• ★米国とイランの衝突。中国はどう出る? 2020年1月8日

    by  • January 10, 2020 • 日文文章 • 0 Comments

     イ1月3日、イラン・イスラーム革命防衛隊クドゥス部隊のカーセム・ソライマーニ司令官が爆殺された事件発生後、全世界の利害関係で出番となった国では、皆、態度を表明しました。フランスとイギリスは、はっきりと米国支持で、戦争をエスカレートさせないようイランに対して警告を発しました。米国が鉄板の支持者であるにもかかわらず、米国の言うことは聞かない盟友国家のイスラエルは報復を懸念してか、ネタニヤフ首相は、1月6日、「これは米国のやったことで、イスラエルではない。我々は参加していないし、巻き込まれたいとも思わない」と会議中の内閣で警告しました。中国は、今の所、イランへの37億米ドルの石油施設修復の援助以外は、イラク大使の張濤が、中国は軍事援助を提供する用意があると述べたほか、まだはっきり、どちらを支持するとは表明していません。

     しかし、国際主流メディアは、中国の動向に大いに注目しており、大多数が、米・イラン衝突は中国に有利出会って、中国がどんな態度をとるかを見たいと願っており、更にはイラン支持の旗印を掲げるかどうかに注目しています。

    中国 何清漣

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     ★国際社会が中国に注目する理由

     中東は欧州にとって、エネルギー供給値として極めて重要で、当然、欧州は中東の安定に関心を持っています。中国は、近年、エネルギーの安定のために「卵を一つのカゴに入れない」原則で、石油の輸入先を分散させており、世界50カ国と地域から輸入しています。

     中ではロシアが三年連続1位で、ついでサウジアラビア、アンゴラ、イラク、イランと続きます。三つの中東地区の国家は皆、中国の5大原油輸入先に入り、約3割前後を占めます。こうしたエネルギーの依存関係で、中国は必然的に中東に無関心ではいられません。

     政治的には、中国は「敵の敵は友」主義の外交戦術ですから、米国によって孤立させられているイランは、自然、中国にとって喜んで仲良くなりたい国です。イランの核建設とインターネット制限には、中国からの大きな「無償援助」が行われて来たことは大量の証拠によって明らかです。

     中国も、はっきりとイランは中国の盟友だと言っています。2019年9月中旬、ホワイトハウス国家安全顧問で、「タカ派中のタカ派」と言われたジョン・ボルトン元国家安全保障問題担当大統領補佐官は、イランに武力行使を主張し、トランプ大統領と意見が合わず職を辞しました。これは、多くの国々を内心密かに喜ばせました。しかし、イランと中国だけは、大ぴらに喜びを表明したものです。

     一番重要なのは、米・中貿易摩擦がエスカレートし、米国とイランの衝突が加速していた時期の2019年12月26日に、中国、ロシア、イランの参加国が、4日間にわたる合同軍事演習を行ったことです。これは、国際社会からは、米国への挑発的なデモンストレーションだと思みられています。米・イラン衝突の後、中国国内の官製メディアは、我慢しきれず、次々に米国を非難し、イランを支持しています。政府の「喉舌」がこんな有様ですから、他国に中国の態度に注目するなと言っても無理でしょう。

     ★中国と中東の「絆」は石油

     しかし、BBCの1月4日の記事「米・イラン情勢エスカレート、中国はどう出る?」では、中国・イラン関係の専門家、ジョンズ・ホプキンズ大学のクリステーィーナ・リンは、中国は「一帯一路」が順調に進むには中東の安定が必要だから、米・イランが戦争になることは望んでいないと見ています。その他の専門家も、たとえスレイマーニの死がゲオポリティクス的な影響を与える爆弾となっても、中国とイランの関係の鍵は石油にあるため、米・イラン戦争は、中国の中東地区での利益に壊滅的な悪影響を及ぼす危険が潜在しているとみています。

     中国はイラン原油の最大の輸入国で、米国の輸入禁止令の下でも、依然としてイラン原油を購入し、大量の工業製品を輸出しています。経済貿易とインフラ建設を通じて、中国の中東への影響力は、日々高まっていますが、しかし、中国は一貫して中東では、干渉政策を取らず、数々の衝突に巻き込まれないようにしています。

     他のメディアの分析は、BBCより悲観的で、中・米が「デカップリング」する危機にあって、米国がイランに対して高圧的な政策をとり、中国、ロシア、イランの連合が生じており、最近の合同演習はまさにその傾向を表しているとみています。こうした報道は、米国のダグラス・マクレガー(退役米国陸軍大佐)の「米国とイランが開戦すれば、ロシアと中国が介入し、米国は今より強大な敵陣営に直面するだろう」という言葉を引用しています。


