• ★米国の未来の国運を決める2020大統領選挙 2019年7月10日

    by  • July 13, 2019 • 日文文章 • 0 Comments

     2020年の米国大統領選挙の民主党候補の第1回、  第2回の党員集会で演説の内容は、  あまりパッとしませんでした。  米国の主流メディアは、  これに焦ったのでしょう。  次々にトランプ大統領は経済政策以外は大変不評であると証明するアンケート結果を発表し始めました。 

     でも、  選挙情勢分析サイトの「538」(ファイブサーティエイト)が、  この70年間の大統領選挙を総合分析した結果、  分かったことがあります。  両党の候補者がまだ決まっていない予備選挙段階のアンケートは、  極めて確度が低いのです。  最終的な選挙結果とは、  平均して11%も違っています。 

     世界は、  まだ2016年の大統領選挙で、  9割以上のアンケートが大外れだったことを忘れてはいません。  ですから、  今のところ、  メディアだけが喜んでいて、  大多数の人々はこうしたアンケートは、  聞き捨てにしています。 

     それでも言えることは、  今回の民主党候補者の主張は、  極めて左寄りで、  両党の主張の相違点は、  2016年に比べてさらに激しくなっているということです。  掛け値なしに、  今回の大統領選挙は、  米国が今後、  資本主義の道か、  それとも社会主義の道を歩むのかの争いであり、  直接、  米国の未来の国運に関わるでしょう。 

     ★トランプか民主党かは国運に関わる

     ビル・クリントン大統領時代(任期1993年1月20日 – 2001年1月20日)や息子のジョージ・W・ブッシュ大統領時代( 同2001年1月20日 – 2009年1月20日)には、  民主党を選ぼうが共和党を選ぼうが、  政治と経済上の政策的な選択でした。 

     民主党を選ぶ有権者は、  多くが高い税金、  大きな政府、  福祉の増加を望み、  共和党支持の有権者は、  相対的に低い税金、  小さな政府、  米国伝統の自治の維持に賛同しました。  さらに中間派の2割以上の票を獲得しようと、  例えば同性愛への姿勢で歩調を合わせるとか、  キリスト教に逆らうようなことは、  両党ともしませんでした。 

     キリスト教は 国教ではないけれども、  米国の中西部の大部分の地区はキリスト教諸教派のバイブル・ベルト地帯です。  自助の精神、  麻薬反対、  結婚への保守的な考え方、  家庭への責任感などを重んじていますから。 

     また中西部は、  人口も少なく、  個人が銃を所持するのは、  自分たちの家庭や生活の安全を守るために必要だと考えています。  しかし、  バラク・オバマ大統領(同2009年1月20日 – 2017年1月20日)以後、  米国の政治と青年の思想や考えには、  極めて大きな変化が生まれています。 

     大統領選でのオバマのスローガンは「チェンジ」で、  米国に変革をもたらすことを約束したのでしたが、  どちらの方向に向かってということは説明されませんでした。  8年にわたる任期中に行った改変を歴史に残る業績だとして、  全力でヒラリー・クリントンを次期大統領にしようとしたのも、  つまるところは、  ヒラリーに自分の「政治遺産」を継がせようとしたためでした。 


     ★オバマの「政治遺産」とは何か?

     (1) オバマの残した政治遺産の中で、  最も重要な部分は、  皮膚の色によって異なった待遇を与えるという新たな身分政治でした。  これは、  米国の人種間と、  警察と民衆の関係を引き裂いた、  「ブラック・ライヴズ・マター」運動(訳注1)では、  オバマの発言は、  著しくこの運動を高める働きをしました。 

     ザイード・アハメッドというイスラム教徒の青年は、  テスト用紙に100回この言葉を書きなぐり、  スタンフォード大学に入学を許された上、  (エール大とプリンストン大も同様のオファーをしました)、  オバマ大統領と会見までしたのです。  フロリダ州、  バージニア州、  ウィスコンシン州の大学では、  学生の皮膚の色によって、  点数を割り増しするというお馬鹿な決定も行われました。 

