• ★米の対中政策を、影で左右する存在とは★ 2017年03月24日

    by  • March 26, 2017 • 日文文章 • 0 Comments

     最近、ティラーソン米国務長官が中国を訪問し、会談の主要テーマは北朝鮮の核危機と習近平の来月の訪米でした。ティラーソンは習近平との会談では、中国の常套句で言う「米国側は衝突や抗争を望まず、相互に尊重しあい、ウィンウィン靖志遠で対中関係を発展させたい」と発言し、中国側はこれを「米国側が初めて、中米の新大国関係の呼びかけに応じたものだ」と報じ、米国世論は、中国側に勝たれてしまったと見ました。米国の政治状況は現在、政党同士の争いが多すぎて、個別事情に対しての評価は人によって異なり、ティラーソンのこの間違った談話は、実のところ大したことではありません。しかし、去年の大統領選挙が決着してからの中米外交では、よく見ればトランプ政府の対中政策はずっと押し戻されての退却続きで、背後のこれを主導しているのは米国の「パンダ派(新中国派)」です。

     

    米中外交関係を支える「第三のパワー」

     米中外交は両国政府間のゲームと交渉などではなく、事実上は「第三のパワー」が関与します。その主力は米国の「パンダ派」で構成されています。この状況は、中国側の外交が完全に中共政府トップ層によって主導されているのとは異なります。

     米国では、ホワイトハウスの対中国政策に影響を与える存在は三つあります。一つは両国経済関係を優先して考える財務省と商務省(支持者は米国金融界と産業界の他国世紀企業)で、米国の目先の利益を代表します。もう一つは国務省を代表とする、クリントン時代から人権外交を始め、ずっと接触、協力、説得、影響を行使して中国を西側のシステムに引き込もうとする人々です。この両者の主要な人材は公務から身を引いた後には「Kストリート(*シンクタンクやロビーストのオフィスが軒を連ねることで有名)のロビイスト」になります。中国人がよく知っている「キッシンジャー・アソシエイツ」は、元国務長官のヘンリー・キッシンジャーによって創設され、多くの退職外交官が所属います。元中国大使の「キッシンジャー米中機構」の名誉所長のステイプルトン・ロイや、父ブッシュ大統領の国家安全顧問のブレント・スコウクロフト(後に独立してコンサルタント会社を作る)、元国務長官のローレンス・イーグルバーガーらです。広汎に引用されているデータでは、1998年から2005年にかけ、国会を離任後その他の政府の公職に就かなかった元国会議員の中で、86人がロビイスト登録を行ない、総数では43.4%です。政府高官も同様で、息子ブッシュの国務長官だったコンドリーザ・ライス、国家安全保障問題担当大統領補佐官スティーブン ハドリー、国防長官ロバート・マイケル・ゲーツは退任後、すぐにコンサル会社を設立しました。36人の退職上院議員中、約半数はロビイストになっています。元下院の合衆国議会予算委員会委員長や元共和党全国委員会委員長も、退任後はすぐに自分のロビー会社を設立し、元同僚や下僚へのロビー工作に転身しました。

     第三番目は「反パンダ派」で、これは「ドラゴンスレーヤー(屠竜派)」が変化したもので、地政学的な競争を強調するペンタゴンを代表します。過去、かなりの間、このグループは、力も影響力もさほど無かったのですが、オバマの第二期の後半2年間に、アジア・太平洋地域の地政学的な政治変化、とりわけ中国の南海問題と北朝鮮の核問題が明らかになって、勢いをちょっと盛り返してきています。その主張は対中国に強硬な立場をとるべきだとしています。

      

    米中関係全国委員会が米中関係のバラスト

     「パンダ派」の中で、キッシンジャーは別格の指導的人物です。米国の対中外交では、その一挙手一投足が全局面を左右する力を持っています。そのうちの米中関係全国委員会(NCUSCR)が核心的な機関で、会員数は膨大で、多くの大物がおります。通常時はその力は外部からはさほど感じられませんが、しかし肝心かなめの時にはその底力を発揮して、米中関係の方向性を左右します。最近では、トランプが当選して、正式に大統領になる前に台湾総統の蔡英文に電話を掛けた時でした。米国の従来の「一つの中国政策」が挑戦を受けたわけですが、その時に威力を発揮しました。

     メディアの大々的な報道は、トランプー蔡英文電話がワシントン政界に如何に巨大な波風を巻き起こしたかを表しました。オバマ大統領、ケリー国務長官、ワシントンのシンクタンク、顧問団の反対の声は、すさまじいものでしたし、ホワイトハウスと国務省は相前後して米国の「一つの中国政策」は変わらないと北京をなだめました。さらにシンクタンクの顧問団は、トランプはまだただの市民であり、米国政府を代表する立場にはないのだ、と中国側に伝えました。一番の見ものだったのは、「米中関係全国委員会」(National Committee on United States China Relations)が、このために急遽「50周年記念レセプション」を催したことです。「補完」というのは、米中関係全国委員会は1966年6月に成立していたので、「周年記念活動」というのならば、本来は6月に実施されて然るべきだったのです。それをなんと12月15日に「補完」してパーティを開くというのは当然、自分たちの政治力量を見せつけるためでした。中国メディアもこれを大々的に微に入り際に入り報道したものです。米中関係全国委員会のStephen A. Orlins会長はその挨拶で、正しい中国語の発音で毛沢東語録の「我々の同志は困難な時に、成果を見つめ、光明を見出し、勇気を高めなければならない」と中国語で暗唱して見せました。この時、来賓たちはみな拍手して、自分たちが言葉の意味を理解して聞いているということを示したそうです。これはつまり米中関係が直面するプレッシャーと、様々な角度から繰り返し言われるキッシンジャーの「一つの中国政策」は米国のいささかも争う余地のないものだ、という主張を繰り返し報道して見せたわけです。

