• 程暁農★中・米貿易戦争の行方は? G20サミットを控えて  2018年11月20日

    by  • November 22, 2018 • 日文文章 • 0 Comments

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    何清漣氏の2015~2017までのエッセイ改訳版

     中国は、米国の中間選挙に相前後して貿易交渉を再開しました。今回の中・米貿易戦争は一体どうなるのか、様々な臆測が登場しています。現在の状況を見ると、中共政府は自分に有利な分野で少しばかり譲歩して見せはしますが、米国側が要求している「3ゼロ、2ストップ、1ゴー」(ゼロ関税、ゼロ関税障壁、ゼロ補助金、I知的財産盗難の阻止、技術移転の停止、アメリカ人の自社所有)には答えようとしていません。今月末のG20サミットでの中・米ハイレベル交渉によって、この貿易戦争は一挙に解決に向かうでしょうか?

     ★中間選挙後の交渉再起動

     中・米貿易戦争の第1ラウンドの成果がないまま、トランプ大統領は、7月に中国の輸出品に懲罰的関税を課し、中国は報復関税で応じました。9月24日には、米国は更に2000億米ドルの対中国製品関税を課し、その後中国は事実上米国との交渉を中断しました。北京は11月6日の中間選挙で、トランプ大統領の立場が大幅に弱まって、貿易戦争が雲散霧消するのを期待していました。しかし、選挙結果は期待外れに終わりました。

     中間選挙前に、米国の各種の主流メディアの世論調査は、先の大統領選挙の大外れから教訓を得て、データ分析や選挙動向に対して今回は比較的慎重な姿勢で臨みました。調査結果も民意に割と近いものとなり、選挙前の分析でも、民主党が下院で過半数を奪還するが、上院では無理という予想を明らかにしていました。確かに選挙結果はそうなったのでした。

     北京は、民主党が上院下院で多数派になって、民主党がトランプ大統領を弾劾するチャンスをつかんで、その成否に関わらずレームダック化して貿易戦争を遂行不能になって欲しかったのです。もしそうなっていたら、北京は余計な譲歩などせずとも、問題は自然に”解決”するからです。

     中国の外国宣伝メディアによると、中国の駐米大使館・領事館は、全米を6地区に分割して、手分けして選挙情勢を調べあげ北京に報告して、情勢分析の参考にしていたそうです。しかし、中間選挙の結果は、はっきりと希望的可能性は消えうせたことを示しました。

     米国の憲法は、大統領が反逆罪、収賄罪、その他大変な重罪や非行が会った場合を除き、上院の3分の2の賛成があって初めて弾劾が成立します。下院は弾劾案を提起できるだけです。下院の民主党が果たして弾劾の根拠となる証拠を見つけられるかどうか自体が明らかに疑問です。下院司法委員会が無理やり弾劾を提起したところで、まず上院で通過することはあり得ません。

     トランプ大統領が無事ならば、中・米貿易戦争は立ち消えになったりしませんから、北京は雨に備えて傘を準備しなければならず、交渉のテーブルに戻ったのです。かくて習近平とトランプは、中間選挙の前の11月1日に電話を交わし、貿易交渉の再開へのおぜん立てをしました。ウォール・ストリート・ジャーナル誌によると、中間選挙後三日目の11月9日に、ムニューシン財務長官と劉鶴副総理が電話で話し合いました。米国は、中国が明確な案を示すように求めたのに対し、北京側はまず話し合いを希望しました。11月12日夜、北京は米国政府に書面を送り、貿易交渉における中国側の具体的立場を詳細に列挙しました。11月末のアルゼンチンで開かれる20カ国首脳サミットの席上、習近平はトランプと会見しますが、貿易戦争はその主要テーマです。

    ★米国の中国製品課税後、輸出は上昇。中国は自信つけた?

     中・米貿易談判は世界的に重要な事件です。各国政府だけでなく、各国の関連業界も大いに注目しています。この交渉の結果が、今後のグローバル経済に重要な影響を与えるからです。プレッシャーに直面する国家もあるでしょうし、チャンス到来と受け取る国家もあるでしょう。様々な供給チェーンを調整している企業にとっても、交渉の結果によって、最終決定を下すところもあるでしょう。

     しかし、中・米貿易戦争の行方は、メディアによって極めて大く異なっています。簡単に紹介すると、11月16日のファイナンシャル・タイムズ「中国は中・米貿易戦争で有利な立場」では、根拠として、米国経済は好調なので、安価な中国製品を買わざるを得ないし、関税を高くしても貿易赤字は減らせない」としています。しかし、日経新聞は同じ日に、「中国は中・米貿易戦争の打撃を受け、国内消費が縮小する傾向にあるので、経済を救うために、中国は譲歩しなければならないだろう」と見ています。

     ファイナンシャル・タイムズは多国籍企業の供給チェーン移転と発注先変更を軽く見過ぎています。いったん移転が完成すれば、そうした国家での製品は中国産より更に安くなります。日経新聞の分析は、北京が米国に「罪を認め」たくない、という政治的な立場を分かっていません。経済的な考慮は北京の唯一の動機にはなりません。愛国主義宣伝と政権の合法性維持も、同じぐらい重要なのです。

