• ★中国の人権状態批判は”内政干渉”か?★ 2017年7月18日

    by  • July 18, 2017 • 日文文章 • 0 Comments

     劉暁波の病状が発表されてから、葬儀後の処理にいたるまで、米国やドイツ、ノルウェーのノーベル平和賞委員会及び、国際メディアは極めて大きな関心を寄せました。北京は、中国への内政干渉だと文句を言いつつも、しぶしぶ、米・独の専門家の診断を受け入れ、ビデオの一部を公開しました。米国議会も「709弁護士大量逮捕事件」やその他の人権案件と同様に、中国政府に対する非難決議を行いました。こうした状況は、中国政府が言うような、米国などによる中国の内政干渉ではありませんし、中国の怒れる愛国青年の言うような、米国による中国いじめでもありません。その理由は、中国は26項目の国際人権条約に加入しており、米国は国際条約の義務を履行しているからです。

    国際人権条約 : 条約締結国は相互に人権状態を監督する

     江沢民及び胡錦濤統治前期に、中国は「国際ルールと軌を一にする」との開放の原則を決め、国際社会からの承認を得るために、26項目の国際人権条約にサインしました。「市民の権利と政治権利の国際条約」がまだ、全国人民代表大会で批准されていませんが、その他の核心となる人権条約、例えば、「経済、社会、文化の権利」「一切の民族差別をなくす」「残酷な刑罰の禁止、非人道的な、人格を侮辱する待遇処罰の禁止」などの条約は、一部の条約の項目に保留意見が付いている他は、すべて、通過しています。

     中国が、国際人権条約にサインした後は、国連およびその他の締結国が中国の人権を審議することを受け入れる義務があります。国際法の研究者の間では、これは大変はっきりしています。ただ、中国人の多く、知識人も含めて、ここが分かっていません。ですから、中国政府が、「某国は人権にかこつけて、中国の内政に干渉する」というようなことを言っても、すっかり真に受けてしまうのです。ですからこの点、他国がなぜ中国の人権状態を批判する法的な根拠があるかを、ここで明らかにしておく必要がああるでしょう。

    「国家の義務論 — 公民の権利と政治権利の国際条約」(嵇青)には、詳細に、人権条約の国際義務はいかにして生まれるかが紹介されています。人権条約によって、締結国が負うべき義務は一般に4種類あるとし、①報告提出の義務 ②関係人権委員会の管轄を受ける義務③国家間と個人の告発を受ける対象となる義務 ④関係する訴訟に出席し、司法判決を履行する義務(地域的な人権条約で適用)

     表面的には、国家は他の国家に向けての義務を負うように見えますが、人権の特殊性によって国家は、国際人権法の上で、実質的に担うべきとされる義務のポイントはそこではないのです。筆者は、人権条約を締結するのは国家であって、個人ではないが、しかし人権条約は他の条約と違って、ただ両国家間の関係のみならず、「第三者の受益者」が存在すると指摘します。つまり、条約締結国の領土内や、その管轄を受ける全ての個人です。国際人権法は、最終的には国家と国民の関係に関わってくるので、人権条約締結国家間の権利義務関係は、国家と個人の権利義務関係の基礎となる、すなわち、どの締結国も全て、他のいかなる締結国に対して人権の義務を負うように要求する権利があり、同時に締結国自身も同様の義務を負うわけです。国家間の人権条約を締結するのは、形の上では国家ですが、実質的には、他の国家の監督の下に、「領土と管轄下の個人」に対して、義務を負うわけです。この点を理解ししてこそ、なぜ、米国や他の民主国家が中国の人権に注目し、批判する義務と責任があるかがはっきりとします。

     中国は、26項目の国際人権条約に署名したわけですから、中国国民は「第三の受益者」になるわけで、上述の4つの方面から、他の条約締結国から、監督を受けるのは必須のことなのです。

     法理論領域の話は、国際法の分野に属します。私も、元々は、なぜ法輪功が、西側国家で、法輪功会員を迫害した中国政府高官を訴えることが可能で、それが受理されるのかよく分かりませんでした。何人かの弁護士に聞いても要領を得ませんでした。でも、この本を読んで、関係資料を調べて、やっと第三者条約義務の下にそうなっていることを知りました。こうした訴えを受理した国家は、どこも国際条約締結国家であり、条約がこれらの国家に、この種の事件を受理する法的な根拠を与えていたのです。

     

    なぜ、米国だけが、中国の人権批判の最先端?

