• ★中国が米国経済を失うと…良き日々は戻らない  2020年5月24日

    by  • May 29, 2020 • 日文文章 • 0 Comments

     最近、  ホワイトハウスは「対中国戦略アプローチ」(United States Strategic Approach to The People’s Republic of China)を発表しました。  これは対中国の経済政策に対する対中戦略レポートで、  軍事の発展、  フェイク情報のバラマキや人権侵害行為など多くの分野での全面的な評価と批判であり、  過去数十年間の対中関与政策の失敗を認め、  戦略を変更し、  経済、  軍事、  政治など多くの分野での中国の拡大を抑制するために、  中国政府に圧力を強める方法を採用することを決定したものです。 

     この状況は誰の不利益になるのでしょうか? もちろん中国であって、  これは明らかな現実です。  実際、  米国のキッシンジャー元国務長官時代から後の「関与、  協力、  影響、  変化」というアプローチと、  クリントン元大統領以降の何人もの米国大統領が、  中国を「経済的パートナー」から「戦略的パートナー」に昇格させ、  さらには「重要」という修飾語までかぶせて、  米国の大門を開いて中国を出入りさせた努力なしでは、  中国が世界第二位の経済大国になることはなかったでしょう。 

     ★世界の依存を誇る中国は、  自分が誰に依存しているかを忘れている

     「各国経済の中国依存」については、  私はこれまでに「各国経済の中国依存」3編を書いて、  中国が世界各国が、  自国経済に高度に依存し、  それを利用して政治的な圧力に変えることに成功しているが、  中国人んが、  実は高度に対外的に資源を依存していることを忘れていることを指摘しました。 

     中国は多くの国々から鉱産物、  農産物、  工業製品購入の最大の買い手であり、  アフリカ諸国への最大の投資国であり、  例えば世界保健機関(WHO)に膨大な米ドルをばらまいているように、  至る所で気前よく金を使っていますが、  こうした豪奢な振る舞いは、  全て、  巨額の外貨準備高からきています。 

     もし、  巨大な米・中貿易の黒字がなく、  川を渡る鮒の群れのようにドルを満載した米国資本がやってこなければ、  この外貨準備高はこれほど膨大なものにはなりませんでした。  お気に召さなければ、  下の数字をごらんなさい。 

     多くの人々が外貨準備高というのは中国政府の資産か中国人民の財産だと思っています。  しかし、  いわゆる外貨準備高というのは、  一銭と雖も、  それに対応する負債があるです。  中国中央銀行が、  外国為替コントロールを通じて、  外国貿易企業や在中の外国資本や各種の米ドル貯蓄から「借りて」きたものなのです。 

     中国の対外貿易の黒字は、  主に米・中貿易(米・中貿易戦争以前なら90%だったことを覚えておきましょう)でした。  米国資本も在中投資リストのナンバーワンの外資で、  国際社会ではこの新型コロナの流行が収まれば、  「中国離れ」が起こると予想しています。  ただそれは主に米国のことで、  その他の国々はそれに付いて行かざるをえないのです。  主観的な願望で言えば、  中国に高度に経済依存している国で、  自分から中国との関係を切りたいと思っている国はありません。  ドイツは今も、  中国との関係を維持しようと努力しています。  自動車産業のためです。 

     改革開放後の育成の努力で、  中国政府の中にも当然、  人材は山ほどいます。  しかし、  上述の明白な事実を、  誰も「現皇帝」にあえて奏上しようという人はいません。 

     思い起こせば2017年4月6日に、  米・中両国の元首がフロリダで階段した時、  習近平皇帝の口から出た「中・米関係をうまくやっていくのには1000もの理由がある」という言葉は、  中共の国内宣伝部によって国中で朗唱され、  歌われたものです。  しかし、  その舌の根も乾かぬうちに、  全てを犠牲にしても米国は敵だ、  となってしまいました。  中国のかの3兆ドルの外貨準備の主な起源は米国なのだということは、  すっかり忘れ去られてしまったのです。 

     ★数字が物語る中国の対米依存

     中国の経済的な対米依存の大きなものは、  技術、  金融システム、  貿易黒字です。  技術依存に関しては山ほど書けるのですが、  ここでは一例だけあげておきますと、  「海外ハイレベル人材招致・千人計画」のネット技術の窃盗者の90%以上が米国の大学研究機関にいました。 

