• ★国連に広がる「中国性糜爛汚染」 2020年2月27日

    by  • February 29, 2020 • 日文文章 • 0 Comments

     新型コロナウイルスCOVID-19問題で散々な目にあっている中国ですが、  今、  国連傘下の「世界知的財産権組織(WIPO)」事務局長の地位を狙うことは、  忘れていません。  米国は、  他国を説得してなんとか阻止しようとしています。 

     しかし、  米国は理屈で説得しようとするのに対して、  中国は金銭で買収しにかかります。  その上に新型コロナの流行も重なって、  事務局長という貴重な役割をどの国が勝ち取るかは、  予想し難いのです。 

     ★中国(中共)の前に陥落する国際組織

     中国政府は、  経済力の増強と同時に、  一貫して国際社会の支配権を求め続けました。  今では、  すでに国連の15の専門機関のうち、  重要な国際電気通信連合(ITU)、  国際連合工業開発機関(UNIDO)を含む4つを手中に収めています。 

     中国の影響が浸透した国際機関は、  すべて中国の国家利益のための召使い機関になってしまいます。  二つの機関の運命が、  今後の戒めになる良い例です。 

     一つは国連人権理事会(以前は国連人権委員会)で、  もう一つは世界保健機関(WHO)です。  この二つの「中国組」となった国連機関を見れば、  いかに「中国ファクター」が危険かを理解する一助になるでしょう。 

     2013年、  私は「★国連人権理事会の中国の影」(2013年11月15日) を書きました。 

     中国がお金の力で、  アフリカ、  ラテンアメリカなどの発展途上国を買収し、  国連人権委員会を人権に関してはおよそ芳しくない国々、  例えば、  キューバやパキスタン、  サウジアラビア、  スーダン、  ジンバブエなどの国々からなる無能な機関に変えてしまったことです。 

     中国の支配下となって、  国連人権委では、  中国の人権状態を批判するどんな決議も通らなくなりました。  米国の強い抗議の結果、  国連人権委員会は、  2006年に改組され、  名称を人権理事会に変えました。  しかし、  改組しても、  機構は依然として元のままで、  結局、  当時は「パンダが再来」と皮肉を言われたものです。 

     2018年6月19日、  米国は「世界で最悪の人権侵害者たちが、  人権侵害をエスカレートさせ、  民主国家を誹謗するのは、  国連人権理事会自身のメンバーと設立の初志に対する愚弄である」として、  国連人権理事会から脱退しました。 

     ★WHOの中国ファクター

     2003年に中国から始まった重症急性呼吸器症候群(SARS)の大流行で、  WHOは2005年に国際保健規則(IHR)を改正し、  「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態(PHEIC)」宣言制度を提起しました。 

     中国当局は、  この時に、  WHO事務局長が、  極めて大きな権限と影響力を持っていると見て取り、  この機関への浸透の必要性を痛感しました。  このため、  時の温家宝総理が、  2006年9月のアジア欧州会議(ASEM)首脳会議で、  各国指導者に向け、  前香港衛生署長の陳馮富珍(マーガレット・チャン)を推薦、  票読み活動を行いました。  WHOでの選挙期間中、  中国の衛生部長の高強が自ら、  選挙運動に動きました。 

     中国の強力な推薦と影響の下で、  陳馮富珍は、  香港の衛生所長時代に、  鳥インフルエンザ対策で誤った指導を行い「鳥珍」と呼ばれました。  SARS流行時には恋に真相を隠蔽して深刻な結果を招き、  香港立法議会から譴責をうけました。  でも、  陳馮富珍は、  当選を果たして、  WHOの事務局長を2期(2007年-2017年)勤めたのでした。 

     この芳しからざる経歴の持ち主が、  WHO事務局長になった結果は、  WHOの堕落でした。  2014年のエボラ出血熱流行の際、  陳馮富珍が舵取りしたWHOの動きは極めて遅く、  流行爆発の8カ月後に、  やっと抑制措置を取り、  世界の保健衛生界から批判を浴びました。 

