• 米国はなぜ武漢肺炎の攻撃に沈んだか(外因編) 2020年04月10日

    by  • April 10, 2020 • 日文文章 • 0 Comments

     4月8日現在、  米国の武漢肺炎感染者数は43万3719人、  死亡者数は1万4764人となっています。 

    武漢肺炎が始まった時から、  私は、  アメリカでの感染拡大は時間の問題だと思っていました。  というのは、  これは、  グローバリゼーションの先導国家としてのアメリカの役割の必然的な代償だからです。 

     中国語のツイートでは、  ずっとこの見解を予測してきました。  私の住むニュージャージー州は、  広域ニューヨーク圏に属します。  ニューヨークに通勤する人が多く、  アジア系移民が人口の25%近くを占めているため、  伝染病感染地帯になることは間違いありませんでした。 

     その上、  アメリカ人は、  行動の自由を個人の自由の第一と考えますし、  国内ではまさに2020大統領選挙へ向けての闘いの真っ最中です。  そこへもし疫病流行が起これば、  大変なことになるとおもっていました。  それでも、  私は、  米国が最後には制圧に成功すると信じています。 

     ★外部の人が「内部のアウトサイダー」になる:新ローマ帝国の必然的なコスト

     20年前から続いているグローバリゼーションは、  緑なす希望に満ちた「世界的な富の共有の成長」でした。  中国は、  世界最大の億万長者と最多の中産階級を要する経済大国になりました。 

     しかし、  2020武漢肺炎は、  200の国家と地域を席巻し、  未だに収束からは程遠い大災害となり、  富の増大とともに、  世界が富ばかりか、  疫病まで共有するグローバリゼーション暗黒版をも露呈してしまいました。 

     グローバリゼーションは、  先進国では貧乏人を増やし、  貧富の差が拡大し、  保守主義に回帰する動きを生みましたが、  今、  「疫病の共有」によって、  さらなる痛切な反省が迫られています。 

     グローバル化に伴う米国の移民政策は、  経済生活向上を望んだ途上国の人々の米国流入に大変有利に働きました。  オバマ大統領の8年間の治世の間、  彼は移民政策に対して「誰でも皆歓迎」の政策を採用しました。  オバマ大統領の精神的な遺産を受け継ぐと主張するヒラリー・クリントンは、  「ホワイトハウスに入ってから初めての大統領命令は「国境を開放し、  すべての人をアメリカに歓迎する」という公約で2016年に選挙運動を行っていました。 

     そして、  オバマ氏の中国に対する最大の優遇措置は、  10年間のマルチエントリービザを与えたことでした。  これは、  中国側ですら「世界の枠組みに影響を与える『平和的転覆』が始まった」との冗談が聞かれるほどでした。 
     アメリカで最も重要な移民法の規定には、  同一国からの移民は同一年に7.1%を超えてはならないという原則があります。  しかし、  中国人の複数入国ビザを10年間開放することで、  この人種・人口管理法は無意味になってしまいました
     
    その年、  渡米する中国人の数は前年の180万人から年間300万人以上に急増し、  出産のために渡米する中国人妊婦の数は前年の5万人近くから年間100%増加するとみられていました。 

     アメリカが常に新ローマ帝国に例えられてきたのは、  世界の中心という意味でした。  世界の多くの国を征服したローマ帝国は、  被征服国の人々も受け入れ、  彼らはローマの中に並行社会を形成しました。 

     現在に至るまで、  米国は依然として、  最多数の移民受け入れ国家でした。  しかし、  新たな移民を米国的価値観に同化させる力はますます失われました。  もはや「人種のるつぼ」ではなく、  異なった価値観が多元的に存在する文化となり、  名実ともに「人種のサラダボウル」になってしまいました。 

     イスラム教徒の難民居住区から選出された、  ムスリム女性初、  ソマリア出身者初のイルハン・オマ下院議員は、  米国では「内部のアウトサイダー」となっており、  米国の価値観、  さらには議会で米国の憲法にさえ反対する発言を公然と行っています。 

     中共が米国で公然と招聘した「千人計画」(海外ハイレベル人材招致計画)に応じたのは、  多くが米国に帰化した中国系市民でした。 

     これは、  ローマ帝国末期には、  外国列強を制裁ができなくなったのと同様、  米国の価値観を認めず、  破壊しようとする異民族の猛者たちを、  どうしようもなくなったようなものです。 

     以上が、  中国の武漢肺炎がアメリカに与える影響が避けられない大きな背景です。 

     ★武漢肺炎発生後、  中国から来た人々は知っていたのか?

     在米中国人は春節のために中国に帰るのが習慣となっており、  中には頻繁に両国を行き来する人もいます。  疫病流行のない平時には、  米・中航空会社の収益基盤です。 

     今年は残念ながら、  中国と米国を往復していた人々の多くが、  武漢での肺炎流行の開始時に、  ウイルスの潜在的なキャリアとななってしまいました。  トランプ大統領の対中航空路線禁止令が発令される前は、  武漢から直接アメリカに渡ってきた人がどれだけいるのか、  世界は正確には把握していませんでした。 

     当時、  私は中国の記事「武漢天河空港を出た500万人以上の人たちはどこに行ったのか?」を参考にするしかありませんでしたが、  この記事を読んで、  彼らの行き先がわかりました。  武漢の天河空港からサンフランシスコだけで3610人など、  世界の主要空港への渡航者数トップ20を記録したチャートが掲載されています。 

