• ★硬直化した米国政治の対立  2019年07月23日

    by  • July 24, 2019 • 日文文章 • 0 Comments

      最近の米国のビッグニュースは、民主党の4女性議員とトランプ大統領の舌戦です。この舌戦は、メディアによって一部分だけ都合よく報道されたので、政治事件になってしまいました。民主党は下院で、トランプ大統領を民族蔑視で譴責し、謝罪させようとしました。しかし、トランプ大統領は一歩も退かず、双方が唾を飛ばし合いエスカレート。各種の民間調査機関が、大急ぎでトランプ支持率の落ち込みを調査したところ、奇怪なことに、トランプ大統領の支持率は最高に。同大統領に批判的な姿勢を保ってきた多くのメディア人も面食らって、一体これが次期大統領選挙に不利になるのかどうか判断しかねています。

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    何清漣氏の2015~2017までのエッセイ改訳版

     ★事態の推移

     7月14日、トランプ大統領は、議員、自分を批判する人のオマール議員(ソマリア生まれ)、オカシオ・コルテス議員(ニューヨーク選出)ら有色人種の民主党女性下院議員に対して「If you hate our country, if you’re not happy here, you can leave.」(もしこの国が嫌いで、この国で幸せでないなら、出て行ったらどうだ)という内容の3つのツイートを発信しました。

     この言葉は大騒ぎを巻き起こし、大統領は人種差別主義者だと非難されました。米国下院では7月16日に大統領の4女性に対する言葉は、「新米国移民と有色人種に対する恐怖と憎悪を合理化させた」と非難する動議が投票に付されました。下院では民主党が多数派ですから、動議は240票対反対187票で通過しました。235人の民主党議員は全員が賛成し、4人の共和党議員、1人の無党派議員も賛成票を投じました。

     トランプ大統領はこれに対し、「私の身体のどこにも人種差別主義者のカケラもない」と答え、7月17日、ノースカロライナでの公開演説では、オマール議員の名前が出るたびに、「彼女を国に追い返せ」の叫びが会場に響きました。メディアの人種主義批判はますます高まり、この歓声については、①トランプはこの叫びを止めようとしなかった ②これはトランプが言った言葉だ サンフランシスコの中国語放送局の記者は、これを「ムスリムを追い返せ」と捻じ曲げて報じました。

     民主党議員は、追い風とばかりに7月16日、テキサス州民主党議員のアル・グリーンが、トランプ大統領を「差別主義」「人種間の対立を煽り、有色人種を攻撃している」ことは弾劾されるべきだと言い出しましtあ。これはトランプに対する2回目の弾劾提案です。一回目は、バロー報告がトランプの有罪を證明出来なかったので、お流れになっています。

     前回の中間選挙で、民主党が下院で多数派を占めていますから、今回、初めて大統領弾劾案は投票にかけられましたが、民主党内では深刻な意見の相違が浮き彫りになって、トランプ大統領弾劾を支持したのはたった95人で、137人の民主党議員と共和党議員は一致して、弾劾反対しました。結果は、下院で332票対95票で、弾劾決議は否決されました。

     ★アンケート結果に左派は仰天した

     ここ数年、米国で起きていることは、真相はどうでもよくて、重要なのは、受け取る大衆が信じるかどうかです。米国の政治的対立は膠着化して、双方の支持者たちは自分が信じたいことを信じるだけなのです。米国の主流メディアは、大々的にオルマやAOCを持ち上げ英雄扱いし、ここの共和党議員やドイツのメルケル首相はトランプ大統領が、差別主義的発言をしたと非難していますが、しかしSNS上では、「彼女を追い返せ」が、人気のキーワードになっています。

     世論がこうして大いに盛り上がってる時に行われた、各大調査会社によるアンケート結果は大いに意外なものでした。市場調査会社のイプソスのデータでは、トランプ大統領が4人の民主党国会女性議員を攻撃して何あら、共和党支持者の間でのトランプ支持率が5%も上がり、72%になりました。ラスムッセン社のデータでも、トランプの相互支持率は4%上がって、50%になりました。7月19日のサーベイ・モンキー・NBCの調査ではトランプに満足しているが48%で、今月のYouGov.comでも49%に達しています。

     左派メディアと左派評論家にとっては、この調査結果は大変に意外でしたから、様々な解釈が登場。フィナンシャル・タイムズのコラムニストのルイスのそれが代表的で、「一見、トランプは前よりいっそうひどく人種主義的攻撃で、自滅してるかのようだ。しかし、トランプの発言の背後には、独特の論理がある。目標は民主党支持者をこの4人の女性議員支持にまとまらせることだ。しかし、この4人の過激な理念は、米国では歓迎されない。多くの米国人は、社会主義者ではなく、経済的保障をもらって奴隷となることや、国境の開放を望んではいないのだ」。

