• ★知的財産権保護 — 中・米関係の解けないシコリ★ 2017年8月16日

    by  • August 18, 2017 • Uncategorized, 日文文章 • 0 Comments

    ★知的在先見保護 — 中・米関係の解けないシコリ★
    2017年8月16日

    中・米関係は、政治、経済、地政学などに関わりますから、当然、米・中貿易戦争もこうした複雑な要因からの制約を色々受けます。トランプ大統領が8月14日に、米通商代表部(USTR)に対し、知的財産権の扱い方を巡る中国の調査(*米通商法301条適用)を検討するよう大統領覚書(Presidential Memoranda)に署名する10数時間前に、中国は8月15日より北朝鮮からの石炭、鉄、水産物全面的輸入禁止を発表しました。ホワイトハウスはこれに対して、積極的な反応を示し、覚書の長い内容の一部、、中国の米国企業の技術移転強制や中国が知的財産権を盗んでいることなどの内容を、外させました。

     ★知的財産権での米国の損失

     中国は、長年にわたって米国の知的財産権を侵害しており、当然、中国にとっても極めて大きな弱みです。中国国内世論も、自国が「偽物大国」であることは否定しません。ただ、国際貿易紛争で、これが問題になった時には、決して自分たちが米国の知的財産権を侵害しているとは認めません。
     
    米国の知的財産権が受けている損害に対しては、米国の民間研究機構や政府側の見方は、基本的に一致しています。今年の2月下旬、米国知的財産権侵害委員会(IP委員会=Commission on the Theft of American Intellectual Property)が発表したレポートによると、こうした侵害によって、米国は毎年2250億~6000億米ドルの損害を被っています。そのうち、商業機密だけでも、米国の経済的損失は1800億~5400億ドルに上ります。

     誰が頑強か?同委員会のレポートは、はっきりと中国だ、と宣告しています。米国が没収した偽物製品の87%は中国製であり、中国政府が、こうした窃盗行為を奨励していると指弾しています。

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     ★中国の窃盗行為に対する姿勢

     中国政府は当然、自国ビジネスマンに他国の知的財産権を盗んでこいと大っぴらに奨励などしているわけではありません。米国が「奨励」というのは以下の行為のことです。

     ① 自国の企業が他国の知的財産権を犯す問題に対しての不作為。中国の裁判所に訴えても罰せられることがない事実。
     ② 中国の法律専門家に、いかにして米国の「関税法337条調査」に対応するかを研究させていること。(訳注 : 関税法337条は、米国への輸入における不公正な行為により米国産業に被害が生じる恐れがあるときに、輸入品の排除、不公正行為の差し止めを米国国際貿易委員会(US International Trade Commission,USITC)が判断し、命令を発する)
     ③ WTO(世界貿易機関)の条項を利用して、「337調査」を骨抜きにしようとする。
     ④ 行政法規を作って、中国と外国の合弁事業で、一方的に外国の技術を中国に移転させようとする。

    「関税法337条調査」とは「1930年米国関税法」からそのネーミングが生まれたのですが、「1988総合関税と競争法」「1995年米国・ウルグアイラウンド協議法」などの何回もの修正を経ています。この条項は一切の不公平競争行為や米国に輸出しようとする産業品において、権利侵犯、独占など、の不公平貿易行為に向けたもので、米国の知的財産権を侵害することや、他の不公平競争を調査対象としています。規定によると、USITCは、特許や登録商標に関する訴えの他に半導体や電子部品、ネット設備、医薬、生物関係、化学分野での、商業機密の窃盗行為、包装、模倣、虚偽広告などに関する権利侵害の調査を行う権利を有します。

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     ★中国は「337調査」の筆頭ターゲット

     中国は、偽物王国ですから、米国の「337調査」を受けることなどちっとも珍しくはありません。中国の朝野は共に知的財産権侵害など認めていません。核心となる問題は、どうやって「337調査」に対応するか、です。

     中国国内のメディアですら、中国が連続15年にわたって、米国の「337調査」の最多対象国家になっていることを否定しませんし、2014年末までにその調査は130回になっており、2010年から今まで、毎年10件以上となっています。2015年の中国に対する国外からの貿易救済調査は、鋼鉄およびその製品、化学工業、機械電気、建築資材、運輸工具、冶金など13業界に及びます。そのうち、鋼鉄とその製品業界は46回で最多で、約半数を近くを占めます。同時に、中国企業への337調査領域では、相対的に集中しているのは技術関係が最高で、知的生産けんの密集している機械電気、軽工業領域に対してのものが、337調査の80%を占めています。

     経済観察報は6月23日に興味深い分析をしており、米国の対中337調査の発動時期は5月、1月、6月、つまり上半期に集中しています。この3年間の上半期の337調査の数を見ると、2016年にはっきり増えています。2016年上半期は83件、2015年上半期は22件、2017年上半期は42件です。全調査の比重では、2015年の29.4%,2016年の40.6%、そして今年の48.1%です。これは、337調査が今、中国商品に調査の重点が置かれていることを意味します。

