• ★中国株市場の「新鋭軍」とは★ 2016年10月15日

    by  • November 22, 2016 • 日文文章 • 0 Comments

     最近、国務院は正式に「銀行債権の株式化による市場化に関する指導意見」等二つの文書を発布し、債権の株式化は正式に展開されようとしています。この意味するところは中央銀行が、これまでずっと「通貨の貯水池」として来た不動産市場が溢れそうなので、政府は危険の臭いを嗅ぎつけ、各地方政府に購入制限令を出させる一方で、別の「貯水池」の株式市場へのバルブを開こうとしているのです。

     ★「株式化した債務」の市場化、法制化と、隠された政府の狙い

     国内メディアは既に自由が昔ほどありませんし、ずっと勇気を持って問題点を論じてきた「財新ネット」も最近「報道のあり方に問題がある」として罰せられましたので、中国国内ではこの「債権の株式化」を褒め称える声ばかりになってしまいました。この「指導意見」の「三つの奨励」「四つの禁止」にはじまって、AMC(金融資産管理企業)などの機関が債権の株式化によって大儲けできる話に至るまで、各種の株式投資家の印象は、「政府がしっかり管理するから、今回の株式上場される企業はみな優秀か優良企業ばかりで、時期を見て株式投機すれば儲かる」です。

     しかし、実は仔細に「指導意見」の「三つの奨励」「四つの禁止」を読んでみれば、それはただ字面上の文字に過ぎないことがわかります。「三つの奨励」の中のどんな種類の企業だって、いまの中国には極めて稀な存在としかいいようがないのです。「四つの禁止」を分析すれば、そこに列挙されている「四種類の企業」というのは、債務の株式化によって、大多数のキョンシー企業の債務を、包み紙だけ変えて上場しようとしているとわかります。

     「四つの禁止」の「四種類の企業」で「損失を挽回する望みの無い、既に生存発展の見込みが無い『キョンシー企業』」とは何でしょうか?仔細に検討してみれば、「キョンシー企業」が「キョンシー」になっても、まだ政府に対して、銀行にずっと貸し出しを継続し、餌を与え続けるように命じさせる力を持っているようです。その理由は「損失を挽回する望みがある」ということです。こうした企業は政府や銀行に対して当面の損失を説明するにあたっては、;「原因は国際環境が悪すぎて、例えば、鋼鉄業界なら、これは米帝国主義とEUが高関税を課したために、我が企業の輸出が不利になった。一旦、経済事情が好転すればわが企業にはきっと希望がある」とか言うでしょう。

     「悪意の債務逃れ行為」とは何でしょう?西側諸国では「債務逃れ」はつまり債務踏み倒しですから、「悪意の」も「善意」のも区別などありません。「指導意見」の「悪意」なる連体修飾語がつけられることによって、たちまち多くの企業の「債務逃れ」が可能になってしまいます。というのは、どんな「債務逃れ」を「悪意」というのでしょう?「悪意」か「善意」は一体誰が測って決めるのでしょう?この物差しについては大いに研究する余地があります。

     「過剰生産と過剰在庫を拡大する恐れのある企業」とは何でしょう?企業から言わせればこんなことは問題になりません。というのは全国に数十の業界があり、それぞれがみな生産能力過剰ですが、業界団体がそれぞれにありながら、一体どれぐらい在庫があるかは、業界団体では把握していませんし、もともと無茶苦茶なのです。しかし、債務を株式化しようとする企業はそれぞれ皆、自社の製品は優秀で販売ルートも素晴らしく、在庫が積み上がっているのは別の企業だ、と主張するでしょう。実際、こういうことはあまた発生しており、全国鉄鋼協会が調査した時には、どの企業も皆、互いに避難しあって、自社の鋼材は優秀で廉価であると主張しました。

     以上の分析と、私の中国式知恵というものへの理解から、大多数の今に至るまで生存してきたキョンシー企業は、資産の再構成を経てのち、最後にはみな株式市場に元気いっぱいに復活登場するだろうということを、大胆に予測します。そして企業の株式販売説明書はキレイなもので、読んだ投資家は大いに信用するでしょう。もちろん、私も株投資家はとっくにそんなものを読みはしないで、その日その日の株式市場の株価しかみないし、求めているのは今、まさに値上がりしている株だけだということは承知していますけど。

     ★債務の株式化による市場化。政府は強制しない

     債務を株に変えるというのは今節の李克强総理の発明ではありませんで、これは朱鎔基総理が二十世紀の90年代に創始したことで、そのときは大成功を収めました。企業の不良勘定を帳消しにしたばかりか、銀行の重荷を無くし、さらには何社もの銀行の不良債権を処理する資産管理企業を作ってのけました。ただ、最後にツケを払ったのは中国の何千何万という投資家たちでありました。去年の株式市場の災難の記憶はまだ消えていませんから、今回の債務を株式化するにあたって、一番、重要なのは債務の株式化への名誉回復であり、今回のそれは朱鎔基総理のときとは違うのだ、という説明です。

     列挙された説明の「一番の違い」は「債務の株化の市場化」の堅持で、「銀行は直接債務を株式化してはならない」です。銀行債務の株化は二段階でおこなわれ、第一歩は債権の譲渡機関をつくって、第二歩が実施機関が債権を目標企業の株式にすることです。ここで説明されていないのは、こうした実施機関も実は長期株主になるわけではなく、最後にはやはり株式は上場されて、投資家に販売されるということです。

