• 程暁農★中国経済は「ぎっこんばったん」時代へ。深まる苦境 2019年10月10日

    by  • October 13, 2019 • 日文文章 • 0 Comments

     中国経済は、もう階段を下降中だ。これは中共当局が、ずっと盲滅法、高成長を無茶苦茶に追いかけてきた必然的結果だ。一時的な輸出景気と不動産景気は、一度終わってしまえば、もう元へは戻らない。当局はいまや「ぎっこんばったん(子供用シーソー板)」によって、なんとか不動産の高騰を抑え、消費を落とさないようにして経済の安定を図っているが、これは仕方なくやっている効果のない最後の手段だ。中国経済の成長速度の急落は、時間が経つにつれ日増しに明らかだ。

     (1)成長の熱狂から苦境の増加へ

     国家の経済成長は三つの原動力による。輸出、消費、投資である。であるから、この三つは経済牽引の「三頭の馬」と呼ばれる。もしこの「三頭立ての馬車」の馬たちのうちの1頭、または2頭がこけたら、経済成長の原動力は大幅に低下して、力ない馬車になり、それまでの慣性の勢いだけでは、どれほども進めはしないのだ。

     今や、中国経済はまさにこの牽引力を失った馬車のようなもので、3匹の馬はどれも動けなくなってしまった。

     現在、米・中経済関係が悪化し、中国の輸出は大きな影響を受けている。8月の輸出高は去年の同期比で4.3%減、この三年で初めてマイナスになった。同時に投資と消費も収縮状態で、不動産投資も4ヵ月連続でマイナス。8月の製造業投資は去年より1.6%減、そして消費者の購買力もますます弱まっている。政府は認めないが、中国経済は既に「下降」の階段を歩んでいるのだが、まともな説明はなし。今日の経済減速は、実は、これまでの盲目的な高成長追求の無茶をした必然的な結果だ。

     まず、輸出のすさまじいデタラメぶりから。21世紀初めに、中国が世界貿易機関(WTO)に加盟してから、10年間の経済繁栄は主に輸出によってだった。2003年から2007年にかけて、輸出は毎年25%以上の高度成長を遂げた。一国の国家経済における輸出依存の度合いは、貿易依存度といわれ、GDPに対する輸出総額の比重でしめされる。2001年に中国がWTOに加盟したときは38.5%だったのが、2006年には67%になった。こんな依存度は、「輸出大国」と言われた日本の平成景気末期の4倍以上だ。しかし、当時、繁栄の大喜びのあまり、中国社会は、こんな高度に輸出に依存した繁栄が長続きするはずもなく、大変脆いものだとは考えようともしなかったのだ。

     中国は何十年も25%以上の成長率で輸出を続けていられるか?明らかに不可能だ。常識で考えても、人口の少ない、輸出額の小さい国ならば国債市場での影響力も小さく、あるいは長期にわたって黒字を維持できるかもしれない。しかし、中国のような人口超大国にとっては、全世界の市場は小さすぎるのだ。

     中国の労働力は全正解の人口の26%だ。つまり、全世界のあらゆる工業化した国々が輸出をやめて、その市場を全部中国に明け渡したところで、中国の輸出景気を無限に続けて行くことはできっこないのだ。増田絵や、国際経済のバランスから言っても、そんなことは非現実的だ。貿易とは必ずお互いの利益になってこそ、長期間維持できるのである。もし中国が一刻で全世界のお金を集めてしまって、長年にわたってちょっとしか買わないで、売ってばかりいて外貨を貯め込んだりしたら、誰が中国のものを買うだろう?だから、こんな輸出景気はいつかは終わりがくるものなのだ。

     果たして、中国の輸出景気は、2012年を境に下降に転じた。そして、米国市場への急速な拡大は、米国の知的財産権の侵害が、ついに去年、米・中貿易戦争に至った。この衝突は、中国が長年頼ってきた対米貿易の黒字による外貨をもって国際収支のバランスをとる手段としてきたことを終わらせた。今から見れば、米中経済衝突は、実は、昔の輸出景気の中にその原因がとっくにあったわけで、当然予期できたことだった。

     不動産バブルについてみよう。2008年から、中国は経済の減速を阻止するために、不動産開発に大いに力を入れ、不動産バブルに経済を牽引させた。この10年間に、不動産バブルは需給より供給が上回るようになって、不動産による奇形的発展をとっげた産業チェーン構造が出来上がった。地方政府は不動産開発に大量のインフラ投資を行って、巨額の地方債を発行し、銀行と民間のクレジットマーケットが不動産業に行動に依存することになって、潜在的な金融危機を生み出した。いまや、不動産だよりの経済ん発展戦略は、ついに袋小路の突き当たりに来ている。

     (2)「3頭立ての馬車」から「ぎっこんばったん」へ

     国際ビジネス界と国内の民衆をなだめるために、中共は、中国には十数億人の人口があって、消費力が巨大だから、国内消費だけで、経済成長を引き続き成長させることができるとアピールしている。しかし、中国の実業界は、商機を見いだせずに焦っている。その焦りとは、これまでの盲目的なやり方に関係するもので、多くの人は、かって当局が放埓に不動産バブルをふくらませたことが、現在、ついに形になって現れたのだということを良く理解していない。

