• ★トランプ・習近平会談では何が話されたか?★ 2017年4月10日

    by  • April 11, 2017 • 日文文章 • 0 Comments

     トランプ・習近平会談は無事終了しました。今回のトップ会談の数多いテーマで、当然、最も注目を浴びたのはトランプ大統領の59発のトマホーク・ミサイルの発射意図と、それが習近平に与えた心理的影響です。そして、外の世界が知ることができた成果は、トランプが年内に中国訪問への招待を受け入れた事です。最もあれこれ憶測を呼んだのは、中国の北朝鮮の核の脅威に対する立場であり、米・中両国政府の一番の収穫は、この米中のトップ会談で今後、協力し合う余地が初めて残された事です。

     

    今後の双方の北核問題への行動予測

     報道によれば、フロリダ会談で両首脳は朝鮮問題を何度も話し合ったそうですが、まずその後の双方の動きを見て見ましょう。

     4月8日、米国の打撃空母部隊が朝鮮半島へ向かいました。米国の空母部隊は原子力空母「カール・ビンソン」と3隻のミサイル駆逐艦です。米国太平洋司令部第三艦隊のスポークスマン、デイブ・ベンハムは、「ヴォイス・オブ・アメリカ」(VOA)のペンタゴン担当記者のバーブに、「第三艦隊の目的は、米国の西太平洋地区の利益を守るため」、「北朝鮮の無謀で無責任な、安定を脅かすミサイル発射テストと核兵器開発が依然としてこの地域の一番の脅威」と述べました。

     公表された情報から見ると、「米国のトランプ大統領はまだ、北朝鮮というこの孤立国家に対するはっきりした戦略を決めてはいない」ようです。比較的はっきりしているのは、彼は過去に、朝鮮の核問題にベイク政府が採った「我慢戦略」を批判していた事と、中国により強い態度で北朝鮮の核への野心を抑える行動を採る事を呼び掛けた事です。米中サミットの前夜の4月2日、トランプ大統領は、「フィナンシャル・タイムズ」に、「もし、中国が朝鮮問題を解決しようとしないのなら、我々が解決する」、「中国は我々が朝鮮問題を解決するのを助けるかどうか決めなければならない。もし助けるなら中国にとってもいいだろうが、そうでなければどちらにもいいことはない」と語りました。

     両首脳会談で習近平は何を約束したのでしょうか? これについては、今後の行動に基づいて推測するしかありません。この会談後、米国大統領と日本の安倍首相は電話会談をしました。安倍首相の4月9日のメディアへの発表では、2人は、現在の朝鮮半島が緊張した状態にあり、日米韓参加国は緊密に協力し合うことが重要で、同時に中国の朝鮮のミサイル支社と核兵器開発過程、それに対する中国の反応を密接に注目し続ける必要がある、ということで一致した、とあります。つまり中国側の約束は、それが、あやふやなものかどうかという点で解釈の余地が極めて大きい、ということです。

     

    中国側は一体何を約束?

     中国側の北の核の脅威に関する態度をうかがうこともできます。

     4月5日、外交部のスポークスパーソンの華春瑩は会見で、半島問題について、関係方面は、中国が提起した「双方停止」の提案を受け入れず、またまた中国が一貫して追求している、朝鮮半島非核化および平和へのたゆまぬ努力と困難さを証明したと述べました。

     中国側の近年の何度にも及ぶ「双方停止」の考え方というのは、つまり米韓軍事演習の停止と、北朝鮮もミサイル試験を停止するというものです。
    華春瑩の言い方によれば、
    ;朝鮮半島問題は長年の懸案であり、複雑な事情があり、徹底解決を図るには必ず、症状に対応すると同時に原因も治療せねばならず、それぞれの合理的で正当な安全に配慮したバランスのとれた解決によって、核無き半島を実現する道を求め、平和的手段を通じて半島核問題を解決する方法を通じて、東北アジア地域の長期安定化を図るべきだと、これまで中国側は何度も強調してきた。関係方面の強い関心と半島問題の困難な点に対しては、中国は半島の無核化と半島の平和体制を建設を2本レールとして進める、つまり、朝鮮の核ミサイル開発の一時停止と、米韓の大規模軍事演習のどちらも暫定停止するという提案を行ってきた。邀撃ミサイルの「THAAD」配備問題については、中国側は、何度も米国が韓国に「THAAD」配備に反対するという立場を明らかにしてきており、この立場は変わらない。

     となります。

    中国の外務大臣の王毅は、今年3月、半島の危機に対して双方の暫定停止と、「2本レールで進める」という考え方を提起し、これが半島情勢の重要ポイントにぴったり適合し、かつ国連安保理2270号と2321号の決議の要求に完全に合致したものだ、と強調しました。彼は更に、半島問題の解決は一本道ではなく、両方の手で進めなけれ場ならいない。制裁は決議の実行で、対話を促すことも決議の履行である、と。これから見ると、華春瑩の談話は、ただ再びこれを強調しただけで、習近平がトランプとの会談に持参した案もこれだと思われます。

     今回の米中トップ会談で、朝鮮核危機に関する話し合いについて、ティラーソン国務長官が明らかにしたニュースは

    ;二人の指導者は平壌の軍備拡張は既に、大変危険なレベルまで達しているという点で同意した、しかし自国がどのような行動を取って北朝鮮を抑止するかについての詳細は明らかにしなかった、という事でした。

