• ★「武漢ウィルス勝利神話」は如何に鍛えられたか? 2020年3月23日

    by  • March 24, 2020 • 日文文章 • 0 Comments

     欧米の流行はますます深刻化しており世界保健機関(WHO)は、  もはやヨーロッパを、  中国の流行時と同じように好意的には扱わず、  直ちにヨーロッパが世界の流行の震源地となっていると宣言しました 。 

     同時に、  中国は全国での就業再開、  武漢コンテナ式病院の撤去、  湖北省全域の都市閉鎖解除など、  対外的なプロパガンダと内部プロパガンダ+五毛軍団によって、  流行を抑えこんだという神話を作り上げてきました 。 

      疫病との戦いに”完勝”した中国は、  イランとイタリアに疫病対策チームを派遣して支援し、  イタリア人たちは感動のあまり、  中国の国歌を歌ったと報じました 。  (原注;これは、  イタリアでは、  偽造だと言われています)

     世界はまだ半信半疑でしたがが、  中国は、  予想外の利益を獲得しました 。  それは現在、  中国は欧米よりも安全だと信じて、  多くの留学生がチャーター便で帰国していることです 。 

    ★伝染病を回避するための帰国だが「祖国は諸君を歓迎しない」

     中国は15日、  武漢で新たに診断された肺炎の確定症例は16人、  累計で8万人以上だと発表した 。  そして、  アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のデータによると、  全世界の感染者数は17万人に近づいており、  中国以外の国の感染者数が国内の感染者数を上回りました 。 

      上海市政府は、  3月12日、  「伝染病の逆流」を防ぐため、  主要数カ国からの旅行者を対象とした自宅検疫、  または集中検疫の導入を発表しました 。  北京政府はまた、  3月15日に、  国外から北京に到着したすべての旅行者は、  自費で14日間の隔離を要求されると発表しました 。 

     これには、  胸いっぱいの愛国的熱情にあふれて帰国した中国人留学生たちは、  がっくりきてしまいました 。  春節以来、  何とか方法を講じてたどり着いた西側諸国では、  感染防止に際しても、  本当に隔離されたりはしなかったし、  全部、  保険で診てもらえました 。  その上、  西側諸国では、  自分たちをウイルスの伝搬者だとみなしていると文句さえ言えたというのに…です 。 

    BBCの記事「中国が、  大量の留学生の”団体帰国”に対して入国管理強化」(China Tightens Immigration Controls as Large Numbers of International Students “Group Up” to Return Home」では、  こう書いています 。 

     ;帰国者のかなりの数が、  すでに海外に定住している中国人ではなく、  中国人留学生である 。  しかし、  彼らが帰国したとき、  国内で最も広く流通している「歓迎のスローガン」は、  こうだった 。 

    「国が困っているときにお前はいなかった 。  そして、  今になって、  最初に毒を撒くのはお前らだ」 。 

     検疫費用を要求された留学生は深く悲しみ、  ある人は 「私をはじめ 。  多くの人が疫病発生時にマスクや防護服を国に寄付することに関わっていたのに」と話していた 。  もちろん、  彼らが愛する祖国では、  抗議する権利などありはしないのです 。 

     中国人は、  武漢の肺炎で「世界を毒殺」したのは、  40カ国以上の主要都市を網羅して封鎖される前に、  武漢天河空港から世界に向けて飛んできた6万人であることを忘れています 。  海外の学生たちも、  海外でマスクや防護材が不足しているのは、  彼らの買い占めの結果であることを、  故意に忘れてしまっているのです 。 

      例えばアメリカは5千万個のマスクの在庫しかなく、  中国政府のプロパガンダマシーンの五毛たちは、  大喜びで嘲笑しています 。  さらに忌まわしいのは、  武漢肺炎が無症状の患者によって蔓延中なのに、  イタリアやパリの路上で「私はウイルスではない、  人間だ」とプラカードを掲げてハグを求めている中国人です 。  どれほど自分たちが、  無症状のまま、  ウイルスをばらまいてしまったことでしょう?

