• ★世界各国の中国依存⑴ そう簡単には止まらない 2020年5月7日

    by  • May 7, 2020 • 日文文章 • 0 Comments

     この度の武漢肺炎は世界中に巨大な災難となって、  西側諸国は、  中国への経済依存を反省せざるをえなくなり、  対中依存度を下げるべきだとの声が聞こえ始めています。  しかし、  豪州のモリソン首相が、  国際社会に中国に独立調査団を送り込むように呼びかけたところ、  中国の成競業・駐豪州大使から、  「中国の消費者は豪州製品を買わなくなり、  両国貿易関係や留学生、  観光旅行に影響を与えるぞ」とあからさまな脅迫を受けました。 

     一体、  中国のこの高飛車な態度と自信のほどは、  どこから来るのでしょうか? それには二つあって、  一つは、  中国は各国が中国経済依存せざるをえないと見ていることと、  もう一つは、  「回転ドア」を通って、  政界と経済界を往来している各国の多くの指導者をコントロールできると思っているからです。  ここで、  上下2回に分けて、  各国の対中経済依存の現状と、  中国がいかにしてこの種の経済依存を、  政治的コントロールに利用しているかを見ていきます。 

     ★各国の対中国経済依存

     「グローバリゼーションバージョン1.0」では、  中国は確かに、  その中心となっりました。 

    1、  外資系企業の累計設立数が100万社を超え、  発展途上国の中で最大の外資導入国となった。 

    2、  世界最大の輸出国であり、  世界第2位の輸入国となった(2019年初頭のデータ)。 

    3、  世界の資源国の中で最大の買い手であり、  確かに中心国となった。 

    特に、  米国のシェールオイルが、  世界の石油供給パターンを変えた後、  ロシア、  中東、  他の産油国は、  争って中国に取り入ろうとしました。  新型コロナ流行病の後、  石油価格が急落したため、  中国は、  石油の発注によって “王様 “になりました。  北京は多くの国々の中国依存を利用して、  貿易と政治上の中国服従との交換に成功したのでした。 

     この点に関して、  中国は隠そうとはしませんし、  大いに自慢しています。  2019年、  国内メディアは経済的に中国に依存している国を東から西へ、  南から北へと細かく数え上げていますが、  実にたくさんあります。  世界200カ国以上のうち、  そのベスト5といえば、  豪州、  チリ、  韓国、  ブラジル、  日本です。 

     経済的に対中依存度が最も高いのは豪州です。  2017年の輸出総額は2307億米ドル、  そのうち対中国向けが761億ドルで、  約33%を占めます。  品目は鉱産物、  貴金属と製品、  動物性の産品などです。  中国は、  米・中貿易戦争を経た今も、  依然として豪州の経済成長のエンジンであり、  最大の貿易相手国で、  中国との貿易は豪州の輸出入の24%を占めます。 

     韓国は対中依存第3位です。  2017年、  韓国の輸出総額は5737億米ドルで、  そのうち対中輸出は1421億ドルで約25%。  品目は機械と電力設備、  化学、  光学製品、  医療設備などです。  依存度は米・中貿易戦後、  ちょっと下がって、  2019年、  中国、  米国、  ベトナムが韓国の輸出先のベスト3で、  この3国への輸出額は1362億、  733.4億ドル、  481.8億ドルで、  韓国の輸出総額の25.1%、  13.5%、  8.9%でした。  同時に、  2009年から2018年の10年間、  中国大陸は、  韓国の対外貿易の最大の黒字の元でしたが、  2019年には米・中貿易戦争の影響で、  対中貿易黒字は289.94億ドルで、  香港との黒字額301.39億ドルを下回り、  香港に次ぐ2位になっています。 

     日本は対中依存度第5位です。  2017年の日本の輸出総額は6983億ドルで、  対中輸出額は1328億ドルで、  19%を閉めました。  主な輸出品は、  機械と電力設備、  運輸設備、  非鉄金属と製品です。  米・中貿易戦争の影響で、  2019年の対中輸出は7.6%減少し14.68兆円に減っています。 

     ★ドイツ工業は中国に高度に依存

     ドイツは「欧州経済の機関車」と言われていますが、  この機関車の対中依存度は、  相当なもので、  中国を「世界経済発展のエンジン」とみなすほどで、  ほとんど「中国が風邪をひくと、  ドイツ経済がくしゃみをする」ぐらいです。 

     中国はドイツにとって米国、  フランスに次ぐ第3位の輸出市場であり、  2018年現在までのところ、  ドイツの対中輸出は過去10年でそれぞれ450%、  20年で1500%の成長を遂げている。  フランクフルト株式市場DAX30のドイツ多国籍企業の在中国各種企業は700社にのぼり、  中国での販売額は2000億ユーロを超え、  これらの企業の全世界での売り上げの15%を占めます。 

     ドイツの3大自動車産業の中国依存度はとりわけ高く、  フォルクスワーゲン、  BMW、  ベンツは、  各37.3%、  24.2%、  23.2%を中国で販売しています。  中国が対米措置として打ち出した米国産自動車に対する25%関税措置によって、  最も大きな打撃を受けたのはドイツ自動車産業です。  というのはBMWとベンツは、  毎年、  相当な高級車を中国に輸出販売しているからです。  上述の措置が実施されれば、  両社の関税は14億ユーロになります。  報道は、  中国経済が低迷すれば、  ドイツ経済も道連れになると見ています。 

     2019年、  中国の自動車市場で20数年以来、  初めて販売が減少しました。  メルケルは米国の対中貿易戦争に強く反対した理由は、  中国というのこの「世界経済のエンジン」が打撃を受ければ、  ドイツという「欧州経済の機関車」に必ず影響が及ぶからでした。  ドイツメディアの論評の多くも、  ちゃんと分かっていて、  「ドイツの声」は2019年8月1日に「まずApple社、  そしてワーゲン」と題する記事で、 

