• ★米・中の試合;北京は協定サインする意欲無し 2019年11月26日

    by  • November 27, 2019 • 日文文章 • 0 Comments

    中国 何清漣
    中国 何清漣

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     ロイターが11月26日に伝えたところによると、米・中両国の北京での関税をめぐる交渉は、論議が続いていますが、「第一段階」の協議にサインされるのは来年にずれ込む見込みだと言いいます。そして、第2段階協議は当分まとまりそうにありません。

     これは、2020年の米国大統領選挙の正式な結果が出る前に、中国は米国の希望するような貿易協議にサインはしないと言うことです。中国は「時間稼ぎで変化を待つ」作戦だというのが私の見方。

     注目に値するのは、これまで中国側の変化はいつも、北京がトラブルによる損害阻止のためでした。例えば9〜10月における米国大豆、豚肉購入は、中国国内のアフリカ豚コレラの大流行のために、国内需要を満たすためでした。しかし、中国の今回の態度変化は、損害防止のためではなく、貿易協議で譲歩を強いられてサインしても、損害を減少させる役にはたたないからです。だから、来年11月以前にサインをしようという意欲を失ったのです。

     ★グローバル貿易で「中国最高」の時代は去った

     貿易戦争がいつまでも続くので、世界の産業チェーンは、再配置されるようになって、外国資本は次々に中国から去って行きましたが、その損失が次第にはっきりして、数値の上にも損失が明らかになっています。

     「フィナンシャルタイムズが11月20に伝えたニュースでは、今年の上半期、米・中両大国のうち米国は、フランス、オーストリア、ジンバブエ、レバノンなど8か国に対しての最大の輸出国になった。そして、中国が米国を超える輸出を行った国は、わずかにで、ブータン、ルクセンブルグ、ベネズエラの3カ国でした。投資会社のNN Investment Partnersの、上級新興市場アナリストのMaarten-Jan Bakkumは、この変化がグローバル貿易全体にみられる可能性があり、「中国のピーク値」(Peak China)現象が起きていると表明しました。

     「中国のピーク値」とは何かというと、国際通貨基金(IMF)のデータ分析で、2018年上半期に、中国は174カ国への輸出で米国を超えていました。米国が最大の輸出国でいられたのはたった51カ国だったのです。

     この現象が「中国ピーク値」です。しかし、今年上半期、中国は米国に負けています。過去20年間、全世界のトップ輸出国だった地位が打撃を受けました。いわゆる「中国ピーク値」とは、2018年中国が世界最大の商品供給国としての頂上に立っていた値、という意味です。

     中国の輸出入貿易が下り坂になったことは、数カ月前に既に各種の兆候が見られました。今年7月21日、中国の税関が発表した中国の輸出入は共に下がっており、米ドル計算で6月の輸出は1.3%減、輸入は7.3%減でした。対米輸出入も同様で、米国政府が8月2日に発表したデータでは、米・中貿易戦争が続いていたため、2019年上半期には、中国はもはや米国の最大の貿易パートナーではなく、メキシコとカナダに追い越され、第3位でした。

     この結果は予想出来ましたし、時間の問題でした。2018年6月に、私は米・中貿易戦争は、中国の外資企業の対中国マーケットへ将来性の予想を変えてしまって、次々に中国から撤退するか、撤退の十尾を始めるだろう、そしてそれが全世界の産業供給チェーンの再配置へと繋がるだろうと、指摘しておきました。

     こうして撤退した外資の中には、中国にとって非常に大事な台湾資本も含まれます。中国の輸出構造というのは、民間企業、外資企業、国営企業の比率が大体45%:40%:15%なのです。輸出総額で言えば、外国企業が約半分、民間企業と国有企業が残り半分です。中国の輸出ベスト10で、台湾企業が4社を占めます。

     「中国ピーク値」は、米・中両国に大きな意味を持ちます。中国が国際貿易機関(WTO)に加入してから、米国は次第に、世界代々の貿易大国の地位を失い、毎年の貿易赤字が増えました。

