• ★ローン資金ジャブジャブ現象が生む中国マンション市場の狂乱は★2016年9月12日

    by  • November 22, 2016 • 日文文章 • 0 Comments

    人間の結ぶ各種の関係で最も大切なのは結婚、最も壊れやすいのはお金の関係。でも中国では違います。お金を儲けるために婚姻関係を解消し、夫婦が名義上離婚したふりをするのです。こんな馬鹿げたことになる原因は三つ。ひとつ目は、不況でどの業界もパッとしないのに政府と銀行が不動産業界だけ大々的にテコ入れし続けているので唯一の資産保全の道であること。ふたつめは銀行が不動産バブルに資金供給を継続していること。三つ目は地方政府が財政収入を得るためには新市街地を作り続けるしかない、ということです。

    ★銀行の「住宅抵当ローン」が不動産マーケットバブルを継続へ

    9月5日に、財新ネットは「不動産抵当ローンのレバレッジ、最高限度額知らず」という記、国内の経済評論界を驚かせました。この記事によると、野放図の抵当貸付.抵当ローン(mortgage loan)が今回の第一、第二線級都市の不動産価格上昇の主要な原因だと指摘。いわゆる「不動産抵当ローン」は、ローンを借りている人が不動産を担保にして、銀行に流動資金のローンを申請することを指します。ローンの慣例ですと、抵当を控除して、「二次抵当ローン」というのを設定します。一部の大銀行はローンの限度を300万元以内に抑えますが、農業銀行だと上限が1000万元です。中小銀行だとさらに緩くなり、例えば華夏銀行の住宅抵当ローンの最高貸出額は2000万元で、市中銀行には上限なしもあります。具体的な手順としては

    ;ローンを組もうという人はその名義の不動産を不動産ローン会社とバックの銀行に抵当として、不動産ローン会社を通じてローンを申請し、そこで投資者としてのローンを借り出します。投資者は最高9.5%の年収を得られます。もしローンを借りた人が期日までに返済できないときは、不動産ローン会社と協力している金融機関がローンを借りた人に替わって元金と利息を返済します。現在、不動産ローン会社は政府のネット上に明らかにされており、協力しているのは北京中保国信融资担保有限公司です。

    あけすけ、率直に言うと、「不動産担保ローン」は、不動産を担保にいれて新しい物件を買うということです。不動産が1000万元に値上がりしたら700万元のローンが組めます。農業銀行、建設銀行、民生銀行、中信嘉华银行有限公司などの多くの銀行がみな「不動産ローン」という金融商品を売り出しており、不動産ローンを借りたいと思う客はまだローンの完済していない住宅でも1年以上返済を続けてきた実績があれば二次抵当ローンを申請できます。

    この「不動産ローン」以外にも「消費者金融」や「頭金ローン」、個人経営の貸金などの金融商品はすべて不動産のレバレッジ資金が元になっています。

    ★不動産ローンという名の、銀行と顧客が共謀したポンジスキーム(インチキプラン)

    銀行がこうした業務を行う背景は、経済がよわ含みで小企業はローンを組めませんし、大企業は借りたがりませんから貸出先がないのです。でも銀行は業績を上げなければなりませんから、それが個人住宅ローンに集中するのです。株式市場や不動産市場が値上がりするということは資産が目減りすることにつながりますから、貯蓄が目減りしないように余力のある人は不動産を買って目減り防止しようとします。つまり、銀行は不動産ローン業務に対して、圧力試験をしているようなもので、結果は、不動産価格が3〜4割暴落しても銀行は損をしないのです。

    銀行とローン申請者が結託して行うこうしたポンジスキーム(*詐欺的)操作に対して、政府は「見ざる、聞かざる」を装っています。ポンジスキームの本質はつまり高収益のあがる投資活動だと宣伝しておいて大量の投資者を呼び集めることです。現在、不動産価格はすでに深刻なバブルなのです。中国の一線級都市である北京や上海、深圳などの3LDKの値段で米国の大多数の都市では広々とした庭付きの一戸建て別荘が買えます。住宅ローン申請者は本当は別にそんな大金を使ってローンを組んで住宅ころがしに大金を使う必要はないのですが、こうした「爆弾回しゲーム」をうまくやってお金を儲けたいだけなのです。

    中国人の多くは投機が大好きで、チャンスがあれば乗らなければ損したと感じます。例えば、うまく契約価格を高くして、700万元のマンションを、ちょっと賄賂を使って銀行のローン担当に千万元と評価させる。もともと490万元のローンを組めるから、自分は210万元最初に納めれば合計700万元で払える。そして今、千万元になったから、今度はすぐ700万元のローンが組める。だから実際には資金ゼロでスタートして、その後自分の210万元で毎月のローンを払う。3年内に住宅価格が上がれば、売り払えば差額を大もうけ、だとありました。

    いまや、「リスク無しで大儲け」の魅力にひかれて、多くの人が灯火に身を投じる蛾の群れのように不動産市場に投資しています。本来、後押し役の政府もこの危険がどんどん大きくなるのをみて、またもや購入制限を行おうとしていますが、「上に政策あれば、下に対策あり」のお国柄ですから、中国人は「偽装離婚」で対応して、「一戸は一つしか住宅を買ってはならない」という規制を回避しはじめました。

    「経済観察報」の9月4日報道によると今年3月、上海市は購入制限令をだし、一家庭が二つの住宅を買うには、まず最初の頭金は50%以上でなければならず、二棟買うには頭金7割が必要ということにしました。これが不動産価格が不断に上昇するという状況のもとで、「上海離婚ブーム」をおこしたのです。こうした離婚はもっと別の名義で不動産を買うために、頭金をできるだけ減らし、節税しようというのが目的です。これを欲張りと責める声もあるのですが、「上海市民が住宅を買うために離婚するというブームは利益がモチベーションになってはいるが、これは地方政府がマーケットに干渉しすぎて、不動産価格狂乱高騰に対して手を打たなかったからだ」という指摘もあります。

