• ★トランプ時代の中米関係新構造★2016年12月9日

    by  • December 13, 2016 • 日文文章 • 0 Comments

     

    12月2日の「トランプー蔡英文電話」が引き起こした巨大な波風は未だに止んでいません。米国外交界、シンクタンク、エリートグループ、メディアはこれが、トランプの「一つの中国政策」に対する危険な挑戦だと見て、批判は潮の如く沸き起こり、まるで「ワシントンのエリート達が狂ったドラゴンを退治する」図となりました。一方で「タイム」はトランプを2016年の代表的人物に選び、ユーモラスに「アメリカ分裂国大統領」だと言いました。しかし、中米関係という大きな盤上のゲームでは、台湾は実は主要な舞台ではありません。中米双方が如何に今後のゲームにどう布陣するのかこそが大局を決定していくのです。

     

    トランプの対外関係戦略思考

     

    中米関係を論ずるにはまず、トランプという後任大統領の戦略思考を見なければなりません。多くの論評がみなトランプは戦略思想が欠如していると軽蔑的に断言しています。しかし、おそらくそれは間違いでしょう。トランプは戦略思考があるけれども、彼がそれを表明する場合に外面を耳障りの良い言葉で飾り立てないので、「高尚さのない」表現になる、というべきでしょう。

    トランプの選挙でのスローガンは「米国を再び偉大にする」でした。これは漠然としており、「形があってないようなもの」であり、どんな支持者も自分の理解と想像の上に自分が思う「再び偉大になった米国象」を心に抱けます。しかし、投票日前にトランプは自分のホワイトハウスにおける青写真を二つの粗い輪郭線で描き出しました。国内には、米国経済建設を中心とする。国外へは、イデオロギー闘争を放棄する、です。

     

    しかしメディアもクリントン陣営も、一つはトランプのメキシコ移民に向けての障壁作りを批判し、二つにはNATO加盟国は自国防衛すべきであって米国は他国の建設にゼニを出さないと言った点をとらえて、これを同盟国への裏切りだと激しく批判しました。しかし世論がどうあろうと、これがトランプ大統領が米国の未来のために描いた戦略目標でした。

     

    こうした各方面からの攻撃を受けた時、トランプは確かにそうした専門家を一顧だにしませんでした。しかし、当選前日、トランプははっきりと方向を転換して、もし当選したら経験者を起用すると言ったのでした。当選後、彼は組閣の中で明確にそのようにしました。「ニューヨーク・タイムズ」は12月2日の「トランプの怪物パーティ」で、トランプはいま、百万長者と偏執者で組閣しようとしており、同性愛恐怖症、イスラム恐怖症、地球温暖化否定者、白人至上主義者による顧問団を作ろうとしている」と報道し、トランプ政府は「怪物の党派」になるだろうと書きました。しかし、落ち着いて考えれば、大多数が今の時代の優秀な人材を選んでおり、適材適所であることがわかります。例えば駐中国大使に習近平の「オールドフレンド」であるテリー・ブランスタド米アイオワ州知事を起用したことでもその気配りがうかがえます。国務長官の候補はいずれも優秀な人物ですが、未だに決定していません(*訳者注;12月13日、国務長官に、米石油メージャー最大手エクソンモービル 会長兼CEOのレックス・ティラーソン氏を指名)。更に彼はキッシンジャーと会談して、その意見を聞いています。こうしたことはトランプが外交を重視し、国務長官の重責を理解しているということです。

      

    トランプの国家安全顧問は中米関係をどう見ているか?

