• ★ヒラリーの病は大統領選挙にどう影響する?★2016年09月14日

    by  • November 22, 2016 • 日文文章 • 0 Comments

     

    今年の米大統領選挙は不確定性に満ち満ちています。9.11の紀念会の席上で民主党の大統領候補のヒラリー・クリントンが途中退場し、その病状は不透明で、不確定性を更に深めました。大統領の風格にかける「口ばっかり」のトランプと、「誠実さが疑われる」ヒラリーの二択という局面にもう少なからぬ米国人はいっぱい文句があるわけで、そこへもってヒラリーがパーキンソン病の疑いがでてきてはたまりません。民主党の内部では「私的グループ」が候補変更を話し合っているようですが、しかしヒラリーがメルケルドイツ首相と同様「私はやれる!」といえば、こんな会議はなんの役にもたちません。

    ★民主党は戦うヒラリーが必要

    ヒラリー本人はホワイトハウスの主になることを人生の一番大事な目標にしています。さもなくばこのような厳しい状況のもとで戦いに臨みはしないでしょう。何年か前にある米国の老婦人にあったことがあります。彼女は本当にヒラリーファンでしたが、しかし大統領選挙には出て欲しくないと言いました。その理由は「世論が彼女をバラバラにしてしまうし、私は彼女が傷つくのを見たくないわ」ということでした。ヒラリー本人ははっきりと自分の歴史と現実、一家のメンバーのすべてが世論にさらされ、選挙戦自体が長距離マラソンのように神経を消耗する戦いだということを分かっていますが、それでもやはり毅然として参戦しました。良く言えば、それは彼女の夢であり、その夢はファーストレディや国務長官になることよりはるかに高い夢なのです。そして今年の選挙のために何年もかけて準備をしてきたわけで、どんな病気だろうとホワイトハウスを目指す彼女の意思をくじくことはできません。

    更に重要なことは民主党が彼女を必要としていることです。ヒラリー自身には醜聞がやまほどあり、「メール問題」は三度の大波に晒されましたが、それでも民主党は彼女を諦めなかったのですが、それには三つの理由があります。

    ① ヒラリーの立ち場の赫赫たること、政界で長年立ち回ってきた能力は民主党の誰もが及ぶところではありません。今回の民主党大統領選挙に立候補したのはたった二人でした。彼女がいたからこそ民主党の人士はいかに自分がやる気があっても、やっぱりやめておくしかなかったのです。ですから、ただ一人、本来は無所属の上院議員だったサンダースがホトトギスが巣をのっとるような形で民主党大統領選挙に初立候補し、ヒラリーと数ヶ月の間競争を展開できたのです。7月末に民主党が「団結大会」を開き、サンダースはその席上、自分の支持者に向かってヒラリーを支持するように訴えた後、自らは民主党を辞しました。まさに「事が終わっては、功名は返上し、衣を払って去る」の図です。

    ② 民主党の利益集団はヒラリーを必要としています。米国は三権分立とはいっても、執権政党の力は永遠に一番強いわけで、オバマは何度も大統領命令の形で国会が通さない法律に署名しました。今年5月中旬には、オバマ政府は米国内のすべての公立学校の学区にトランスジェンダー(性別越境者)の生徒・学生に自己が認識する性のトイレ使用を許可することを許すように指示を出しました。社会のごくごく少数(万分の一かも)の権利のために、青少年男女の安全を顧みないものでしたが、幸いにも連邦裁判所の裁判官がこの無茶苦茶な政令を阻止しました。しかし民主党は別にがっかりする様子もありませんでした。というのは米国の連邦最高裁裁判官の何人かはもう80歳を超えており、次の大統領が左派の裁判官を任命さえすれば民主党はどんな政令をだしたって法的な障害はないと知っているので、ホワイトハウスの権力さえ握れればオッケーだと知っているからです。

