• ★武漢肺炎が「メイド・イン・チャイナ」を危篤状態に  2020年4月13日

    by  • April 13, 2020 • 日文文章 • 0 Comments

     3月8日、  習近平中国国家主席が中共政治局常務委員会で行った講話には、  二つのキーワードが含まれていました。  一つは「ボトムライン思考」(原注:決して、  疫病流行の発生源で流行状況を隠蔽したことは認めない)と、  もう一つは、  対外的な情勢の変化に長期的に直面する必要性でした。 

     外部情勢の変化とは、  私がすでに指摘した国際的な賠償請求と政治上の中国離れの動きの他に、  中国当局が一層気にしているのは、  中国を中心とするグローバル製造業チェーンの外部移転です。  これは中国当局にとって巨大な経済的苦境となるばかりか、  中国の外交上の切り札(原注:外貨準備)を失わせます。 

     ★見通し暗い中国経済の回復能力

     英国放送協会(BBC)はこのほど、  世界的な保険会社FMグローバルの「2019年グローバル・レジリエンス・インデックス」(世界の「復元力」指標)を利用して、  世界130カ国の経済的適性と回復能力を評価し、  その国の政治的安定性、  コーポレート・ガバナンス、  リスク管理、  サプライチェーン、  透明性などの基準で評価しました。 

     評価の結果、  最も回復力指数の高い上位10位はノルウェー、  デンマーク、  スイス、  ドイツ、  フィンランド、  スウェーデン、  ルクセンブルク、  オーストリア、  米国、  英国であった。  最も柔軟性のある国は、  デンマーク、  シンガポール、  米国、  ルワンダ、  ニュージーランドの5カ国です。  回復力の高い国のトップ10も、  柔軟性の高い国のトップ5も、  米国は入っていますが、  中国は抜けています。 

     特に、  米国の回復力は強く、  その世界経済への影響力は、  さらに重要であることに言及しています。  世界のGDPの4分の1近くを占める米国は、  世界経済に重大な影響を与えており、  世界経済の回復は米国経済の状態に大きく左右されます。 

     新型コロナ流行の初期に、  中国に様々な利益関係を持つグローバル投資銀行やIMFのエコノミストの多は、  第2四半期にGDP成長率は約2-3ポイント減少するだろうが、  中国経済は急速な回復すると予測しました。  少し後の3月中旬には、  中国国際金融股份有限公司(CICC)が、  4ポイント低下を予想する報告書を出しました。 

     投資銀行関係者の中には、  中国に利益関係を持つ人が多く、  希望的観測を事実だとしてしまう人がいます。  中でも、  最も「神がかり的」な予測は、  「世界がまもなく『中国の世紀』に突入する」というものでした。  しかし、  今や「中国の世紀」は来ないばかりか、  すっかり影をひそめてしまいました。 

     ★中国が直面しなければならないいくつかの没落

     いくつかの厳しいサインは、  「中国の世紀」という幻が急速に消え失せていることを示しています。 

     ⑴ 中国に頼る国際市場の需要喪失

     武漢肺炎が世界に伝染し、  各国の感染状況と死亡者の数が、  今も急速に増えています。  各国は、  皆、  流行蔓延による自宅待機命令を出し、  社会的隔離を求めており、  経済はほとんど休止状態です。 

     習近平は、  中国で流行が消えたと宣言して、  就業・操業復帰を強行すれば、  中国経済は、  真っ先に復活し、  中国が再び世界の局面を左右できると考えていました。 

     しかし、  結果は、  防疫用品の発注以外の、  あらゆる注文は全て消えてしまいました。  河南省のEHL国際物流プラットフォームは、  最近、  国外の販売が5割減となり、  外国商品の輸入はストップし、  中国商品への注文は激減。  注文は、  ただマスクだけといったありさまなのを発見しました。 

     この発注消滅の詳しい話は、  「外国の発注が次々に取り消し 中国失業率の上昇必至」(VOA,2020年4月2日)と、  「防疫戦争にも新コロナウイルスにも勝利した中国企業が、  欧米の疫病流行で倒れる」(端传媒,2020年04月09日)
     当初、  おバカな”愛国青年”たちが欧米の流行をみて快哉を叫んでいましたが、  彼らは欧米からの発注がなくなった結果、  国内の大量の工場の倒産と、  何万人もの失業が生じることは、  考えていないようです。 

     ⑵ マスクが引き起こした世界各国の安全への懸念

     グローバル化が始まって以来、  世界中の資本の動きの主な要因は、  利益を追い求めることであり、  どこの国ならコストが最低であるかということでした。  資本は利益を追い求めて行きます。  中国の土地、  労働、  物流のコストは徐々に上昇していますが、  相対的な優位性はまだあるとして、  資本はずっと離れることを渋ってきました。 

     しかし、  2020年武漢肺炎の流行では、  中国は、  医療用品の世界的なローエンド製品の中国の絶対的な優位性を占めました。  その上、  流行の初めに、  国家動員して、  マスク、  防護服や他の流行予防用品の世界的に求め歩き、  短期間で供給の優位性の独占、  外交的イニシアチブを握って、  「マスク外交」を展開しました。 
     
     中国製の予防接種製品が基準を満たしていないと各国が批判したことに対し、  外務省の耿双報道官は20日、  「『中国製には毒性がある』と言う人がいるなら、  中国製のマスクを着用するな、  中国製の防護服を着用するな、  してウイルスに感染防止に中国から輸出された呼吸器を使用しするな」と述べました。   

     この「非友好的な国には、  マスクをやらない」という悪漢国家の素顔は、  とうとう世界にはっきりと「価値観の違う無頼漢の国家とは、  経済成長は共存できても、  いったん、  非常事態になったら、  必要な商品を独占して、  私たちの首を絞めにかかるんだ」と気が付かせることになりました。 