     対中貿易赤字を減らすことは、トランプ大統領が貿易戦争を始めた主要な目標の一つでした。今、中国が、グズグズと署名をしたがらなくても、米国は既に貿易戦争で生み出したプレッシャーはこの目標を達したわけです。中国が、今、たとえ協議にサインしたとしても、こうした外国企業を中国に戻し、損害を食い止めるのは不可能です。

     ★「香港人権民主法案」は中国をWTO加入前に戻した

     「香港人権民主法案」のつくられた理由とプロセスと中国への影響は、★「香港人権・民主主義法案」の衝撃と”破壊力”  2019年11月23日で詳しく分析してますので、ここでは、北京はどうこの法案に対処するかを述べておきましょう。

     この法案は、出来るだけ香港のプロテスターたちに対して暴力的な弾圧に出て、人権弾圧による被害を出さないように、中国政府の行動を縛ろうというものです。

     ですから、法案には二つの可能性に対する二つの懲罰措置が作られています。政治的な懲罰措置としては、ビザ発行や移民の拒否、資金資産凍結など、今後米国に旅行や移民をしようという場合、人権侵害の過去の記録のある香港や中国本土の役人に対してのものです。

     経済的懲罰は、主に香港の特別関税地域の地位を取り消すというもので、この地位は、香港が今日、世界の金融センターとして発展してくるのを助けたものです。香港は、一つの経済体として、今ある経済面での機能は。まさに中国政府が、最も重視している金融センターとしての機能(原注;外資や外貨の来源)です。注意すべきは、法案は、限定条件をつけていることです。米国国務省が毎年、香港の自治状況をチェックして、充分に中国大陸から独立していると認められた場合にのみ、貿易上の特殊な地位を認める、という点です。

     中国は、2001年にWTOに加入する前は、米国による最恵国待遇を受けたいので、毎年一度これがありました。しかし、クリントン元大統領が、米国内の意見を説得してWTOに加入させてからは、中国は、アンクルサムに中国の人権問題をとやかく言われないようになって、米国も、一番有力な対中国拘束のツールを失ってしまったのでした。

     ★この法案は中国に二つの頭痛のタネを与える

     (1)損害を止めようがないことです。トランプ大統領がサインするかどうかは、重要ではありません。米国の法律では、上院と下院が法案を通過させた後、10日以内に、賛否を大統領が決めるが、何もしなければ10日後に移動的に効力を発揮するのです。もし、大統領が拒否権を発動しても、上院、下院が3分の2以上が賛成すれば、それを否決出来る。しかし、両法案は共和党が多数派の上院でも、民主党が多数の下院でも、ほとんど異議なく通過しており、3分の2はやすやすと得られるでしょう。だから、北京は算盤を弾いて、トランプに恩を売ったところで、どのみち法案は成立してしまうん`のです。

     (2)今や、米国と力比べをしたがる中国は、もう米国から人権問題でとやかく言われるのはうんざりしています。米国の香港の人権に対する観察期間は、比較的長い期間なので、中国が誤魔化そうとして、一年や二年、数年ならなんとか出来ても、長い期間となると我慢しきれません。

     2001年のWTO加入前、中国は米国議会が最恵国待遇条項を論議するときに、毎年受け入れていた。しかし、あの頃はまだ中国が「崛起」する前だったので、米国から「恩賜」を賜る必要がありました。今や18年間も過ぎて、中国は一躍世界第2位の経済大国となり、時には米国を追い越し、国際社会の政治主導権を取ろうとしている。もはや「呉下の阿蒙」ではありません。(訳注;昔の愚か者ではない、の意味)それが一度に18年前まで戻されるなど、我慢できるものではない。ご贔屓に与っているトランプ大統領が、貿易協議のサインをどんなに急ごうと、悪いけどサインなんぞ出来るものですかいな、ということです。

     米国は、交渉以外に中国にプレッシャーをかけることは出来ません。ただ利益誘導できるだけです。中国は現段階では、サインしたいと思う意欲がわかないのです。

     このほかに、もう一つ、知的財産権の問題がありますが、原稿が長くなりすぎるので、それは別に書きましょう。(終わり)

     原文は;评论 | 何清涟:中美角力:北京已丧失签署贸易协议的动力 

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