     歴史は時に、  大変奇妙なことをします。  オバマが大統領当選によって、  米国では人種の平等実現への希望が高まりました。  しかし、  実際には、  オバマが大統領任期を終えた時、  人種間の衝突、  警官と黒人の衝突は、  彼が就任した時より遥かに高まってしまったのでした。  これは、  人種間衝突が起こってから、  オバマが態度を表明しなくなったことにも関係します。 

     (2)米国の歴史再建。  オバマ大統領時期には、  米国の反人種差別社会運動団体は、  南北戦争を否定し、  全国で各種の南北戦争に関する記念碑や銅像を破壊し、  「米国の文革」と呼ばれました。 

     ノースカロライナ州の小さな町ダーラムでは、  左派が南北戦争時期の兵士の銅像を押し倒し破壊。  ルイジアナ州のニューオーリンズ市議会は、  市内の四つの南北戦争時の南軍将士の銅像を全部撤去しました。 

     第3代大統領のトーマス・ジェファーソンは、  「アメリカ独立宣言」の主要な作者で、  宗教の自由を唱え、  米国憲法の重要な起草者で、  米国建国の重要人物として尊敬されてきた、  米国の歴史と切っても切れない人物です。 

     しかし、  彼が当時は大奴隷主だったことから、  ずっと左派の攻撃対象になってきました。  そして、  2016年6月バージニア州シャーロッツビル市議会は、  この「大奴隷主ジェファーソン」の誕生日の祝祭を取り消す決定を行いました。 

     2019年7月3日、  来年の大統領選挙への民主党立候補者の1人、  ベト・オルーク(訳注2)は、  ベッツィー・ロスが作ったと言われる「1776年の独立13州の旗」は、  白人民族主義の象徴であると述べました。  別の候補者のフリアン・カストロ前住宅都市開発長官も、  この旗は、  南部同盟の旗同様、  痛苦に満ちたものだとして、  この13星の旗は恨みの象徴であるとしました。  実際のところ、  オバマ大統領の第2期の就任式祝典では、  この米国の独立当時の象徴である13州の団結を示す旗は、  大変目立つ位置に置かれていたのですが。 

     マルクスは、  「プロレタリアに祖国はない」と言いましたが、  共産主義が出現する以前には、  いかなる国家も、  皆、  自分たちの歴史の伝統を重視しました。 

     中国には、  「国を滅ぼさんとするなら、  まずその歴史を消滅させよ」という言葉もあります。  米国独立戦争を立国の始まりとした独立13州の側が、  こうした社会主義左派に否定されるというのであれば、  米国はどこへ向かうのか、  本当に問題です。 

     2019年7月4日は米国独立記念日でしたが、  「ニューヨーク・革命クラブ」という、  全世界に共産主義樹立を旗印とするラテンアメリカ系米国人を中心とする極左組織は、  ツイッターで、  ワシントンで米国国旗を焼き捨てようと呼びかけています。  彼らは米国国旗は奴隷制の象徴であり、  米国は人類の災であり、  トランプはファシストであり、  世界は国境のない一つになるべきだと主張しています。 

     こうしたムードの中で、  トランプ大統領の「米国を偉大に」との主張は、  左派の目には罪悪です。  米国以外に、  こんな変わった政治ムードの国はあるでしょうか?