     2016年9月に陳馮富珍が任期を終えた時、  国際保健衛生界は、  陳馮富珍時代の仕事を”清算”し、  彼女が事務局長を務めた10年間に、  WHOの評判は、  ますます悪くなったことを認めました。 

     10人の影響力のある公共衛生の専門家は、  英国医学雑誌「ランセット」に文章を発表。  陳馮富珍が、  世界の医療と健康に積極的に貢献しなかったことを批判しました。  彼女の天下だったWHOの影響力は不断に下降したのでした。  この他、  ロイターも2016年9月23日付で、  他の8人の専門家にインタビューを行い、  基本的に同様の結論を掲載しています。 

     一層、  深刻だったのは、  陳馮富珍が事務局長だった時代に、  WHOが深刻な腐敗スキャンダルにまみれたことです。  国際連合事務局内部監査部(The Office of Internal Oversight Services (OIOS) )の報告によると、  2015年のWHO内部では83件の不当行為があり、  深刻な汚職がはびこっていました。  例えば、  WHO関連の違法行為の増加は66%にのぼり、  詐欺事件は、  2014年から20%増加しました。  詐欺事件は、  陳馮富珍が退任する2017年5月までに166に増加し、  出張旅費の差額2億米ドル詐欺は、  エイズや肺結核、  赤痢救済金をはるかに超えるものでした。 

     ★テドロスの罪

     陳馮富珍が当選してしまったのは、  大国の操作の結果だったという反省から、  2016年以後は、  WHOは新しい選挙システムを作りました。  事務局長は194カ国のメンバーの一国一票性の投票にしたのです。 

     しかし、  アフリカ連盟は54のメンバー国を擁しており、  中国とアフリカ連盟の協力で、  エチオピアの前保健大臣のテドロス・アダノム・ゲブレイェソスを事務局長候補にしました。 

     テドロスは、  エチオピア保健大臣時代から、  同国における2006年、  2009年、  2011年の前後3度、  コレラ発生を隠蔽したと言われていました。  米国のジョージタウン大学公共衛生専門家のローレンス・ゴスティン教授(Lawrence O. Gostin)は、  自国の疫病を隠すような人物が、  WHOの事務局長になるとなれば、  レジティマシー(正当性)を失う、  と警告していました。  しかし、  一国一票制度の上に、  中国が他の国家に働きかけた結果、  テドロスは首尾よく事務局長になりおおせたのでした。 

     2017年8月、  就任したばかりのテドロスは北京を訪問し、  中国政府とWHOは覚書を交わしました。  そのとき、  中国は2千万米ドルの寄付を進んで行い、  事務局長就任祝い、  としたのです。 

     今回の武漢肺炎の流行にあたって、  一方的に中国に肩入れしたテドロスに対しては、  世界から批判の声が上がっています。  例えば、  PHEICと認定するのを渋ったことで、  流行を世界に蔓延させたことです。 

     武漢は1月22日に都市封鎖され、  その後、  日増しに深刻な状態に陥ったのは、  完全にPHEICの条件に当てはまりました。  ⑴ 疾病の国際的流行が、  他国に脅威となる場合。  ⑵ 国際的に協力して対応しなければならない場合、  です。 

     しかし、  テドロスは、  中国経済への影響と国際的イメージの悪化を心配して、  8日も宣言を伸ばし、  米国などの圧力を受けて、  やっとPHEIC宣言を行い、  この遅延によって世界が、  いち早く防疫に乗り出す最良のタイミングを失わしめたのでした。 

     テドロスは、  止むを得ず新型コロナウイルスCOVID-19をPHEIC宣言した後も、  中国の不興を買うのを恐れ、  いかに中国が防疫活動に正しく努力をしたかを褒めちぎり、  なんとか中国への風当たりを減らそうと頑張りました。 

     2月14日から16日、  第56回ミュンヘン安全保障会議の席上、  テドロスは、  事務局長として15日に「新型コロナウイルスCOVID-19の流行とエボラ熱の流行におけるグローバル衛生安全」と題した演説を行いました。 