     会談後の双方の談話や行動から言えることは、最も楽観的な憶測でも、中国側が約束したのは、話し合いを進めることであって、つまり「双方の停止」と「2本レール」の枠組みで問題を解決しようということに他ならず、米、日、韓国は今後も継続して観察をする必要があります。もし、どうしても今回のトランプ・習会談で達成された、はっきりした目標をあげよ、というのであれば、「北朝鮮の核問題は平和的な方式では解決されないと確定した」、つまり、金正恩の頑強な抵抗の状況の下で、中国が、米国の軍事打撃という手段を黙認するか、ということです。しかし、この点に関しては、まだ判断出来るはっきりした情報は無いように思われます。

     

    中国の「他人に言えないお家の事情」

     トランプが、軍事的打撃を北朝鮮に加える可能性を提起したのですが、これは北朝鮮核問題の危機で戦争だけが唯一の解決策、という意味ではありません。ただ可能性があるというだけで、やはり、平和的な問題解決が一番望ましいのです。そして平和的解決だろうと、軍事攻撃であろうと、中国は米国が必ず相談しなければならない相手です。

     中国は長年来、北朝鮮の外国貿易の相手国であり、北朝鮮が必要とする石油、食料などの戦略物資の主要提供者でした。国連は北朝鮮への経済制裁決議後、中国も制裁に参加することを明らかにしました。しかし、その経済制裁が本当に徹底したものかどうかが、国連の制裁決議が果たして本当に実現するか否かの鍵です。もう一つの面では、米国が北朝鮮に対してどんな軍事攻撃を行うにしても、必ずや中国と十分なコミュニケーションをとって、中国の了解を取り付けるばかりか、必ずや不必要な誤解を招くようなことを避け、米中対決を防がなければなりません。

     中国と北朝鮮の関係は、今や昔日の面影はありませんで、もういささかも真実の「友好関係」などありません。それどころか、北朝鮮の中国に対する恨みつらみはますます深まってきており、中国経済への依存は全然、北朝鮮の中国に対する政治的敵視を手加減するような要素ではありません。中国の改革開放路線はもう後戻りできませんし、金一家の王朝独裁路線を堅持する北朝鮮当局に言わせれば、「中国モデル」が北朝鮮の朝野に与える魅力というのは、ずっと金正日、金正恩父子の頭の上の「ダモクレスの剣」でした。こうした情勢は、昔の毛沢東とフルシチョフ、ブレジネフ間の敵意の復刻版です。あの時、ソ連が「西側との平和共存」を強調すればするほど、「大躍進」で惨敗して、経済的競争力を失ってしまい、ただ「世界武装革命」という旗しか残されていなかった毛沢東はますます困ったのです。というのはソ連の道は、世界の共産党陣営の国々に、毛沢東の言う「不断の革命」、「全人類を解放する」中国が笑い物のタネにしたのですから。

     金正恩が今一番恐れるのは、まさに昔のソ連の将軍がクレムリンの酒宴の席で、中国側の客人である賀竜、彭真に「酒の上のでもらした本音」として、「お前さんたちだって、指導者を変えられるだろうさ」と言ったことです。「実は、朝鮮も中ソ対立から学んでおり、それは潜在的な敵対共産党国家に対しては、核兵器が無ければ指導者は自分の地位が危ない、という真実」は朝鮮の駐英大使館から逃亡した太永浩(テ・ヨンホ)が明らかにしています。明らかに、北朝鮮の核兵器を開発は、中国の心配など気にかけはしません。それどころか反対に、中国の不安はまさに朝鮮当局が求める独裁者自身の安全の目標の一つなのです。中国政府も朝鮮に核兵器排除を説くのは不可能だとはっきりと分かっています。朝鮮の核の脅威は確かに、中国の頭痛のタネであり、これが米中両国が、朝鮮の核脅威に対するという一点で、共通認識に立てる理由なのです。

     トランプ・習会談は互いに、北朝鮮問題で更なる協力を進めることを約束したと、米国国務長官が会談後に明らかにしました。これが上辺だけの話や、ただの外交辞令の持って回った表現ではありません。というのは中国の政府メディアが、トランプ・習会談で「朝鮮問題は中国に特殊なチャレンジと問題をもたらした」と報道しているからです。これは、トランプ・習会談が北朝鮮というテーマがキー・ポイントだったことをはっきり表している可能性があります。これについて、大胆に憶測をするならば、中国側も、米国側が取り上げた中国の北朝鮮核危機に対する姿勢に困っているようだ、と見ることができます。

     現実に基づいて「朝鮮問題が中国にもたらした特殊なチャレンジと問題」とは

     一つには、中国・北朝鮮の間に実は、本当の「友情」など存在せず、だから、中国は朝鮮に核兵器を放棄するように、有効に助言する方法は存在しない。

     二つには、中国は、軍事的な打撃は朝鮮の気違いじみた反撃を招き、中国東北地域の安全の脅威になる。

     三つ目は、金一家の王朝が一旦危機に陥入れば、朝鮮の難民問題が中国への巨大なお荷物になる。

     これらは中国が直面せざるを得ない難題で、米国が考慮せねばならない問題ではありませんから。当然、トランプ大統領に包み隠さず全てを話すのは不可能です。しかし、「論議した」と言うのであれば、まず、このうちの一つや二つはテーマにならざるを得なかったことでしょう。(終わり)

     拙訳御免。
     原文は;川习峰会的朝核会谈到底谈了什么?http://www.voachinese.com/a/trump-xi-20170409/3803136.html

    「中国2015 何清漣」 電子ブック発売中何清漣さんの「中国2015」表紙

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