    :「中国はドイツ経済の興奮剤だ。  長年、  麻薬を打ってきたが、  次第に量が増えて、  現在ではやめられないまま、  苦い結果を味わう羽目になった。  自動車製造業は、  中国市場の成長鈍化の試練を受ける企業になるだろう。  中国は危機とまではいえないほどの、  景気の踊り場にさしかかっただけだとしても、  ドイツ企業には巨大な圧力になる。  中国市場に頼りすぎていたのだ。  これは正さねばならない過ちである。  中国依存を減らし、  安全度を増やすべきだ。  これはドイツの自動車業界だけでなく、  ドイツ経済界全体に言えることだ」と書きました。 

     しかし、  依存を否定するのは簡単ですが、  ドイツ政府の不安は拭えません。  2019年のドイツ経済成長率はわずか0.6%で、  ドイツは経済縮小の危険な匂いを嗅ぎ分けるだけでなく、  ユーロ圏も経済縮小の心配一色です。 

     5月4日、  ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、  ユーロ圏のGDPが2019年最後の3ヶ月間と比較して3.8%減少したと分析する記事を掲載しました。  ユーロ圏経済は年率換算で14.4%の縮小となり、  同期間の米国経済の4.8%の縮小を大きく上回りました。  これは平和な時代では前例のないことです。 

     ★中国への経済依存度を下げることの難しさとは?

     製造業の弱体化が実体経済を空洞化させた結果、  西側にもたらされた苦境をいち早く実感したのがアメリカでした。  トランプ大統領は、  2016年の大統領選挙でまずこのスローガンを提起しました。 

     自分が政権につけば、  企業に多くの優遇措置となる減税を通じて、  製造業の回帰を促す、  と。  しかし、  米国政治は激烈な党争になって、  企業は未来へそれほど自信を持てず、  多くの資本は米国に戻った場合でも、  実体を伴わず、  株式市場でも、  ウオール街の投資銀行を通じて、  中国債券を購入しています。 

     アメリカの研究開発力は本当に強力で、  例えば今回は武漢肺炎ウイルスの核酸の検出では、  装置を第6世代にまでアップグレードし、  一代ごとにより微細で信頼性の高いものになっています。  しかし、  製造業の米国回帰には、  自国が強大な基盤を持っていなければなりません。  ただ研究開発能力だけではなく、  生産能力が必要です。 

     米メドトロニック社は今回、  人工呼吸器の知的財産権を完全に公開し、  中国など他国に製造を任せることにしました。  その理由は流行が急務であること、  アメリカ人は知的財産を持っているが人工呼吸器を生産できなかったのです。 

     というのは、  人工呼吸器の部品は最終組立を含めて1400以上の部品が必要で、  そのうち1100以上の部品が中国製だったからでした。  これが米国の現在の課題です。 

     ハイテクがあっても生産能力がなければ、  中国の生産に頼らざるをえないのです。  この点がまさにグローバリズムの出発点でした。  比較コスト理論によると、  製品の構成要素を分解し、  先進国は研究開発能力を受け持ち、  製造の方は、  人的資本が安価な発展途上国に行くのです。   

     武漢肺炎は、  グローバリズムが基盤とする、  コストの比較の上になりたつこうした生産チェーン構想を覆しました。  疫病予防用品や呼吸器の生産をマスターした中国が世界に対して得意満面の態度を取り、  各国は自国の産業の空洞化の深刻な結果に気づき、  基礎医療品の自国生産への回帰を考えるようになりました。 

     しかし、  そうなると、  生産に必要なプロの技術者や熟練した労働力、  そしてアメリカの高額な人件費を考えなければなりません。  産業連鎖が失われた後、  米国では脱工業化が始まり、  技術者を育てる土壌が不足していました。 

     例えば、  Apple社は、  その肝心要の仕事は依然として米国のエンジニアが担っています。  しかし、  そうした人材は米国ではますますたりませんから、  Apple社は絶えず、  「古い熟練職人」を招聘し続けなければならないのです。 

     2017年、  アップル社のトップだったティモシー・ドナルド・クックは「米国では米国では、  金型エンジニアの会議を開いても部屋いっぱい集められるかどうか分からない。  しかし、  中国では、  そのような技術者は、  いくつもののサッカー場を埋めることができる」と言いました。 

     この言葉は、  中国が技術者をたくさん生み出したことへの賛辞として見られているますが、  それは、  アメリカが失ったものを端的に表現してもいるのです。  オバマ氏が関わったドキュメンタリー映画「アメリカン・ファクトリー」は、  アメリカの製造業衰退の大きな原因の一つである人件費問題をよく表しています。 

     10年以上前から、  中国は各国の経済的な対中依存を、  政治的な脅迫に変えてきました。  しかし、  経済界と政府では、  そうした恐喝に対して受け取り方が違いますから行動も違ってくるのです。 

     新型コロナによる疫病は中国依存の潜在的な危険性を、  各国政府に認識さました。  しかし、  だからと言って、  経済界にも協力させようというのには、  現実的に難しいことがまだまだ多いのです。  (終わり)

     原文は:何清涟:各国经济依赖中国,有如嗑药上瘾(1)

    ★世界各国の中国依存 ⑵「経済」恐喝にひれ伏した韓国、豪州 5月11日 世界各国の中国依存⑶ 腰抜け欧州連合、 米単独では如何とも… 2020年5月12日
    これまでの何清漣さんの論評の、翻訳はこちら

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