     (3)米国人の宗教観の再構築。  ジョージ・オーウェルの「動物農場」の名言は、  「全ての動物は平等である。  しかし、  一部の動物は他の動物に比べて、  さらに平等である」です。 

     つまり「あらゆる宗教は平等である。  しかし、  ある宗教は他の宗教よりもっと平等である」に言い換えても良いでしょう。  キリスト教の牧師とイスラム教の宗教指導者に対して、  オバマの態度は明らかに違っていました。 

     フロリダの狂った牧師といわれるテリー・ジョーンズは、  2010年9月11日にイスラム教の聖典である「コーラン焼却計画」を宣言。  オバマ大統領から国連事務総長、  欧州から中東までの全世界が、  この50人しか信者のいないキリスト教福音派の小教会を非難しました。  警察は刑事罰の容疑で彼を逮捕しました。 

     しかし、  2年後、  2012年9月11日に、  エジプトのイスラム神職のアブドゥラーが率いた二つの団体が米国の駐エジプト大使館の前をデモ行進して、  聖書を焼き捨て、  孫にその上に小便をさせたのです。  これに対しては、  オバマは何も言いませんでした。 

     2019年4月21日の復活祭に、  スリランカで、  国内のイスラム過激派による連続自爆テロで290人が死亡し、  500人以上が負傷しました。  前米国大統領のオバマと前国務長官のヒラリーは、  これに対して哀悼の意を表しましたが、  死者を「キリスト教徒」(Christians)と呼ばずに、  「復活祭崇拝者」(Easter worshippers)と呼んだことから、  英語世界の憤りを招きました。 

     著名な香港の評論家、  陶傑は「馬鹿らしいポリティカル・コレクトネス」で「ポリコレもここまで行くと、  オバマが米国の保守派からイスラムのスパイと疑われ、  ヒラリーが売国奴だというのもうなずけるぐらいだ。  爆弾で死んだ人、  イースターに教会に通う人々は、  当然キリスト教徒である。  キリスト教徒とは堂々たる正式な呼称であり、  売春婦をセックス従業者と言い換えるような、  復活祭崇拝者などと、  おっかなびっくり呼ばねばならない言葉ではない」と書きました。 

     オバマの中東政策と業績といえば、  主に、  アラブの春に受動的に賛同し、  最後にはISIS(自称イスラム国)の誕生となってしまって、  欧州などへの難民が押し寄せる結果になっただけですが、  それはここでは論じません。 


     ★2020年の大統領選挙が米国の未来を決する

     米国主流メディアと矛盾に満ちたアンケートから見えるのは、  彼らが見せようとしている未来です。  それは、  米国人はトランプが嫌いで、  民主党が好きだという話になります。 

     しかし、  民主党の最初の候補者たちの主張を述べた第1、  第2回の党員集会がスタートして、  民主党の伝統主流派を慌てさせました。  20余人も論壇で舌鋒鋭く論じましたが、  彼らが熱を上げたのは、  全国民保険、  移民と国境、  銃規制などですが、  内容ある取り組みはさっぱり聞こえてきませんでした。 

     私は米国に住んでいますが、  もうすでに、  極左派の極めて自分たちの政治的主張をポリティカル・コレクトネスとして押し通そうという不寛容さをはっきりと感じています。 

     生活費は他人に払わせて、  医療費は政府持ちで、  労働せずにお金を得て、  無限の保証をタダで手に入れようとします。  しかし、  そのお金がどこから来るのかは問いません。  あたかも連邦銀行が無限にお札を刷れば良いというかのようです。 

     性の区別も無制限に拡張されています。  オバマの任期中、  最後の1年には、  倫理と常識に外れた突拍子もない「非性別トイレ」を全国の公立学校に設立する命令に署名しました。  誰もが自分の気持ちによって、  トイレや更衣室を選べるというものでした。 

     ニューヨークでは現在、  法律で規定される性別は、  31種類にもなり、  ニューヨーク人権委員会は、  各種の性別の呼び方を配布し、  間違えると罰せられます。  もし性別の選択が個人の自由で、  もし尊重せず、  その選択した性別に対して利便を提供しなければ、  ニューヨーク人権委員会の条例によって6桁ドルの罰金を科せられるというのは、  これは特権の要求に他なりません。 

