• ★さらば。熱き投資先、中国よ★2016年12月17日

    by  • December 17, 2016 • 日文文章 • 0 Comments

     

    中共中央・国務院が行う最高レベルの経済工作会議である中央経済工作会議ですが、2016年は例年といささか異なり、経済に関する問題を論議する会議なのに、開会前の新華社のプレスリリースでは「国家安全工作の意見に関しての審議」という部分が突出しておりました。このプレスリリースは1540文字ですが、そのうち437文字が国家の安全を論じており、「人民の安全をモットーとする」という新しい言い方が提起されています。経済政策を話し合う会議で「人民の安全」という言葉はいささか場違いにですが、しかし、トランプの中米貿易に関する言葉などでは北京が焦ってるという要素を考えると、この「人民の安全」というのは、実は中国の国家計画と民生に関する経済の安全だということです。

     

    トランプの「繰り上げ効果」

    今年の第一季度、国際投資界は、大変楽観的でした。2015年のグローバルな 企業による長期の海外投資、外国直接投資企業による長期の海外投資、(FDI:Foreign Direct Investment)の情勢は大変好調で、総量は1.76兆米ドルと、2014年度より38%も増加し、2016年も引き続きその勢いで伸びると見ていました。しかし年半ばになると、情勢は急転直下、グローバルFDIは断崖を転がるように落ちました。国連貿易開発会議(UNCTAD)の8月報告によれば、2016年のグローバルFDIは10〜15%減少する可能性があるというものでした。この原因は当然、全世界的な経済の後退、各国の投資チャンスの急激な減少、各国の保護主義的な波への動き、英国の欧州連合(EU)離脱、米国のトランプの大統領選勝利などどれもが「アンチ・グローバリズム逆流」とみなされ、トランプの当選はウォール街を恐慌におとしいれるものでした。

     

    中国政府のデータでは、今年7月前には中国の外国資本誘致成績はとても素晴らしく見えました。商務部のデータでは今年1〜7月までの全国の新たな外資企業は1.6万社で、実際に利用された外資は771.3億元で同期比でそれぞれ9.7%、4.3%の増加でした。EUと米国の対中投資は回復して増加し、特にEUの対中投資は35.6%増、米国の対中投資は129.8%増でした。しかし、8、9月になると、数々の外資の撤退のニュースが始終メディアを賑わすようになって、11月末には、中国の外貨準備規模が30516億米ドルとなり、10月末より691億米ドル減になってしまいました。

     

    中国政府は様々な外国為替の管制締め付けの措置を繰り返し、外国企業が撤退するにあたっては、資本をすぐさま米ドルに変えて持ち出すことが出来なくなる、といいった情報が外国メディアによく載るようになりました。11月28日に上海などの外国為替管理局が各企業代表を呼び出して口頭で、資本の管理監督の新ルールを発表してから、人々は初めて、今後、企業の利益は必ず、資本勘定で行い、資本勘定の支払い限度額は500万米ドル以下にせねばならず、それ以上の金額は許可を必要とする、と知ったのでした。中国の米国資本銀行は、大統領選挙の後、伝えられた減税方針を好感して、事態が落ち着いたら米国に資本を戻そうとしていた矢先だけに大変、焦っていると言われます。

     

    中国の資本流出制限のやり方は、一時的には効き目があるでしょうが、しかし結局は、自分の信用・評判を極めて大きく傷つけます。中国の外国企業は既に年末の重役会議後に数百万から数十億ドルの利潤を本国の本部に送金する習慣が出来ています。現在、状況が突然変わって、投資利潤は中国の国内に止め置かれることになって、真の利益に出来ない、という危険に直面したわけです。疑いなくこの規定は、中国政府が2017年に外国資本を呼び込もうとする時の重大な障害になるでしょう。考えてもごろうじろ。どこの多国籍企業が資本が、進出するのはオッケーだが、出て行くのは許さない「市場経済国家」に投資したいと思うでしょうか?

      

    中国は「理想的投資先」の光を失った

     

    中央経済工作会議は当然、この大事な投資環境改善のことを話し合ったでしょう。しかし、投資環境の改善は一朝一夕に出来るものではありません。ましてや「改善」になっているのかどうかは、資本がどう思っているかを聞かなければなりませんし、その資本には当然、国際資本と国内の民営資本が含まれます。前者は欧米日本がその代表で、香港からのではありません。政府だって十分、香港の資本というのは中国の内部資本が還流したものだと知っています。欧米資本は中国の外でブツブツ文句を言えますし、二つの機関でも意見を言えます。しかし中国民営資本はそんなことは出来ず、ただ、自分の「足で投票」するしかありませんから、様々な方式で資本を国外に流出させます。

