• ★米中ともに「製造業振興」へ。だが、勝者はどっち?★ 2017年3月6日

    by  • March 5, 2017 • 日文文章 • 0 Comments

     2月28日、北京で開かれた中央財経指導小組第15回会議では、2017年の重点項目が提出され、過剰生産能力の解消、金融危機の防止と制御、不動産業界の健全な発展の促進など去年の政策がそのまま受け継がれ、新たに提起された政策はは「製造業の振興」でした。まるで偶然の様に、米国のトランプ大統領の経済発展政策の青写真も、製造業の振興が一つの柱になっています。

     世界中でGDPが10兆米ドルを超える国は米中両国しかありません。米国がナンバーワンで中国がナンバー2ですが、両国がどちらも「製造業振興」に力を入れて歓迎したがっている国際資本は、東西両半球を見渡して、どちらに靡くでしょうか?

     

    中国の核心競争力;低コスト労働力は最早無し

     中国が2001年にWTO(世界貿易機関)に加盟し、「世界の工場」として輝いていたのは10年に満たない期間です。外資を引きつけた中国の他国との比較上の優位性とは、低廉な土地と低コストの労働力でした。土地コストの優位性は2005年から次第に無くなり、労働コストの低さという優位性も今や無くなってきています。

     2月27日、英「フィナンシャル・タイムズ」の「中国製造業平均給与がラテンアメリカを超える」には、「Euromonitor International」のデータを引用して、詳しく中国の労働コストの高まりを指摘しています。

     「Euromonitor International」は、国際労働機関(ILO)や欧州統計局(Eurostat)、各国の統計機関の関連データを整理して、米ドル化し、インフレ率を調整しています。その結論は、「中国は全体できな収入レベルは上がっており、全ての経済部門をカバーする中国の平均労働費用(時給)は2005年の1.50ドルから、2016年の3.30ドルになっており、これはブラジル、メキシコ、コロンビア、タイ、フィリピンより高い」です。

     中国の労働力全体で言えば、一時間あたりのコストはチリを除くいかなるラテンアメリカ諸国より高く、ユーロ圏のメンバーでも弱い国の水準の7割前後。賃金配分がますます不公平になっている中国では、製造業の労働者の収入は比較的高い方に属します。一時間あたりの平均労賃は2005年から2016年の間に3倍の3.60ドルになりました。同じ期間のブラジルの製造業の給与は2.90ドルから2.70ドルに、メキシコは2.20ドルから2.10ドルに、南アフリカでは4.30ドルが3.60ドルに下がっています。ポルトガルの製造業では6.30ドルが去年は4.50ドルになり、東欧の一部並みに落ち込み、中国より25%高いだけとなっています。

    各種のコストの総合比較

    2015年の浙江省慈溪市にある江南化繊有限会社が、米国サウスカロライナ州に投第1期の投資が2500万ドル、第2期が2000万ドルで工場を建設した記録の「浙江省の社長が中国と米国の製造業の本当のコストを比較」という文章が中国国内のネット上に流れています。それには、江南化繊が米国に工場建設したのは、中国国内の総合的コストが毎年上昇して大変だからだというのです。江南化繊は同規模の工場を作る際の米国と中国のコストを比較した表を出しています。

     それによると、土地コストは中国が米国の9倍。物流コストは中国が2倍。銀行融資のコストは中国が2.4倍、電力・天然ガスのコストは中国が2倍、蒸気コストは中国が1.1倍、部品コストが中国が3.2倍、税金のコストが米の優遇のほうが良い。関税コストは米では輸出入の税金が入らない、となっています。

     米国が中国よりコストが高いのは2項目しかなく、減価償却のコストが米国が中国の1.7倍、工場建設のコストが米国が中国の4倍とのことです。

     人的コストの比較では、米国の労働力コストは中国国内の2.57倍ではあるが、自動化の程度が高いので工員は少なくて済む。中国内の2ラインで4500トンの生産ラインに250人必要だが、米国では設備改善が進んでおり、同じライン数で180人で済むと言います。現在の中国国内の労賃の値上がりのペースで行くと、5年で倍になり、10年で3倍になる計算で、それなら人的コスト上、中国の優位性はどこにもありません。

     