     中国は、  新型コロナウイルスの流行中、  アメリカ企業が中国で作ったマスクを、  国外出荷を禁止しただけでなく、  全世界で22億枚のマスクを調達し、  他国のマスク不足を起こさせました。  その結果、  米国や欧州連合(EU)の一部の国では、  公衆衛生や安全性が懸念される製品を、  中国のような国に生産を任せておくことはできないと考えています。 

     米・ハリス・世論調査会社は、  今月3日から5日まで、  2000人近くのアメリカ人を対象に、  経済界が製造業を米国に戻すべきかどうかについての態度を調査しました。  その結果、  86%の回答者が「企業が中国の生産ラインを米国に戻すと約束した場合、  その企業に対する好感度が上がる」と回答しました。 

     4月10日、  ホワイトハウスの経済顧問クドロー氏は、  Forbes.comに、  「米国企業が中国に過度に依存している。  流行後、  このビジネス関係を変えるために何をすべきなのか?」と質問されました。 

     彼は、  工場、  設備、  知財、  構造、  リフォームなどの「引越し費用を、  米国政府が全額負担して、  米国企業に支払うのも一つの方法」と答えました。  このアプローチが実施されれば、  米国の資本は、  大幅に回帰することになるでしょう。 

     ⑶ 外国輸出の深刻な萎縮

     4月1日のロイターの報道によると、  今年最初の2カ月間、  中国のコンテナ・スループットは、  前年比10.6%減、  輸出は17.2%減となりました。  輸出業者や業界アナリストは、  世界の中国製品の需要が急減し、  大勢はその流れにあると警告しました。 

     ロイターは、  市場調査会社IHSマーキットのラフル・カッポー副社長の発言を引用して、  「今後の四半期の貿易成長に対する、  最近の衝撃の深刻さは、  前代未聞になるかもと予測。  経済は停滞しており、  主要国が孤立化政策を全面実施し、  外需は崩壊に直面している」としました。 
     
     ロイターによると、  3月に製造業と物流が持ち直した一方で、  輸出企業は今後数カ月間に再び輸出量の大きな落ち込みが発生する可能性を懸念しています。  ロンドンのケイ・インベストメンツのシニア中国エコノミスト、  ジュリアン・エバンス=プリチャード氏は、  輸出の減少は1年ほど続くだろうと考えています。  プリチャード氏は、  第2四半期には中国の輸出が30%縮小すると予想しています。 

    ★武漢肺炎が「メイド・イン・チャイナ」に危篤通知

     武漢肺炎は世界200の国と地域に広がっており、  世界経済は大損害を被りましょう。  2003年の中国のSARSの流行よりもはるかに高いコストが世界にかかるというのが共通認識です。 

     流行はまだ途上で、  損害見積もりはすぐに過小評価であることが証明されるでしょう。  米国が病気の検査を始めたばかりの頃、  国際連合貿易開発会議(UNCTAD)は、  景気悪化による世界的なコストを十分に見積もることができませんでした。 

     中国の製造業の落ち込みが激しいことは、  国際的な投資銀行業界の基本的なコンセンサスとなっています。  しかし、  次の世界の製造業ハブは誰になるのかについては意見が分かれており、  現在はメキシコが最も有力とされています。 

     3月中旬、  フォーブスのウェブサイトは「Coronavirus Could Be The End Of China As A Global Manufacturing Hub」と題した記事を掲載し、  投資調査会社ブレトン・ウッズ・リサーチの責任者であるシノレリ氏の発言を引用して、  「中国をハブにしたモデル」は「今週死亡した」としています。 

     この記事は「次はメキシコの番だ」とし、  「アメリカの主要貿易相手国としての中国に取って代わる」と主張しています。  Foley & Lardner LLPのレポートによると、  世界的な貿易緊張のために、  メキシコにビジネスを移転する可能性を尋ねると、  回答者の3分の2が数年以内に移転したことがある、  または移転を計画していると答えました。 

     米経営コンサルティング会社カーニーが4月8日に発表した報告書では、  「劇的な逆転」と名付けらています。 

     それによると、  米国の国内製造業は2019年にアジアの輸出企業14社をソデにしました。  その中では、  中国の製造業からの輸出が最も大打撃をこうむりました。  東南アジアやメキシコが、  米国企業の主要な移動先候補です。  30年前にはコスト削減のために米国メーカーは中国に工場を設立するために引っ越しました。 

     米・中貿易戦争が始まったときには、  関税リスクを考慮しなければならず、  武漢肺炎流行後には、  米国メーカーは海外チェーンの組み合わせを再考しなければならないばかりか、  「予測不可能なシステミックショックを予測し、  適応できる回復性」まで、  改めて考慮に入れなければならなくなりました。 

     ブルームバーグは3月31日、  「メイド・イン・チャイナよ、  さようなら、  が世界の趨勢に」(Not Made in China Is Global Tech’s Next Big Trend)という見出しで報じた。  私の考えでは、  この不可逆的な情勢は、  「メイド・イン・チャイナ」の臨終通知である。  (終わり)

     原文は;何清涟:武肺疫祸为“中国制造”开出病危通知书

    中国 何清漣
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    これまでの何清漣さんの論評の、翻訳はこちら

    過去のものはウィンドウズやMacのサファリでは、句読点が中央配置になります。Macのchromeがおすすめです。なお、「拙速」でやってますので誤字、脱字ご勘弁。(電子本の方は校閲して直してあります。多分w) なお、お気付きの点がございましたらお知らせください。ツイッター → @Minya_J。

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