     そこで、  「中国は、  最初から流行阻止のために、  有効な防疫措置をとりて、  人々を鼓舞し、  そのために巨大な代価を払って、  世界が防疫に取り組む時間を稼いでくれた」から、  「各方面は、  チャンスの窓をつかんで予防工作を行い、  流行を阻止すべきだ」と。  まるで、  中国が世界にウイルス禍をもたらしたのではなく、  他国人民の生命のために気前よく犠牲を払って貢献した最初の国だ、  という話のようでした。 

     テドロスの失敗こそが、  多くの国々に防疫措置を遅らせ、  武漢肺炎のウイルスが世界に蔓延し、  損害を与えたというのにです。 

     ウイルスが拡散した30カ国のうち、  最も情勢が緊張したのは、  イラン、  韓国、  イタリアでした。  イランの死者は8人、  周辺国家はイランに対して国境閉鎖しました。  韓国の確定患者数は爆発的に増加しており、  最高警戒レベルになりました。  イタリアは確定診断数が100を超え、  死亡者が3人出て、  止むを得ず、  北方の10数都市を閉鎖し、  2月22日に予定されていたベネチアのカーニバルも中止するしかありませんでした。 

     ★狐に鶏小屋の番をさせて

     トランプ米大統領就任後、  国連(傘下組織)からどんどん脱退していますが、  中国は、  逆にお金をつぎ込んで、  積極的に国際組織の要職を獲得していきました。  支持する人物も国際社会が受け入れるかどうかではなく、  北京と協力する度合いによって決めます。 

     中国のニュースネットに、  「中国は毎年、  1人ずつ主要国際組織のリーダーに」という記事が掲載され、  中国の官僚が世界の大機構のカギを握る立場になったと誇りました。 

     2020年は、  世界知的所有権機関(WIPO)の改選時期です。 

     独立ニュース機構のインテレクチュアル・プロパティ・ウォッチの分析だと、  中国は現任のWIPO副事務局長の王斌穎を、  この国際的財産権ルールを主導すると言う重要な機関の事務局長にさせたいとノミネートしています。 

     WIPOは、  知的財産権の国際政策を制定する責任を負うばかりか、  特許申請システムを担当し、  多くの国家に影響を与えます。  以前、  国際電気通信連合(ITU)が中国人事務局長になって、  深刻な中国偏向が見られ、  世界が心配する十分な理由があります。  知的財産権侵害で悪名高い中国が、  もしこの機関を牛耳るなら、  将来、  世界の知的財産システムは、  深刻に捻じ曲げられることでしょう。 

     この危険を見てとった、  日本経済新聞の秋田浩之コメンテーターは 「国連機関、  紅色に染めるな 国際秩序作るのは中国か」(2020年2月15日)で、  西側と日本は、  北京が自分たちの好きな通りに世界を塗り替えるのを阻止すべきだと書いています。 
     もし中国が、  知的財産権の国際政策機関を牛耳るならば、  それは、  狐に鶏小屋を守らせようとするような、  無茶苦茶な話です。  (終わり)

    訳者注;世界知的所有権機関(WIPO)は3月4日、次期事務局長にシンガポール特許庁長官のダレン・タン氏を加盟国による投票で選出した。最終的に中国、コロンビア、ガーナなど6カ国が候補者を擁立した。WIPOの委員会で83カ国による投票が2回行われた。最後はタン氏と中国人の王彬穎(ワンビンイン)WIPO事務次長との一騎打ちとなった。タン氏が55票を獲得し、王氏(28票獲得)に勝利した。(<a href="https://www.nikkei.com/article/DGXMZO56405950V00C20A3000000/

    日本経済新聞)
    中国 何清漣
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    これまでの何清漣さんの論評の、翻訳はこちら。過去のものはウィンドウズやMacのサファリでは、句読点が中央配置になります。Macのchromeがおすすめです。なお、「拙速」でやってますので誤字、脱字ご勘弁。(電子本の方は校閲して直してあります。多分w) なお、お気付きの点がございましたらお知らせください。ツイッター → @Minya_J。

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