    欧米資本の利益代弁機関は米国の「the american commerce chamber in china」、欧州の「the european chamber of commerce in china」です。この2機関の中国の投資環境に対する批判はここ数年大変多くなっており、2016年には最高になりました。前者は今年8月のレポートで、過半数の米国企業が反独占や食品安全、その他の管理監督機関は法の執行に当たって対象を選択して不公平な運営を行っていると認識しているとみています。外国企業はますます強烈に中国の反独占法が不公平に適用されていると感じています。もしこの状況が変わらないならば、外資企業は対中投資を減らす可能性があります。後者のレポートも同様の苦情を述べ、さらに二つの点を挙げています。一つは中国政府が外資企業に対する法執行が極めて不透明であること。二つ目は市場参入制度が欧州と比べて極めて不公平であること。EU各国では中国には例えば飛行場、インフラ施設などのマーケットを開放していますが、中国は決して外国資本に開放しようとしません。インターネットの審査、法律の無保障、市場障壁などの各種の壁に直面して欧米企業は中国市場へに対してますます信用しなくなっています。

     

    こうした問題は、知的財産権の問題も含めて何度も中米戦略経済会議の重要議題になっていますが、解決を見ていません。「the american commerce chamber in china」のレポートは、中国は「永遠に理想の投資国というイメージを失う危険がますます大きくなっていることを直視する必要がある」と述べています。

     

    減税法案は米国を「資本を引きつける磁石」にする

    次期大統領のトランプは財務長官と商務長官を指名した後、米国の税制と経済改革の日程を明らかにしました。米国議会共和党議員も行動を開始し、今後税法改革の方向性と基本的な枠組が提案されます。税務執行委員会のケビン・ブレイディ委員長は12月1日、米国ヘリテージ財団で、トランプ政府は史上最大幅の企業減税を行い、企業所得税の最高税率を39%から15%にして、米国の企業競争力を高め、米国企業を動かし、研究と生産部門の米国回帰を促すと述べました。ブレイディは「我々はさらに輸入商品への制限や補助金政策を通じて、米国を21世紀の資本導入の磁石にする」「企業生産品の価格、質、サービスg企業の競争力を決めるのであって、関税が決めるのではない。そして最終的には消費者を勝利者にすることによって、製造業界は発展するのだ」と言いました。
     
     

    これと同時に、トランプはソーシャルネットワーク上に6つのニュースを流し、米国は企業に大幅な減税と緩和政策を採るとし、同時に工場を他国に移転させたり、他国の労働者を雇用して生産販売しようとする企業には35%に達する課税を行うとしました。

     

    トランプはまだ就任前ですが、その政策は既にはっきり効果を表しています。インデアナポリスのキャリアーエアコン製造工場はこれに応じて1000の就職口を米国に残すことにしたのが最初の成果でした。続いて、日本のソフトバンクの創始者の孫正義がトランプに米国に500億米ドルの投資を約束し、5万の新しい就職口を生み出すことを約束しました。数日前にはIBMのCEO・Ginni Romettyがトランプに公開状をだし、米国で2万5000人の雇用と10億ドルの投資をするとして、さらに自分が生み出せると思う就職口創造への取り組みを政府の参考にと、明らかにしました。大統領選挙期間中はトランプを罵っていたシリコンバレーのエリートたちもトランプとの和解、握手を始め、ともに「米国を再び偉大に」しようと表明しています。

     

    2000年以来、フランス、日本、ドイツ、カナダ、アイルランドなどの多くの国々が企業税率を下げ、企業生産を積極刺激しました。今後、米国が大幅減税を行えば、必ずやグローバル規模で資本争奪のホットな波となるでしょう。トランプの大規模減税は現実を見ておらず、米国の債務は20兆米ドル以上あり、大規模減税は政府財政収入の大幅減少を招くという人も居ます。これに対してトランプは既に、大規模な国債発行を行うとしています。国債発行に関しては米国と競争できる国は世界にありません。大統領選挙前に、グローバル資本市場の将来は、悲観的な、あるいは極度に悲観的な見方が一般的でしたが、今や、トランプの保障する米国強化、株式上昇と景気の良い見通し一色になっています。中国の資本ですら続々と米国に向かって流れ出していこうとしていますが、ただ今は、中国政府の外国為替管制によってダムの口を閉められているのです。

     

    以上述べた通り、北京はトランプ政権が発足すると、中国経済の安全は脅威を受けるという見方は、故なきことでは無いのです。(終)

     拙訳御免。原文は「别了,中国这块曾经的投资热土

     「中国2015 何清漣」 電子ブック発売中何清漣さんの「中国2015」表紙

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