     Akin Gump Strauss Hauer & Feld LLP 法律事務所によると、337案件の訴訟過程はその多くが、マラソン訴訟で、数ヶ月から数年かかりますし、その国境を超えた訴訟費用は一般に数千万元に上ります。これは中興、華為、三一重工などの大企業にとっては、なんということもありませんが、米国市場にトライしてみようかという中国の中小企業にとっては途方も無い金額で、多くの中国の中小企業は裁判に欠席することを選び、そのまま敗訴します。

     中国国内の専門家の見積もりでは、337調査案件での中国企業の敗訴率は6割にもなり、世界平均の26%に比べてはるかに高い数字です。そして多くの米国企業が、337調査を選ぶのは、申請が比較的簡単で、手続きもたやすく、調査訴訟の時間が大変長く、費用がとても高いことから、競争相手に最大の打撃を与えることが出来るからです。337調査の生み出す損失には、和解での特許使用料や、敗訴した場合の賠償金、弁護士費用と利息、知的財産権の使用費用、権利を侵されたが側への得るはずだった利益の損失と利息などがあります。一般に、多ければ数億ドル、少なくても数百万ドルにのぼります。もし悪意のある侵害行為だと認定されたら、罰金的に2〜3倍の賠償金をとられます。その他に、応訴する費用も比較的大きいわけで、関係した中国企業は、往々にして応訴の権利を放棄します。337調査の関連規定では、もし企業が応訴しなければ、USITCは自動的に敗訴とみなして、「全面排除命令」を出し、完全に商品はシャットアウトされ、米国市場から当該企業は締め出されます。

     中国企業はWTOの訴訟は懲罰がなく、今後やめます、と言いさえすればいいので、ちっとも恐れませんが、337調査は大変、頭の痛い問題なのです。

     ★米国技術の強制移転 : それぞれに言い分が

     米国企業の技術移転は、双方が10年来論争している問題で、米国企業は常に、自国政府と商工会議所に陳情し続けていますが、中国側は決して非を認めません。今年3月23日にも、商務部のスポークスマンの孫継文は、中国に工場を持つ外国投資家が、技術移転を強制されているという報道に対して、中国の現行法規には、外国投資家が強制的に技術移転を強いられるなどということはない、と答えています。外国が中国側の合同企業と交渉の上で具体的な条件を決めるのは、正常な市場行為であって、強制的な技術移転と一緒にすべきではない、というのです。

     この話は、本来長いお話で、近年、中・米経済対話のテーマになっており、別稿を立てて論じなければなりませんが、簡単な経過はこういう話です。

      : 2006年12月、科学技術部と国家発展改革委員会、郵政部が「国家自主創新産品認定管理方法(試行)」を発表し、続いて次々に、「自主創新産品政府購買予算管理法」、「自主創新産品政府購入評価方法」、「自主創新産品政府購入合同管理方法」という文書を出しました。テーマは、
    : 国家自主創新産品だと人芸され、政府が購入するものは、国家の重大プロジェクト購入財政資金によって優先的に購入される。2009年10月末、中国科技部と財政部など三者連合は、科学技術関係の商品は、必ず、事前に「政府購入自主創新産品目録」の認定を受け、登録されねばならない。この目録は、外国企業の販売する数十種の産品、サーバーや無線通信基地局、セキュリティや財務ソフト、風力発電装置などを含む。
    でした。

     この一連の文件が発表されてから、中国の外国ビジネス企業、とりわけ科学技術関連の企業の不満が高まりました。米国商議所の2009年の調査では、57%の企業が、将来、中国での業務にマイナスの影響をあたえかねず、既に、37%が影響を被っているとしました。影響を受ける理由は、中国側がそうした製品を作る能力がなく、外国企業との合弁企業が生産しても、技術は外国のもので、そうなると、中国側からは、中国の自主創新産品とは認められないので、当然、不合格になって今います。ですから、外国企業に残された道は二つしかなくなり、一つは中国市場から追い出される何、もう一つは、自己の技術を中国側のパートナーの技術にしてしまうことです。これが、いわゆる強制外国技術の移転の由来です。

     外資の中、科学技術企業は米国資本が主です。米国資本は自国政府に強力なロビー活動を行なって、米国政府はこれを、2011年の第三回中・米戦略経済対話のメインテーマにし、中国側は止むを得ず、廃止に同意し、2011年7月1日に執行を停止しました。しかし、規定は廃止されても、実際には、米国資本の科学技術企業は、問題の存在はちっとも変わってないと実感していて、今回、トランプ大統領の、対中国貿易調査のリストに上がったわけです。

     最初に述べた話の戻りますと、中米関係では米国の持つカードのほうが中国よりはるかに多いのです。しかし、実際の国際実務になると、米国がやろうとすることは、中国に邪魔されずに協力してもらわないと、実行できないのです。両国の専門家は、あれやこれやと数十年談判しており、とっくに、どうやってテンパって、値段を決めるかをよく承知しているケームなのです。(終わり)

     節約御免
     原文は 知识产权保护:中美关系的难解之结

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