• 程暁農★「負けるが勝ち」はどっちが勝ち?米・中貿易交渉 2019年12月16日

    by  • December 17, 2019 • 日文文章 • 0 Comments

    中国 何清漣
    中国 何清漣

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     現在、米・中貿易交渉は原則的に第一段階協議が達成され、広範な関心を集めている。多くのメディアは協議条項の細かい点をめぐって、関税がどのぐらい増えたの減ったの、中国が米国農産品を買う数量の変化だの表面的な現象を追って、どっちが譲歩したの勝ったのとやっている。しかし、この交渉は凸凹の行ったり来たりのシーソーゲームで、主要な効果は、関税の%の上で現れるものではない。私は12文字でこの交渉を解読してみよう。それは、トランプ大統領にとっては「不打是打」(攻撃しないことが攻撃)、「不罰是罰」(罰しないことが罰)であり、中共にとっては「勝利が敗北」の12文字だ。


     ★交渉中にクルクル変わった中国の態度

     今回の交渉が始まった主な理由は二つである。第一は、中共が長期にわたって組織的に米国の知的財産権を侵害し続け、大量の技術的な機密と経済的な利益を得てきたこと。第二には、中共は長期にわたり自国製品には補助金を出し、輸入は制限して、巨額の貿易黒字を得たことだ。去年、3月22日、トランプ大統領は中国からの対米輸出商品に対する関税を引き上げると宣言し、それで米・中貿易戦争が始まった。こうした背景の下で5月から交渉が始まったのだった。

     ウィキぺディア上には、この1年半の交渉のあらゆる細部にわたって、びっしり書かれているが、読者にはさっぱり分からない。実際、この交渉が何度も行きつ戻りつしているのは、米国側ではなく、中国側のせいだ。交渉過程で、米国の立場と要求は基本的に大きな変化はない。しかし、中国側の態度は激変し、その都度、交渉は進展したり滞ったりした。中国側の態度変化を、去年5月から今年の12月まで簡単にまとめるとこうなる。

     第一段階;中国側が協力的。去年の5月から、双方が交渉を開始した段階。中国は知的財産権と貿易黒字問題を認め、交渉で解決に同意。双方が一年あまり繰り返し、議論を重ね、今年の4月下旬に協議を終え、米国側は、協定の句読点に至るまで全て改定を終えたとした。

     第二段階;中国側がちゃぶ台返し。今年5月初め、中国側は突然、全面的に、ほとんどまとまりかけていた協議を白紙に戻した。継続して交渉する余地は残した。

     第三段階;中国が引き伸ばし作戦。5月から9月上旬、中共の官製メディアは、大っぴらに北京当局は引き伸ばし戦術をとるという記事を掲載。双方の交渉が膠着状態となる。

     第四段階;中国側が技術問題と貿易問題を分離することを求める。今年9月、中国側は、知的財産権問題と貿易問題を切り離し(中共はダブルレール方式と呼ぶ)、第一段階はまず貿易を論じ、第二段階で知的財産権を論議しようと提起。米国側は譲歩して、これまで堅持してきた二つの問題を同時解決する「全面解決」を放棄した。

     第五段階;中国側が再び協力姿勢に。10月に双方が、第1段階の協議を達成し、進展があったかのような話をする。

     第六段階;中国側が再び態度を翻す。今年11月、中共の態度はまた変わって、知的財産権侵害を認めることを拒絶、その上、まず米国があらゆる関税を取り消すことが必要だと言い出す。中共は双方が交渉をスタートさせた時点に戻った。過去1年半の交渉は基本的に反故になった。トランプ大統領は、来年の大統領選挙の後で話そうと答える。

     第七段階;中国側が再び協力姿勢に。12月上旬、中共は、今年4月段階のシナリオに復帰すると回答し、第1段階の貿易テーマで米国と原則的に協議達成、知的財産権問題は、まだ第2段階で更に交渉と。これが現在、衆知の「第1段階協議」だ。中共の宣伝メディアは、12月14日に「妥当な妥協と譲歩は必要だ」と書いた。

