何清漣 @HeQinglian 氏 全文日本語概訳/Minya_J Takeuchi
2014年03月24日 http://twishort.com/wlbfc
「両岸サービス業貿易協議」の協定は、去年台湾の友人に詳細な内容を一部読んでくれと言われて読みましたが、これは中国と台湾が一体化するための最後の巨大な舗装石でこれができると『平和統一』は自ずから完成します。まず中台サービス貿易協定の問題をみます。
《協定の問題は双方の制度の相違から》
この協定の条項はおおむね双方が多くの領域で相互に開放しあって台湾は大陸資本の進出を、大陸もまた台湾資本の同様な領域への投資を許可するというものです。投資の形式に合資か独自資本だけかで具体的な株式の規定があるだけです。
真の問題は協定の外にあります。
つまり両方の政治社会体制が異なることです。台湾はすでに民主化され自由市場制度が行われており、業界に各種の政治的制限はありません。しかし中国は違います。政府の管制下で市場経済は半ば行政が干渉します。この種の体制の国家がいかなる民主国家と交流するにしても、この制度上の違いを利用して利益を簡単に得る事ができます。以下、先例をあげて説明しましょう。
メディアで言えば、2001年中国がWTOに加入してから、数年内に次第に開放するといいました。このあと中国は海外で自由に「対外宣伝」を計画し、新華社の各国語メディアは欧米や全世界に相次いで支局を設置し英文メディアを買収し、各種の対外宣伝刊行物は雨後のタケノコのように産まれましたあ。米国を例にすればいわゆる中共管制下のメディア(ネットも)は自由に米国の一切を批判でき、政治から外交、経済社会とりわけ中米関係の論評はほとんど新華社や「環球時報」の翻訳版です。外国のメディアは中国で同様の待遇を得られるどころか反対に厳しいコントロール下に置かれます。中国高層指導部と政府は多くの文書で何度も、外国政治系のメディアは中国にはいることを許さないと述べています。
中国に入国できた記者でもその報道は各種の干渉をうけ、毎年一度のビザ発行の制度は外国人記者に報道を自己規制させる重要な手段です。多くの記者は中国政府が喜ばない報道をしたあとビザを停止させらえています。例えばロイターのPaul Mooneyは中国報道記者のキャリアをストップさせられました。
2013年12月NYタイムズとブルムバーグニュースは中国高官家族の腐敗を報道したため、数十名の記者のビザ発給が困難になったのは一例です。ブルムバーグ社の社長は公開で、今後中国の商業経済以外の報道はしないと発表しました。
独裁専制国家と民主国家の制度の違いが生む結果はつまり、「あんたの国に入ったら俺は一切自由にできるが、あんたが俺の国にきてもおれは独裁の権限で自由にはさせないよ」、ということです。協定が直面する問題は、実はその他の民主国家すべてが直面する同じ問題でもあるのです。しかし台湾と中国は特別な、複雑な関係があるため、台湾はルールを修正する能力がほとんどありません。
《この協定は大陸が台湾を併呑できるようにさせる》
昨年12月、以前、印刷業の開放等の問題で何度か相談された台湾の友人の依頼でこの協定ちょっと研究してみました。
協定の中には「台湾は中国の印刷及びその関連補助の業務に対応し北京側も台湾資本が大陸で合資、合作企業が出版や他の印刷業務に携わることを許可する。大陸側は投資は株の過半数をもつか主導的な立場とする、という項目があります。ちょっと目には大陸は台湾で独立投資ができ、台湾側は大陸で合資か、株の保有で不利な地位に置かれるだけのようにみえます。しかし本当の重要な部分はここではありません。台湾と大陸の印刷業にたいする位置づけと管理方式は完全に違います。
台湾は民主社会で印刷業は純粋に商工業として管理されます。大陸は専制国家ですから、社会、思想、イデオロギー統制です。各種の印刷品は、新聞や雑誌、書籍、写真、カレンダー、アルバム、音楽cd、電子出版物のカバーにいたるまですべてイデオロギー関連とされ審査の対象になります。印刷業はこうして国家の安全とイデオロギー宣伝の特殊領域に関係する者と見なされて、新聞出版総局の管理下に置かれ、同時に公安局に記録を報告せねばなりません。
「印刷業管理条例」(国務院令第315号)8条3項は「国家関連規定により出版物印刷は公安部門に申請の上許可をえて特殊業務許可を得るべし」とあります。ですから新聞、雑誌、書籍、ポスター等の印刷物は必然的に政治との関わりを免れず国内印刷業は国営、民営、外資に分けられ、これらの企業が印刷経営の種類によって申請時に規定に照らして免許があり転売することや売却する事はできません。「印刷管理条例」の第十五条は純粋な政治規定です。