    ③ オバマは自分の政策守護者としてのヒラリーを後継者として必要としています。オバマは米国政治史上、非主流の大統領で政治的な系譜から言うと左派系です。彼がホワイトハウスの主であった8年間に行った政策は基本的に左派的心情の政治理想にかなうもので、例えば、財政支出を拡大して高い福祉を実現するとか、大規模な救貧対策(米国人の貧乏人より証明書を持たない難民の方がより高い福祉を受けられるのはその一例です)、同性結婚の合法化(同性愛の難民も対象)とか、さらにドラッグ販売の死刑囚を赦免して、ドラッグ販売無罪化の方向へ大きく一歩踏み出した、などです。こうした政治的実績を彼は「米国は依然として偉大である」と言っています。

    しかし、オバマの政治的実績に対して、米国人はそう思っていません。ウォールストリートジャーナルと国家放送会社のアンケートでは7割の米国人は自国が間違った道を進んでいると答えています。ここ数年のピュー・リサーチセンターの調査では、ますます多くの米国人は政府が余計なことに構わず、国内の仕事をちゃんとしてほしいと望んでいることが明らかになっています。今年5月の調査ではこの比率は75%に達しました。共和党も自分たちがホワイトハウスに入ったならば、オバマの政治的な方向を変えると誓っています。

    ニューヨークタイムズなどのメディアは、トランプはこうした民衆の心理に漬け込み、米国は真っ暗だとしているとみています。オバマは特に自分の政治遺産を重視し、速やかに後継者を必要としています。この点でヒラリーは誰よりもぴったりです。一般的に言って、米国大統領の二期の任期が終わると、後継者は現大統領の政策とは一定の距離を置いて、選挙民の取り込みを図ります。しかし、ヒラリーは今年の周囲の情勢が私用メール問題で極めて厳しい時、行政当局の指示と庇護が必要でした。ですから、今年7月の民主党全国大会ではオバマ大統領夫妻は手を携えて壇上に立ってヒラリーは唯一の彼の後継者の資格を持つといい、自分がやり残したことをやるようにと選挙民にヒラリーへの投票を訴えたのでした。9月13日、ヒラリー・クリントンが肺炎で数日入院したときにはオバマ自ら、自分の国務長官だったヒラリーのためにフィラデルフィアに出かけたのでした。

    ヒラリーは民主党のすべての期待と希望を担っておりましたので、何度「私用メール事件」で新しい破滅的な材料、ヒラリー基金会がサウジアラビアやカタール、大量の中国企業やNGOからの政治献金を受け取っていたなどという事実がでてきても、毎回、民主党左派とメディアが一体になったヒラリー一辺倒の擁護によって危機を乗り越えてきました。ですから、少数の民主党人士があつまって候補を換える話をしたところで、できることではなく、現在の副大統領候補のティム・ケイン上院議員に出馬してくれといったところで、ヒラリーほどの人気も運もないでしょう。

    ★ヒラリーの病状は選挙にどう影響する?

    ヒラリーの病気はあるいは重いのかもしれません。しかし、それでも彼女が壇上で倒れたりしない限り、今年の選挙事情には思ったほどの影響を与えないでしょう。彼女の病気の重要さは病状それ自体ではありません。歴史上、米国の大統領候補が病気だったことはありますし、彼女が初めてというわけではありません。大事なことは彼女が病状を隠し、米国人が彼女は不誠実だとおもっていることを座視することです。「私用メール事件」で、ヒラリーは68%の選挙民から誠実さが欠如しているとみられていますが、しかし選挙民のある部分は誠実さの欠けた大統領でも構わない、という気持ちになっているのです。