     多くの国際人権条約の中で、サインした国の数はいろいろですが、一番多いのは、「市民の権利と政治的権利」の国際条約で、74カ国の署名国と168の締約国(contracting party)があります。つまり、中国は少なくとも170余国の間に、相互に条約を監督する義務があります。中国の人権状態を総合的に審査出来るのは、当然、国連人権理事会です。滑稽なことには、第二次大戦後、国連で成立した人権委員会は、中国が極めて強くその職務としての活動を履行出来なくした為に、米国が厳重に抗議して、最後に、2006年3月16日にの第60回国連大会で、圧倒的な多数で、人権理事会を、人権委員会に取って変えることが賛成多数で可決されました。

     これほど多くの国家が、監督する職能を有しながら、アメリカだけが何度も中国に条約履行義務を要求するのは、これは隠れた国際ルール、すなわち「一国家の発言権の大きさというのは、国家の実力によって決定される」からです。米国の外交官や、人権問題担当者が、中国政府に、条約を履行せよと迫るのは、通常は、言い合い合戦で終わります。しかし、もし、これが小国が言おうものなら、大変です。国連のベテラン人権活動家のフェリス・ギアが、数年前にインタビューに答えて、中国政府はNGO及び、小国政府に対して、彼らを黙らせるのが大変上手だ、と話していました。もしある代表が、中国を批判すると、普通は、恐喝威嚇、報復手段で応える。それには外交官の事業を破産させることも含んでいる。デンマークは1990年代に人権委員会で、中国をターゲットにした決議を提出した。その後、中国は、デンマークを孤立させる一方、貿易制裁などの威嚇手段を使って、デンマークは翌年には、口をつぐむようになった。人権会議に出席する民間組織も、しばしば中国に警告され、敵対的な映像撮影や、大っぴらな責任追及の脅して黙らされる。中国政府のこうしたやり方は、ほとんどあらゆる出席者をクタクタにさせ、大多数の国や組織は、こうした中国側の脅し攻勢のもとに退却させられてしまい、ただ米国だけが、例えば人権理事会の定期審議で具体的な人名をあげて、人権事件を取り上げたりすることが出来る、ということです。

    人権理事会に「パンダがまたきた」

     4つの義務事項のうち、第一の「報告義務の提出」については、中国政府は形式上、大変、真面目に履行しています。1995年から始まって、毎年大変、真面目に国連人権委員会に対し、2006年以後は、人権理事会に中国の年度別人権報告を行なっており、正式には、「中国人権事業進展」という形で、中国の人権の改善ぶりと進歩を、例えば、権利の発展、人身の権利、民主的権利、公正な裁判の権利、少数民族の権利、婦女・児童・老人の人権、障害者の權利、環境の權利、対外交流の協力などです。内容は大同小異で、改正の必要ないくばくかのポイントをあげて、更新された数字を乗せ、対外交流協力はいつも一番大事な見世物として、いかにして、この一年間に、人権委員会のメンバーによる提議を中国政府が受け入れているか、世界の人権事業に貢献してきたかなどが書かれています。それには、他の国家の提起した204条を受け入れ、81%を実行し、その内容は貧困撲滅や教育、司法などの20以上のの領域に及び、積極的に国連の人権機構の業務に協力しているなどです。

     中国政府はずっと一貫して国連人権理事会の理事の地位を占めるのに積極的でした。規定では、人権理事会は任期2年で、最多で一度だけ続任出来ます。二期やると一年間の間を置かなければなりません。必要な間隔以外に、国連人権理事会は、毎回改選しますが、「パンダご帰還」はいつものことです。そして、「パンダご帰還」になると、人権理事会は、多くの暴政国家の結集現象がおきます。2013年11月12日に、中国は176票もの高い票数で連任を果たし、2014年から2016年まで国連人権理事会のメンバー国でした。2016年、中国は180票で連任し、任期は2017年から2019年です。これは、中国の人権状態が改善されたからではなく、中国政府が人権理事会の制度的な隙を利用して、あの手この手の結果です。どうしてこんなに多くの支持を集めることが出来たかといえば、「利益外交」に他ならず、投票国に中国が現実的利益を与えてきたからだし、これから与えるという約束をしたからです。フェリス・ギアは、人権委員会の第三世界国家の利益考慮について、ストレートに「小国が人権委員会のメンバーになれば、中国の多額援助を得て、公共設備を一新出来る。だから、国連人権委員会は1989年以後、一度も中国の人権審判決議を通すことはなかった。毎回、そうした決議が出るや、どこかの国が『不採択動議』を出してきて、棚上げした。国連人権委員会(理事会)は、弱きをいじめ、強きに味方するという特徴があって、その他の国々への決議は、すべてあっというまに通過した、と指摘しています。

     以上の状況が明らかになれば、なぜ国際社会が、中国の人権状態を批判するのが内政干渉ではないということが分かりましょう。多くの国々で、ただ米国だけが、中国の人権状態にあれこれ言うのは、米国が最も中国を恐れておらず、ちゃんと腰を伸ばしたまま、中国に国際人権条約の履行義務を果たせと言える国だからなのです。(終わり)

     拙訳御免。
    原文は : 国际社会为何有权批评中国的人权?

     

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