     

    トランプが中国を理解していないことを心配する向きもありますが、私はそうは思いません。今回、一部の中国系選挙応援団の中に、華僑指導者からなるトランプグループと中国方面の連絡にあたった人々もおります。選挙中の一コマがよくそれを表しています。投票日の数日前に中国側は秘密代表団を訪米させ、トランプ派と接触しています。中国側は後に、トランプ陣営を含む米国側とずっと緊密な連携を取っていたことを認め、それが継続していることを認めました。これに対して日本側は安倍内閣はずっとヒラリーの勝利を望み、意外な選挙結果が明らかになったときにトランプとのパイプが全然ないこと気がつきあわてふためきました。ドイツも同様でした。

     

    ネット上にはトランプがある戦略を話し合う晩餐会で「米国と中国のイデオリギーの違いは根本的に調和しない」と述べたことから、トランプ大統領の失政期間中は、中米関係は悪化するだろうという話が流れました。そうした判断は明らかにトランプの真意を誤解しています。

     

    トランプグループの中で、中国関係についての発言が最も多いのは、米国のCIA長官で、トランプの選挙期間の国家安全顧問のジェームズ・ウールジー氏です。彼はかつて一度ならず、米中両国はどちらも重要な商業国家であり、どうやって「ビジネスするか」を知っている」と述べています。「VOA」の取材に対しても、中国国内、国際問題の根源的なキーとなる中国の一党専制制度に対して、ウールジーは「米国は世界で自由主義という政策を広めていこうとする政策は変わらない。しかし、中国の複雑な境と政治体制の理解は深まっており、ますますはっきりしてきたことは中国の現体制をどうにかしようとすることは大変危険な努力だということだ。米国はこの体制が気に入らないとしても、なんとかしようとするべきではない」と言いました。彼は、今後数年のうちに米中両国は文章化されない巨大な取引を行うだろう、それはつまり米国が中国の政治・社会体制を受け入れ、どんなやり方にせよ中国を崩壊させようとするようなことをしない代わりに、中国がアジアの現状を変えようとしないという約束だ、と言いました。

     

    今回の、トランプと蔡英文の電話会談に対して、中国の反応は相対的に穏やかなものでした。それは一つにはワシントンの外交グループやシンクタンクが必ず反対するだろうから、自分たちが激怒して表面に立つ必要はないだろうということ。そして二つ目には、ウールジーが対中国政策の考え方ではっきりとさせたことです。米国が「一つの中国」を承認することは北京の核心的利益だとしても、「一党独裁」という「核心利益」に比べればぐっと順序が下がるものだからです。

       

    米国外交グループの根深い「トランプ心配症」

     

    トランプと米職業外交官グループの関係は確かに調整する必要があります。今年の選挙の真っ盛りに、75人の米国退職した職業外交官と国務院のベテラン官僚たちが9月21日に、「彼はロシアやISISを理解していないし、学ぼうとする気もなく、完全に米国の大統領と軍司令官の資格がない」という公開書簡を発表しました。彼らはトルーマンからニクソン大統領の時期に仕事につき、その経歴を合計すると数百年にもなります。この公開書簡は彼らに言わせれば、史上空前の動きでした。

     

    主要国家に於いては、外交はまさに専門家の領域です。大英帝国時期に外交官は基本的に外交官一家から出ることになっており、その人脈はイートン校からケンブリッジ大学へのコースで養われました。というのはこの二つの学校が植民地の王侯貴族や子弟が教育を受けた地だったからです。現代になっては、主要国家はみな外交官訓練基地やセンターの類を持っており、先輩の外交官の理念は代々こうして引き継がれてきました。

     

    米中国交回復時期にはキッシンジャーがキーマンとして活躍し、彼の外交理念は米国外交界の米中関係における教科書的理念となりました。この理念は数十年の間に磨き抜かれ、その原則は「接触、影響、協力、改変」という具体的な方法論になりました。クリントン大統領時代以後は、この原則は「経済往来を主として、人権を従とする」となり以後ずっと変わりませんでした。ただ、クリントン時金は「接触、影響、協力」に重きが置かれ、「改変」は努力目標でした。ブッシュ大統領の時期には、反テロで中国と協力する必要上、「協力」と「影響」の試みに重きがおかれました。例えばクリントン時期に始められた米国の中国への法律援助プロ弱とです。オバマ大統領の第1期は協力を模索しましたが、第2期になって、中国のハッカー、スノーデン事件、南海問題など中国との摩擦が絶えませんでしたが、依然としてそうした方針は主軸でありました。ただ、もうに「改変」という方向は基本的に放棄されました。