     この話の一部は当たっています。社会主義者は米国中西部では歓迎されませんから、民主党は選挙で勝ちたければこの4女性議員を袂をわかたねばなりません。しかし、彼女らが民主党議員になれたのは、民主党主流派の選択によってなのです。社会主義者のサンダース議員らの「ブランニュー・コングレス」運動を取り込むことによって20議席以上を得たのでした。それがなければ、民主党は下院の多数派を奪回できませんでした。ナンシー・ペロシーら、民主党の伝統的な主流派は、バーニー・サンダース上院議員らの正体を十分よく承知しており、彼らが集団で民主党に加入したのは、民主党の乗っ取りを策して、自分たちの政治基盤を広げるためだと百も承知していました。そして、彼らを民主党に迎えてから、党内の統合は大問題になることも。

     この4議員の役割を、トランプ大統領は7月17日のツイッターで「ヨハネの黙示録の4騎士」に喩えました。この比喩は別にトランプの発明ではなく、前にルイジアナ州の共和党議員のジョン・ニーリー・ケネディが、オマール氏やプエルトリコ系のオカシオコルテス氏、パレスチナ系のトレイブ氏、アフリカ系のプレスリー氏の4人の女性議員を民主党を滅ぼす「ヨハネの黙示録の4騎士」だとしたのです。

     この「4騎士」は、聖書の黙示録に登場し、世界の終わりに人類の審判が行なわれ、第七の封印が解かれる時、白、赤、黒、緑の馬にのって戦争、飢饉、疫病と死を人類にもたらす存在だと言われています。この4女性議員の奇妙な社会主義的主張、反イスラエル的な言動、米国の伝統的価値観の否定は、民主党の頭痛のタネであるばかりか、多くの中間的支持者に民主党を敬遠させることになっています。更に、今年の民主党の大統領選出馬表明者の初討論会が行われましたが、内容に新味はなく、彼らが熱中して論じたテーマは、例えば、国民皆医療保険、移民と国境、銃規制などで、北朝鮮の核問題にも力を入れて取り組もうとのことでした。

     6月28日、ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストのブレット・ステファンスは「民主党の悲惨なスタート」で、鋭くも、民主党の大統領選候補者たちの主張は、選挙民の利益は無視して、米国選挙民以外のあらゆる人々を助けることに興味があるようだ、と書きました。

     ★共和党支持者はトランプは嫌いだが、トランプ大統領は好き…

     共和党支持者はトランプが好きなのか? 私は、なかなか複雑なのだと思う。ある民主党支持者からトランプ支持に変わった人が「トランプは嫌い、でもトランプ大統領は好き」を書いた。彼はトランプの大ボラや明け透けな点は嫌いだが、大統領としては、経済を発展させ、就職率を工場させ、米国ファースト政策は米国人と米国の未来に有利だ、と書いている。私は、これが少なからぬ米国人のトランプ支持の気持ちだとおもう。

     米国人は、左派がおこすさわぎにうんざりさせられている。米国左派は、「価値観押し付け病」で、様々なスローガンを絶え間なく叫び続け、各種の差別、たとえば性差別、LBGT、民族、ポリティカルコレクトネスを振り回し、すぐ怪しからんと言い出す。民主党は、米国の現実の問題を軽視し、お金によって人気取りばかりしている。

     2020年の民主党大統領候補出馬者たちの初回討論では、誰もが千篇一律に福祉の増加を唱え、どころか、全ての人々に無差別に生活費を配るべきだという主張さえあった。自国の選挙民の願いより、違法移民の権利や福祉に限りない注目をそそぎ、「まるでメキシコの大統領を選ぶみたいだ」と言われています。青少年の大麻や麻薬の深刻な危険性を無視して、麻薬の無罪化を社会政策としてはかっている。左派思想の盛んなカリフォルニア大学バークレー校があるバークリー市議会は、地元のギャングや、住宅価格の高騰、治安の不備は見て見ぬ振りをして、いかにして”中性人”の権利を向上させるかに熱中している。7月18日のCNN報道によれば、カリフォルニア州バークレー議会は、16日、同市の標語の中で性的な偏向とみられる言葉、たとえば「消防士」(ファイアマン)や「人工」(マンメイド)などを使わないようにする決議を行った。

     ますます左傾する民主党は、自国選挙民の利益を軽視し、米国の前途の価値観の乱用には関心がない。。米国選挙民はしかし、まだまともで、外国の違法移民に自国民よりはるかに関心をそそぐ民主党に投票はしないだろうが、これが、まさに「民族差別」と言われ、弾劾動議がだされたトランプ大統領が主流メディアと民主党の猛攻を浴びながらも、支持率は帰って上がっている理由です。(終わり)

     原文は;美国的政治对立已呈僵固化 

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