     ★米・中交渉の立場における「天」と「地」と

     過去一年半で、中共が交渉テーブルの前で「一人踊り」を踊って行ったり来たり揺れ動いたその一歩一歩の動機を考察し、なぜそうしたかを書いていると、とんでもない長いお話になってしまうので、ここでは、中共の「喉舌」といわれるメディアの内容から中共の交渉における立場の変化を簡単に見てみよう。

     中共の対外宣伝メディアの多維ニュースネットは、12月3日に「習近平とトランプの「空中戦対話」、米・中交渉の難産は関税だけではない」を掲載した。この記事は、米・中交渉に関して今年12月初めの見方は二つあって、一つは関税に関する意見の相違。もう一つは米国の農産物購入の額についての意見の相違だという。

     この中共宣伝メディアは、習近平が11月22日に北京で会見した2019年ブルームバーグ・ニュース経済フォーラムの参加者に語った「中国は相互に尊重し合う平和的基盤の上で、米国と第一段階の貿易協議を推進することを希望する」という発言を強調した。多維ニュースネットは、更にトランプ大統領の11月22日の習近平への回答として、「自分は習近平の言う『平等』という言葉は好まない。これは平等な協議な度ではない。なぜならば、米国のスタート地点は床からで、中国は天井からものを言っている。我々はもっと良い話し合いが必要だ」という言葉を引用している。

     この「床板」と「天井」はちょっと説明が必要だろう。「床板」とは、現在存在する知的財産権侵害行為や貿易赤字問題などの事実のことだ。しかし、北京の言う「天井」とは、中共が「国家主権の平等」と言った言葉を「顔を上向けて」話し合いをしようとしない事実を指す。北京は、事実上、知的財産権侵害や貿易の赤字といった問題が引き続き存在するという前提の下で(つまりトランプのいう天井から)「平等に」話し合おうということ。しかし、トランプ大統領は、北京が制度と政策によって米国を傷つけてきたのが、長期的な不平等であり、だからこの二つの問題が長きに渡ってきたことを解決しようとしているわけで、本当の公平さに立ち戻らなければならない、というのがトランプ大統領が言う「床板」なのだ。

     多維ニュースネットは、巧妙に、トランプ大統領の談話を使って、中共の強硬な立場を示している。つまり、中共は初めから知的財産権侵害や巨額の貿易赤字に関して何ら間違いを犯したことはないと。抽象的な国家主権や平等の概念を持ち出して、具体的な現実の知的財産権侵害や貿易赤字問題とすり替えて、全面的に米・中交渉の経済、司法の基盤を否定しているのだ。多維ニュースネットが発表したのは、まさに、中国政府側の強硬な立場を擁護するものであった。

     ★なぜ、北京は「天井」から「床板」に飛び降りた?

     上記文章が発表されたのは12月3日だが、この10日後には、北京は「一人ダンス」をやめて「天井」から、トランプ大統領の言う「床板」に飛び降りた。12月3日から12月9日までの7日間は、別に双方とも交渉に直接関係する事件は起きていない。しかし、続く3日には、米国国内で政治的事件が起きている。

     すなわち12月10日、民主党が多数派の米国下院司法委員会が、トランプ大統領に対する具体的な罪名を明らかにし、弾劾手続きを開始したのだ。ひょっとすると、この失敗が決まっているような弾劾行動が、あてにすることは出来ないとみて北京は、トランプ大統領弾劾には希望を持ってもしょうがないと決めたのかもしれない。そこで、中共は12月11日から、突然、第1段階協議に対する抵抗と引き伸ばし策をやめて、3日後に米・中双方の原則的一致となった。

     知的財産権侵害と経済貿易問題に関しては、中共はいくらも弁解する余地がない。知的財産権侵害は民事事件で、機密技術窃盗は刑事犯罪で、これらに関わる刑事事件は、現在、米国の連邦庁舎曲(FBI)で、1000件近くが調査中。しかし、巨額の貿易赤字は20年以上にわたって、中国の輸出補助政策は、税務部門と企業人士の間では知られており、しょっちゅう新聞やニュースで取り上げられている。だから、事実であろうと、理屈であろうと中共はどのみち勝てはしないのだ。だから、中共は交渉では、事実関係は口にしないで、ずっと値切り交渉や、うわべだけの合意のフリ、虚実織り交ぜての時間稼ぎ戦術を取ってきた。いわゆる「時間稼ぎ」とは、経済でも、司法でもダメなら、政治的に、トランプ大統領をやっつけてしまおう、ということだった。