「出版、印刷経営活動の企業は国家の禁止する出版物や出版団体の出版物以外を印刷してはならない」とあります。どんな本を出すにも出版社は自己検討して、上級機構に図書番号と印刷許可を申請するとき、その出版社の所在地である省や自治区、直轄市の新聞出版局の許可が必要で出版許可をもらわねばならず、つまり政治的審査を経なければ成らないということです。15条のいわゆる「国家があきらかに定めた」というのはきわめて広汎な曖昧な規定で、例えば国家安全に危害があるとか、政府に反対するとか、党と国家指導者と家族に関するとか台湾政策とか、対外政策、文革関連、半右派など何度もの政治的運動が含まれます。民権活動家の本は死後も許されません。以上の禁令はすべてずっと内部文書や電送、電話など口頭で不断に下達され廃止されていません。役人の退職後の回顧録も規定があり特別許可が要ります。
これは「李鵬日記」が香港でも出版出来なかった原因です。前中共政治局員で北京市委員会書記の陳希同(判決後入獄)は生命危篤だったためこの禁令を無視して、出獄後から死ぬまでの日記を香港で出版しました。政治の制限以外にもまだ大きな問題があります。それは台湾の人々、学者もまた気がつかないようですが、台湾の印刷業界の力ははるかに大陸中国に及びません。中国の印刷業は2010年代間近の十年で統合され多くの非常に実力のある大型国営企業です。
技術力からいっても資本規模からいっても台湾企業とくらべて競争力がないなどということはありません。ですからこの協定の中野印刷条項の結果、大陸資本がどっと台湾の印刷業界にながれこみ台湾の前印刷業界は大陸の政治の道具になってしまいます。これはごく少数の商人が中国で小銭を稼ぐなどということに比して、その利害は明白です。
《中台一体化の道の最後の仕上げの敷石》
台湾の協定反対運動は3月18日から始まり今も継続中です。私は台湾の青年達の勇気を高く評価しますが、台湾の運命もまたわかっています。長年来の大陸との多層的な相互の動きの中ですでにその運命は決まっていました。その方向をみるとこの協定は、「ゆでカエル」過程の最後のひと跳びです。国民党は民進党との戦いの中で共産党に擦り寄り、北京に従属する道をえらびました。。
大陸の台湾メディアに対する共産勢力の浸透も大変深刻です。 経済的には、台湾の産業はとっくに大陸に移っており、そのGDPは広い意味では7割が大陸と関係します。今や台湾経済は空洞化しており、青年達の失業減少は日々深刻になっています。この協定が一旦サインされたら、台湾経済は大陸資本に支配されます。今や台湾経済は空洞化しており、青年達の失業減少は日々深刻になっています。この協定が一旦サインされたら、台湾経済は大陸資本に支配されます。
台湾のベテラン報道人の胡忠信の言い方では「今回、学生が第一線に断ったのはこの協定が八k店となた。この協定は弱者や低所得者層や若い人には「自分達の未来が売り渡された」と受け取られている。だから彼らは立ち上がったのだ」ということです。
香港の大陸化の悪運について香港人はすでに痛切な総括をしています。李怡は「香港はかって台湾人の羨むモデルだった。いまや台湾の「前車の覆るは後車の戒め」の前車におちぶれた」と語っています。
中国がマジメに一国両制度をやらないというコト以外にも、最も肝心なことは多くの香港人が香港を自分の郷土として愛着をもたず、ただ金儲けをしたり政治経済的利益を得ようとして、経済利益を犠牲にしてまで公の正義を守ろうとはしなかったことです。
台湾の青年達はこれをいささか分かり始めています。ツィッター上に「オヤジ達が革命をしてオヤジ達投票権を持った。オヤジ達が無茶な投票すれば、子供は革命するしかない」との写真がありました。私はこの総括が極めて道理のありものだとおもいます。
もし香港の大陸化の運命が「展が定めて免れがたいもの」だとするなら、香港人は多かれ少なかれどうしよもうないわけです。では台湾が大陸と一体化したら、その責任の少なくとも半分は台湾の政界と財界が負うべきものでしょう。
台湾は香港とは違います。もともと独立したひとつの民主的政体でした。台湾の80台から90台の先輩達は崎を争って大陸に銭儲けに走り、二号を囲い、酒色に明け暮れ、いささかも台湾と言う国の前途を心配しませんでした。政治的な視野が狭く、北京政府に迎合する投票をしたから、台湾は今日の様な有様なのです。「両岸サービス業貿易協議」への反対運動は、90年後に産まれた若者たちが父の世代への債務の返済を迫っているその始まりなのです。(終)
拙訳御免
何清漣さんの原文は;服贸协议:中台一体化的最后铺路石 www.voachinese.com/content/sta-taiwan-china-20140324/1877849.html