    病状であれ、不誠実であれ、ヒラリーは引き続き米国メディアと民主党陣営の全力を挙げての支持を得続けるでしょう。イデオロギーが似ているということから、米国のメディアは今回の大統領選挙で、メディアスクラム状態になりました。しかし左翼メディアはそれでもこの偏りは理の当然であると考えています。2016年8月9日のニューヨークタイムズは「ニュースメディアはいかにトランプを報道してきたか(Balance, Fairness and a Proudly Provocative Presidential Candidate)」という記事を発表し、作者のJim Rutenbergは「トランプ報道が不正常なものとなったとしても、トランプが潜在的危険を持つと記者が思うのであれば、米国の新聞業界は過去半世紀(あるいはもっと長く)持ち続けてきた職業倫理を放棄し、記者がこれまでやったことのない方法でトランプ報道をすべきである」としています。これは正常な基準からみたら道理が通らないのですが。しかし、メディアはもう伝統的な職業倫理を放棄しており、「私用メール」事件はすでに成功裏にロシアがアサンジを操って米国大統領選挙に仕掛けた陰謀だという話になっています。民主党のベテラン議員のナンシー・パトリシアはメディアに対して「私用メール事件」のニュースはやめるように、共和党陣営はこうしたロシアに操られた陰謀を利用すべきではない、と発言しています。

    こうした様々な事情から、ヒラリーの病状は彼女が病の痛みに耐えて出馬しようとするその素晴らしい意志力の表現であると説明されます。民主党内で私的に候補者を変えようというような話があったとしても、ヒラリー自身が闘志満々で、肺炎なんか大したことではないというのですから、こうした私的な話などはソーシャルメディアをちょっと賑わせておしまいでしょう。

    選挙民の選択に影響するか?といえばそれもそうとはいえません。今年の米国大統領選挙は極めて特殊な事情の下にあり、選挙民からすれば今年の両陣営のガチの支持者たちは政党の政策と政治傾向で選択をしています。こうした選挙民の中で民主党の総数は40%とリードしており、共和党の比率はメディアによれば34%ですが、何が起きてもこうしたガチ支持者らは別な党に乗り換えたりはしません。中間的立場の中には、少なからぬ人々がトランプを支持したいのですが、「ポリティカルコレクトネス」の圧力(民主党の票田の州ではこの種の圧力が様々な形で現れる)で、おおっぴらに態度を示すことはできません。今年7月末にトランプが問題発言連発で悪評サクサクで大幅に支持率が激しくダウンしましたが、南カリフォルニア大学(USC Dornsife)とロサンゼルスタイムズ共同のDaybreak Pollでは8月下旬には形勢は逆転、トランプが再度、ヒラリーを2ポイントリードしました。ロサンゼルスタイムズはトランプ支持者の中で多くが初めてアンケートに答えた(つまり以前は態度を表明していなかった)といいます。

    以上の分析に基づき、ヒラリーの病状で影響を受ける人は、トランプが嫌いでヒラリーに投票しようとしている選挙民でしょう。彼らは本来、ヒラリーは好きではありませんが、ヒラリーが病気だからといってトランプに投票しようというわけでもなく、投票に行かない可能性が大変強いのです。この種の選挙民は動向のはっきりしない州の選挙には重大な影響を与えますが、民主党の強い州では対局を変えることはないでしょう。民主党とニューヨークタイムズなどのメディアは「民主党は242の選挙人票の基礎を持っていて、当選に必要な270人の選挙人にわずかな差だが、トランプが更に努力したところで(共和党内ですらトランプの足を引っ張る勢力も多いし)、ヒラリーにはかなわない」と見ています。米国の歴史上、大統領候補が選挙投票数で勝っても勝利できなかったという例は何度も起きています。その原因はこの選挙人制度にあります。

    ですから、ヒラリーが持ちこたえさえすれば、今年の大統領選挙に勝利し、今後彼女の病状がどうあろうと民主党政権は保証されるのです。

    民主党からみればヒラリーの身体状況と意志力は民主党の運勢に関わりますが、米国の多くの同盟国の目からみればさらにそれは世界の命運(EUの現実的考慮の一つは軍事費問題)に関わり、グローバリズムの前途に関わります。米国の大統領選挙がこのように世界の利益構造や証明書を持たない難民の命運に関わったことはこれまでありません。ですから、そうした各方面の明日のために、ヒラリーは超高度な医療の助けを得て、歯を食いしばって生き続け頑張り続ける必要があるのです。(終)

    拙訳御免。原文は;中国人件双周刊。美国大选,希拉里病情影响究竟有多大 hrichina.org/ch..-ying-xiang-jiu

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