     中共が切った政治カードとは、今年の上半期にずっと輸入禁止措置をとって米国農産物を買わないことで、米国中西部の農業州の農民票を減らそうということだった。とういうのは彼らはトランプ大統領の支持基盤だったから、経済手段で、大統領選挙に干渉しようとしたのだ。これがうまくいかなかったので、今度は民主党の候補者が、大統領選挙で圧倒的に優位になるのを期待したのだが、民主党の主要候補者の左傾化に、北京はがっかりさせられた。と言うのは、左翼候補ばかりで、大統領選での民主党の敗北の可能性が高いとみたからだ。そこで、今度は民主党による大統領弾劾に期待をかけて、それによってトランプ大統領の二期目の勢いを削ごうとしたわけだ。

     一言で言えば、北京はずっと経済貿易交渉はいい加減にあしらって、政治的な算盤勘定だけを何度も弾いていたわけだ。しかし、民主党の弾劾行動が、必ずしもトランプ大統領の優勢を崩せないと気がついて、とうとう、「天井」から「床板」に降りて、知的財産権侵害と貿易赤字問題の解決、過去20数年にわたる米・中貿易の枠組みを変えることに同意したのだ。

     ★トランプの無手勝流

     過去1年半の米・中経済交渉の過程では、多くの読者は双方の値切り合いの細かい部分ばかり見せられるか、あるいは、経済、政治レベルでどのぐらい影響が出る話とかばかりで、まるで五里霧中だ。

     実は真相は、トランプにとっては「不打是打」(攻撃しないことが攻撃)、「不罰是罰」(罰しないことが罰)であり、中共にとっては「勝利が敗北」の12文字で、この交渉がうんだプラス・マイナスが読み取れるのだ。

     「不打是打」は、トランプの交渉戦略だ。トランプ大統領は、交渉のさなか、中国側が態度をころころ変え、論点をすり替え、事実を認めようとしないのは、百も承知だったが、それでも、それを理由に北京を批判しようとはしなかった。それどころか、トランプ大統領は、習近平と北京の交渉プロセスについて、一貫してして礼儀を守り、親切に、丁寧に、または誇張して語り、トランプ大統領は軟弱な人間だという印象を与えた。多くの人は、トランプ大統領がビジネスマン出身なので、政治的センスがなく、北京に対して無知だから、ずっと迎合しているのだと思っていた。

     しかし、実際は、北京当局の再三再四の強硬な立場と、トランプ大統領の低姿勢は、国際関係と国内政治で、大変説得力を持つという結果になった。米国が交渉の順調な進展を維持しようとし、外交上で最大限の努力を払い、国際経済情勢を大きく揺るがすようなことを避けようとし、米国の企業や有権者に、大統領は彼らの利益のために、現在、最大の努力をしているという姿だ。同時に、北京が協力を拒絶し、事実を認めることを拒絶する態度は、まるで金正恩同様、国際世論と米国世論の中でのイメージをどんどん悪化させ、米国内の「親パンダ派」(親中国派)ですら、北京を弁護するポイントがみつけられなかったのだった。

     その結果、トランプ大統領の低姿勢ぶりが、却って企業や有権者、世界の反トランプ派人士にまで、中共の無茶苦茶な横暴ぶりを理解させるようになった。北京のイメージが悪化し、トランプ大統領が低姿勢を続けて行くことで、大統領への民意の支持は強まって、北京の無茶苦茶な態度は米国と西側社会で「自分の面子を自分で壊す」ことになった。

     これが、私の言う「不打是打」の意味だ。「不打」は、トランプ大統領が、交渉の中で理屈の通らない中共に、真っ向から対決して責任を詰問する戦略を取らずないこと。しかし、その結果は、攻撃するより有効な働きを生んだ。中共が態度をクルクル変えて、機会をみつけるやその隙間を突こうとする交渉中の行為が、トランプ大統領が発動した貿易戦争の正当性に対して、事実上、十分な証拠となっている。