     ★中国は、嫌がらせ程度の動きか

     中国は、米国・イランの衝突に対しては、十分、現実的に考えています。こうした考慮は、経済と政治の二つの面での戦略的意義があります。

     経済的には、上述の通りで、中東地区の3国は、中国の石油輸入の3割前後を占めます。中国は中東地区では、別に守らなければならない政治遺産はありませんから、イラン、サウジアラビアの相互にカタキ同士の国々とも、経済関係を維持しています。国内が平安に保たれて、国際的には米国が小さな鍔迫り合いをイランと行ってくれるのが、中国の利益には一番良いのです。もし本当に戦争になれば、エネルギー欠乏、原油の値上がり、政治的リスクの高まり、どれをとっても北京の頭痛のタネになってしまいます。

     政治的には、中国はずっと中東国家の同様と西側民主体制とは密接な関係があると思っています。中東のいわゆる政治的な動揺と、のちの中東のテロ基地化と、新疆の関係を含む西側世界の災いとなったテロリズムは、こうした国々が無理な民主化をしたためだと。それが中東地域を不安定にしただけでなく、米国自身を泥沼に落とし、新疆まで巻き込まれたのだと、中国は思っています。こうした宣伝を、中国は宣伝機関を通じて、ずっと国内の中国人に教育し、戒めとせよとしてきました。

     2016年1月、習近平国家主席は、サウジ、エジプト、イラン、アラブ連盟本部を訪問した際、自国外交官に「我らは中東で代理人を求めてはいない。むしろ平和を勧めており、勢力範囲を拡大しようともしていない。ただ共存共栄のために協力パートナーを求めているのだ」と言いました。

     この話は、中国は中東地域で、「代理人を探さず、勢力を拡大しようとせず、権力の真空を埋めようとしない」です。私は、中国政府の対中東地域認識と米国が常に中東で厄介ごとに巻き込まれている教訓を知っているので、中国は、当分、この3原則を放棄することなく、また米・イラン間で、わざわざイラン支持の旗を掲げることはしないと思います。

     しかし、米・イランの衝突は、確かに中国にとってはチャンスです。イランと北朝鮮が引き続き、「抗米」第一線に立っていれば、中国には有利で、米国は中国に構ってる暇がありませんから、中国は時間と空間を利用して、米・中貿易戦争の矛盾と圧力を弱めることができます。中国国内には、この際、米国とイランが戦争になってくれたら、中国は、9・11事件の米国のイラク戦争の時のように、また5年から10年、発展するチャンスを得られると思う人もいます。

     中国は、外交的には、これまた米・イラン衝突をしめしめと眺めているロシアほど、狡猾ではありませんし、他人の不幸を喜ぶまではいきません。

     官製メディア、とりわけ胡锡进編集長の環球時報や一部の反米人士が、大喜びですが、政府はさすがに態度を表明していません。中国政府も、ちょっとは「野原に火を放つ」程度には、米国の覇権主義を非難し、イランに同情的なカードをちらつかせます。ロシアと一緒になって国連でこそこそ動いたり、安全保障理事会で、イランの米国のバクダッド大使館攻撃非難声明の邪魔をするとかです。

     米国が困ることなら、こうした小さな米国反対行動に武器を提供することも含めて、北京は、時には少しばかり攻撃的な態度を示すかもしれません。しかし、その程度で終わりでしょう。習近平は、絶対に大っぴらに米・イラン衝突に関わろうとはしないでしょう。そんなことをしたら、自分に火がつきますから。

     最後にまとめて言えば、米・イラン衝突では、中国とロシアはとりたてていうほどの役割はなく、イランとの共同軍事演習は、米国に自分たちの存在と力を見せつけて、ちょっとした嫌がらせをする程度です。しかし、本当に大ぴらにイラン支持の大きな旗を掲げて、中東の泥沼にはいろうとは、どちらもしようとはしますまい。(終わり)

     原文は;
    评论 | 何清涟:美伊冲突,中国的态度为何备受关注?

    これまでの何清漣さんの論評の、翻訳はこちら。「兵は拙速」でやってますので誤字、脱字ご勘弁。(電子本の方は校閲して直してあります。多分w) なお、お気付きの点がございましたらお知らせください。ツイッター → @Minya_J。

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