    税金方面でも米国が有利

    江南化繊の社長はただ米国の税優遇措置が大きいと描いただけで、具体的なデータは出しませんでした。しかし、米国に投資したある中国人投資家が具体的数字を挙げています。2016年12月20日の「人民日報」に、政府側コラムニストの「侠客島」が「曹德旺の”夜逃げ”の背後の真の問題 企業税の負担が重過ぎる」に中国の税負担の過重を挙げています。一つには「福耀玻璃」の社長の曹德旺が「中国の製造業の総合か自衛負担は米国より35%も多い」とし、二つには天津財経大学の李輝光教授が比較したデータの結論で「中国企業の総合税負担は50%以上で、21のアジア・太平洋の国で第4番目。中国の税率で真面目に税金を払ったら、基本的に死亡スレスレになってしまう。これはまさに『死の税率』だ」と述べています。

     『死の税率』という言い方は大議論を巻き起こし、政府側は当然、絶対に『死の税率』の存在を認めませんでした。12月23日に、中国国税局のネットには李万甫の「死亡税率という言い方は公衆を誤った方向に導くものだ」という文章が発表され、「網易」の個人メディア「知道」はこの合間に、李輝光のインタビューを発表しました。「死亡税率という言葉を作った李輝光は『スズメバチの巣を突いたようで、もう何も言わないよ』」というタイトルの記事です。ここで李輝光は再度、自分の調査研究だと、2013年から2016年にかけて、中国企業総税率は、68.7%;68.5%;67.8%,68%だった。これは先進国や発展途上国をはるかに超えるものだ、と強調しました。特に、中国での「五険一金(養老保険,医療保険,労災保険,失業保険,生育保険)」と呼ばれる労務税があまりにも重過ぎると強調しました。2016年の中国の総税率68%のうち、48.8%がこのロム勢で、世界の平均は16.3%だから、その3倍だというのです。

     以上はまだ2016年以前の比較です。もしトランプが米国企業の税収を減額するという約束を果たすなら、米国の税制での優位性は更に高まり、大幅に低い税金で大儲けできる余地が生まれましょう。

      

    制度環境;中国が不利

     外国の企業が最も頭を痛めるのが中国の制度環境です。政府の行為によってかかってくる管理コストが高過ぎて、ほとんど外国企業が中国進出後、ずっと文句を言いつづけてきました。中国政府の政策は、外資からみれば不確実性があって、ある仕事をするのに往往にして大変な根回し説得工作が必要でそのコストがビジネスにのしかかってきます。更に税収やその他の雑費の徴収はいつまでも不透明なままで企業が対応しきれないのです。いわゆる「外部コスト」には知的所有権が代表的ですが、米国は近年、この方面でも中国と多くのトラブルが起きていて、裁判に思い切り力を入れる国柄ですが、それでも中国企業の不断の権利侵害を解決するすべはありません。

     しかし、米国で投資をする分には、中国でのそういった問題はありません。政府はルール通りにやります。米国で工場建設したり、原材料以外のコストは、主に、労働力、税金、物流、銀行債務、エネルギーですが、こうしたデータはみな関連部門のネット上で調べられます。

     「ボストン・コンサルティング・グループ」のレポートでは、2013年、米国の製造業の平均コストは中国より5%高いだけでした。2015年、米国の低コスト地域での生産は中国と変わりないようになっています。「Rhodium Group」の経済学者・Thilo Hanemannは、「過去5年で中国企業による米国での新生産設備への直接投資は大幅に伸びており、一部の企業には製造業など資本集中型の業務にも乗り出している。もし、トランプ政府が大幅に中国産品への課税を引き上げたなら、すでに起きてきている中国企業の米国における工場建設拡張の趨勢は加速するだろう」と述べています。2月27日の「ウォールストリート・ジャーナル」の「中国企業の米国での工場建設の趨勢は加速」という記事もこれを証明しています。

     以上の分析から分かる通り、米中両国の「製造業振興」という政策では、米国の勝利がテッパンなのです。中国が行政的な強制手段を使わないで、自国から資本が大量に流出しなければ、それだけでも十分な勝利と言えるでしょう。(終わり)

     拙訳御免
     原文は:中美两国相遇于“振兴制造业”

     「中国2015 何清漣」 日中両国語併記;電子ブック発売中何清漣さんの「中国2015」表紙

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