     ★「不罰は罰」になった

     「不罰是罰」(罰しないことが罰)とは、中国の米国向け輸出商品への関税に関することだ。トランプ大統領は再三、関税値上げを口にしてはいるが、同時に、ずっと関税を課すのを延期し続けて、また関税の範囲を縮小してきた。米国は本当に、この数十億ドルから百億ドル程度の関税を、財政赤字の穴埋めに必要としているのか? 当然、そうではない。この程度のお金は、すぐ農民の損失補てんに当てられておしまいだし、財務省はこの程度の小銭には困っていない。

     中国の対米輸出商品に対する関税値上げは、米国市場で商品の値上がりを招く。その本当の働きは、米国の中国商品輸入業者に「発注を取り消さないと損するし、市場のシェアも失いかねんよ」というはっきりしたサインを送ることなのだ。

     中国と貿易関係を結んでいる米国企業には、供給依存型と販売依存型の二種類がある。前者は、中国企業に発注することで経営を維持し、輸入した商品を米国市場で販売する。後者は、中国市場に向けて、中国で生産し、中国で販売するから中国市場に依存性がある。前者は多く、後者は少ないが、米国の在中国ビジネス界では多数派だ。中共は、常にこうした企業は、中国から離れられないと言って、トランプ大統領の対中貿易戦略がいかに人心を得ていないかと証明しようとする。

     しかし、これは一種のミスリードで、販売依存型の米国企業は中国マーケットで利潤を上げようとしているのだから、当然、中国を離れることはできない。だが、彼らの態度は、多数を占める供給依存型の米国企業を代表しているわけではない。トランプが影響を与えようとしているのは、多数派を占める対中貿易実業家の重要な部分であり、中国に供給を依存している米国企業に対して、経営戦略の見直しを求めているのだ。供給依存型の米国企業にとっては、関税値上げの可能性と、実際に関税が値上げされることの重要性は同じなのだ。そのポイントは、中国の供給は、もう安くないので頼ってはいられない、というところにある。

     この意味で、「不罰」(すぐに高い関税をかけない)は「罰」になる。なぜなら、関税値上げの結果は、関税値上げの可能性があるという情報も同様、供給依存型の米国企業にとっては、中国の供給はあてにならないとなれば、必要な対応として発注を控え、中国側の商品供給に単純に依存しようとはしなくなるからだ。

     ★中共の対抗意図 「勝利が敗北に」

    北京は、米・中貿易交渉で「一歩たりとも譲らない」「じっと我慢して情勢変化を待つ」作戦をとって、表面上は、面子を勝ち取ったかのように見える。強硬な立場を貫き、妥協をしなかったからだ。

     しかし、実際には中身で負けたのだ。と言うのは、中共の交渉姿勢は、米国ビジネス界に、北京は理が通らなくても、強硬一辺倒で、米国と知的財産権と巨額の貿易赤字問題を、根底から話あいたくないのだと理解させてしまったからだ。米国のビジネス界にとっては、これは、彼らの対中ビジネス経営には、巨大な危険が伴うことを意味する。関税が値上げされてコストが増えるだけでなく、双方の関係悪化が、関税、コストの危険性、国家同士の緊張による危険性、単一の供給源に頼りっきりになる危険性、知的財産権に関わる危険性、医療の安全に関わる危険性、ネットの安全に関わる危険性などが、常に入り混じって起きかねないのだ。

     米・中貿易関係の悪化が、米国の経済、社会の安全に与える影響としては二つの例を上げよう。

     第一は、米国製薬工業の空洞化だ。大部分の減量薬品t多くの常備すべき通常の薬品は、全て中国の供給に依存している。現在の双方の関係は、いったん中国が原料薬品や通常薬品の供給を停止すれば、米国内では、薬屋の店頭から薬品が無くなる危険が生じかねない。現在、米国政府は、すでにこの点に注目しており、米国の製薬企業よ薬品輸入会社も、「雨の降らないうちに準備を」と、全世界に代替え対象を求めており、同時に、一部の薬品の部分的国産化を検討している。