     金融システムへの依存では、  中国は人民元国際化をはかって別の「かまど」を立てようとしていますが、  国際通貨基金(IMF)の5大準備通貨になってから、  人民元の国際社会での影響力は逆に下がっています。  (これについては、  各国貿易の決算にしようされた人民元データと各国互換通過データの変化に書きました)。  ここでは中国の膨大な貿易黒字がどこから生じているかだけ見て見ましょう。 

     中国の対米貿易黒字は長年、  膨大な額になっています。  米中貿易戦争が始まる前の2017年の中国の対米貿易黒字は、  2,758億ドルにとどまっていました。 

     しかし、  2018年3月に貿易戦争が始まると、  中国の対米貿易黒字は減少するどころか増加しました。  2019年6月、  米国は、  2018年の米国の世界貿易赤字が1.7%減少して6,168億ドルとなり、  2013年以来初めて減少したというデータを発表しました。 

     しかし、  米国の対中貿易赤字だけでも4300億ドル近く、  米国の対外貿易赤字総額の67%以上を占めています。  中国側から見ると、  その対外貿易黒字は2兆9,200億元で、  中央銀行が発表した年間平均為替レート1ドル=6.89元で換算すると4,236億ドルとなります。  つまり、  中国の対外貿易黒字は、  米国以外の国々との貿易では40億ドルに満たない哀れな金額です。  それ以外は、  いまだに主に米国からもたらされているのです。 

     2018年の両国の貿易データには、  まだ論争があります。  米国がデータを公表した後、  この膨大な中国の貿易黒字額で米国を刺激しないために、  中国商務部部長兼国債貿易交渉の副代表である王受文は、  「米国の対中防衛か家事hあたった1500億ドルちょっとで、  4100億ドルではない(原文がこう。  故意に100億ドル少ない額になっている)、  米国は中国貿易の赤字を誇大に述べている」と言いました。  米国側は翌日、  これに反論して、  再度、  データを確認しています。 

     この違いはどこから生まれたのでしょうか?もともと米国の計算には、  中国が香港や台湾、  東南アジアやその他の国々のレッテルを貼って「生産」した後、  迂回して米国に「中国製造」(メイド・イン・チャイナ)を送り込んでいるのを計算に入れていました。  長年の中国とのお付き合いで、  米国も少しお利口になったのです。  中国はただ自国から直接、  米国に輸出した数を「中国製造」だと計算していました。 

     この黒字の争いはさておくとして、  中国経済の対米依存度がどれほどのものかを概念としてつかんでおきましょう。  中国が1500億ドルといい、  米国が4200億ドルと言いますから、  その差は2700億ドルの巨額になります。  これがどれほどのものかというと、  2019年のフィンランドのGDP総額が約2700億ドルで、  米国と日本の貿易総額が2180億ドルです。 

     ★頼みの米国を失い中国の経済衰退が見え始めている

     米中貿易戦争が始まって2年以上が経ち、  中国経済が衰退しているのは事実です。 

     ⑴ 外貨準備高が減り、  警戒ラインぎりぎりに

     なぜ中国が特に外貨準備を気にするのかということは、  私は2016年に「中国の経済要塞戦争:「外貨準備を守る」で書きました。  中国は米国との貿易黒字に頼って為替収支を均衡させてきましたが、  米・中貿易戦争がエスカレートする中、  対米輸出が落ち始めたのです。  外貨不足になるかどうか、  国際金融界や国内の中間層が非常に気になる問題となっています。  国際金融界は、  中国の現在の3兆ドルの外貨準備高は、  国際収支の均衡を維持するための警告ラインであり、  外貨準備高が警告ラインを下回れば、  外貨不足に陥ると考えています。 

     一般の人は、  外貨準備高3兆ドルという巨大な数字を見て、  中国には為替面での心配はないと思っています。  実際には、  巨大な外貨準備高は、  5〜6分の1は、  別の持ち主がいるので、  一時借用は可能ですが、  自由に長い間使うことはできません。  詳しくは、  程暁農の記事「人民元切り下げの裏にあるもの:中国外貨準備の謎」(AOC、  2019年12月8日)をご覧ください。 

     では、  中国の外貨準備高が3.1兆ドル程度に留まっていられるのはどうしてなのでしょうか?