     

    トランプが任命する国務長官が就任した後は、まず外交グループの「トランプ心配症」をなだめ、中米関係への大きな観点からの考え方で一致することを達成しなければなりません。さもなければ、これまでの慣性で動いてきてこの巨大な車をコントロールするすべがないからです。

     
       

    中米関係の大構想

    トランプがホワイトハウス入りを果たした後も、「経済交流を主とし、人権を従とする」という外交の主軸から離れることはできません。ただ重点は変わりうる可能性があります。例えば、人権問題の重心はオバマ時期には「自由派」でしたから、重点は同性愛者や女性の権利、性的労働者の権利などなど色々でした。保守派の立場からトランプはそうしたことより、宗教の自由や法治、政治的権利などといった問題に関心を持つでしょう。しかし、もしトランプが米国の重大な利益を人権といったことで取引することを望むなら、現実的ではないでしょう。私はトランプ政府が中国の人権に関心を持つとしたら、それは価値観の好みと政略上のものからだと思います。

     

    しかし、中国政府がもし十分に賢明であるなら、トランプが米国経済振興の4大措置をみて、どのような手を打てば良いか分かるはずです。この4大目標は、減税、米国資源の開放と外資呼び込み、再工業化、インフラ建設、です。4大目標措置は全てただ一つ「米国就業率向上」のためです。

     

    この4大措置の中で、減税だけが中国に不利になりえます(当然、世界に対しても不利に)。トランプグループはすでに、就任後にまずやることは減税だと表明しています。その幅は25%で、これは欧州連合(EU)や中国中に悲鳴を上げさせるでしょう。これに関しては別稿で書きます。

     

    その他の三つの措置については、中国にはかえって有利に働きます。例えば米国の資源を開放して外資を呼び込む、米国の再工業化は中国にとってよいニュースです。中国は現在、世界第二の投資国であり、近年の対米投資は急速に増加しており、数十業界の中国企業はすでに米国に進出しています。今年4月、,荣鼎集团(Rhodium Group)と米中関係全国委員会連合が出した2016年「ニューネイバー」レポートが出ました。そのれには2015年に中国は米国で買収した新業務と拡大は既にはるかに150億米ドルを超えて、2014年より3割近く増えています。2015年末までに在米中国資本参加企業は1900社を超え、8割以上の議員選挙区に展開しており、その雇用は9万人に達しています。

     

    基盤インフラ建設は中国には絶対の良いニュースです。ウールジーは米国が中国のアジアインフラ投資銀行を支持しなかったのは間違いだったと指摘し、米国は南アジア、中央アジア、中国と協力して「二つのシルクロード」計画や多角的貿易協定などに参加してプロジェクトを進められると考えているとしています。ウールジーはさらに、トランプは「ビルダー」であると強調しています。数ヶ月後、中国は新しい米国政府の基盤建設、エネルギー安全などの方面で更に多くの協力する余地があることを発見するかもしれません。こうした協力は米遊郭時の経済改革を促進して、双方が利益をえられるようにするものです。

     

    「ニューヨーク・タイムズ」とCNNは未だに反トランプ報道を継続しています。しかし「タイム」は相対的により中立の方向に変わりました。編集長のジョブズは「2016年の人物」の論評で「誰が一体、ルールを破り、常軌を無視して、米国の二大政党を打ち破り、『100分の1』と言われた確率で勝利を収めることができただろう?」と書いています。もし中国当局がある専門家の忠告を聞くなら、この時期に軽挙妄動して、自らを反トランプ陣営に入れてしまうようなことをしないことです。中米関係の前途は決して一部の人々が予測するような悲観したものではないかもしれないのです。(終)

     拙訳御免。原文は;川普时代中美关系新棋局 

     「中国2015 何清漣」 電子ブック発売中何清漣さんの「中国2015」表紙

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