、中央と地方が協力して行う財政権限です。
    ⑵ 権限の分離を基礎として、「支出責任」は「政府が履行する財政権限」と関係する「支出義務と保証」に限定されます。わかりやすく言えば、権限を分離した上で何に必要なお金を中央がだして、何に必要なお金は地方が出す、何に必要なお金は共同でだすという比率をはっきりさせるということです。

    中央が担当し、権限を持つのが国防、外交、国家安全、出入国管理、国防道路、境界の河川、湖沼管理、全国性の重大な伝染病の防疫、全国的な交通網、全国的戦略的な自然資源の使用と保護など基本公共サービス部門で、このほかの地方の権限に属するのは教育、医療、養老、失業などの社会保障です。

    つまり、中央政府は中央・地方財政改革を通じてこれまでの地方政府の子供がおっぱいを欲しがって泣き、無制限な地方支出をコントロールし、債務の泥沼の中で最後には中央のママになんとかして〜と泣きつくのを終わらせたいのです。しかし、中西部と八民族の省というのは基本的にこれといった産業がなく、これまで中央財政に高度に依存してきました。こうした省の財政を自立させるというのは、立たせておくだけでも困難で、歩かせるのはとても無理です。中央が証券監督管理委員会のアイデア(あるいは中央のシンクタンクが証券監督管理委員会に提案したか)である、「お金をあげられないなら、政策をやる」ということで、証券市場にいかせて株式市場で銭集めをさせるということです。

    ★投資家たちは救貧上場株を買うだろうか?

    残る問題は、中国の株式市場は今、重い傷を負っているのに投資家たちはこの救貧目的の株式を買うだろうか?です。

    もし、救貧を助け慈善を行うということで株式を発行したなら、中国の投資家は誰も買いますまい。しかしもし、ここで苦心一番、それを儲かる投資というラッピングを施し、短期間のダークホース株だというようなことにしたら、あるいは投資家たちはそのムードに乗せられて買うかもしれません。どうか注意していただきたいのは「ムードに乗せられる」というところですよ。ですから、それにはまず誰かが「風」を吹かせなければなりません。

    太陽の下、新しきこと何もなし、です。救貧株上場を政府がほっておいたら、どんな機関だろうが投資家だろうが買いやしません。ですから、ここは中央政府がまず引き続き父性愛を発揮して、多くの父親にお世話になっている子供達に「馬に乗るのをおてつだいして、ちょっとお見送りしろ」というようにしなければなりません。「馬に乗るのをお手伝い」は難しくありません。一番お得意な方法は、中央部門が各種の公募、私募ファンドと証券会社を集めて、「若干の株式を自主的に購入」することを呼びかければいいのです。

    こうした機関はすべて中国株式市場の上で、手を翻せば雲が起こり、もう一度翻せば雨が降るといった手合いであり、時には何にもないところに大波さえ可能な連中、ただ世の中に唯一怖い存在は中央政府ですから、ちゃんとよくよく政府のいうことをきいて株を買います。ただ絶対にそんな株を長く持っていたり、大株主になんかなりはしませんし、機会を見て売り払うためにあれやこれやと株転がしみたいなことをして、新たな買い手がでてくるように仕向けるでしょう。

    中国の株式市場というのは舞台は同じでも投資家はどんどん入れ替わり流れてくれます。ゴミ投資家はもう別に会社の業績や株価収益率なんかどうでもよく、ただただ「大儲けできそうなダークホース」株を血眼になって探しているだけですから、一旦、値上がりしそうな株の動きさえみつければすぐ転がしに加わって一儲けしようとします。そして儲かるかどうかは運次第、というわけです。

    以上、取りまとめて言えば、株式市場は中国では中国経済改革の重責をになっているのです。朱鎔基総理はかつて株式市場でもって国営企業を銭稼ぎさせましたし、今や、証券監査会が貧困地区政府救済のために、救貧株式上場へ道を開いたのはさらに素晴らしい一手であります。投資者の利益?それは政府はとっくに「株式市場は危険をともなうのであって、注意深くやるべきである」と警告してありますし、一旦投資したならば勝つか負けるか、危険は自己責任なのですから。

    誰ですか、現在の中国証券監督管理委員会がバカばっかり揃ってる、なんて言ってたのは?

    (終)

    拙訳御免。
    原文は;谁说本届中国证监会不聪明?voachinese.com/..17/3512944.html

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