     米・ABCニュースは4月2日、  米商務省の記録と税関国境警備局が収集した関連情報をもとにした調査を発表しました。  2019年12月、  2020年1月、  2月の疫病流行の危機的な時期に、  米国からの中国人到着者数は75万9493人で、  その中には22万8000人以上の米国人が帰国したほか、  ビジネス、  学術、  旅行、  親戚訪問などで中国を訪れた数千人の中国人が含まれています。 

     マサチューセッツ州 ウェイマスの医療事業団サウスショアヘルスの感染症専門家であるシモーネ・ワイルデス博士は、  ABCニュースに「COVID-19を米国に持ち込んだ中国人旅行者の割合を推定するのは難しいが、  多くが旅行に出た時には、  すでに感染していたと推測できる」と語りました。 

     ★1月から3月にかけて、  イタリアや欧米、  イギリスなど8カ国から190万人の感染者が米国に押し寄せた。 

     中国からの旅行者だけが悪いわけではなく、  封鎖される直前の1月から3月にかけて、  中国・武漢から世界各国に向けて出発したのは合計6万人。  2月9日、  英国のサウサンプトン大学の研究者が描いた地図によると、  12月の発生から武漢が完全に封鎖されるまでの間、  500万人のうち6万人が世界各地にに向けて出発したことが明らかになりました。 

      研究者たちは、  携帯電話の追跡データとフライトトラッカーを組み合わせて、  地図を作りました。  武漢からの万にのぼる旅行者が、  いかにして、  中国の他の地域、  そして世界の数十カ国の約380都市にコロナウイルスが蔓延させたかが明らかになった恐ろしい姿をみることができます。 

     サウサンプトン大学は、  早くからこの問題の研究を行い、  武漢から世界への肺炎の広がりは避けられないと指摘していました。  ABC ニュースは、  12 月、  1 月、  2 月に米国に入る 8 つの最悪の被害国からのデータを調査。  イタリアから 34万3402人、  スペインから 41万8848人、  英国から約190 万人の旅行者が来ていました。  イタリア、  スペイン、  英国の流行の明らかな悪化はすべて2 月中旬から下旬に発生したことは、  世界に知られています。 

     ABCニュースが提供したこの情報を見て、  インタビューを受けた米国の感染症専門家は、  皆、  2月2日の中国との空路遮断が遅すぎた、  多くの国からウイルスを運ぶ人々の流入が続いているため、  米国での流行爆発は避けられず、  時間の問題であったことを十分に認識していました。 

     ニューヨーク州のクオモ知事は、  ニューヨークでの流行の深刻さについてについてこう述べています

    :「これらの米国への外国人旅行者のための最初の停止は、  ニューヨークだった」と。 

     彼が言わなかったのは、  これらの人々の多くはニューヨークに親戚がいて、  親戚に合流して伝染病から逃れるために母国から逃れてきたのだということです。  そして、  米国空港での検疫は実は、  形だけの嘘っぱちのようなものでした。  これが、  私は別稿の『内因編:なぜ米国は武装した肺に蹂躙されなければならないのか』の中に書きます。 

     ★SARSの後、  先人たちは予測していた

     SARSは、  今回の2020年武漢肺炎のリハーサル版みたいなものです。  その後、  米国医師会(IOM)は、  感染症の復活する理由を8つ挙げた報告書を発表しています。 

     その1つ目は、  グローバル化に伴い、  人の移動が増え、  感染症が他国に移動するようになったことです。  報告書によると、  人口移動が頻繁に行われることで、  従来の隔離方法が効果を発揮できず、  一国で発生した感染症が他の地域に急速に広がっているというのです。 

     また、  20世紀半ばに人類が感染症に勝利したことで、  人々は麻痺し、  本来の感染症対策のシステムは徐々に衰退。  公衆衛生の関心は循環器疾患や癌などの「現代病」に移りつつあり、  ワクチンの提供が追いつかず、  財政支援も不十分で、  人材育成や公教育も時代遅れで、  万が一流行が発生した場合には大変な事態になるとしています。 

     偶然ではないのが、  米国の国家情報会議(NIC)は、  2004年の「2020年世界展望」の報告書で、  グローバリゼーションの継続を阻止するものは、  「世界的な大規模紛争」の進展だと予測していました。 
     この報告が言及するのは、  2020年には、  世界はますます「アイデンティティ政治」(訳注2)によって影響を受け、  グローバリズムは逆流に出会うとしています。  もし何らかの事情がグローバル化を阻むとすれば、  ある種の致命的な疾患の大規模な流行が、  可能性があるとしています。 

     この報告をまとめたのは、  元外交官でプリンストン大学の学者でもあるロバート・ハッチングス。  ハッチンズ氏は最近のメールで、  このレポートで彼らが主張しようとしているポイントは、  「グローバル化は普遍的な力であるが、  良い結果も悪い結果も伴う」ということだと述べています。 

     武漢肺炎の全世界的流行は、  ついに世界の全ての国家に、  グローバリズムの暗黒版のおそるべき事象を見せつけました。  流行状況が治ったのちには、  20数年にわたったグローバリズムの、  新たな再構成が行われることでしょう。  (終わり)

    訳注1;和平演変とは、  中華人民共和国において、  いわゆる平和的手段によってソ連や東ヨーロッパのように社会主義体制を崩壊させること

    訳注2:社会的に抑圧されているアイデンティティ集団に属する人々が、  アイデンティティに基づく集団の利益を代弁して行う政治活動。  アイデンティティとは、  ジェンダー、  人種、  民族、  先住民、  性的指向、  障害などの、  いわゆる社会的不公正に対する運動。 

    原文は

    中国 何清漣
    中国 何清漣

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    原文は;美国为何必然被武肺攻陷?
    これまでの何清漣さんの論評の、翻訳はこちら

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    中国 何清漣
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