• ★香港教育の「本土復帰」は心配の最たるものです  2019年10月23日

    by  • October 24, 2019 • 日文文章 • 0 Comments

    中両文収録「何清漣 2017中国」Amazonで発売。「2018」編集中;20152016Amazon改訳版を電子ブックで。Kindle Unlimited なら無料です
    何清漣氏の2015~2017までのエッセイ改訳版

     香港のプロテスターによるゲリラ戦の火は燃え盛っており、米国でも「香港人権と民主法案」が議会を通過し、北京への圧力となっています。しかし、北京は国際世論の指弾を物ともせず、香港の「第二次回帰」をやりぬく決心です。中共の機関紙「人民日報」10月20日の論評「黄之鋒 を美化する香港教育の病を治療せよ」は、香港の教育システムの「深刻な問題」を批判しました。今、この時、人民日報のこの論評を甘く見てはなりません。これは北京が、香港の「第二次祖国復帰」計画のポイントは、香港の教育システムの改造だという、信号なのですから。

     ★いわゆる、香港教育問題はまさに大陸教育の癌

    「人民日報」の切り口は、香港のある中学校が黄之鋒を”中華の伝統の美徳格言と著名人一覧」に入れて教材としたことで、黄之鋒は「香港独立分子」だとして、第一に、香港教育は政治化しており、教師たちは教室を政治的な観点を植え付ける畑にしている。例えば社会科の学習では、故意に香港と大陸の矛盾を誇大に教え、学生が「非制度的なルート」でアピールするように仕向け、学生たちの独立思考能力を失わせている。第二には、香港の教育は、本国の文明母体から離脱し、例えば、国民教育を香港に広めるのが困難になっている。中国歴史は必修科目から選択科目になり、中国の「国語教育」は、単なる「中国語学教育」になっている、です。

     中国の教育をご存知の方なら、皆知っていることですが、中国の教育は、独断的な中共党化教育で、小学校から自国の青少年に中共イデオロギーを注入します。独立思考能力を失わせるのは、香港の教育ではなく、中国大陸の教育目的です。中学歴史教科書は、まして歴史を改竄し、とりわけ近代史以後の歴史は歴史の真実とは程遠いものです。「本国の文明母体から離脱」というなら、中共政権に勝るものはありません。「旧世界の打破」は、中国の伝統文明の道徳、倫理、政治権力の法的正統性を否定するのは、中共政権誕生時の土台ですし、現在、世界中にお金をばらまいている孔子学院とは、孔子の思想を根底から否定して、世界に中共が「紅色浸透」を果たす基地です。香港がこうした知識の教材を拒絶するのは、自分たちの次世代を守ろうとする知恵と勇気なのです。

     ★香港人と北京の反洗脳教育持久戦

     香港人は、ずっと中共の洗脳教育に反抗してきましたが、その過程は大変でした。香港の中学教科書の天安門事件に関する記述は、まさに持久戦でした。1989年6月4日の天安門事件は、深刻な影響を中国の政治動向に及ぼしましたが、香港の中学歴史教科書には、たった百文字から200文字の言及しかありませんでした。

     香港教育界では、国民の痛惜する歴史上の事件を、避けて通るべきではないという批判がありました。中共は、「2018年、香港教育局の改定大綱では、「天安門事件」は入れられず、香港教育局長の楊潤雄は「この大綱は教科書および、教師が授業でこの種の事件に言及することには影響を与えない」と答えました。これが、人民日報が、一部の教師が教室を政治的な観点を教える場にしている、と批判する理由です。

     北京は、なお香港の教育システムの改造への手を緩めませんでした。2012年、北京は、香港政府が国民教育計画を推進するのを利用して、全香港の各中小学校に「中国モデル — 国情理解の手引き」を発行し、中国の国情を賛美しました。出版社は、政府補助を受けて出来た国民教育サービスセンターで、編者は香港パブテスト会現代中国研究所で、この二つの機関の責任者はみな親北京の全国人民代表大会代表です。この本は、なんと中国政府の政府の人事は賢明で進歩的で、公平無私で団結した執政集団であるとし、米国の民主制度は、政党の政争に明け暮れ、民衆はひどい目にあっていると述べています。

