• ★舌戦に埋もれた真のテーマ;改変か現状維持か?ー米国大統領選ー★ 2016年9月29日

    by  • November 22, 2016 • 日文文章 • 0 Comments

    例年と違って今年の米国大統領選挙の最初の候補者討論会が終わった後には、前代未聞の妙な現象が起きました。二人の候補者の固い支持者たちが皆、それぞれ「自分たちが勝った」と思っており、また民間アンケート調査では、それがもっとひどい有様。大部分のネット調査ではトランプが勝利した、という一方、専門調査機関が登録有権者に対して行った調査ではヒラリーが勝ったというのです。「ヒラリーのサイト」と言われるCNN調査ではヒラリーがトランプに62%対27%で圧勝したことになっています。
     もっと不思議なのは、今回の弁論ではヒラリーの勝利とする専門家でも、ヒラリーが第一回弁論で勝利しても、あまり選挙情勢に大きな助けにはならないだろうと考えていることです。どうしてでしょうか?

     ★弁論ではもうこれ以上の支持者を奪えない

     実際、弁論でどちらが勝利したかというのを決める基準は一つです。それは自分がより多くの選挙民を獲得できたか、ですし、最も良い形での勝利というのは相手側の支持基盤を動揺させることで、基準ギリギリの勝利は、自分の側に中間的な選挙民を勝ち取ることです。この基準を用いると、どちら側も果たせませんでした。

     弁論そのものをみれば、ヒラリーは勝者です。原因は米国中が知っていますが、弁論の場ではヒラリーは極めて有利です。今年は米国のメディアが団体で列をなしてヒラリー支持一辺倒ですし、トランプはメディアとうまくやれていません。NBCの司会者はネットでは「オバマの化身」と言われてますが、確かにそうでした。それにヒラリーが大学生の教育ローンを免除すると約束したので、大学生層はヒラリーに好感を持っていて、彼女が何を言ってもみなバンザイです。トランプはブーイングを浴びせられました。こうした雰囲気は二人の主役に影響します。そして二つ目にはヒラリーは弁論の場では百戦錬磨の経験に加えて、真剣に準備してきました。ですから、彼女は明らかな司会者の贔屓を得て、悠揚迫らざる態度で、精彩の欠けたトランプの弱点を猛攻撃できました。

     これまでのどんな大統領選挙でも、この第一回の弁論でヒラリーの勝利は確定したでしょう。しかし、今年は二人の候補者の政治主張が両極化しており、双方のテッパンの支持者たちは、相手の態度によって自分たちの支持を変えるつもりは全くありません。ですから、戦線は相変わらず膠着状態で、どっちの熱烈な支持者も変わりません。ヒラリーをずっと支持してきたBBCですら、トランプが弁論で負けても、最終結果を決定するには至らない、と認めています。

    しかし、チャンスは準備のない人には訪れませんから、トランプがもし、また「準備しない」などと威張って残る二度の論戦に臨めば、やはり選挙民に影響して、ヒラリーのメール問題や政治献金問題や、アサンジが暴露した民主党が内部的に「トランプに泥を塗る方法」を印刷していた事実などを忘れさせるかもしれません。
    では、ずっと存在してきた2割の中間派はどこへ行ってしまったのでしょうか?

     ★中間はは自由党に向かい、民主党の基盤は変化

     オバマが大統領選挙に参加する前は、選挙情勢は民主、共和両党の基盤はそれぞれ四割で、中間が二割でした。オバマ当選以後、共和党の基盤は縮小し、民商等のデータだと民主党が43%、共和党が33%〜37%で、中間派は依然として20%でした。一般的な情勢なら、両党とも候補者が確定したら、中間層の取り込みを狙って立場を修正して、さらに多くの票を取ろうとしますが、これはまた共和党の政策がどんどん民主党のそれに近づいてくる理由でもあります。

     しかし、ことしの中間派はちょっと特別です。民間調査によれば共和党のトランプ候補でも、民主党のヒラリー・クリントンであろうと、選挙民の支持率は45%を超えませんで、第三党にかなりの余地を残しています。クリントンは嫌いでトランプもすきじゃないとか、サンダースの熱烈な支持者は元ニューメキシコ州知事のゲーリー・ジョンソンのリバタリアン党に向かっています。CNNの調査だと、ゲーリー・ジョンソンは現在、全米の9%の支持を獲得し、これは中間派に強い民主党にとっては痛い、取り返すべき対象です。

     民主党の支持基盤でも予測外の出来事がおきています。討論会の当日に、5000人の移民関係の仕事についている移民局労働組合の「全国移民税関法務執行理事会」と「小ブッシュ同級生連盟」のブッシュ政府の役人だった50人がトランプ支持を表明しました。これは民主党の自信にとって軽微とは言えない打撃です。全国移民税関理事会は5000人の連邦移民局に勤める職員を擁しています。この組織は支持候補表明は初めてで、クーロン委員長はトランプ支持の理由を、自分たちは地域社会を守る最後の防衛戦であり、メンバーはすでに最も基本的な移民法を執行できないでいるからだ、と説明しました。

     ヒラリーは大統領になったら100日以内に、移民政策を変更して、もっと多くの移民を受け入れると表明しています。この意味はもし彼女が当選したら、命令する立場の大脳と、現場の手足がぶつかる、ということを意味しています。