     90年代以降の中国人留学生の多くは、  中国共産党を熱愛していることで有名です 。  何か中共に不利な事件が起きれば、  たちまち西側の言論の自由を利用して、  集会を開き、  愛国的義憤を表明してきました 。 

     彼らは、  中国が世論の統制が厳しく、  政治的反体制派が迫害されている国であることを意図的に忘れようとします 。 

     彼らの日常の情報源は、  主に同類の仲間同士のWeChatや、  中共の海外向けの大手プロパガンダメディアです 。  彼らは、  中国政府のプロパガンダにそぐわないメッセージの多くは、  台湾香港独立派や反政府活動家、法輪功の連中がまきちらした嘘だと思っています 。 

      伝染病に対する中国政府のプロパガンダの神話を信じて、  これらの留学生は、  帰国航空券に数万ドルを費やしました 。  これまで順調に甘やかされて育ってきた中国の若者たちは、  実は、  これが全体主義中国での生活のほんの小さな挫折に過ぎないことには、  気がついていないのです 。 

    ★「疫病データ」は党の意のまま

     武漢肺炎の総症例数の公的検証はすべて政府の手に握られており、  外部からは実データにアクセスできません 。  これが中国共産党の災害対応時のいつものやり方です 。 

     かつての四川大地震(文川大地震、  2008年‎5月12日)の際には、  死者数を調査しようとした一部の民間人が後に逮捕され、  実刑判決を受けました 。 

      今回湖北に入った市民ジャーナリストの陳秋実、  方斌、  李沢華の3人が「行方不明」となっています 。  李沢華は、  武漢の火葬場で中国共産党当局のP4ウイルスに関するタブーを犯しました 。 

      武漢P4ウイルス研究所は、  中国科学院武漢国家バイオ安全研究所として知られており、  外国の生化学界は以前から、  武漢肺炎ウイルスが研究所から流出したのではないかと疑っていました 。 

      武漢の火葬場についての李沢華氏のビデオインタビューは、  武漢で実際に何人の人が亡くなったのかというデリケートな問題に触れています 。 

     この調査のため、  彼は、  武漢の「城峰葬儀場」を密かに訪問し、  関連動画では、  武漢の葬儀場が「遺体運び屋」を高額で雇う必要があるというネット上の噂を裏付けるために、  遺体運び屋を募集している農家の担当者にインタビューしています 。 

     李沢華氏はこのビデオの最後に、  中国政府が実際に死亡者数を隠していることを示唆するいくつかの数字で締めくくっています 。  李沢華氏は公式データに基づき、  最初の感染者が確認された1月12日から2月19日までの38日間に武漢肺炎での死亡数は1日あたり平均40人だったと計算しました 。 

      公式データによると、  武漢市の1日の非ウイルス性死亡者数は平均137人であるのに対し、  都市部には74基の火葬炉があり、  1日の状況では、  各火炉が1日に必要な遺体数はわずか1.74体で、  1体あたり60分で火葬されます 。  漢口葬儀社は、  新型コロナによる死者の遺骨火葬を専門としています 。 

     この葬儀場には、  火葬炉が全部で30基あります 。  上記のデータを基に、  李世華氏は、  漢口葬儀社が処理する非感染者の遺体52体(火葬場1日あたり1.74×30人)にウイルス感染者の遺体40体を加えて92体と計算し、  この葬儀場の火葬能力をはるかに下回っていることになります 。  漢口葬儀社は、  1日8時間労働の場合、  240体を火葬することができます 。 

     李沢華氏は、  武漢の肺炎死亡者数の公式数字が本物ならば、  漢口葬儀社は残業をしなくてもよいだけでなく、  他の葬儀社(青山葬儀社)は、  さらに残業をしなくてもよいと結論づけています 。 

     李沢華氏の調査は、  中国共産党の痛いところを突いたから逮捕されたのです 。  私も、  中国の流行病におけるデータ改竄については、  「武漢の肺炎流行におけるデータ烏龍」という記事を2本書いています 。  その中の1節では、  葬儀業界の公式データと葬儀業界の過重労働の現状をもとに、  李沢華氏と同じ結論を導き出していますが、  李沢華氏の調査にはより現場感があります 。 