     第二の例はハイテク電子部品だ。過去、長年にわたって多くのハイテク電子企業が、みな中国を製造ベースにしてきた。しかし、現在、こうした企業は自分たちの中国中心のグローバル産業チェーン構造を、再構成するかを考慮せざるを得なくなっている。理由は、今後メイドインチャイナの部品や、中国で組み立てられた商品が、米国の安全性検査を受けなければならないからだ。そして、中国側の強硬な姿勢は、北京がこうした生産品を、対米脅迫の政治的ツールに使いかねないということだ。つまり、米国企業の中国供給戦略が、北京に利用されて米国への脅威になりかねないのだ。いかなる大企業であっても、この種の政治的リスクはの責任を負えるものではない。だから、自分たちの生産チェーンを変えて、発注先をそうした危険性の少ない国家に向けようとする。例えば、Apple社は、既にそっとそうしている。当然、メイドインチャイナも、中国向けには残すだろうが。

     北京の対米貿易交渉戦略がビジネス上巨大な経営リスクを作り出したため、中国の供給に依存している巨大多国籍企業(米国企業だけではなく、日本や欧州、台湾、韓国など米国マーケット向けの企業)は、皆、生産チェーンの再調整を行い、自分たちの製品を中国依存から、一部中国依存に変えざるをえなくなった。こうした企業は、去年からそっと、東南アジア、南アフリカ、南米などに、新たな生産チェーンを建設中で、数年以内に、新たな大量の発注は、中国以外のそうした国々に向けられる。その時が来れば、中国の多くの輸出志向の企業は突然ある日、自分たちへの発注がなくなってしまうことを発見するかもしれない。そして、そうした国々の同様の製品は、もう既に音も立てずに米国マーケットに出回っており、「メイドインチャイナ」は退場することになる。

     今、そうした「アヒルの水かき」的な動きは静かに進行中で、こうした生産ラインの移転や発注をする多国籍企業は、別に中国政府に届け出る必要はない。このプロセスはまだ始まって1年ちょっとだが、その効果は、既に米国の消費マーケットに現れている。例えば、今年の冬の購買シーズンに、長年中国が提供してきた厨房用品、小型家具、アパレル、小型家電などの製造国は、みな変わってきている。

     こうした多国籍企業が、生産調整を終え、移転を完成させたら、米・中貿易赤字問題は、自然に解消するだろう。中国という「世界の工場の設備は依然として残るが、発注がなくなり買い手がいなくなってしまう。実は、移転しているのは外国企業だけではなく、多くの米国市場向けの中国企業もこの撤退の流れに乗っている。彼らも今後、自分たちの商品が関税に直撃されてはたまらない。移転しなければ、そうなってしまう。

     これが、中共にとっては「勝利しても負け」となる根本的な原因だ。簡単に言えば、中共は、米・中交渉において、政治的に強硬な面子を保って「勝利」したとしても、「世界の工場」が巨大な経営危機なって、結果として多国籍企業チェーンが移転し、中国の一部が経済グローバル化から退場させられれば、大量の輸出企業は続々と倒産し、大量の失業者を生んでしまうのだ。

     更に重要なことは、米・中貿易戦争は、経済グローバル化の安定した構造を変えてしまって、ブランドと市場販売を主とする多国籍企業は、いかにしてリスク要素を認識し、リスク防止するかということを学びつつあることだ。

     いったん、このレベルがはっきりすれば、生産チェーンの移転とは、実はOEM工場のことであり、その下流の組み立て企業が、上流の部品製造企業に対して決定的な影響力を持つということだ。OEM工場群の撤退の意図や移転のプロセスは往々にして、まず厳重に秘密にされ、中国の関係方面には、邪魔されないように”煙幕”を張ってごまかし新たな生産地域が完成してから、中国には工場閉鎖要員だけを残して、工場設備を売りに出せばオッケーというわけだ。

    多国籍企業に言わせれば、生産の分散と、中国依存からの脱出という二重の問題は、この2年間に学習した重要科目。中共に言わせれば、この二つの観点から決定された撤退作戦は、「世界の工場」の弱点を突くと同時に、中国経済の落ち目ぶりを加速させるのだ。

     原文は;程晓农:十二个字读懂美中经贸谈判
     

     

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