     ★改変か現状維持か?舌戦に埋もれる真のテーマ

     本当のテーマは実はひとつだけ、それは、現状を変えるのか、現状(オバマの政治遺産の継承)を維持するのか、です。

     トランプは共和党代表大会の発言を民主党は、米国を暗黒に描いたとして、米国は依然として偉大であると真っ向から対決しました。オバマは民主党の全国代表大会上、さらにはっきりとヒラリーを支持する理由は、彼女ならオバマの政治的遺産を継承できるからといいました。

     後継者に自分の政治遺産をはっきり受け継ぐことを求める、というのは米国の大統領選挙で初めてのことです。思い起こせば、オバマはかつて選挙出馬した時のスローガンは、「チェンジ」でした。8年の任期がすぎ、彼の最大の望みは、改変しないこと、すなわり後継者がその政治遺産を継承できること、になりました。オバマは政権につく前には改変を求め、政権を去る時は改変しないことを求めました。これは魯迅のかの名言「前に羽振りが良かったものは復古を願い、いま羽振りのいいものは現状維持を願い、まだ羽振りのよくないものは革新を願う」通りです。

     この政治遺産の明細書は、内政面に関しては、「★ヒラリーの病は大統領選挙にどう影響する?★」(twishort.com/6Zblc)で列挙しましたが基本的にはみな左派的な心情の各種の政治理想で、例えば支出を拡大して貧者の福祉を向上、世界的な大規模な救貧(米国人より難民が優遇されるののもその一つ)、同性恋愛結婚の合法化(難民カップルも含む)とか、麻薬販売の死刑囚を赦免し、麻薬販売を合法化に向かわせるとか、です。対外政策の「オバマ主義」は、今年4月、アトランティックマンスリーの記者がJeffrey Goldbergがオバマにインタビュー取材時に、オバマの中国政策、中東政策、アジア復帰戦略、キューバ国交再開、英米関係外交政策など全てを「オバマイズム」と呼んでいます。

     オバマイズムの一番肝心な要は中米関係で、核心的な内容は「崛起する中国ではなく、衰弱する中国の方を心配すべきだ」ということです。中東政策は各種の批判を浴びており、評価は難しく同記者も将来に評価を委ねて、のちの世の人は、2013年8月30日(*シリア空爆問題)が、ダメなオバマが世界に一つだけの、無くてはならない超大国の指導的地位を、早々と放棄してしまった日だとおもうかもしれない」と書きました。しかし、それはまた、大変賢いオバマ大統領が、中東という底なしの暗黒に米国が引きずりこまれるのを防いだ日といわれるかもしれない、とも。「アジアカムバック政策」は、英国のフィナンシャルタイムズという左派メディアの中堅なのに、コラムニストがこの9月に「米国の『アジアカムバック』戦略の悲劇的な前途」という記事を書き、「オバマ大統領は悲惨な状況に直面している。彼が大統領の任期を終えるとき、彼のメルクマールとなる外交政策は再び太平洋の波濤の下に沈没するだろう」というオバマが聞きたくないような話を書いています。

     オバマの政治遺産というリストは、西側の左派勢力には、米国民主党が「正しい道を行えば、人助けになる」ということで、比較的評判がいいので、彼らから見るとヒラリーはお気に入りなのです。しかし、米国政府が「米帝国」で、世界の警察の役割を担い、警察として巨額の公費を払っているのは米国の選挙民であり、彼らの態度が選挙を決定づけるのです。ピュー・リサーチセンターの調査では米国が国際的なことにか変わることには最近、疑問に思う人々がはっきり増えており、オバマ大統領になった2009年には41%、2013年は52%の人々が米国は、国際的な余計な出来事に首を突っ込まないで、その国々に解決を図らせるべきだとおもっています。今年5月のピュー・リサーチセンターの調査では、この比率は57%に上がりました。今年7月のウォールストリートジャーナルは特別取材として、2000年のクリントン政府から今までの経済政策を掘り下げ、今回の大統領選挙で出現したトランプとサンダース現象の関係を報道しましたが、そこでは70%の米国人が、米国は間違った道を歩んでいると考えています。

     こうした民意調査やトランプとサンダースの目立った選挙事情ははっきりと、今後、二回行われる候補者同士の討論のテーマになるでしょうし、双方は「現状維持」と「改変」についてのそれぞれの意見を述べるべきで、「誰が大統領にふさわしい風格があるか」といったつまらない舌戦はやめるべきです。民主党は、世界の人民(実は左派)がヒラリー支持だというバブルに酔いしれていますが、米国の民主制度の設計の根本は、納税者に責任を負うということで作られていることをおろそかにしています。現在のなりゆきでは、納税にないで福祉だけ享受するグループが、同様に投票権をもっておりますが、さすがに一銭も払っていない外国人に代表をだせる票は与えらえれていませんから、選挙を決するのはやはり米国の選挙民です。

     さらに言えば、CNNなどの左派的な夢が実現して、ヒラリーが最後に大統領に当選したとしても、極めて深刻に分裂した選挙情勢や、深刻に分裂した米国社会を縫合することを考えずに、正真正銘の「オバマの政治遺産の忠実な継承実行者」として甘んじていられるものでしょうか?(終)

     拙訳御免。

     原文は;被口水战湮没的美国大选主题:改变与维持现状《中国人权双周刊》首发,(第192期 2016年9月16日—9月29日)aboluowang.com/..930/811781.html

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