• ★国際的な賠償要求を拒絶し、  「狼の頭目」をめざす中国 2020年4月28日

    by  • April 29, 2020 • 日文文章 • 0 Comments

     今年の2月以来、  全世界は中国の「疫病外交」(戦狼外交とマスク外交)に戸惑いました。  前者は理解できない衝撃を受け、  後者には滑稽で恥知らずだ。 

     多くの国々が損害賠償を口にし始めました。  そして、  まだ疫病流行が及んでいないけれども、  いったん流行に及べば深刻な被害が予想されるアフリカ諸国まで、  巨額の損賠を請求するチャンスだとみています。  西側のメディアは、  中国は、  払うかとかの懸念を記事にしています。  そして、  中国の対外宣伝メディアは、  はっきりと「狼の頭目になっても、  一匹狼にはならない」という国際戦略を明らかにしました。 
     
     ★対外「黒色プロパガンダ」で中国は「紅の一匹狼」

     習近平は、  新型コロナ流行以来、  前後して自国内と国際社会の両面から挑戦を受けるています。 

     国内の挑戦とは、  連続任期です。  湖北省の地方勢力によって、  責任をなすりつけられそうになったことに対しては、  政治的に上位にある権力の優越性をもって抑えつけました。  中共総書記を辞職すべきだと公開状を出した許志永らのプロテスターは、  問題にもせず黙らせればすみました。 

     しかし、  権力層内に広く交友範囲を持つ任志強(訳注:王岐山と友人といわれ、  ブログ読者もという著名企業家)や、  陳平(経済学者、  ネットでも有名人)も転送したと認めた、  就任以来の習近平氏の全面的な統治の失敗を批判し、  習近平氏の辞任を要求するインサイダーが書いた公開書簡については、  背後に香港の「反送中」運動の中央人民政府驻香港特别行政区联络办公室や、  薄熙来、  周永康事件などとも関連付けて相当気にかけています。  習近平にとっては、  「いつも誰かが皇帝の座を狙っている」重荷にとなっています。 

     こうした全て、  この疫病流行によって、  誰かに中共のナンバーワンとしての責任を問われるのではないか?という認識から生まれた外交方針が以下の2点でした。 

    ⑴ 米国に対する「戦狼外交」。  米国に責任をなすりつけ、  世界各国の疫病流行の恨みを米国に向けること、  罪を全部なすりつけられなくとも、  少なくとも事実を混濁させられれば御の字。  (訳注:中国のアクション映画『ウルフ・オブ・ウォー」=中国版「ランボー」の主人公になぞらえた、「過激な外交官による中国の好戦的な外交手法」の意味

     ⑵は他の国家には、  マスク外交を展開し、  中国がマスク製造大国であることを利用して、  全世界の防疫用品を独占していることで、  各国に恩を売りつける。  そして、  もし恩義を表明しない国々には、  大使館を使って、  個別に英語で中国賛美の言葉と感謝を述べるように要求する、  でした。  米国やドイツで、  次々に暴露されています。 

     こうした「疫病外交」戦略を採用し、  米国に責任をなすりつけるのは、  習近平が愚かだからではありません。  これは中国的特色をもつ狡猾な計算の上でのならず者的策略なのです。  2015年の難民の大潮流以来、  西側各国はとっくに弱っており、  米国だけが超大国の地位にとどまっています。  その米国にさえ挑戦できる中国に対して、  英、  仏、  独、  日はもう勝ち目はないだろう、  ということです。 

     「マスク外交」はまったくセコイ計算でした。  中国は他の国の医療物資をすっかり購入した上で、  すべてのマスクや防疫用物資を我が手におさめました。  そこへ疫病流行で、  お前たちは俺様に頼むしかないんだから、  黙って中国批判なぞせず、  褒め称えありがたく思え。  さもなければ、  マスクは売ってやらないぞ、  ということでした。 

     しかし、  計算外だったのは、  マスクや検査キットといった品々は、  長い間研究しなくても材料さえあればどこの国だって作れることです。  その上、  中国の工場のお粗末のせいで、  多くの国々に送られたマスクや検査キットは、  品質に問題がありました。 