     高すぎる不動産バブル価格がずっと国民の消費能力を圧迫して来たし、当局が不動産バブルが弾けると深刻な金融と財政危機を招くと恐れていたために、中国経済は、一種の「ぎっこんばったん」になってしまった。この「ぎっこんばったん」とは、つまり不動産バブルと大衆の消費力が一対となって、シーソーの両端に座り込む形となって、あっちが上がれば、こっちが下がるという関係だ。この状況で消費が経済を引っ張るというのは、まるで笑い話だ。

     実際見てみれば、もし不動産価格が不断に上がり続けたならば、消費者は巨額の住宅購入費の借金を背負うことになるから、消費を控えるしかない。経済は不動産が一方的に高くなり、消費は萎縮する「片方だけ高く、反対側は低い」状態になる。反対に、不動産価格が暴落したならば、銀行の不良債権が増え、税収入源が断たれると同時に、借金して不動産を購入した大衆は「マイナス資産」状態、つまり借金が不動産価格より多い状態になってしまう。新たな不動産購入者は、値下がりによって消費能力が高まるかもしれないが、多くの不動産を持っている中産階級家庭の財産は目減りするから、全体として不動産が大暴落して、消費能力はちょっとだけ上がるという、これまた「片方だけ低く、片方が高い」状態になる。どっちにしたところで、経済成長にとっては難しい、抜け出しにくい道だということになる。

     (3)家賃が消費を圧迫する

     中国銀行研究院が9月25日に発表した「中国金融展望報告」では、中国経済の下降圧力は明らかに増大し、消費不振は経済最大の足かせとなっている。20-15年以後の中国人の家庭債務と可処分所得の比率は、89%から急激に120%隣、毎年1割ずつ増えている。

     では、そうした家庭が毎年返済しなければならない元本と利子の金額が収入に占める割合はどれほどか? これは中国ではどうも研究禁止領域らしい。研究者は、往々にして恋に家庭の負債債務しシュチュ負担と債務のない家庭の支出を平均して計算して、極めて偏った少ない債務負担比率を出してくる。

     しかし、中国の「金融時報」が今年4月15日に明らかにした「2017年年調査では可処分所得の中国住民部門の償還比率は、英米日本、フランス、ドイツを超えている」。中国の都市住民の多くの家庭では、債務支出が大々的に消費支出を圧迫している。

     住民の借金は何に使われたのか? 車への支出はそのうちの小さな部分にすぎない。中国人民銀行のデータでは、2019年8月までに、金融機関の52.8兆元の所帯あたりの借金のうち、61.4%が消費制の中・長期にわたる借金で、主に住宅関係だ。明らかに中国の住民の借金は主にマンションなどの購入費用なのだ。

     不動産価格の高騰が部屋代の高騰となって消費者の財布を空っぽにしてしまい、民衆の潜在的消費力は自ずから衰えてしまう。直接影響を受けるのは若い世代だけではない。不動産価格が高止まりしていれば、多くの若い人々は、やむをえずその一部を年長者からの援助に頼らざるを得ない。これは年長者の長期的な消費潜在力にも影響する。

     (4)「ギッタンバッコン」は経済安定をもたらすか?

    現在、中共当局の経済政策は、事実上、ぎっこんばったんをやっている。つまり、不動産価格をあまり上げないで、消費を躓かせないように、と。言い換えれば、ぎっこんばったんを水平状態に維持させるわけだ。一方で、当局は不動産価格の上昇を抑えて、高い不動産価格がこれ以上、購入者の消費能力を低下させないように、一方で、消費を刺激し、各種政策を打ち出している。6月3日からは、国家発展改革委員会が、新エネルギーの自動車消費を推進させ、「車の下放」と家電の新規需要などの措置を取り、8月27日には、国務院事務局が消費予想を安定させ、消費への自信をもたせて振興をはかるなど、様々な手段をとった。

     しかし、官製メディアの言うように、「こうした政策的な消費刺激は予想通りの効果からは程遠く、やりくり上手の主婦でも米がなければ炊けない、というとおりだ、と。簡単に言えば、中国人の借金が多すぎて、消費に回すお金がないのだ。

     疑いなく、人々の消費能力と不動産価格のぎっこんばったんでは、経済成長をひっぱる動力にはなりえない。そして、ぎっこんばったんを水平に保つのは、さらに高度な難しい操作だ。遊んだことのある子どもなら誰でも知っていることだ。しかし、事実上、このぎっこんばったんを除くと、中共当局は、経済繁栄を再建する手段は何も持っていない。

     今日の中国は、経済の下降はもう決まったようなもの。だが、この下降は、底なしなのだ。経済成長速度の衰えは、時間が経つにつれてはっきりしてきた。中共当局に言わせれば、頭のいたい経済の苦境はすでに、否応無しに認めざるを得ない「新常態」になってしまったのだ。(終わり)

     原文は;增长困境——中国经济进入“跷跷板年代”

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