      別の私の記事「★中国(中共)の流行状況データの中国的特色について(2020年2月14日)」 中国の統計が信頼できない理由も分析しています 。 

     つまり、  中国の統計は信憑性がなく、  現職の李克強総理でさえ信じていないのです 。  彼は、  2007年、  遼寧省党委員会書記だった時、  リード駐日米国大使に「中国のGDP成長率は信じていない」と発言し、  欧米では「克強指数」と言われている電力消費量、  鉄道貨物量、  銀行融資額の3つの数字だけで経済成長を判断している、  と言いました 。 


    ★WHO買収 最初の疫病輸出国から克服国トップへ

    WHOのテドロス事務局長は、  中国・武漢での肺炎の世界的な流行に3つの大きな貢献をしています

    :第一に、  武漢の世界公衆衛生緊急事態(PHEIC)宣言を遅らせることで、  全世界がこの病気に感染し、  中国がこの流行に「山川域を異にすれども、  風月は天を同じとす」化に努力 。 

      アメリカは、  PHEICを発表した日に中国への渡航を禁止したら、  テドロスに批判されました 。  そして、  テドロスは、  疫病流行が世界130カ国以上に広がり、  武漢肺炎がテドロスの故郷アフリカに到着するまで、  パンデミック宣言をしませんでした 。  そして、  直ちにアフリカを助けるためのお金を世界に要求しました 。 

     第二に「武漢肺炎」の名前を外し、  ウイルスの発生源を意図的に曖昧にし、  後に、  中国がアメリカ人すぎると言い訳する舞台を作りました 。 

     第三には、  今年2月中旬にミュンヘンで開催された世界安全保障会議では、  「中国を疫病と戦う最初の国」「世界のために犠牲を払った」と、  褒めちぎり、  批判を受けました 。 

     このWHO一家のボスが自ら選んだWHOチームは、  もちろん中国の疫病対策に非常に寛容です 。  その寛容さを表す言葉は、  歯の浮くような台詞、  お世辞にみちた不快なものでした 。 

     それはニューヨーク・タイムズ紙の記事「What the WHO team leader saw in China during the epidemic」に全文が原文のまま掲載されている「中国を訪問したWHO専門家のリーダーは何を見たか」にも見えます 。  例えば、  2月の2週間の訪問では、  ブルース・アイルワード博士(WHO事務局長補佐官)は、  「自分は、  ウイルス対応の可能性において、  最高峰に立っているような気がした」と話しています 。 

     アイルワード博士は、  「武漢を飲み込み、  国全体を脅かしたコロナウイルスの発生を、  中国がいかに早く食い止めることができるかを見た」とも述べています 。  「中国の流行病対策のアプローチは再現可能だが、  スピード、  資金、  想像力、  政治的勇気が必要だ」というのでした 。 

     「首相一族の隠匿財産」(訳注:温家宝一家の隠匿財産に関する暴露記事 。  2012年10月26日)のような特ダネ記事を掲載してきたニューヨーク・タイムズ紙が、  このWHOの専門家が中国の流行病の真相を見抜いていたと信じるほど幼稚化していたとは、  おどろきです 。 

     アイルワード博士は、  中国が政治的暴力と世論統制に完全に依存している、  世界でも数少ない全体主義国の一つであることをご存知ないほど、  情報に疎いようです 。 

     そして、  30年以上も中国に駐在記者を置き、  時に批判的な報道を理由に中国での記者のビザを取り消すという難題にしばしば直面してたのが、  世界の主要紙ニューヨーク・タイムズ紙です 。 

     それなのに、  中国が流行病との戦いにおいては、  人権の犠牲の上に立つ中国の制度的特徴を忘れてはなりますまい 。  中国共産党が長い歴史を持つ検閲文化を発展させてきたこと、  1940年代のアメリカ軍の延安遠征が毛沢東に騙されて「アメリカは中国を失った」という事実もまた、  忘れてはなりますまい 。 