     極左派は更に、  こうした性別の変更やあらゆる女性の堕胎費用はずべて、  連邦政府が負担すべきだとしています。  麻薬の無罪化では、  多くの民主党支持州では、  大麻が合法化され、  各種の大麻ショップがサービスを開始しています。  こうした主張は、  すべて欲望のままに自分ではコストを負担せず、  納税者にツケを回そうというものです。 

     人類の歴史上、  社会主義国など専制国家だけが、  言論を禁じ、  人々に自己検閲を強いて沈黙を強いてきました。  しかし、  米国の左派は、  ポリティカル・コレクトネスを用いて、  自分たちの主張に批判することを許さず、  他人の言論の自由を制限し、  自分たちの主張と異なる意見に対しては、  集団で黙らせようとします。 

     典型的な例がブレット・カバノー連邦最高裁判事就任時の、  民主党下院議員が上院に組織動員をかけて激烈に抗議したことでした。  最近の事例では、  民主党の議員、  アレクサンドリア・オカシオ=コルテスのまねをした8歳の少女とその家族が、  左派から殺すという脅迫を受け、  ネットサイトを閉鎖しました。 

     2020年の大統領選挙は、  で民主党が当選して、  オバマの国際政策を続けて、  引き続き国際社会は、  名目上の世界の指導者としてお金を出し続けることを期待しています。  しかし、  米国にとっては、  これは将来の国運に関わることです。 

     民主党が深刻に社会主義化し、  民主党の選挙候補者たちの主張がますます極左化していますから、  民主党を選ぶべば、  社会主義化とオバマの政策のさらなるアップグレードになります。 

     これには民主党の元からの鉄板の支持者も心配し始めており、  ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニスト、  ブレット・スティーブンスは、  「民主党人の悲惨なスタート」(A Wretched Start for Democrats、  6月28日)で、  民主党候補者の主張は、  選挙民の利益は考えないが、  それ以外のあらゆる人々を助けたいというのは興味深い、  と書いています。 

     ですから、  米国人にとっては、  トランプを選ぶか、  国家の方向感覚を失った民主党候補を大統領に選ぶかです。  一つは資本主義の道、  もう一つは社会主義の道を選ぶことになり、  常識を選ぶか非常識な暮らし方を選ぶかということです。 

     トランプも、  民主党候補者と同様、  完璧な人ではありません。  しかし、  大統領は道徳面で完全な人格者を選ぶわけではなく、  選挙民の利益を保証できる人を選ぶものです。 

     トランプならば、  引き続き過去2年以上の間にやってきたこと、  失業を減らし、  違法移民を阻止し、  米国の国力(軍隊)を強化し、  常識に戻り法律と秩序を尊重するということです。  民主党を選ぶなら、  米国を急速に社会主義化し、  米国人の伝統的家庭、  婚姻感、  国家の共通認識や宗教観を覆すことになります。 

     あらゆる選択には、  結果がありますが、  2020年のそれはとりわけ異なったものになるでしょう。  二つの道のうち、  米国民の皆さんはどちらが良いとお思いでしょうか? (終わり)

     訳注1;(Black Lives Matter)通称BLMは、  2013年、  フロリダ州で黒人少年が白人警官に射殺されたことを機に始まった全国運動

     訳注2;元アメリカ合衆国 下院議員。  2018年の中間選挙では、  保守州のテキサス州選で異例の証左で上院選挙の民主党指名候補となったが、  共和党現職のテッド・クルーズに得票率差48.3:50.9%で敗れた

     原文は、  何清涟:2020大选将决定美国未来国运

    (終わり)

     原文は、何清涟:2020大选将决定美国未来国运

    中国 何清漣
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    これまでの何清漣さんの論評の、翻訳はこちら。過去のものはウィンドウズやMacのサファリでは、句読点が中央配置になります。Macのchromeがおすすめです。なお、「拙速」でやってますので誤字、脱字ご勘弁。(電子本の方は校閲して直してあります。多分w) なお、お気付きの点がございましたらお知らせください。ツイッター → @Minya_J。

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