• ★金正男暗殺の新たな要素★2017年2月20日

    by  • February 20, 2017 • 日文文章 • 0 Comments

     北朝鮮のトップファミリーの長男・金正男が殺された事件は、世界中で北朝鮮の暗黒政治を糾弾し、事件の中国・朝鮮関係に与える影響や、北京の平壌に対するコントロール能力は一体残っているのかといった点を推論しています。私はこの暗殺事件にある新たな行動組織的要素に注目します。一人のイスラム教徒の女性が自分は、いたずらに参加するのだと騙されて、全然これが暗殺だなどと知らなかったと供述しています。もしこの事件の処理を間違えれば、模倣犯罪を引き起こしかねません。

      

    女性容疑者は「事情を知らず」殺し屋になった

     現在までのところ、金正男暗殺事件ではマレーシア警察はインドネシアの女、マレーシアの男、ベトナムパスポートの女、そしてマレーシアの薬品会社のベテラン薬剤師の朝鮮籍の李鐘晢(リ・ジョンチョル)容疑者という4人の容疑者を逮捕しました。そのうちインドネシアの女容疑者であるシティ・アイシャ容疑者(25)(Siti Aisyah)は事件発生の1日後、同じシャツ姿で現場に戻って逮捕されました。

     これは全員で11人が関わった謀殺計画でしたが、真実の意図を承知していたのはわずかに一人、二人の組織者だったかもしれません。インドネシア警察の長官・Tito Karnavianは、逮捕されたシティ・アイシャ容疑者はこれが暗殺計画だなどとは全く知らず、目隠ししたあと、水を顔にかけるテレビのびっくり番組だと言われて、報酬をもらって参加したと供述していると言いました。インドネシア警察によれば、リ・ジョンチョル容疑者が毒薬を仲間に渡し、それがシティ・アイシャ容疑者に渡されたのだと言います。

     AP通信社の取材ではシティ・アイシャ容疑者の出身地域、首都ジャカルタ西部のタンボラ地区で近所の人を取材したが、近所の人々はみな逮捕の知らせに仰天しており、彼女は礼儀正しい温和な若いママだとくちをそろえたそう。2008年から2011年まで一緒だった夫が住んでおり、その夫の父親のTji aLiang Kiongは、記者に対して、最後にあったのは1月28日だったが、メディアの報道は信じられないし、彼女が情報部員などではありえず、記者に自分たちは田舎者で助ける力はない。アイシャの両親は大変、漁っており、毎日コーランを唱えて祈っている、と語ったそうです。

     

    暗殺のあらたな組織的要素

     しかし、金正男の暗殺事件の究明結果がどうあろうとこれからの犯罪者がこれを重要な見本として、真似するであろう二つの点でがあります。

    シティ・アイシャ容疑者の逮捕に、一部の犯罪分析学者はこれが北朝鮮のこれまでの伝統的なやり方とあまりにも違うので簡単に信じようとはしませんでした。韓国の金鐘達議員は、「信じられないぐらいむちゃくちゃ」と感想を述べました。

     一部この判断に賛成できます。これは特殊工作員によるものではない、という点です。そうした連中を使い慣れている西側国家からではちょっとこれは理解しにくいかもしれませんが、海外情報の収集や国内で他人を監視するのにみな「大衆」を使っている中国のような環境にあれば、こうした事態の発生に対してわりかし、理解できます。

     シティ・アイシャの供述を見ると、彼女は本当に臨時募集でスプレーする「いたずら」に応募した可能性があります。たとえ、心のうちにどうもただの「いたずら」ではないかも、と感じていたにしても、お金をもらえる魅力もあるし、「スプレーしてその人がフラフラして、一時的に気を失ったりしても、まさか死ぬわけじゃないし…」とか、自分に言い聞かせたのかもしれません。翌日、現場におおっぴらに戻ってきた行為から見ると、こうした可能性は十分、ありそうです。

     実行者が、結果を知らないままで殺人を犯させるという暗殺は大変巧みに計画されたものですが、世界中を安全感の極めてないところにしてしまいました。今では殺人用の武器は不断に新しく発明されており、ワシントンのスパイ博物館の陳列には、冷戦時代の有名な毒針仕込みの傘があります。KGBが一度ならず、政権反対派に対して使用したもので、その有名なケースが11978年9月7日にロンドンのウォータールー・ブリッジを渡っていたブルガリアの反体制ジャーナリスト・ゲオルギー・マルコフ(Georgi Markov)に対して使用された事件 で傘の先で突かれたと思ったが、実際には空気銃で撃たれており、マルコフは4日後に敗血症で死亡した。調べの結果、消音銃による弾丸のなかにヒマの種子から取れるリシンが仕込まれていたという。こうした毒による銃器は冷戦時期には相当先進的な暗器でしたが、しかし今回の金正男に対して使われたスプレーに比べれば子供だましのようなものです。

     今はネット時代、組織や政府がネットや広告を通じて、人員を募集し、そうした人々をプロの暗殺者の任務に使うなどということは、跡も残らないし、防ぐのもとても難しく、かつやるのは極めて簡単なことです。今回の金正男暗殺劇の中での新たな要素は、ちょっとばかりの利益に目が眩んで、うかうかと殺人道具にされてはたまらない、ということを世の中に知らしめたということですね。(終わり)

    原文は;刺杀金正男行动中的新组织因素 
     「中国2015 何清漣」 電子ブック発売中何清漣さんの「中国2015」表紙

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