     ベトナム、  韓国、  台湾が生産する防疫用品のほうが中国より品質が良く、  しかも、  中国のような条件付きではなく、  通常の貿易で取引できました。  さらに「戦狼外交」によって中国の悪辣さがはっきりとしてしまい、  各国で反発が起き、  「中国と縁を切ろう」(デカップリング)の声が盛り上がり、  賠償要求訴訟も駅伝のように次々に始まっています。 

     ★「一匹狼」か「狼の頭目」か

     中国がずっとお金を雨のように振らせ続けてきたアフリカ諸国も、  ここぞとばかりタカリにかかっています。  アフリカ諸国は、  中国に債務免除を要求し(合計1400億ドル以上)ました。 

     こうした国家は、  国連での代理人たちは、  つぎつぎに最大1.5兆ドルの当座と長期手形を要求しています。  中国の”旧友”のジョン・マグフリ現タンザニア大統領でさえ、  最近、  バガモヨ港拡張のための中国との100億ドル(780億香港ドル)の融資契約の破棄を申し出ています。 

     報道によると、  中国は当初、  バガモヨ港の拡張のための支払いをタンザニアに提供する予定でしたが、  その条件として、  中国に99年間のリースを付与し、  その間タンザニア政府は中国に対して一切の発言権を持たないことでした。  協定は元タンザニア大統領のジャカヤ・キクウェテによって署名されたのです。  しかし、  報道ではマグフリの説明を引用している:”酔っぱらいの男だけがこんなバカな条件を受け入れるだろう”です。 

     報道によると、  2015年に就任して以来、  マグフリ氏は中国との交渉を再開し、  リース期間を99年から33年に短縮し、  中国側が港で関連事業を行うためには、  同国のライセンスを取得しなければならないとしました。  しかし、  マグフリ大統領が提示した期限内に中国側が交渉に応じなかったため、  この合意は取り消されたと発表されていますた。 

     北京は周囲を見渡してみると、  自分が一匹狼になっていた。  これに対して米国を中心に多くの国を集まっています。  オーストラリアは常に中国に対して慎重で、  あえて怒らせない姿勢を貫いてきました。  しかし、  モリソン首相は22日に米独仏の首脳をに電話をかけ、  ウイルスのパンデミックに関する国際的調査をどう進めるかを話し合いました。  北京が「反パンデミック外交」で勝ち取ったとみていた友好国のイタリアも、  対中賠償要求の主張を開始し、  各国に共同署名を求めています。 

     こうして、  中国は、  ことがうまく運んでいないとみてとりました。  中国は、  以前からアメリカの「虎」が病んでいることを認識してましたが、  ”病気のトラ”が立ち上がって、  それに助っ人が多少集まると、  やはり自分では敵わないのでした。 

     それなら、  「一匹狼」よりは、  これまで通りお金で「狼の頭目」の地位を買収し、  アフリカの”兄弟”たちを引き連れて、  米国に楯突くほうがいいや、  ということになったのです。 

     同じくお金を使うなら、  援助の名目でアフリカの支持を買収するより、  「疫病流行損失の賠償」で、  世界各国をなだめても良さそうなものですが、  それはやりません。  その理由は簡単です。 

     一つには、  弱小国を助けるというのは、  聞こえがいい。  その上、  港や軍事基地を開設でき、  全世界的な戦略配置が可能です。  二つ目は、  国連でアフリカの56票(アフリカ連合にはアフリカ全国家が参加)をもって、  国連のいくつかの機関を牛耳れば、  米国を倒すことができますから、  米国をがっかりさせて、  退かせることができるからです。 