     こうして実施機関、になるのはどんな機構でしょうか?「企業のレバレッジ率を低下させ、安定化させる積極策に関する国務院の意見」という文書によると、金融資産管理会社、保健資産管理会社、国有資本投資運営会社などの企業を債務株化市場化に参加させることを奨励する、とあります。

     一般の読者がわかりにくいのは、こうした企業は朱鎔基総理の時期に実施された第一回目の債務の株式化のときには、保険会社のように誕生したばかりか、あるいは大半がまだ生まれてもいなかったということです。ですから、当時、朱鎔基総理はこの問題解決を中国銀行、興業銀行、建設銀行、農業銀行の長期悪性負債解決のために債務を株式化して上場するには「無から有を生じさせ」、政府が400億元を出資して、東方、華融、長城、信達の四大資産管理会社(四大AMC)をつくって、それぞれに銀行の不良資産問題解決の処理をさせたのでした。こうした企業は当時、外資が中国金融の運営事情を理解するために、パッケージされた不良資産でも買ってくれたのをチャンスに、うまく大儲けして、その後も順調に発展し、今や堂々たる様々な領域にまたがる金融の巨頭にまで成り上がったのでした。香港に上場された中国信達を例にとれば、2014年末にはその総資産は5444.3億人民元になっています。

     このようにお金を持ったしっかりした「息子」がいるのですから、中国政府が再び、債務を株式化しようとしても、自分が率先して表に立ち強制する必要はもう全くありません。中国政府にも弱みがあって、人民元の国際化を図る過程では、金融システムを国際標準に合わせなければなりませんから、そうした状況が現在の関連法にも反映するのです。例えば、現在の銀行法の規定では、商業銀行は国内のノンバンンクや他の金融機構に企業投資することはできません。そのほかにもベルサイユ協議の決めた資本管理法の規定では、銀行が企業の株を受動的に持たされた場合、その危険率は400%、二年後以降は1250%と計算されます。正常な貸し金の危険率はわずか100%です。こうした規定によれば銀行が株式を所有するというのは評価に関わってしまうのです。

     中国では銀行も政府の生んだ「息子」ですから、国営企業のために少なからぬ犠牲をすでに払っていますし、自分の国際的信用度をこれ以上損ねるわけにはいきません。ですから、他の何人かの政府の「息子」達、つまりAMCが父親を助ける出番になるのです。

     ★債務の株化では誰が得をするのか?

     まず第一は銀行で、債務の株式化を通じて不良債権を解消できます。この点では政府の宣伝は嘘ではありません。朱鎔基総理が四大資産管理会社を使って損失を引き剥がし、銀行の帳簿をきれいさっぱり処理したのと同様に、今回もこの株式化を通じて、段階を追って銀行の不良債権を移転させ、銀行の帳面を再びきれいなものにできるのです。

     次には、その処理を引き受けた金融資産管理会社、保健資産管理機関、国有資本投資運営会社です。この三種の企業の中で、銀行の不良債権処理の創始者であるAMCは最も経験に富んでおり、一番利益を得るでしょう。政府は「父親」として「子供達」にチャンスは平等に与え、「子供達」はそれぞれの能力に応じて銭を稼ぐ、というのは当然、市場化の範囲内なのです。

     こうしたことが理解できたなら、「銀行債権の株式化による市場化に関する指導意見」の規定である「この度の、債権を株式化するのは市場を主体とした自主的なビジネス協議上の取り決めであり、それに要する資金も市場化方式によって集めることを主とし、各関連マーケットが自主的に決定し、リスクを負い、利益を得る」という意味も分かるでしょう。

     知っておくべきことは、こうした市場の主体は国営企業を含んで、みな中国政府が自ら生み出した「子供達」であって、ただその中にお金持ちの息子(AMC)もいれば、貧乏な子供(国営企業)もおり、さらに、ある子供(国有商業銀行)は、別の子供(国営企業)を助けた為に苦境にあります。父親は引き続き玉座に座っているためにはこうした子供達を全員生かしておかねばなりません。さもなければ玉座も安定とはいえません。そして父親の権威がまだ健在であるうちは、どの子供も言うことを聞かないわけにはいきません。

     しかし、最終的にはこうした株式はみな続々と株式市場に上場されるのです。当然、こうした中国の実施機関は海外の投資者を探し求めつづけます。例えばAMCは去年、一陣の風をはなって、海外銀行に昔やったように銀行の不良資産を買わせようとしましたが、外資銀行は引っかかってきませんでした。それでも全然構わないのです。最後には全部A株市場に上場して、各種の手練手管で投資家たちにキラキラギンギンのイメージさえ与えれば、こうした国営綺語の債務が化けた株が売れないなどという心配はないのです。そのほかに、さらに何十兆ドルという国際流動資金が行き場を探していますし、最近では少なからぬ投資銀行が中国の債券市場の高利率に色目を使っています。こうした素晴らしい受け皿がやって来さえすれば、中国内の株式投資家だって元気になるでしょう。

     一般の株投資家に対しては、市場で買う前に二つの文章をお勧めしておきます。一つは2016年6月10日の「株震災一周年記念;A株市価で25億元蒸発、一人あたり被害は24万元」《股灾周年祭:A股市值蒸发25万亿 人均24万》と、「2015年以来三回の株式大暴落の全記録《2015年以来三次股灾大面积暴跌全记录,中国股民都是股坚强》です。「市場化」ということが理解できれば、「政府が見せない手の内」という本当の意味もわかるでしょう。(終)

     拙訳御免。
     原文は;债转股:中国股市“生力军”之考查 voachinese.com/..14/3551644.html

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