     これまでのところ、米国の500億ドルの中国製品に25%の関税を掛けています。同時に2000億ドルの中国製品には10%の関税をかけました。しかし、最近、少なからぬメディアが注目したのは、最新統計では双方の貿易戦争が始まった後、今年10月の中国の対米輸出は昨年より13%増え、依然として318億ドルの米側の赤字で、9月に比べても23億ドルしか減っていなかったことです。ファイナンシャル・タイムズが、「中国有利」と書いた根拠の一つです。

     実は中・米企業の調査では、この現象は二つの事実を反映したものです。一つは、多くの米国輸入企業は中国側と相談の上で、輸入費用を圧縮して10%の関税を消化し、中国企業もそれで暫時、注文を維持するため、利潤を捨てて量を確保したのです。二つには、現在まだ課税対象に成っていない商品を、米国輸入企業と中国側企業が協力して、「突撃輸送」したのです。もし、中・米貿易戦争が続くなら、ホワイトハウスが発表したとおり、米国は更に中国商品に対して税率を上げ、網を広げるでしょう。明らかに、現在の中国の対米輸出ブームが、来年も続くかどうかは疑問です。そして、ポイントは、11月末の習近平とトランプのブエノスアイレス会談は、貿易戦争に終止符を打てるどうかに掛かっています。

     ★サミットで米中両国は異なる思惑

     ロイター通信の最近の報道では、中国は11月12日、米国側に手渡した文書は3部分からなり、中国側が協力する問題、現在解決中の問題、強力出来ない問題の142項目の回答が記されています。ブルムバーグ・ニュースが15日、消息筋の話として伝えたところによると、この文書の大部分は、例えば、特定の豪快の外資の持ち株比率を高めるとかいった、以前中国が提出した問題に調整を加えたものだといいます。また中国側はグローバリズムの流れは変えては成らず、世界貿易機関(WTO)のルールは変えるべきではない、とも主張しています。

     これまでのグローバリズムの正統的な論考は、みなミクロ的な企業の立場からです。つまり、資本の自由な流動性とか、サプライチェーンの国際化はコスト低減につながり、消費者に有利に働くとかです。しかし、この西側経済界の主流の観点には重大な欠点があります。それはグローバリズムが、国家に与えるマクロ的な影響の利害得失を軽視していることです。

     例えば、中国はグローバリズムの受益国で、雇用が大幅に増えて、製造業は不断に発展し、輸出、税収、外貨備蓄は明らかに上昇しました。しかし、米国は製造業の流失による失業率の増加が長期にわたって変わりませんし、税源が流出し、財政赤字が不断に上限を突破しており、中産階級が2割も減少して、グローバリズムの被害国です。

     北京は既得権益擁護の必要から、受益国の一方的な論理で被害国を批判し、中国の利益が米国の損害と直接関係していることを否定します。これは、米国に、中国が貿易摩擦を解決しようという誠意を疑わせます。WTOの「議論はしても罰則無し」という「紳士のルール」は、「スキを突いて旨い汁を吸う」中国を保護しています。今、WTOが自らルールを変えようとしているのは、まさに中国がルールを変えるしかないようなことをしたからです。こうした背景の下で中国がWTOルールを変えてはいけないというのは、まさに自分たちが譲歩する気がないことを表明しているのです。

     数日前のパプア・ニューギニアでのアジア太平洋経済協力会議で、米国のペンス米副大統領と李克强総理が貿易と投資問題で互いに譲らず論争し、30年来ではじめて共同声明が出せませんでした。こrを見ても、中・米双方とも談判はしても、共通認識には立っていないことが分かります。

     米国政府の中・米貿易交渉での要求はずっと変わりません。簡単に言えば、「3ゼロ、2ストップ、1ゴー」(“三零两停一开放)です。ゼロは関税、輸出奨励金の廃止。ストップは知的財産権の窃盗行為と強制技術移転を止めること。ゴーは外資企業持ち株制限の廃止と100%外資企業の許容です。技術レベルで言えば、外国企業の持株制限の強制は、技術移転の前提ですから、「ゴー」と「ストップ」は同じことの両面です。

     ロイター通信の分析では、中国は11月12日の回答で、中・米貿易戦争の緩和への良い前兆ではありますが、中国はかつて、貿易改革で空手形ばかり切ってきたので、米国は中国の約束には疑念を持っています。トランプは中国が貿易交渉に復帰する積極的な姿勢は歓迎しており、合意達成に期待もしていますが、しかし、中国の142項目の内容リストへの評価から見ると、双方の距離は依然として大変大きな差があります。

     トランプ大統領は11月16日に、「中国は協議がまとまるのを望んではいるが、このリストをそのまま受け取るわけにはいかない。多くの我々の要求もあるが、まだ四つ五つ抜け落ちているものがある。……我々は相互互恵の貿易方式を望むのだ。我々は愚か者だけが欲しがるような貿易は受け入れない。それが彼らが我々を利用して甘い汁を吸うやり方なんだ。もうそんなものはいらない。彼らだってわかっている」と言いました。トランプが言う、中国の最新リストの「四つ五つの抜け落ち」とは上述の「3ゼロ、2ストップ、1ゴー」だろうと思われ、これが中・米貿易交渉の核心的な争点です。

     今月末のG20サミット期間中に、中・米首脳が一挙に、障害を突破して合意に達するかどうかは、我々はじっと目をこらして見守るしかありません。しかし、これまでの双方の動きを整理して見れば、交渉結果を予想することは、さほど難しいことではありません。(終わり)

    原文は;程暁農(何清漣氏の夫君)
    【观点】中美贸易战结果如何?G20峰会前全球大猜谜  

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