    上海の不動産購入離婚ブームは2011年にもありました。2011年に中国政府は不動産市場に対してマクロ的な調整を行い「新国8条」というのを発表して、ローンで2棟目の住宅を買おうとする人々に、頭金6割、ローン利率は最低限基準利率の1.1倍を下回ってはならない、としました。その年の上海の離婚件数は4.78万件、2012年には5.29万件、2013年には6.96万件に膨れ上がり、2014年でも6.15万件です。

    このようなバブルの高まった時期に不動産市場で投機的行為を行うことは、「不動産マーケットの大火事の中に、はって突き進むようなもの(*魯迅「准風月談」中の言葉)」といわれています。

    ★政府は危険を転化して延命を図る

     政府がこんな火遊びをするのは、更に多くの社会メンバーをこのポンジスキームに参加させることだけが、金融危機を解決する道だからです。私は「経済の『巨大ネズミ講化』に対して習近平はどうする?」(2016年8月16日 )で、「金融不動産業界が中国経済を締め上げている。金融経済の奇形的な膨張が、実体経済の発展空間を圧迫した。第2に、金融業が中国経済乗り順の8割を占めており、実体経済の利潤を押しつぶし、実体経済では儲からないという構図にしてしまった。2015年の11兆元の新しい貸し出し金は、おもに個人住宅ローン、インフラ、不動産業界へ流れた」と書いておきました。

    劉煜輝は「ボーダレス時代の思考ー金融レバレッジの傷の反省」という文章で大変率直に「中国では高負債部門は主に国有企業と同種の政府経済組織である。経済のテコを救い、危険が爆発するのを引き伸ばすために過去数年、中国政府は主として2方面から処理をおこなってきた。一つは崖っぷちにある地方財政を救うために住民をテコにして。というのは不動産が中国の地方政府の融資システムの特別な生命線だから、蓄積と不動産業の債務を連結駆動して、不動産投資させ、最終的に地方政府に各種収入を得るようにさせた。二つ目は不動産プラットフォームの債務連鎖に長期に信用を維持させるための大量の信用供与(長期低利息資金で短期高利息の金に置き換える)、銀行にキョンシー化した企業から手を引くことを許さず、債務を付け替えさせたりなどなど。

    このような手段を駆使した結果、経済システムのがん細胞を金融システムに転移させたのです。

    ★不動産の火遊びはまだ続くのか?

    中国不動産市場を分析するには金融不動産の専門知識だけでは間に合いません。というのは常に権力が介入して操作する市場だからです。そして中国の政権掌握者の命令が必ず実行されるとも限らないのです。例えば習近平は、最近のG20サミットでの談話で「単純な財政刺激策と通貨政策の非常規制政策で成長を持続させるのは無理だ」と言いました。理窟の上では大変正しいのですが、もしこれを聞いて、中国政府は前非を反省し、財政刺激策や通貨の超過発行をやめ権力行使を我慢するだろうと信じるようなら、あなたは「まだ若すぎてノーミソが単純すぎる」のです。

    中国の不動産価格の高騰、過剰な不動産(ゴーストタウン)の多さは世界で突出していますし、こうした不動産市場がなんとかまだもっているのは、中国国有銀行が不断に住宅購入者に住宅ころがし資金を提供し続けているからなのです。誰もがみんな知っていることですが、中国の不動産と金融システムは、中国経済危機の爆発点で、危険は遅かれ早かれやってきます。ただそれが何時か、ということだけが分からないのです。開発業者、銀行、住宅転がしの客、土地を売る地方政府がみな不動産売買にかかわっており、最後は購入制限令と狂ったような値上がりは共存できません。今年7月に深圳、南京、上海の新築家屋価格は同期比で43.4%、35%、33.1%上昇しました。7月の中国人民元のローン増加は4636億元になり、そのうちの住宅ローン中の中長期ローンと明示されている金額は4773億元で、信用貸付総額の比重がすでに100%を超えているのです。

    専門家は次々に、中国の住宅ローン収入比率が極めて早く成長しており、2015年の住宅ローン収入に比べてすでに0.46ポイント増えているとして、日本のバブル期の水準を超えていると指摘しています。住宅ローンの販売比率は、約5割でこれは米国のリーマンショック時期前の数字に近づいています。しかし、「話す者が解り易いように繰り返し教え諭しても、聞く者はその事を何とも思わない」ので不動産価格は依然として飛ぶように値上がりし続けています。

    これはすべてのレバレッジを使う者たちと、中央銀行の賭け試合のようなものです。住宅転がし側は誰もが自分が最後にババをつかみたくないと運を天にかけております。不動産開発業者は、地方政府がお手上げになる前に自分が死ぬことはない、という方にかけています。たとえば任志強は開発商が先にお手上げになることはない、なぜなら開発業者側はまだ1兆3000億元の資金を持っており、通常1兆元あれば一年は持ち堪えられるから、せいぜい営業停止どまりだろうと言います。地方政府は自分は中央政府と親子の関係だから、親は子供をむざむざ見殺しにしないから大丈夫と信じています。

    2015年、中国の株市場はあの万能の中央政府の呼びかけにもかかわらず、言うことを聞かず最後には政府も株投資家も「どちらも負け」となりました。不動産市場でレバレッジをかけている人々と、中央銀行の賭けでは、参加者が平穏無事に着地したいと願っても、もう大変難しい状態になっています。(終)

    訳御免。
    原文は;中国楼市狂涨只因贷款不尽滚滚来

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