     この本は、各方面から疑問が続出しましたが、成果し、香港政府が教育財政を握っており、学校はその政府援助に頼っていましたから、大多数の学校では、政府の命令に背けず教科書を選定する際には、政府推薦の教材を選びました。2014年のオキュパイセントラル運動後、この種の改造の重点は香港の地元意識を消し去ることに置かれ、香港教育局は、2018年に中学歴史教育課程の改変大綱を打ち出し、香港の歴史は、中国本土の歴史の一部に組み込まれ、香港の生徒たちに「一国」の概念を植え付けるように仕向けました。

     ★第二次香港祖国復帰の狙いで、教育は第二位に

     北京が推し進めた香港人の主体意識を消滅させようという教育は、香港人を洗脳するのに成功しなかっただけでなく、かえって香港人全体の反感を買いました。2014年のオキュパイセントラル運動でも、2019年の「反送中」運動でも、全て青年たちが主体です。しかし、北京はもとから独断専行で、自分たちが香港青年たちを失ってしまった原因を反省することなく、中共独特の総括を行い、「これは愛国主義教育が足りなかったからだ」として、「第二次香港祖国復帰」を計画する際に、香港教育システムの改造を二番目の大きな任務としたのでした。

     今年の9月に、私は「★「第二次香港回帰」は中国と香港の悪夢  2019年9月3日で詳細に、中共が2014年のオキュパイセントラル運動後に「香港の第二次祖国復帰」の計画を作り、それは三つのレベルがあると指摘しました。

     一つ目は、ハード面の立法レベルで、香港のコアになる価値体系に、反分離主義の内容を盛り込む。二つ目は香港の学校で愛国主義教育を強化し、「一国」への認識を叩き込む。三つ目は制度的に、植民地時代から続く香港政庁と香港実業界による共同統治モデルをやめさせる、です。

     9月16日は、「反送中」運動の100日目で、香港ではさまざまな団体が記念デモを行いました。北京はこの前後に、香港問題の解決方向に関して、各種のサインを出しています。★香港特区政府と実業界の「共同統治」の終焉。北京の「第二次回帰」策  2019年9月18日 で分析したことですが、9月13日に、ロイターがとくダネとして、北京が100社の国有企業を深圳に集め、香港をコントロールするようにより深く進出しろと命じました。

     9月17日には、国内のネットに、民主建港協進聯盟(香港の親中左派政党 民建联DAB)が香港政府に求めた「土地条例の撤回」を頻用し、930万平方メートルの農地を持つ香港の4大家族から、農地を回収して住宅を建設するようにという情報と論評を掲載しました。9月25日には4大家族の一つの新世界発展が、香港政府、社会事業や慈善団体に、つぎつぎと、社会貢献と住宅問題緩和のために、公共用住宅用地として27万平方米の土地を無料提供すると申し出ました。恒基兆業は9月27日に、政府の遊休地回収を支持すると宣言し、新鴻基地産も、原則的に特区政府の土地回収条例とアパート建設を支持すると表明。反送中運動で中央政府を支持する態度を見せなかった李嘉誠は、9月13日、人民日報に批判されました。

     香港の不動産業者が土地を献上すると言ってから1ヶ月、香港のプロテスターたちのデモはまだ続いています。人民日報の香港の教育体制批判がまた始まりました。これは、次には、全香港に北京が許可する教科書をつかわせる、香港教育の「第二次祖国復帰」の発動を予言しています。

     教科書の重要性については、米国の著名な経済学者サミュエルソンが「自分がこの国の大学の教科書さえ書かせてくれたら、他の憲法、法律は他人が書いてもかまわない」と言いました。サミュエルソン経済学が出版されて以来、代々の経済学を学ぶ学生は、ほとんどすべて彼のこの本から勉強を始めています。

     北京の、香港第二次祖国復帰計画の3つの要点は、どれも「二制度」を目指していません。長期的な観点から言えば、教育が北京化されることほど、恐ろしいものはありません。

     中共のイデオロギーがいかに恐ろしいかは、私は2016年に★愛国左派少年少女”の群れー中国の未来を憂う 2016年2月5日 で書きました。(終わり)

     原文は; 何清涟:教育“回归”是香港祸害之尤

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