     ★外交政策は鄧小平から毛沢東時代へ

     こうした考えから、  中国は急速に、  戦略思考を変更しました。  4月16日、  中国の政府メディアの「環球時報」英文版に「The West feels the challenge of China’s new “war wolf” diplomacy」(「西側諸国は、  中国の新たな『戦狼』外交の挑戦だと受け取る」)を掲載しました。  「中国を従順な立場に置けた時代は終わった」と。  中国の世界での地位が向上し、  疑問の余地なく、  はっきりと自国利益を擁護しなければならない、  というものです。  つまるところ、  「中国が『戦狼』だと言われるのは、  中国と西側諸国の実力の変化なのだ」と言いました。 

     この記事は、  西側メディアの注目を集め、  BBCは4月24日に、  CNNのドイツ・ベルリンのモカト中国研究所のマレイケ・オルバーグ研究員が2019年に発表したCNNのコメントを引用し、  こう述べています。 

     ;中国がツイッターに『戦争オオカミ精神』を持ち込むのは長期的な戦略だ」「中国共産党は中国をはじめとする中国共産党の関心事をめぐる世界的な議論を変え、  世界の世論を中共の立場に近づけようとしている。  その狙いは、  徐々に対話を変化させ、  中共側からの”物語”の影響力を強化しようというものだ」と。 

     北京に拠点を置く対外宣伝メディアの「多次元ニュースネット」は、  「戦争狼外交 が再度ヒートアップ、  中国は一匹狼になるより狼の頭目になる」を掲載し、  特に上記2つの発言は中国の外交政策の変化を十分に理解していないと指摘。 

     「中国や西側のメディアは中国の『戦狼』スタイル外交に戻ったと論じている。  しかし、  それは『戦狼』という言葉だけ一致しているが、  内容が違う。  中国が本当に一匹狼なら、  中国は、  孤立して群れを追い出される危険でずるい一匹狼になるよりは、  狼の群れの中心たる頭目の狼になろうとするだろう。  」

    中国 何清漣

    これまでの何清漣さんの論評の、翻訳はこちら

    過去のものはウィンドウズやMacのサファリでは、句読点が中央配置になります。Macのchromeがおすすめです。なお、「拙速」でやってますので誤字、脱字ご勘弁。(電子本の方は校閲して直してあります。多分w) なお、お気付きの点がございましたらお知らせください。ツイッター → @Minya_J。

    中国 何清漣

    中国2018 中国2017 中国2016 中国2015

     この「狼の頭目」と言うのは、  実は毛沢東時代の「世界革命の領袖」の意味です。  かつてジャングルで毛沢東選集に学んでゲリラ戦を展開した『反帝反植民地民族独立』の大業を成し遂げた革命家は、  現在みな独裁者になって、  各国社会底辺層の打倒目標になっています。 

     中国が鄧小平の「韜光養晦」(自らの力を隠し蓄える)路線から、  毛沢東時代の世界革命のリーダーになる戦略に回帰することは、  西側世界には大変、  心地よくないものであり、  見たくないものです。 

     私の見るところ、  「狼の領袖」になることは、  ずっと習近平政権の目標でした。  ただ、  時間が数年、  繰り上がっただけです。  もし今回の疫病流行がなければ、  習近平は、  まず任期連続問題を先に片付けてから、  適当な時期にその「狼の領袖となる」国際戦略を明らかにしたでしょう。 

     中国は、  ずっとアフリカを重要な「戦略資産」とするマネジメントを行なってきた。  中国の多くの資源はアフリカに依存しているし、  米国と全世界でタイマンをはるためには、  国連でも「小さな兄弟」たちの応援の旗と声援が必要だし、  さらに軍事基地、  港湾への遠謀もあった。 

     ここ数年、  中国政府は、  エネルギー、  鉱物資源の安全を考えて、  海外投資をしてきたが、  アフリカはその筆頭投資先でした。 

     こうした数々のことから、  今回のアフリカでの流行爆発のチャンスに、  ライオンたちが大きな口を開けても、  中国はじっと我慢するだろう。  「中華の物量の力で、  アフリカの歓心を固める」というのが「狼の頭目になっても、  一匹狼となって孤立などするもんか」という戦略的考え方なのです。  (終わり)

    原文は;拒绝国际索赔 中国要做“头狼”

    これまでの何清漣さんの論評の、翻訳はこちら

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