     米中関係全国委員会が米中関係を改善促進させたのは、まことに念入りで堂にいったものです。2006年から2014年まで、5回にわたって下院議員を毎回5回づつ組織しました。副会長のJan Berris女史の、こうした訪問が議員の思想を変えさせ、「中国はどうしてああした政策を打ち出すのか」を理解させることを期待している、と公言しています。英文の「チャイナ・デイリー」は、こうした訪問活動を「文化交流」として、その一切の費用は中国側が持った、としています。

     トランプ政府は当然、このパワーを感じ取り、検討した結果、トランプ政府は軽々しく台湾問題には触らないことにしたのだと思われます。

     

    第四の権力センターは中国の影

     いわゆる、「第四の権力センター」とは米国の国際・国内政策に極めて大きな影響を及ぼす「Kストリート政治」です。

     首都ワシントンの北部に西から東に通っているのがワシントンKストリートで、ここにはシンクタンクやロビイスト、公共関連企業や民間組織が集中しており、毎日、無数の活動が展開されて、世界の政治外交に影響を与えています。20世紀の90年代末以来、大きいロビイスト企業は次第にこの地を離れ、20数社もあったロビイスト企業では、Kストリートにはもう一社しか残っていないとも言われるのですが、「Kストリート政治」という言い方は依然として変わりません。各国の外交官は皆、それがワシントン政治マシーンの心臓部であると知っていますし、これが「米国の第四権力センター」だと言われています。

     ロビー活動は言論の自由の一つとみなされて米国憲法修正剤一条の保護を受けています。米国政治の別の一面として、ロビー活動は米国の太田が企業や他国政府の必要な「固定経費」とみなされています。

     まず、これは大儲けの業界です。米国の「OpenSecrets.org」によると、収入的には1998年のロビー業界の費用は14.5億ドルで、従業員は10405人でしたが、2015年には業界収入は32.2億ドル、人員は11514人です。「アトランティック・マンスリー」誌によれば、2015年の統計データで、米国企業の毎年ロビー活動支出額は26億ドルで、米国の毎年の国会予算(下院12億ドル、上院8.6億ドル)を超えます。更にある計算ですと、2009年のKストリートの総収入は34.7億ドルで、国会で仕事をした時間が2668時間、平均1時間あたりのロビー活動の収入は130万ドルでした。こうした業界の暴利は、多くの米国政府の退職官僚たちが、次々にロビー活動企業にプロのロビイストとして就職する要因になっています。

     中国は早くから、「昔からの友人」であるキッシンジャーのロビー活動の長所を分かっており、「Kストリート政治」をあざ笑う姿勢から主体的に利用するやり方に転じました。大体20世紀の90年代中後期から「第四権力センター」を通じてロビー活動を展開してきました。非営利調査団体の「センター・フォー・パブリック・インテグリティ」(CPI)のデータでは、1998年から2004年まで、中国からのロビー活動費用は累計で422.53万ドルです。2004年からは、こうしたロビー活動規模は拡大され、駐米大使館のMinister-Counselor指導のロビー工作小組メンバーは26人にもなります。中国の駐米大使館は更に「Hogan & Hartson」、「Jones Day」の2社と長期的に協力関係にあり、米国政府、国会、シンクタンク機関にロビー活動を行なっています。「Jones Day」社の主要任務は台湾、チベット、宗教の自由と経済貿易為替レート問題で、中国にレポートを提供し、中国に代わって米国議会と行政部モンと連絡し合うことです。中国政府が協力関係にある米国の広報・渉外会社は最大時には8社にのぼりました。

     中国のロビー活動の成功の典型的なケースは、2012年のロビー活動でした。聯想集団(レノボ・グループ Lenovo Group Ltd.)が、対米外国投資委員会(CFIUS)の合併買収審査を受けるのに、2012年の上半期だけで82万ドルを使い、3人の 米国議会スタッフ(Congressional aides)と6社のロビー企業の専門家と意見を交換しました。その中には父ブッシュとフォード両大統領時期の国家安全顧問だったブレント・スコウクロフトもいました。こうした人脈の力を借りて、レノボは無事、安全審査を通過しました。

     「第三のパワー」との間の各種の協力で、中国側の学者はこれを「エレガントに米国政治に干渉する」と言います。クリントン大統領時代から始まって、米中関係の米国の政策決定は、とっくに大統領個人の意思や願いで決まるものではなくなっており、こうした各種の政治勢力の合わさった「第三のパワー」によって制約を受けているのです。クリントン時代の米中関係が、低調なものからハイに変わったことであれ、オバマ位時代のハイからローなものになったことであれ、「第三のパワー」が米中関係に対して奏でる基調は大変重要な働きを持っているのです。(終わり)(第205期,2017年3月17日—3月30日)
    拙訳御免。
     原文は;川习会,谁能“优雅地”影响白宫决策 http://www.hrichina.org/chs/zhong-guo-ren-quan-shuang-zhou-kan/he-qing-lian-chuan-xi-hui-shui-neng-you-ya-di-ying-xiang-bai-gong 

    「中国2015 何清漣」 電子ブック発売中何清漣さんの「中国2015」表紙

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