      中国が総外貨準備高を維持するために、  外国の投資機関を引きつけて金利を上げて中国債を買う仕掛けを思いついたからです。  トランプ氏がホワイトハウスを引き継いだ後、  米国の資本は約1兆ドルを逆流しました。  しかし、  米国では党派の争いが激しいく、  民主党は様々な理由で大統領を弾劾しようとし紙ました。  資本の約5000億ドルは、  株式市場や債券市場をさまよい、  多くは中国の債券市場に投資し、  産業界に投資しなかったのです。 

     中国の公式データによると、  2019年12月末時点で、  外国機関が保有する人民元債の規模は2兆1877億元に達しており、  中国の外貨準備高と対外投資の3000億ドル以上がこのような債券に属していたことになります。 

     ⑵ 対外投資の勢いが弱まっている

     ロイターが、  ドイツの公式データを引用したところによると、  中国は昨年、  ドイツの対外投資ランキングでトップ3から転落し、  米、  英、  スイスの次になりました。  これは10年以上なかったことです。  米・中関係全国協議会と米経済コンサルティング会社ロンディングループは11日、  中国の対米投資の下降傾向は、  新型コロナウイルスの流行よりもずっと前から始まっていたとする報告書を発表しました。 

     中国の在米企業の直接投資は毎四半期平均で20億ドルでしたが、  2020年の第一四半期は、  中国の対米直接投資は、  すでに停止しており、  たった2億ドルでした。 

     しかし、  米国企業は、  2020年第1四半期に中国で23億ドルの投資プロジェクトを発表し、  2019年の四半期平均を少し下回る程度でした。  私はツイッターで、  中国のドイツと米国における投資の減少は、  実際は外貨準備高の縮小から起こっていると書いておきました。 

    ⑶ 主要9カ国による通貨スワップ協定から人民元が追い出された

     武漢肺炎の世界的流行によって、  各国が「鎖国」したために、  実体経済分野で「壁」が作られましたが、  この実体経済の「脱グローバル化」現象は、  逆に米ドルに対する強烈な要求を生み出し、  「ドル欠乏」となりました。 

     このため、  米国と韓国、  オーストラリア、  ブラジル、  メキシコ、  シンガポール、  スウェーデンなどの中央銀行が3月19日に600億ドル規模の通貨スワップ協定を締結し、  デンマーク、  ノルウェー、  ニュージーランドの中央銀行がそれぞれ300億ドル規模の通貨スワップ協定を締結したのです。  期間は2020年9月19日までの半年間以上。  IMFの世界基軸通貨トップ5である人民元は、  単にこのような協定に入っていません。 

     もちろん中国も危険を嗅ぎつけており、  中国の中央銀行は、  4月下旬にデジタル通貨(DCEP)を立ち上げ、  ドルの覇権に挑戦する世界初の主権を持つデジタル通貨だと主張したました。  しかし、  世界金融システムの覇権者である米国の後ろ盾がなければ、  デジタル通貨は中国の独りよがりです。 

     トランプ大統領はかつて「アメリカは中国を再建したのだ」と発言したことがあり、  中国は納得できずにあれこれと反論していました。  しかし、  落ち着いて歴史を見れば、  米国の対中姿勢は確かに中国が発展するチャンスを左右してきたのです。  そして、  多くの発展のチャンスが、  中国の国際的地位を決定しました。 

     1949年8月の米国国務省の発表した「米国と中国の関係」白書は、  米国が中国で犯した失敗を深刻に反省しており、  このため、  中国は米国が主導する国際体系の外で「自力更生」の20数年を過ごすことになり、  毛沢東ですら「中国は一に貧しく、  二に何もなく、  飯をくうのも大変だ」と認めました。 

     米・中国交回復後に、  中国はようやく、  国際システムに次第に導かれ、  ようやく今日の経済的成功を得たのでした。 

     中国当局の間違いは、  情勢を見誤り、  鄧小平の「韜晦して.才能を隠して外に現わさない」方針を捨てさり、  米国と雌雄を争おうと思ったことです。 

     2年にわたる次第にエスカレートした米・中摩擦において、  米国は中国に肩を貸すのをやめました。  中国はこの支えを失ったあとも、  まったく事実を認めようとせず、  とうとう経済の冬の季節を迎えることになったのです。  (終わり)

     原文は;何清涟:中国失去对美经济依赖 风光难再 https://www.epochtimes.com/gb/20/5/23/n12131738.htm

    これまでの何清漣さんの論評の、翻訳はこちら

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