     これに対して、  中国財新ネットは、  ニューヨーク・タイムズの専門家インタビューについて、  言いたいことがあったのかもしれません 。  こちらは、  中国工学院の学識者で香港大学微生物学科教授、  国家衛生委員会の第三陣・高級専門家グループのメンバーでもある袁国勇氏をインタビューしました 。  非常に自由のない中国国内という環境にもかかわらず、  財新は、  袁国勇の「本当のことを言えば、  私たちは武漢では、  あらかじめ用意されたものしか見せられなかった 。  私たちの質問も彼らの答えもしっかり準備されていたようだ」との言葉を大胆にも掲載しました 。 

    次に、  現在のWHOのテドロス事務局長と中国との関係はどうなっているのでしょうか 。 

      3つのことは、  中国がテドロスを「戦略的資産」として運用してきたことを物語っています 。 

      人民日報によると、  8日、  中国の陳旭国連事務所常任代表はジュネーブでテドロス事務局長と会談し、  2千万ドルを寄付しました 。  テドロス事務局長はすぐに中国への感謝の意をツイートしました 。  この日は、  武漢肺炎ウイルスが世界110カ国に拡散した日と重なりました 。  道徳と責任を放棄したこの赤裸々な利益の取引に世界は激怒しています 。 

     中国と結託してアフリカ連合に押されてWHO事務局長の座に就いたテドロスは、  国連機関を偽装したレントシーキング(不正な金儲け)のツールとして利用しています 。  世銀顧問の張倩燁氏の「WHO プロの衣の下の政治色」(WHO: The Political Underbelly Beneath the Professional Veneer)の中で明らかになったことによると、  テドロスは2017年にWHO事務局長に就任した直後に北京で習近平氏を訪問し、  習氏はWHOに2千万ドルを惜しみなく寄付したといいます 。 

      当時、  中国政府は台湾をWHOから締め出すためにテドロスに金をかけさせようとしていました 。  中国政府は常に政治投資に寛大でした 。 

      SARSの流行は、  実験室リークの際にWHOの検査を避けるために患者を街中に引きずり回したことや、  香港のマーガレット・チャン保健長官が中国に押されて、  WHOのトップになって味をしめたことで、  中国は親善のためなら金をかけてもいいと思うに至りました 。  いつか報われると思っていたのでしょう 。 

     そして、  テドロスは彼の期待に応え、  2年以上後、  習近平の恩義に報いる機会が訪れ、  より多くの報酬を得ることができました 。  中国は、  「世界初の流行と戦う国」というWHOの専門家のお墨付きを買収できたのでした 。 

     中国は、  テドロスのWHOに総額4千万ドルを投資したのです 。 

     中国政府にとっては、  対外援助にこれまで多額の無駄金を使ってきたのに、  恩知らずの国々は数知れず、  だったのです 。  が、  テドロスに対する政治投資は、  素晴らしいリターンとなって戻って来たのでした 。  テドロスの依怙贔屓は、  欧米社会から独立性と信頼性の喪失と批判されています 。 

     これに対して、  中国共産党の対外宣伝メディア「環球時報」(グローバル・タイムズ)は3月12日、  「テドロスを守れ!」と題し「中国を支援するために西側から四面楚歌にされている! 」というのが、  恥知らずに擁護していた筆者のコメントでした 。 

     以上の話が、  中国共産党が流行病対策に成功した超神話の秘密です 。 

     この記事の最後にリンカーン大統領の有名な名言を紹介します 。  「一度にすべての人々を騙すこともできるし、  永遠に一部の人を騙すこともできるが、  永遠にすべての人々を騙すことはできない」

     その報いは、  すでに始まっており、  中国共産党が自らの愚行に気付いた時には手遅れになるでしょう 。  (終わり)

    原文は、何清涟:自吹的“抗疫神话”如何炼成?

    中国 何清漣
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    これまでの何清漣さんの論評の、翻訳はこちら。過去のものはウィンドウズやMacのサファリでは、句読点が中央配置になります。Macのchromeがおすすめです。なお、「拙速」でやってますので誤字、脱字ご勘弁。(電子本の方は校閲して直してあります。多分w) なお、お気付きの点がございましたらお知らせください。ツイッター → @Minya_J。

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